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ユグドラ3(完)

Chapter ③『雌獅子の絶叫』


──ロケーション『小聖国ホーリノート』。

「おい、あれは何だ?」

 ゴルゴラが窓から見下ろした先、入城しようとしている者について白鷺教官へと尋ねたのだ。

 見事な風格の白竜人、黒鋼の大鎧を纏っている。後ろには従者たちや魔導馬車が続き、まるでどこかの勇者や英雄を思わせるものだったからだ。

「聖杖に興味を持ったさるお方が、貴方様にお会いしたいと」

 教官は普段通りの顔でそう告げつつも、下心を滲ませた小声で「土産物も持参だそうですよ?」と。

「知らん顔だ。問題はない相手なのだな?」

「ええ!それはもう立派な戦士様でございますよ……ええ」

 珍しくうっとりとした表情になった白鷺教官。手筈は全て整えていますからと、ゴルゴラに告げて部屋を出て行った。


 参謀役の教官がそう言うのだからと、ゴルゴラは深く考えることもなかった。時間になれば横柄な足取りで応接間へと向かい、少しだけ衣装に殉じた聖職者らしい微笑みで扉を開けるのだ。

 豪勢な応接間には既に土産物──という名の貢ぎ物が積まれていた。

 凛々しい黒鋼の鎧を着用した壮年の白竜が静かに頷いてみせ、ゴルゴラは破顔せずにはいられないのだった。

「これはこれは!」

 挨拶もそこそこにそれらに夢中のゴルゴラ、目の前に居るのがかつて陥れたユグドラだということに気付いてもいないのだ。

 金刺繍の白衣を纏った黒獅子、黒鎧を装備した白竜、巨大な雄と雄が室内を狭く感じさせている。


 こうまでお膳立てを整えたのだからと、ユグドラはそっとしかけていく。

「そうそう、ゴルゴラ殿は見目麗しい奴隷がお好きだとか。どうかお近づきの印に、我から献上させて頂きたい。どうぞこの中からお選びください」

 性奴隷を献上するからと、小さな冊子状の本を差し出すユグドラ。かつての彼からは考えられないような行動だろう。

「おお!これはかたじけない。であれば、遺物の使用や儀式の融通なども考えさせて頂きますぞ」

 これだからこの立場は辞められないと、ゴルゴラは上機嫌。だがそれも中身を見るまで。どのページにも、全裸のゴルゴラが雌として堕ちたあられもない姿が描かれていたのだから。怒りに立髪を逆立て、悪徳大臣ゴルゴラの憤怒。

「なっ……ふざけるなあ!」

「我は戯れなど好まぬわ」

 だがそんなものとユグドラは軽くいなし、見事な黒鎧を平然と脱ぎ始めたのだ。中に着用していた下着なども全て床に落とし、真珠を思わせる純白の鱗がどんな貢ぎ物よりも輝きを放つ。男らしい厚い胸板、隆起する筋肉、黒ずんだ肉のスリットがイヤらしく割れ目を見せつけているのだ。

「な、何をしているんだお前、ええい誰か!誰か来い!」

 流石におかしいとゴルゴラは叫び、兵を呼ぶ。だが誰1人として来はしない。あのユグドラに心酔している白鷺教官がとっくに指示をして下がらせているからだ。もちろん、居たところで役には立たないだろうが。


 ようやくと、ユグドラは神界では浮かべたことのない悪意の顔を。

「どうだ?罠にハマる気持ちは」

 ゴルゴラは理解させられる、これはきっと復讐なのだろうと。

「お、思い出したぞ……お前はあの時の竜人……!オレ様を倒して英雄にでもなるつもりか!?」

「まさか、そのような野蛮な事」

 静かに笑い、告げる。

「我は貴様とは違う、正々堂々と勝負をしてやろう」

「はは、乗った!このゴルゴラ逃げも隠れもしない!」

 この国の実質的な支配者にまで登り詰めた自分ならば、どんな勝負とて遅れを取るつもりはないとゴルゴラは胸を張ってユグドラと対峙するのだ。

「もちろん、勝負はコレよ」

「……ッ…お、おい冗談、だろ……」

 だがユグドラは開いた人差し指と中指を自身のスリットへと押し当て、見せつけるようにそこから雄陰茎を露出させていく。初めてここに連れられた時とは違い、旅路の中で様々な雄を食い散らかしたそれは明らかに淫水焼けした黒ずみと雄々しさを放っているのだ。完全に勃ちあがったそれをゴルゴラへと突き付けて言う。

