タップ⑤
Added 2025-01-31 15:00:00 +0000 UTC『シソンヌを探して』中編1
Chapter ⑤『冒険紀行』
──ロケーション『コンカッツ湖』。
ほぼ海と呼ぶべきであるような広さの超巨大湖。そこには幾つもの移動する浮島が漂っており、そこに住まう彼らは『湖渡りの民』と呼ばれる。中には湖を対岸から対岸へと往復する浮島もあり、僅かな運賃とアイテムやら土産話で宿さえ貸してくれるのだ。
既に2人で幾つかのダンジョンやらありきたりなロケーションを巡ってはいたが、こんな珍しい場所は初めてだとタップは浮島の中をキョロキョロと。
その間にダンクスは年長者らしく泊めてもらう算段をつけてくれてる。
浮島村の子供たちと一緒になって駆け回るタップの元へと戻ってくるダンクス。村の人々に見守られながら相棒へと声をかけるのだ。
「タップ、空き家を借りれるそうだ」
言いながらまるで自然な動きで屈んでキス。
「え?え?」
「『番を大切にする』。ええ、素晴らしい文化だと思いますよ、やはり身持ちは堅くなければ」
立ち止まって思考停止しているタップを他所に、ダンクスは村の人々にニコリと笑みを返す。
「それでは夕飯楽しみにしています。もちろん、旅の話をお聞かせしますよ」
静かにタップの腰を抱き、貸して貰えることになった空き家へと。
終始無言のまま歩き、2人きりになった途端にタップが騒ぎ始める。
「さ、さっきお前!ダンクス、キス!キスしたろ!?」
「それは──」
この巨大湖、この浮島村では『番を大切にする』という文化が強く根付いており、そうでなくては認められないのだという。宿を借りる都合上、不器用にも流れでそう言ってしまって収集が付かなくなったダンクスなのだった。
「え、ええ……」
色恋沙汰とは無縁のタップだ、露骨に面倒くさそうな反応。いつものようにダンクスが「悪いな」と言い、2人は番の振りをすることに。
となれば村の皆が集まる食事の場、酒の席、大きな共同浴場などなどでそれ相応の振る舞いをしなければならないということ。
ダンクスは特に真面目な所があるせいか、村の雰囲気に乗せられて頑張ってしまう。ところ構わずにタップの腰を抱き、座れば抱き寄せ、村の皆がするように場面場面でキスの雨を降らせてくるのだ。
夕飯の席など、タップが食事を食べる暇もないほどにベタベタと。生来の性格を、おかしな方向への努力が上回ってしまった結果がそれなのだった。
そのせいで。
「お、お前なあーっ!?」
最後には、年頃の番には真っ赤なケープを着せる習わしがあるとかで、タップは民族風の刺繍が施された赤布を着せられてしまっていた。更には借りた空き家から、より離れのコテージへと場所を優遇して貰うまで。
「絶対、変に気を使われたろコレ!?」
何せ、コテージの中にはロマンチックなキャンドルが灯り、甘ったるい香までかおっていたから。村の皆なりに『励んでくださいね』という気遣いなのだろう。
「せっかく泊めてくれるのだから、郷に入れば郷に従えと思ったんだが……不味かったか?」
「いや、そういう話じゃなくてーっ」
鈍い奴、とタップは肩を怒らせて扉をしっかりと閉める。大股で戻ってきてダンクスをバシバシと叩いてベッドに追いやった。
「ええい!」
馬乗りになると小さな両手で今度は自分から猫科同士の短いマズルキス。二つの意味で舐められっぱなしでは、冒険者パーティのリーダーとしての沽券に関わるからという思いが込められたもの。
「ンッ……?」
「ぷはっ……うーっ、こっち見んな!」
ケープと同じ色に頬を染め、尻尾でベッドを叩きながらタップは騒がずにはいられなかった。
ダンクスの膝に乗っかり、ケープを開いて2人分の首に回して紐を結ぶ。どちらにせよ布地の少ない身体をダンクスへと密着させ、タップは有無を言わせずに自分優位のキスを仕掛けていくのだ。
「ンチュッ……ンッ♡」
気付けば服の上からではあるが兜合わせのようになり、ダンクスの固く熱いものがヒクンと感じられる様。自分のそれも貞操帯に収まりつつも反応してしまうのが気恥ずかしいタップ。腰が浮ついてしまいそうになりながらも、タップは強い意志でダンクスの大きな口を襲い続ける。
「リーダーはオレ!勝手は許さないかんな」
「ああ、その通りだ」
少し困ったような少し嬉しいようなダンクスの様子が気に食わないのか、タップはより一層にキスを頑張ってみるのだ。
「ンウッ……ンッ…ンムッ♡アッ……チュ、ン♡」