「我が貴様を雌に堕としてやろう。そもそも──これは貴様が始めた戯れであろう?」

「ぐぅ……この淫獣たちの巣窟の主である、ゴルゴラを舐めるなよ!?」


 そして応接間など風情がないと、ユグドラはゴルゴラの太腰を抱いて移動。

 そこはゴルゴラの寝台庭園とでもいうような丸い空間。天井からは溢れる光が室内を照らし、中央は少し低くなっており豪勢な湯船が。円形の淵にそれぞれ配置された数々のベッド、普段はそこにお気に入りの性奴隷たちを侍らせているのだろう。

 その中でも特に大きなベッドにゴルゴラを放る。

「オンナを迎えるには良い部屋ではないか」

 抱く為に造らせたここで、まさか抱かれることになるとはとゴルゴラは唸り声を上げずにはいられない。

「さあゴルゴラよ、我と初夜を楽しもうぞ」

 その真珠のような巨体に押し潰され、否が応でも立場を理解しかけた黒獅子は目に見える何もかもが違って見えてしまうのだ。すぐさまに降り注ぐのはキス。

「どれ、その傲慢に染まった口を絆してやろう」

「ほざけ、竿奴隷などに──ンムゥウゥーッ!?」

 ここで竿奴隷としての訓練を受けていた当時とは比べ物にならないテクニック。

「ンプッ…ンーッ……ングゥ、ーッ……!?」

 執拗で情熱的、ゴルゴラの雄性を溶かさんとする熱。

「ッ!?ンッムッ…ムプッ…ムゥウウッ………」

 舌を絡ませ合い、口腔を犯し尽くしていく獰猛さ。

「……ッ…ーッ……ンムッ…ングゥウ……!」

 追い詰められていくゴルゴラ、ユグドラの手のひらの上で転がされるのみ。


 たかだか接吻、獅子の支配者はそれだけで股間をいきり勃たせて純白の装衣を乱してしまった。滾る下半身とは裏腹に、全身の弱々しいこと。

「どうしたゴルゴラ、途端に弱々しくなって。もう降参か?」

「が……ハーッ…ハーッ…………!」

 まさか先のキスで果てそうになったなど、口が裂けても言えないゴルゴラ。

 そうと気付いているのかいないのか、ユグドラは牙を見せ付けて挑発さえ。

「このような見事な寝室を持つ百戦錬磨の大臣殿だ、我を楽しませてくれるのだろう?」

 あくまで持ち上げ、煽る。簡単に負けられては困るのだというユグドラなりの戯れ。そのままゴルゴラを押し倒し、粘着くような指先の動きで服を脱がしていく。

「ふふ、この肉体で何夜を楽しんだのであろうなあ」

 元々、行為の為に直ぐに脱げる白の装衣だ、あっという間に黒獅子は全裸となってシーツに縫い付けられる。しなやかな白の手が身体付きを確かめるように愛撫の雨を降らしてくるのだ。

「いい身体をしているではないか」

「そ、そうだろう、これがオレ様の──」

 誇りを語ろうとした瞬間、ユグドラに抱き起こされて顔を密着させられてしまうゴルゴラ。

「ッ、何だ……!」

「だが我ほどではない。貴様も確かめてみるが良い」

 誘うユグドラの自信を打ち砕いてやろうと、ゴルゴラはその夜の歴戦たる手を伸ばす。

「ふ、ふん、この国の支配者であるこのオレ様が竿奴隷ごときの肉体に……」


 輝く白鱗、しなやかな竜肌が黒獅子の奢りをどうしてくれようか。触れれば触れるほど、愛撫のそれごとに湧き上がる感情。

「……な、何という」

 ユグドラの見事な体躯は神が創り出したと言われても納得するだろう。

「鋼のようだ、強い雄の……」

 地上のどんな職人も、このような雄竜の造形を生み出すことはできないだろう。

「千の真珠を磨いてもこうはなるまい……」

 ゴルゴラは逆に惚れ惚れとしてしまい、無心でユグドラの肢体を撫で付けていた。そして誘われるようにその股間にも。

「どれだけの雄を仕留めてきたというのだ……!」

 真っ直ぐに勃ち上がり、天を指す巨塔。

「ぅ……このオレ様が…欲して、など……」

 どんな男だろうと負けを認めるべき、雄の屹立だ。

「ああ、これが……この湧き上がるものが……」

 ゾクンゾクンと脈動する、胸の中のそれこそが真なる雄に出会ってしまった者の取るべき行動なのだろうと。


 気が付けばゴルゴラはその傲慢な口を柔らかに開き、ユグドラの雄へ口淫を落としかけていた。濡れた赤い舌先が、今にも雄を味わおうとした瞬間。

「良いぞ」

「ッ……!?」

 わざとなのかも知れない。無意識のまま敗北などつまらぬと、ユグドラが声を掛けたのは。

 そうとしか思えないような意味深な笑み、ユグドラはベッドで膝立ちになって両手を腰に当てて言う。激しい雄もブルンと揺れて。

「恐ろしいか?」

「な、何をう!このオレ様に恐れるものなど何もない!」

 子供じみた言い訳をしてゴルゴラは勢いだけは勇ましくユグドラの雄へとむしゃぶり付いた。

「は、はは……どうだ、ァ……オレ様が、竿奴隷など、逆に負かしてぇ…ンムッ……」

 寝台こそ自分の戦場だと気張るも、太く逞しい肉棒に三角形の耳がへたっていく。

「このオレ様が……直々に、しゃぶって、やっている、んだ……光栄にぃ………ンッ…レルッ……ンッ…チュッ……ムッ……」

 先走りを舐める度、雄々しい幹に舌を這わす度、目尻が垂れてしまう。

「……の、喉が焼ける……ンッ…ゴクッ……ンキュッウ……ああ、なんと……なんと……!」

 強靭なしなりを持つはずの尻尾を甘えるように揺らし、蕩けるような表情でフェラチオに夢中になってしまうゴルゴラ。人生で初めて捧げる為の口淫をし、それに浸ってしまっているのだ。

「くくく、ゴルゴラよ。自分がどんな顔をしているか、気にはならんのか?」

「ッ……馬鹿にするなあ!」


 小さく吠えるも、同じく巨体であるはずの黒獅子はユグドラに押し倒されてしまう。

「まさか、愛いと言っておるのだ」

 ささやかなキス。

「お、おい……!?」

 焦るのはそう、ユグドラの口付けがゆっくりと下へと下へと、身体の中心へと向かっていくから、両脚を簡単に開かされてしまったから。白真珠の雄竜の吐息が、誰にも暴かれたことのない黒獅子の雄門へと当たる。

「おお!なんとも可愛らしい桜色をしているではないか。このユグドラの為に散らさずに取っておいてくれたとは」

「そ、そこまで使うなどとは聞いていな、ンンッ…!」

 焦り声と両手でユグドラを止めようとするも、秘部を分厚い舌で舐め上げられる方が早く、艶のある淫らな喘ぎをあげてしまったゴルゴラ。

「ち、違う………」

 否定の声も弱い。ユグドラの諭すような視線で見上げられ、腰から力が抜けてしまう自分が情けなくて悪態を吐かずにはいられないのだ。

「オ、オレ様をそんな目で見るんじゃない!」


 からかうように、かつては善神だった雄竜の卑猥な雄門舐めが更に襲う。

「我には雌獅子の声が確かに聞こえたのだがなあ」

「そんな訳が、ンアァッ……!」

 ひと舐めごと、支配者たる黒獅子からは喘ぎ声が引き摺り出されてしまう。屈強な雄には、真の雄には勝てるはずがないのだと証明するように。続く、ユグドラの舌は何度だってそこを舐め上げていく。

「こ、んな筈が……!」

 征服する為に備わっているはずの獅子の肉棒からは、涙のように溢れる露。

「く…ふ、ぉっ……こ、このオレ様に限って…ぇ……!」

 雄肛門をねぶられ、ゾワゾワとした悪寒が男としての終わりを告げるよう。

「ンアッ…く、ゥウ……オレ様こそ、この国の支配者ぁ……!」

 絞り出す声には力など欠片も残ってはおらず、ユグドラが顔を上げてエメラルドのような瞳を合わせられただけでゴルゴラは動けなくなってしまうのだ。

「ならば我が貴様の支配者になってやろう」

 既に抵抗などないと分かっているのに、ユグドラはわざとゴルゴラを組み伏せる。支配者を明確にし、雌雄を決するための芝居といった所。ゆっくりと全身でゴルゴラを覆い、低い低い雄気の満ちた声を出すのだ。