けれど獅子少年の経験値では舌ったらずなキスが精々。ダンクスが仕掛けてくるような蕩けた感覚には程遠く、もどかしくなってしまうタップ。
「…………。リ、リーダー命令!」
だからこんなことを口にしてしまうのだろう。
「さ、さっきみたいにして、しろ!」
「ああ、分かった」
横暴とも取れる態度にさえ静かに頷くダンクス。村中でしたように、夕飯の時でも平然としてみせたような深めのキスをリーダー様に下ろしていくのだ。
唾液を交換するように舌と舌とを擦り合わせる。口を中心にタップの体温はどんどん上がっていく。かと思えば天地が逆転し、今度はダンクスに押し倒されてしまう。甘いキャンドルの匂いなんてかき消すような、強い雄の匂いがタップを包み込んだのだ。
融通の効かない堅物ながらも、こんな時ばかりは優しく男らしい大きな顔。
それにタップはドキドキとしてしまう。
「ンッ♡あ………ンンッ♡」
大人の余裕、それを感じさせる動きで追い詰めてくる大きな舌。
それにタップは息も出来なくなってしまう。
「ンアッ♡ンッ…ーッ……ア、ーッ♡」
キスをしながらも肢体を撫で回すは無骨ながら誘うような大きな両手。
それにタップは触れられただけで火傷してしまいそう。
「ふ、あ……♡ぅう……アッ、ンムッ♡」
覆い被されたらもう視界はダンクス一色、大きな身体。
それにタップは強い雄性を感じて下半身が疼いてしまう。
「……お、重いって…アッ♡ンンンーッ♡……ッ♡…ァ………ンッ、チュ…ぷ、あっ♡」
口を犯されながらも自分で結んだケープのせいで離れられずグリリと密着するは、ダンクスの豊かな実りある大きな股間。
それにタップの理性は限界を超えてしまいそう。
「お、押し当てんなってぇ……あ、ンアッ♡ンッ、アッ……ンチュ、ァ……♡」
ドキドキがただ加速し、口が酸素とダンクスだけを求めてしまう。ベッドに押し倒されて可愛がるように抱きすくめられ、あとはもうキスを受け入れ続けるだけのタップ。
貞操帯の締め付けに若雄をヒクヒクとさせている時だ、ダンクスが優しく肩を撫でてくれたのは。少し性急なキスとは反対に、安心させるようポンポンと撫で付けるような抱擁感に恥ずかしながらも感じ過ぎて果ててしまうタップ。
「ッ………ンッ………〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」
小さな身体をブルリと震えさせ、腰を小さく前後させて甘えた吐息を吐けばバレないはずがない。
それでもダンクスはキスを継続、タップの身体に自分という存在を刻み込むような、そんな口付けを続けたのだ。唾液をゴクリと、ビク付くタップの甘い痺れが治まるのを待ち、ダンクスは額を押し付けながら問いかける。
「ぷ、はっ……タップ、キスだけで出たのか?」
「……ッ…はーっ……はーっ…………息、させろってぇ……」
快楽の余韻を楽しむような、少し苦しそうにタップは苦笑い。ダンクスの服の胸元をくしゃくしゃにながら肩で息を吐き続けるのだ。そうして夜は更けていくのだが、朝までケープの紐が解かれることはなかった。
因みに湖の対岸までは四日間。
滞在の最中、ダンクスからの許されるべきスキンシップは最後まで留まることを知らない。最後の晩には結局、甘いコテージでキス以上のことさえされてしまうタップなのだった。
* * *
──ロケーション『ダンジョン・心眼の神殿』。
広域地図を片手に道案内を終え、得意げな顔でダンジョンを指し示すタップ。
「ここがお目当てのダンジョン!」
「そろそろ説明してくれないかタップ」
先に立ち寄った町よりしばしのこここそ、タップがダンクスの為に見つけておいた所。心を鎮める訓練になると、噂になったりならなかったりする程度の知名度。マイナーながら、タップが得意のガイドブックから探し出した最寄の訓練の場というわけだ。
古びた石柱の間を進めば、地下に進むためのわざとらしい程の大きな階段がぽっかりと口を開けているのが見えた。そしてその行く手には、台座の上にこれみよがしに浮いている指輪。パーティ人数を検知して2つ、魔法によって生成されたのだ。
「コレを装備するとここのモンスターとかが見えなくなるんだって。オレは装備しないから、危なくなったら助けるからさ、今日はバッチリ強くなっちゃおうなダンクス!」
タップの意向を理解し、ダンクスはそっと指輪を装備してみる。
「こ、これは……ッ!?」
タップからは何の変化も感じ取れないが、自分を見つめるダンクスの表情はどこか驚きに満ちていた。着け外しも自由らしいので脅威にはならなそうだが、一応と聞く。