「どうだ、我が肉棒も貴様を喰らいたくて堪らぬと言っておるぞ」

 言いながら男根を押し当てたのはゴルゴラの腹。


「ヒッ…あ……あ………ッ!」

「どうだ、これが貴様を雌にする竿奴隷──いや、竿主人とでもいうべきものか」

 ゴルゴラとて決して男として不足はない男性器を持つが、ユグドラのそれは勝負にもならない雄々しさ。ゴルゴラのモノを押しつぶし、腹にむっちりと押し付けられて誇示されては及び腰になってしまうのも仕方ないほどの巨砲。

「どうだ、貴様のココまで届いてしまうのだぞ?楽しみだとは思わぬか?」

 これが押し入れられれば、どこまで入ってしまうのかと明言したも同じ。ゴルゴラの呼吸は浅く、心臓だけが活発に。

「ふ、ふざけるなあ!誰が奴隷の逸物なんぞに!」

 完全に上気した顔付きになっている癖、ゴルゴラは吠えていた。

「ふはは、今まで堕とした雌たちもそんな顔で睨んできおったわ」

「オ、オレ様はそんな有象無象とは格が違う……ち、違うに決まっている!」

 そうだ自分こそ力と知恵、権力と策謀で大臣にまで登り詰めた男。国王すら逆らえぬ国の支配者、男の中の男であると鋭い目付きでユグドラを睨むのだ。


「おお、そうでなくてはな」

 そんな目付きだって経験済みだと、ユグドラはむしろ微笑ましい笑みすら浮かべた。

「どれ、大臣ゴルゴラよ。我の寵愛を受ける地上の子よ」

 そっと顔と顔が近付く。ほぼ密着しユグドラは真正面からゴルゴラを覗き込む。完璧なる雄気を纏った力強い白竜の双眼、黒獅子を射抜かんとする。

「至高の雄竜に組み敷かれたくはないか?」

 ビクリと震えるゴルゴラ。図星だと認めるも同然。

「もう身体の方は分かっているようだぞ、我を雄と認めて小さく震えておるわ」

 可愛らしいと笑うも、それは嘲りではなく抱擁。

「このユグドラのモノとなれゴルゴラ」

 囁く低音は拒否を想定などしていない。誘惑に満ち満ちた言葉がじわりじわりとゴルゴラの頑なな心に染み渡っていく。這いずって絡み付いていく。

「や、めろ……オレ様を、そんな目で…………雌を見る目で見るのはぁ……ぁ…!」

 腰から下がゾクゾクと疼くゴルゴラ。

 しかもユグドラはそれを間近で楽しそうに観察。

「初心な雄門が切なそうにしているではないか」

 股を開いて舐めながら、ユグドラは誘うのだ。

「貴様の粗末な肉棒で感じられる快楽などゴミ同然」

 さあ、さあと。

「我に貴様の本性を見せてみよ、共に新しい扉を開こうではないか」


 ゾクリゾクリ、ゴルゴラは自分の震えを止めることもできない。

 それさえ愛おしいと、ユグドラは暴虐の限りを尽くすだろう肉棒を押し当てながら抱き締めて囁き続ける。

「我が貴様を1匹の雌獅子と堕としてやろう、愛してやろうというのだ」

 もうゴルゴラの全身を走るのは痺れにも似た感情。

「ッ……な、んて雄臭いモンを、おぉ…………!」

 下腹部に密着させられた男根の力強さに、圧倒されている。

「オレ様が……男のオレ様が、こんな…ッ……」

 身も心も、屈服したくて堪らない。

「お前、なんかを……雄だと、欲して、いるだ‥なん、て……」

 立髪を振りながら何度も何度も顔を横に振るも、自分自身の気持ちには逆らえないのだろう、ゴルゴラの声はもう決壊寸前。


「さあ選ぶのだ」

 断頭の斧を振り下ろすが如く、雄竜は告げた。

「オレ様は……オ、オレ様はぁ……あ…あ…ああ…………」

 小さくか細い声で「欲しい」と言い掛けた、それはユグドラとて承知しているはず。そうだというのに心の底から意地の悪い、イタズラの笑みを浮かべてユグドラはとある品を取り出す。