「平気そう?」
「も、問題ない」
階段を進めば石のデッサン人形のような簡易的な作りのモンスターがちらほら。石造りの一般的なダンジョン構造ながら、訓練を主としているので非常に明るい。
とはいえダンクスは目視に頼ることが出来ない為、いつも以上の集中力を要することに。
「もう居るからな、気合いでなんとかしてくれよ!」
援護としての舞による強化をしつつも、タップは静観の構え。
「む、無茶苦茶だな」
殆ど丸投げな訓練方法に呆れつつも、ダンクスはそれだけ期待してくれているのが嬉しくなって口角を上げてしまうのだ。拳を強く握り締め、勇気が後から後から湧いてくる。
以前まではどんなパーティに所属しても、狂暴化を我慢しろとしか言われたことがないからこそ、親身になってくれるタップの気持ちが心に染み入ったのだ。
最初こそ苦戦を強いられたが、次第に要領を掴んでいく。視覚以外の感覚を頼りに、拳が不可視のデッサン人形の真芯を打ち抜いていくようになるダンクス。砕けた石をそこかしこに積み上げながら、2人はダンジョンの奥へと。
順調ではあれど、それなりに攻撃を受け、殴打による小さな打ち身を増やしていくダンクス。
「ッ…グゥ………っ、フーッ!」
次第に息を荒げ、タップの方をチラチラと見たり、見ないようにしたりと挙動が怪しくなってしまうのだ。
「やっぱり抑えられなさそうか?大丈夫か?」
「い、いや……問題ない」
ダンクスにとっての一番の問題。それは先の指輪の効果によってモンスターの姿だけでなく、タップの装備品さえ全て透けて見えてしまっているということ。孤独な戦いとは、モンスターを相手取ることよりも、目の前を先導するまあるい生尻の誘惑をどう振り切るか、そちらの方がよっぽど重たいダンクスなのだ。
戦いなど半ば無意識、ただただタップの尻に夢中だった。
だから心を鎮める訓練ではあったのだが、意味があったのかなかったのか。
「おお!ホントは見えてんじゃね!?」
タップが驚くように、ダンジョン最奥のボスにだって善戦。
「う、わ、わわ!わおおっ!?」
サイズが大きな石のデッサン人形、複数の腕がダンクスを狙う。
「お、うわっ、いけ!そこだダンクス!やっちまえ!」
それらを掻い潜り黒虎の剛腕が唸りを上げれば、余りある攻撃力がボスモンスターといえども粉砕せしめるのだった。
興奮した様子で拍手喝采のタップ、ダンクスを引っ張りながら更に奥へ。
「へへへ、ボス部屋のお次は〜」
タップが期待するのはダンジョン攻略の華、宝物庫だろう。
「じゃん!」
だが、幅広の台座がポツンとあるだけ。宝箱の一つもなく、小さなプレートには『ここでの経験の全てこそ真の宝である』などと格言のように書かれているだけ。
「ふざっけんな!ダンクスもなんか言えって!」
「すまん……もう限界だ」
もうモンスターの脅威もない。ダンクスは石の台座にタップを組み敷き、荒い鼻息で小さな相棒を見下ろす。
「えっ、あっ……こ、ここで!?なんで!?」
「すまん実は──」
そして白状するのは指輪の効果。今までずっとタップが全裸に見えていたということ。
「へ、変態!し、信じらんねえ!?」
思い出せば出すほど、自分の行動が恥ずかしくなってしまうタップ。どちらにせよ踊り子衣装など布地の少なさから裸と大きくは変わらなというのに、今更ながら胸や股間を手で隠すのだ。
「い、今も素っ裸に見えてる……んだよな?」
頷くダンクス、申し訳なさそうに。
「オ、オレそれなのに、うぁああ〜」
頭を抱え、得意げに先導していたことを思い返して恥ずかしくなってしまうタップだった。
「タップが暴れてどうする」
片手でタップの下顎を持ち上げ、キスでもしかねない距離で見つめ合わせるダンクス。
「……頼っても良いんだろう?」
「ッ!」
視線を外し、拗ねたような怒ったような声で答えるタップ。
「それ言われたら、断れねーじゃん」
だからダンクスも、タップに負担はかけない提案。少し気恥ずかしそうに言ってみるのだ。
「帰りのこともある、素股でならどうだ」
「スマタってなに?」
「あ、いや……俺が説明する、のか」
意外にもこれは知らなかったタップ。挿入を行わず男性器を股下で挟んで行うプレイ、であると真面目に解説するダンクス。
「そ、そんな変態なことすんの!?」
「…………今更じゃないか?」
既に何度も肌を合わせた身、ダンクスの言うとおり。むしろタップは初めてのそれをしたくなっている様子で、ソワソワとし始めているのだから。
「どうせ見えてんだろうけど、汚れるのもやだし」
目付きで「この変態」と怒りつつ、透明に見えていると分かりつつも踊り子衣装の下を脱いでいくタップ。小さく声を上げながら、貞操帯も取り外す。台座に両手をついて、そっと柔らかな尻たぶでダンクスを誘うのだ。
「ほ、ほらよ」
「……悪い」
タップの尻尾の付け根を持ち上げ、ダンクスは自制心と戦いながら自分も男性器をぶるんと露出。ビグッと跳ねる雄、今まで我慢していた分をここで発揮せんと先走りさえ。
だがダンクスはタップの腰を抱き、ついいつもの流れで挿入しそうに。
「ヒャ♡……こ、こらあ!?」
「す、すまない!」
興奮し過ぎていたからか、無意識がそうさせたのかもしれない。謝りつつも、今度こそとそっとタップの股下へ男根を押し込んでいくのだ。
「ンッ……やっぱ、デカいなぁ……♡」
力強く腰を掴まれただけで、タップはいつもの情事の激しさを思い出してゾクンとしてしまう。股下できゅっと挟んだ相棒の固さ、逞しさに身体が負けてしまいそうになってしまうほど。初めて行う素股への期待感に、タップだって若雄をヒクンと反応させてしまうのだ。
ダンクスはそうっと腰を動かしていく。
「これっ…………変な、感じっ……♡」
タップの声は上擦ってしまう。ぷっくらと膨らんだ会陰、思春期男子の玉裏を図太い雄の肉棒が前後し続けているから。柔らかな毛並みを、固い雄の欲望が擦り上げていく。少し汗ばんだ股座が、ダンクスの透明な雄汁で濡れゆくのも直ぐ。
「あ♡ンンン……感じるかもぉ♡」
背中に降りてくる鼻息が荒いことが、タップを嬉しくさせる。いつもとは違う方法で楽しんではいるけれど、ダンクスだって情動を満たしていると分かったから。だからこそ、ついからかうようにタップはあえて聞くのだ。
「ぅぁ……んぅ♡ダ、ダンクスは、どうなんだよぉ♡」
「ん、フーッ……俺か?」
腰を動かしながら、タップの小さな股下の隙間を堪能するダンクス。自分でも意識していない微笑を浮かべ、声を落とす。
「ただ、可愛いなと思って……」
途端にタップの股下がキュンと狭まってしまう。締め付けと尻尾の乱舞がダンクスを襲うが、声の主は赤面のままに騒ぎ立てるのだ。
「は、はぁあ!?………オ、オレは成長期だから!」
構わず男根で股下を刺激されてしまうタップ。
「ンッ♡あっ………い、今にダンクスよりデカくなる、からぁ♡」
大人と子供の体格差、ペニスのサイズだって段違い。
「立髪だって、ひまわりみたいに生え揃う、からぁ♡」
だからこそこうやって雄としてのマウントポジションを取られているのは、今だけだからとキャンキャンと吠え立てるのだ。
「んくっ♡擦れ、んの、気持ちぃ♡……だ、から……そのうち逆に抱き抱えてやるし……ぃ♡」
タップのそれは可愛らしい一杯一杯の強がり。
「ああ、楽しみにしてる」
むしろダンクスをより興奮させてしまうだけ、落ち着いた声にも野蛮な雄性が滲んできてしまうのだ。
「だから今は、今だけは俺の好きにさせて貰おうか」
タップの未成熟な性器からは、涙のように我慢汁が垂れ続けている。それは全て真下のダンクスの太男根に垂れ落ち、2人分の愛液でもって激しい前後運動を飾るのだ。
「あっ♡それっ♡下っ腹に、響くぅぅ♡」
本気の、雄の動きになったダンクスの抽送がタップの意識を乱して仕方ない。
「ダンクスの、デカいの……感じる、ってぇ♡」
太ももでギュウウと抱きしめ、締め付けてその太さと熱さを股下で愛していくタップなのだ。自分だけでなく、ダンクスにも気持ち良くなって貰おうという、雌性の奉仕。
2人は互いに気持ち良くなり、昇り詰めていく。喘ぎと吐息がごちゃ混ぜになりながら、ダンジョンの最奥でケダモノのように性器を擦り合わせていくのだ。
盛り上がるついで、ダンクスはなんともなしに腕を回してタップの両胸を揉んでみる。
「ンアァッ♡バ、バカァァッ♡」
「急にギュウっとして?気持ち良いいのか?」
「〜〜ッ♡……う、るせぇえってえ♡」
文句を言うのも、ダンクスの大きな手が薄い乳房を揉みしだいたり、乳首をこねくり回したりするから。突然の強襲に理性が弾けてしまい、タップの腰はガクガクと震えてしまうのだ。息の仕方も分からなくなり、ダンクスの与えてくる快楽刺激にもみくちゃにされてしまうのだ、もう、もう。
「あっ♡あっ♡バカァ♡ダメ、ダメ……オレッ……オレェ……もうっ♡」
「いいぞタップ、俺もその声聞いただけで……!」
蕩けた喘ぎ声に、欲情し切った低音が重なる。
「あっ♡ああぁ〜ッ♡出るうぅぅーッ❤︎」
「くぅ……俺も、タップ!出すぞッ!!」