「おお、そうであった、ゴルゴラ殿のせっかくの晴れ舞台だ」

「ッ……それはぁ!!」

 白鷺教官の仕込みによってユグドラが握っているマジックアイテム、それはこの国全体に映像を放送するもの。くだらない見栄の政治プロパガンダよりも、雌堕ちの瞬間をショーとして楽しもうというユグドラの提案なのだ。

「可愛らしい抵抗だが、無駄であると知れ」

 片手でゴルゴラを押さえつけ、アイテムを起動。浮かんだ金属球はこのベッドで起きていることを国中に配置してある何かしらに投影していることだろう。

「み、見るなぁ!見る、なあ!オレ様こそがこの国を支配する者、オレ様は選ばれた存在で──」

 制止の声も恫喝も必要ないと、ユグドラの肉雄がゴルゴラの柔らかな秘部に押し当てられる。

「ヒッ…あ!あああ!」

「そうだ、ゴルゴラ。貴様は我が選んでやったのだ」

 野心を秘め支配欲に満ちていた黒獅子の目から、そういった俗世のしがらみが消えていく。少しばかり胡乱、濡れたような金の瞳は細かく揺れているのだ。もう、もうたった一歩を踏み出すだけで奈落の底へと堕ちていけるのだと。

「自分で選ぶのだ」

 告げるユグドラ。

「雌を受け入れるか?本当の雄を知りたくはないか?」

 ドクンッと大きく跳ねたのはきっとゴルゴラの雄としての最後の鼓動。


「オレ様が……雌、雌に……あ、やめろ、押し当て、るなあ…そんな………オレ様よりも、上の、デカい、雄臭い、そんなもの、そんなものをぉお………!!」

「さあ選べゴルゴラ。さあ……さあ!」

 ユグドラの低音が腹の底に響いて仕方ない。もう駄目だと理解しているのだが、この全てを国中が見ていると思えばこそ堕ちきれない。自分こそ支配者だと虚勢を張るしかないのだ。

「あ、ぐ……ぅうう…だ、ああッ……こ、この愚民どもぉお……見るんじゃ、ないいぃい…!」

 だがそれも一言きり。喉から搾り出される声、腰を浅ましく前後させながらゴルゴラは言ってしまう。自らを見下ろし、組み伏せる至高の雄竜を求めてしまうのだ。

「オレ様が、オレ様は……犯され、たいっ………こんな凄まじい雄を見せつけられ、てはあぁ…オレ様を、犯してくれ……!」

 今まで勇猛に奮ってきた肉棒さえ情けない白旗のようにヘコ付かせ、ゴルゴラは服従の言葉を紡いでいく。

「そ、そうだ…欲している!雌にされても、構わない……!犯して、くれ……その雄々しい竜でオレ様を貫いて、くれぇぇ……!」

 尻穴がヒク付くのが恥ずかしくて堪らないゴルゴラ。だが肉体の疼きを止められはしない。こんな姿を民に見られているというのに、今から純潔を散らされるというのに、ユグドラという雄竜に犯されるのが誇らしくさえ感じられてしまっているのだ。