2人して石の台座へと思い切りの吐精。ダンクスの太い男根が射精の度にビグンビグンと跳ねるものだから、その勢いに押されてタップまで裏球を刺激され続けて普段よりも精を撒き散らしてしまうことに。
互いに満足いくまで唸るような精の解放を楽しむのだった。
静寂の石小部屋には息遣いと生臭い性の匂いだけ。
2人はクタクタになりながらも、いつもとは違った新鮮なプレイを満喫。
「は、はは……相変わらず、量えぐいのな」
タップは瞼をしっかり開くのも億劫なほど疲れ、しかし半笑いでダンクスを褒めた。
「ふー…はぁ…………な、中で出されると大変なんだからな」
これも狂戦士の特性なのか、性豪すぎるだろうとタップは呆れてしまうほど。しかし返事がないことに疑問。
「ダンクス、聞いてんのか?」
「えっと、だな」
ダンクスが困ったように指をさす先、タップはようやく目をしゃんと開けて石の台座の上をよく見てみる。
「うお!?」
そこには2人分の精液がかかったことで、輪郭が顕になった小さな宝箱か何か。
「これって!」
「……最悪な見つけ方をしてしまったな」
本当は心の目だとか心眼だとか、精神論的な看破だとかを意図して隠してあったのだろう。ダンクスの言う通り、まさかこんな低俗な方法で発見されるだなんて、ダンジョンの制作者には絶対に知られたくはない2人なのだった。
帰り際、宝箱から回収した金貨を皮袋越しに叩いてホクホク顔のタップ。
「どうよ?為になったか?」
せっかくの訓練だ、後半の騒動のせいで有耶無耶になるのも困ると問いかけたのだ。しかし2人がダンジョンから一歩外へ踏み出した途端、過剰な光の演出でもってダンクスの指輪が消滅していく。
「ありゃ」
「……ちぃ」
珍しく舌打ち、名残惜しそうなダンクス。だからタップはつい疑いの目を向けてしまう。
「為になったかって聞いてるんですけど〜?」
だからやはり珍しく、自信の無さそうなダンクスの肯定。
「……も、勿論だ」
「おい、本当だろうな!?」
* * *
名もなき平野を進むのは満腹の小獅子と大虎。
「いや〜、ラッキーだったな!」
「ああ、こういうのも旅の醍醐味だからな」
何の刺激もない平野を歩いていた2人が、その鋭い鼻で肉料理の良い匂いを嗅ぎつけた時には、2人してまずは自分の鼻を疑ったほどだ。程なくして平野にポツンとのぼり旗を立てた、謎の移動料理店を見つけた時には、既に2人の口内はヨダレでいっぱいだった。
そうして注文、注文ときて、また注文。
恰幅のいい白豚店主が大喜びするほどの食いっぷりを見せた2人なのだった。
「食った食った。干し肉ばっかじゃ飽きちまうからな〜」
「土産の酒までサービスして貰えたからな、また会いたいものだ」
腹をさするタップに対し、ダンクスは小さな小瓶を大事そうに抱えて。
「ちぇっ、ダンクスばっかりずりーのな」
「タップも大人になったら、な?」
──ロケーション『旅人達の小屋』。
冒険者ギルドや商業ギルドが設営している、無人の休憩小屋。各地にあるが、場所によって規模や品質がまちまちなのがたまに傷。平野を抜けた先、山岳地帯への入り口にあったそこは狭いながらもしっかりとした作りで休むには良さそうであると。
まだ日も暮れていないのに2人が小屋に篭っている理由。
それは先の移動料理店で貰った酒が猫科には“良い意味で毒”だったから。
「あっはは、マタタビ酒だったなんてな!」
「タップ……もう笑うな」
そのせいでダンクスが頭を抱えているのは、下半身の滾りがどうしても治まらないから。
箸が転んでもおかしい年頃のタップ、元から陽気なこともあってずっと笑いっぱなしなのだ。大笑いを我慢しながらも、タップのニヤ付きは抑えきれていない。
たまには主導権を握ってやろうとタップ、ベッドで気持ちを落ち着かせようと寝転ぶダンクスの両脚の上に跨った。
「にへへ、オレが手伝ってあげよっか〜?」
「…………頼む」
年上としての威厳なんて今更かと、ダンクスは頷いた。この小さな踊り子はいつだって狂戦士の下半身を刺激しつつも、処理を欠かすことはないのだから。
まだ旅は続くからと、タップは「今日は手だけな?」と。
「汚れてもアレだし、全部脱いじまおうな」
タップの小さな手がダンクスの大きな肉体から上着や装備を外していく。黒い金属当てが付いた武闘着風の衣装は元より身体全てを覆っているわけでもないが、脱がすことでタップの目には全身に走る数多の傷跡が映る。
「いつ見ても……凄いよな」
「気になるなら──」