 ついに折れた黒獅子の言葉に、しかし白竜の声は静か。

「まったく、甘やかすのも大概にした方がいいとはこのことか」

「な……ぁ……?」

 ユグドラの両手がゴルゴラの股を割る、太ももをグッと持ち上げて雄門を容赦なく晒し者にしたのだ。そして爪を立てん勢いで組み付き、寝台の支配者たる雄竜は吠えるのだ。

「雌にされても構わない、だと!?」

 これまで幾多の雄を屠ってきた肉棒が、ズンとゴルゴラに打ち込まれる。容赦などない、躾るかのような一撃。マジックアイテムに見せつけるは、大臣ゴルゴラの処女喪失。

「んぁっがああああああぁぁーッ!!」

「貴様は!雌に!堕ちる!のだ!」

「が、ひっ!あっ!あ、がっ!ぐ、うぅーッ!?」

 浮かんだ撮影用アイテムの冷たい視線にも犯されながら、ゴルゴラはユグドラの屈強な腰使いにただ泣かされていくのだ。

「言葉使いには気を付けるがいい、この穴奴隷が!」

「ん、があぁあッ!熱い、尻がぁあ!」

 バチュン、ドチュンと激しく叩き付けられる歴戦の肉棒。既に何百という雄を味わい尽くしてきたつるぎ、いまさらゴルゴラの締め付け如きに怯んだりはしない。

「貴様はただ傅くのみ!」

「ヒッ、アアァーッ!?く、うぅうううーッ!」

 立髪の生え揃った大柄な獅子獣人のどこからこんな甲高い声が出てしまうのか。きっと子供にだって指さされて笑われてしまうような、それほどまでに情けのない喘ぎ声。

「貴様はただ床に這いつくばるのみ!」

「だ、あぁああッ!凄い、のがあぁあ!」

 体位を変え、ベッドにうつ伏せのゴルゴラの尻を押し潰すように掘り進むユグドラ。地響きさえ立てかねない掘削はこれまでのプレイの賜物。雄として覚醒した今、どんな淫らで乱暴な行いをしようが相手を屈服させるのがユグドラなのだから。

「貴様はただ尻を突き出し慈悲をこうのみの存在!!」

「あ、ぐうぅう!あ、んぐっぅう!このオレ様が、喘がされ…てるッ!?犯され、乱されてえええ!」


 ユグドラは巧みに撮影アイテムの画角にゴルゴラの痴態を収めながら、その心を抉り抜かんと声を荒げるのだ。

「さあゴルゴラ、竿主人を讃えよ!さあ!」

 非道にもうつ伏せのゴルゴラの立髪を鷲掴みにし、顔を起こさせて撮影用マジックアイテムに全てを吐き出させるユグドラ。

 雄の力強さに屈服し女々しい穴奴隷と化した者の喉から出る言葉など。

「ヒッ、あああっ!す、ごいぃぃ雄のチンポでオレ様がああァ!……ぐぅぅぅ、オレ様が──わたしが間違っておりましたぁああーッ!」

 雄気取りの一人称など改めるしかない。

「あっ!ぐぅ!ンンッ!ユ、ユグドラ様こそぉ、真の雄!雄っ、チンポですっ……!」

 この地上でひと柱、真の雄だと認めるしかない。

「ヒッ、ああああっ!わたし、わたしのような雌猫などおぉ、きゃんきゃんと吠えるだけの子猫にぃ、過ぎませんでしたぁああ!」

 尻穴をニチニチと締め、全身であらゆる媚びを表現しながら自身をこれ以上ないほどに貶めてみせるのだ。身を捧げるべき主には、それ以外の態度などとれはしないのだから。

「ふは!素直な穴奴隷ほど、主人を満足させるものはない」

「あひっ、いぃい!あ、ありがとうござ、います、ユグドラ様!ユグドラ様ぁあ!」

 ドン、ドンとひと突きごとにゴルゴラの腹筋が内部から打ち上げられる。肉棒を納めるべき雌穴と化した尻を必死に突き出し、ただただ感謝の涙と愛液を垂らすのみ。


 だから竿主人であるユグドラの言葉には絶対服従。

「さあゴルゴラよ、貴様の悪事の全てを吐き出せ」

 犯され、女として弄ばれ、ゴルゴラはそれまでの悪徳政治さえ暴露させられてしまう。肛門をこれでもかと掘り抜かれ、ナカ肉を突き上げられる度にキャンキャンと甲高い声で鳴く雌猫とはこのこと。国民たちに自らの放送用マジックアイテムで全てを見られながら、その悪事をこれでもかこれでもかと白状していくのだった。

 そうして積み上げられた罪。

「────だ、だからあぁ、反省!反省している、オレ様が悪かったああ、悪徳大臣ゴルゴラは、こうして成敗っされてる!強い雄に、オンナにされ、てるからぁああああ!!」

 きっと国中で嘲笑と軽蔑の歓声が上がっていることだろう、そう思うだけでゴルゴラはユグドラの肉棒を締め付けるのを止められないのだ。思考も性癖も、この雄々しい白竜に滅茶苦茶にされてしまったのだ、もう以前の自分になど戻れるはずもない。今が嬉しくて、喜ばしくてどうにかなってしまいそうなほど。


 だからこそ、ユグドラの次の言葉にだって逆らうことなど出来はしない。

「さあゴルゴラよ、貴様の権限の全てを明け渡せ」

 白鷺教官に用意させていたもう一つ、契約のマジックアイテムだ。それもこの国に伝わる強力な代物で、容易に破棄など許されはしないレベルの逸品。その羊皮紙のような古めかしい一枚を、ユグドラは当然といった態度でゴルゴラへと突き出した。

 ひた犯される雌猫に迷いなどない、自身が持っている何もかもをつらつらと吐き出していく。

「────など、全て!オ、オレ様……わ、わたしの人権も、肉体の権限も、積み上げてきた全ての権限を竿主人に──ユグドラ様に譲渡します、っ!献上させて、くださいっ、強い雄に、雑魚雌からのぉ、贈り物っです!どうか、どうか受け取ってくだ、さいぃい!!」

 言ってしまえばユグドラを祝福するかのように羊皮紙がひかり、大臣ゴルゴラという立場は永遠に消滅した。残されたのは本当にただ、ユグドラの穴奴隷だという事実だけ。

「あ、あああ!終わっ、たあ……!わ、たし、完璧に、終わったぁ、雄のチンポに終わらせ、られたぁあ…………わたしは、もう…もぅ…ぅ…………」

 呻くゴルゴラを慰めてやろうと、むしろユグドラの抽送は大胆かつ大仰なものへと。これでもかと腰を打ち付ければ、ゴルゴラの体格でさえ意識が飛びかけるほどなのだ。

「ああぁっ!?待っ、そんな、まだ激しく、なる、なんてえええ──」

 あまりの破壊力にゴルゴラの尻穴はギチギチと雄を締め付け、それが余計に自身を追い詰めてしまう。ああ、あの傲慢なる黒獅子も今や雄竜の蹂躙によって呆気なく昇り詰めてしまうだろう。


「イけ!雌獅子ゴルゴラ、果てよ!果てよ!」

 暴力じみた腰使いは無法者を思わせる動き。

「あ、ああ!あ!あ!ケツが、チンポに負け……あっ、ああぁあぁあーーッ!!!」

 顔面を鼻水と涙でぐしょぐしょにした姿を放送マジックアイテムに全て映されながら、ゴルゴラは尻穴の刺激だけで達してしまった。使い込まれた肉棒は一度だって触れられることもなく哀れにもビクンビクンと跳ねては精を撒き散らす。もう二度と正規の使い方はされないだろうソレは、必死になって白いお漏らしでユグドラ様への感謝を伝えるだけの器官と成り果てたのだ。

「ゆけ!ゆけ!無様なメスイキ姿を晒せ!!」

「ぐ、うぅうう止まらなぁああ、ぁあぁああーーッ!」

 びゅるうう、びゅくびゅく。壮年にして滾る性欲、こぼれんばかりの大粒の睾丸からこれでもかと反省の雫を吐き出していくゴルゴラ。男として完全に敗北し、雌を認めながらの無様射精。国民全てがその姿を笑い、きっと後世にまで語り継ぐだろう。