隠そうとするダンクスの手を、優しく沿わせて止めるタップ。
「ううん、格好良いよ。ほら、この傷だってオレを守ってくれたときのなんだから」
労わるように撫でるのは、以前タップを庇ったことで受けた傷。
「ありがとな」
そう言ってくれるタップに、ダンクスの方こそ感謝を伝えたいくらいなのだ。この傷だらけの身体を本心でそう思ってくれる、労ってくれるのだから。
少しだけしんみりした空気を吹き飛ばすように、タップはけろっとした顔で両手をワキワキと動かして見せた。
「まったく、リーダーの手をわずらわせるんだから」
そうは言いつつも明らかに嬉しそうにダンクスのズボンを脱がす。残った最後の一枚、下着の段階でビクンと大きな張り詰めが見て取れ、蒸れた布地だけでさえうっとりとしながらもタップはダンクス自身を引っ張り出すのだ。
「う…わ……ッ♡」
勢い良く跳ね、鼻先にぶつかってタップは見惚れてしまう。自分から仕掛けておいて、もうその臭いに、火照った幹に、昂る血管の走りにノックアウトされてしまいそうなのだ。あまりにも太く、タップの細腕と同じかといっても過言ではないのではないか。
口内に唾液を溜め、動きの止まったタップへとダンクスが言い辛そうに。
「タップ、あまり……その…………」
「わ、わーってるって!」
始まるのはまだまだ悪ガキ感のある、茶目っ気な手淫。
「ダンクスっていつも大人って感じの顔で何でもこなすけど、こんな顔もするんだな?」
既にダンクスはマタタビ酒のせいでかなりの発熱と発汗。今だけはどこか蕩けたような表情でタップの小さな手に感じ入っている。
「ちょっと嬉しいかも」
快楽など口にせずとも、肉棒のビク付きと豊かな我慢汁の滴りで十分。
「ほら、気持ちいだろ?」
ダンクスの真っ直ぐで固く、あまりにも大振りな体格に見合った雄陰茎。タップの扱きに合わせ、ビクンビクンと何度だって跳ねる跳ねる。むっくりとした亀頭、カリ首の抉れは深く、鈴口のクレーターも堂々と、して溢れ出る潮臭い汁の男らしいことこの上ないのだ。
「身体、いつもよりあっついのな?」
相棒の静かな息が乱れていくのが堪らなく嬉しく、タップは段々と調子に乗っていくのだ。
「でっか、エロ汁出てるぜ?」
つい鈴口の雫を舌でペロリと舐めとると、それだけでタップは自分が発情した子猫になったとさえ錯覚してしまう。自分が主導権を握るはずが、一瞬で負かされてしまったが、それはそれで相棒の雄強さが誇らしくなってしまうタップなのだ。
「ほんっと……雄のにおいでオレ…クラクラしちまうってぇ♡」
気付けば片手でダンクスを幸せにしつつ、タップ自身も弄り始めてしまう。放り投げた貞操帯は既に生臭い液でヌルヌルだった。
「一緒に、気持ち良くなろうぜ……♡」
「タップ、あまり……煽るな」
半脱ぎで見せつけるような自慰と発情顔、ダンクスも雄をより反応させてしまうのだって仕方ない。特にマタタビ成分が身体に回っている今、露骨に肉欲が込み上げてしまうのを自覚しているからだ。
「へ、へへ……いつもオレばっか鳴かされてんだ、コレくらい良いだろぉ……♡」
仕返しだと言わんばかり。可愛らしい挑発。股を開いてみたり乳首を弾いて見せつけたりと、好き放題な小さなリーダー様なのだ。
「あ……やべ…………あ♡…ん、あぁ……♡」
相棒の大きな太肉棒を片手で扱きながらもそれをオカズにするように自分を慰め続けるタップ。次第にその様子は自分への刺激への比重が傾いていき、情けない喘ぎを漏らし続けるまでになって。
「ダンクスの、ほんと……雄過ぎてぇ、ずるいってぇ♡」
クチクチと短い水音を断続的に奏で、手淫を仕掛けていたはずのタップが真っ先にそれに溺れてしまうのだ。
「…ぅ……あっ♡……ンッ、やべオレェ………♡」
喉から漏れる声にはもう、最初の小生意気な余裕など欠片もない。
「んっ……くぅう〜〜ダメ、だぁぁあ❤︎」
ぴゅくぴゅくと溢れ出してしまう精。貞操帯のせいなのか、あまり成長の見られない若竿から迸るは欲望の雫。肩を震わせ、自分とダンクスの竿をきゅうと握りしめて果てる、果てる。
自分でも不覚を取ったと気付き、先に出してしまったタップは悔しそうに元気を取り戻す。
「くっそ〜」
濡れた股座を隠しもせず、今度こそはと両手でダンクスの太幹を握り締めるのだ。懸命に、情熱的に、小さな身体の全てで奉仕を捧げるように。
「そういう所……か、可愛いぞ?」
「オ、オレばっか恥ずい、だろ……!」
いったいどこを褒められたのかを聞く気にもなれず、ヤケになってダンクスを早く仕留めようと頑張っていくタップ。