 だというのに、ユグドラの腰は止まらない。雄竜、竿主人はこんなものでは許しはしないのだ。

「あ、っが!ヒィ、イイイイ!イッてる、イッてるの、にぃいいいい!?」

「ふはは、欲張りな肉壺が我の肉棒を締め付けて離さぬではないか!?」

 ガツガツと犯し、ゴルゴラの尻の肉襞を楽しみ続けるユグドラ。自分が雄としての役目を終えるまで、この交尾は終わらないのだと態度で示す。腰の打ち付けで示しているのだ。

「雌汁止まらな、ああ!だ、駄目だぁああ、まだ出るッ……出てる、のにぃいいいい!!」

 潮吹きめいた薄汁を情けない半端な勃起から噴き上げ、ゴルゴラの目には涙。

「さあ!貴様が虐げてきた全ての国民の前で種付けされよ!」

「……ひあ、ああ!……た、種付け、されたい……されたいですユグドラ様ぁああ!」

「さあ!我の雌に!我の穴奴隷に!」

「あぁッ!あっ!す、既にわたしは貴方様の雌、です!既に貴方様の、ユグドラ様専用の穴奴隷で、ございますぅう……!」

 それが事実、それが全てだとへり下る。媚びるように両耳を伏せ、ゴルゴラは喘ぎ散らかしながらユグドラの激しい前後運動に腰をガクガクとさせるばかり。

「我が貴様を飼ってやろう!」

「あっ、ヒッ…あ!が、ああ!あ、ありがとうございま、すぅうぅ!」

「今後、貴様は一枚の着衣も許されず、立髪も刈り揃えられて我の元で侍るのだ!」

「ありがと、うござい、ますッ!ゆぐどら、さまああーーッ」

 こんなにも情けない声で鳴く者を誰が支配者と認めようか。既に完璧に終わったとこの国の誰かも彼もが理解しているからこそ、ゴルゴラはただ縋るべき主の名を叫んだのだ。


「雌獅子ゴルゴラよ、世界竜の祝福をその尻で受け止めるがいい!!」

 唸るユグドラ。神界ではこんな荒々しい声など絶対に出さなかった。こんな野生動物めいた腰の使い方など絶対にしなかった。ゴルゴラをこうまで堕とせたのは、完全に雄として目覚めたユグドラだからこそ。だからこそ、その本懐をいま果たさんとする。

「さあ、出すぞ!孕め!終われ!我が子種で腹を満たしてくれようぞ!ふ、んぬぅうううううううーっ!!!」

 雌獅子の体内の1番奥で、むちりと開いた鈴口から放たれる白、その濁流。火竜が渾身のブレスを吐くが如くの鼻息と共に、雄の勢いが全て全てゴルゴラへと押し寄せる、注ぎ込まれていくのだ。ゴプッ、ゴプッと神であった竜にして下品極まりない雄汁の迸る音。

「あ、ぁあああああ孕ませられる、終わらせられるッ……!ユグドラ様の雄ザーメンでわたし、わたし、はぁあああ────」

 しなやかな尻尾をユグドラの片足へと巻き付けながら、ゴルゴラも果てさせられてしまう。小さく飛沫を上げ、体内に満ちていく屈強な雄の息吹を感じざるを得ない。男に屈し、誉れ高い顔さえしながら中出し行為を受け入れる自分、既にオトコを手放したことなど今の多幸感に包まれるゴルゴラにとってはどうでもいいことなのだから。


 そして変化は直ぐに訪れる。

 ユグドラの腹部に薄く光っていた『暴虐の呪い』それが強く発光したかと思えば、ユグドラの全身を包み込んで鱗の色を変えてしまったのだ。純白の真珠から、濃艶の黒真珠を思わせる漆黒へと。

「おお!これほどの神性が漲ってくるとは……!」

 だがそれと同時に、地上に落ちて失っていた神としての力『神性』が満たされるのも感じられる。これが『暴虐の神××××』の策略、悪しき神の罠だと頭のどこかでは理解していても、雄を堕とすこと、力が漲ることへの全能感がそれを些事と切り捨ててしまうのだ。

 ここには主人を諌める忠臣──下神など存在しないのだから。

「くくく、これならば地上の雄を皆、喰い散らかしてしまうかもしれんのう」

 どこから見ても悪神らしく、悪辣に口元を舐めてほくそ笑むユグドラ。今しがたこの国の全権を手に入れたように、ここを手始め手に世界を手に入れるのも面白いかと思考を巡らせるのだ。

 後世で『暴虐竜王』と呼ばれる存在が生まれた瞬間だ。あの偉大なる善性の神『世界竜ユグドラ』はこうして『暴虐竜ユグドラ』へと堕ち、黒い黒い鱗を邪悪に輝かせて地上世界に手を伸ばすのだ。

 きっとこの力あれば容易く地上を支配できるだろう。

「そうともなれば、ゆくゆくは──」

 そのルビーのような真紅の瞳は神界へと鋭く向けられて。地上で邪な力を蓄えた後、この暴虐竜は神界に新たな争乱を引き起こすだろう。許されざる邪悪な戦と淫らな肉のまぐわいを神界にもたらす存在となるのだ。


 <終>


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