「ほらダンクスだって、とろけちまおうぜ……♡」
相棒の雄幹はとにかく太く固く、触れば火傷してしまうのではないかという熱さ。
「エロ汁だらっだらでさ、こんなバッキバキにしてんだからぁ♡」
握り締め、扱き上げ、淫らな声で最果てに誘うのだ。
「ほら、なあ♡気持ち良くなっちまえってぇ♡」
両手を使って余りある巨塔だ、少しだけ下に欲しくなってしまうのを堪えながらダンクス優先でゴシゴシと扱き上げていくタップ。可愛らしい声、煽るような仕草の数々で相棒にも気持ち良くなって貰いたい一心。
そのまま何度も卑猥な声を投げつけ、タップがまたしても下半身を疼かせてしまいそうになりながらもダンクスを導くことに成功する。
「う……ああ…タップ、もう……!」
「へへ、出しちまえって♡思いっきりさ、ぶっ放しちまえって♡」
黒虎の巨大な身体がブルルと震え、その雄叫びのような歓喜の吐精へと。だからタップは手を止めない、子供の自慰のままで居られない、そんな熱意のこもった動きがダンクスを迸らせるのだ。
「ッ………出るぞ、出る…ぐうぅうッ!!」
低く獰猛な声音、ともすればタップでさえ雌性を引き摺り出されてしまいかねない色気の声。そんな唸りを上げつつ、ダンクスの射精は凄まじいもの。見惚れるせいで腰から下が痺れたように動けず、タップはその勢いを顔と身体で受け止める、浴びてしまうのだ。
「……へへ、すげぇ量…………♡」
これが普段は自身の体内に注がれているのかと、そう考えるだけで下半身が濡れてきてしまうほどだ。タップはそんな甘い誘惑を振り切るようにかぶりを振り、上目遣いでダンクスをからかおうと見上げたのだが。
「…………。」
無言のまま、タップは押し倒される。互いの精液がベチャリ、腹と下半身で混ざり合う。
「え?ちょっ、おいダンクス、もう良いだろ!?」
「やはり一回では──すまん」
「ちょ、こらおいってば────」
次の出発は明日の朝、いや昼過ぎになりそうだ。
* * *
そうして2人の旅路は続く。
燃える谷、死者の図書館、空を飛んでいない飛行城だのと、様々なロケーションを巡っていった。新たな街、新たなダンジョンとが2人を待ち受けるも、協力し合いながら突破していくのだった。
とはえい未だに狂暴化の気配は拭いきれず、その度にタップは自身の身体でダンクスを慰めていく。時に目的を忘れ、快楽に耽る2匹ではあったが、愉快な旅路はこの先にどこまでも広がっているのだ。
そんな2人は林の陰。
「はぁ〜、生き返る〜」
「…………。」
大袈裟なタップの物言いだが、実際には単なる連れションの最中。
だがダンクスは申し訳ないというか、ずっと言い出せなかったことをようやく口にする。
「そのなタップ……毎回、そんなに見られるとしずらいんだが」
「え!?オレ、そんな見てた!?」
「……毎回、見てるぞ。凄く」
気まずい中、しかし2人分の黄色の迸りが地面にぶつかる音だけが無常にも響く。タップはここにきて、ずっとぶつけてみたかった質問を。
「お、思い切って聞くけど!なんかこう、なんか特別なもん食ってるワケ!?」
「……?いつも同じ物を食べてい──ッ、そういう話か」
寝食を共にしているのだからと質問の意味をわかりかねるダンクスだったが、直ぐに気付いて照れくさそうな顔。
「体質ではないかな、元々男性ホルモンが多いとか」
「なるほど、ホルモンね、なるほど」
多分、いや間違いなく分かっていない顔で何度も頷くタップ。
けれどこんなくだらない話も、実は後々に関係してくることだったとは、この時の2人はまだ気付いていないのだった。
* * *
──ロケーション『バッサイ大森林』。
どこを見回しても緑、どこまで行こうとも緑。タップどころかダンクスでさえ飽きかけてきた時。ふと足を止めたダンクスはどこかの酒場で吟遊詩人が歌っていたのを思い出す。
「そういえば、この森には面白い噂話があってな──」
「うおー!見ろよダンクス!アレ!」
だがそれを話す前にタップが大声で一本の大樹を指さす。
「何を……だ?」
「アレ!見えんだろ!?」
まるで見飽きた木々、その光景しか捉えられていないダンクスは変な顔でタップを見返すだけ。だからかタップは小走りを始動、太い根を駆け上がり、蔦をかき分けると、扉を開けるような仕草をした。
「ほら!」
「ッ……!?」
タップが大樹のうろに見つけたのは精霊の装備屋。
たった今、ダンクスがしようとした噂話の通りの光景だったのだ。タップが扉を開けたことで魔法が解けたのか、大樹の入り口には看板や置物のフルプレートアーマーの銅像などが現れた。
今にも入りたそうな顔でダンクスに尋ねるタップ。
「で、噂話って?」
「こ、これのことだ。精霊の営む装備屋があるという話でな。……あー、その、き、清らかな心の持ち主にしか、見えないそうだ」
「おお!さっすがオレ!」
ダンクスはそう言っておいたが、実際には『馬鹿にしか見えない扉がある』というものが噂話の真相。もちろん、リーダー様の機嫌を損ねないように黙っている大人なダンクスではあったが。
「ほら入ろうぜダンクス!」
頷き、その小さな背中を追うのだった。
中には1匹の火妖精。燃える火球のような見てくれだったが熱はなく、ついでに言葉も通じない。店内は明らかに魔力で満ち、可視化できるほどで、並んでいる見たこともない装備品の数々も光り輝いているのだった。
「お、お、おおぉ〜〜!」
何にも構わずタップは踊り子用だと思われる衣装を見つけ、叫んでいた。
いつの間にか隣に立っていた火妖精と、言葉も通じないのに身振り手振りで通じ合うのはやはり人懐こい性格のなせる技か。以前の遺跡で見つけた金貨を支払いに当て、新しい衣装の購入へと漕ぎ着けたのだ。
その後、タップがダンクスの分も装備を売ってくれと交渉はしたようだが失敗。やはり“心の清い者”にしか駄目だそうだ。
このところ踊り子としての成長もあり、見合った装備に更新できて嬉しくて堪らない様子のタップ。
「いや〜、新装備いやったぜ!」
ダンクスの周りをくるくると回っては見せびらかすが、新装備がさらに露出度が増えているということに気付いているのかいないのか。以前ならば絶句するような布地面積の少なさだが、踊り子として活躍するうちに慣れすぎてしまったのかもしれない。
「どう?どうだ?ダンクス、なあってば〜!」
上半身に纏ったヴェールは布ではなく魔法銀の織物。二の腕や胸元を覆う布地はより薄く布地は少ない。腰巻きはほぼ透けている様子で、下着状の生地が尻や股に食い込む淫らな様を覗かせているのだ。過度な露出であるとはいえ、身体のそこかしこに嵌められた飾り腕輪や足輪などに取り付けられた魔法石が並の装備よりも高い防御性能を発揮する。見た目に目を瞑れば、男のタップが装備するにしてもかなりの逸品なのだった。
そして店を後にし、大森林を進む。
暗くなってきた段階で良さそうな大倒木の陰を見つけ、キャンプ。ダンクスは静かに腰かけ、無言で万能ナイフを研いでいる。焚き火がパチパチと燃え、刃物を研ぐシャッシャッという音だけが響く。
ダンクスの静かさに流石にタップも気付くというもの。
「み、店でもそうだったけど……」
そうっと大きな黒虎の横顔を覗いて聞く。
「さっきからずっと静かだけど、さ。気に入らなかった?」
せっかくの光り輝く新装備だ、タップは相棒にも喜んで貰いたかったのだ。
「やっぱオレだけ新調したから怒ってる?」
研ぐのを止め、ダンクスはゆっくりと顔を上げる。だがタップを直視せず、焚き火を眺めながら言いにくそうに語り出す。
「そ、そうではなくて、だな……凄く似合っていると思う……似合い過ぎているのが、その…………こんなところで狂暴化する訳には、いかないと思って、だな……」
逆に良すぎたせい、可愛すぎたからとしどろもどろに伝えるダンクス。
「そ、そう!?あ、あんがとなあ」
ニシシと子供らしく笑うタップだったが、押し倒されて視界がダンクスの黒一色になって驚く。
「えっ、そう言ったそばから!?」
「──抱かせてほしい」
地面に組み敷いたタップへと、ダンクスの真剣な声。
「へ?やっぱコレ危ない感じ!?」
今さら身体を隠したところで、後の祭り。
「何もない、ただ心のままお前を抱きたい」
「ええ!?」
ダンクスの様子は狂暴化の前兆など一切なく、完全なる理性の顔付き。だからその『抱かせて欲しい』という言葉の意味は、衝動からくるものではないということ。
「世話の焼ける子供だとばかり思っていたが、気づけばお前に夢中だ」
「え?え?」
「抱いてもいいか?」
今まで何度も肌を合わせてきた2人。だがそれはパーティメンバーの管理がどうとか、冒険中のおかしなアイテムのせいだとか、そういうのばかり。こうまで真っ直ぐに求められたことなど初めて、流石にタップだって意味を理解した。理解したからこそ、確かにこくりと頷いたのだ。
荷物から寝具用途の分厚い布を広げながらダンクスはタップをそこへ。
「良かった」
勇気を出して聞いたからか、ダンクスの胸は少しうるさい。それに目敏く気付いたタップ、その分厚い胸に手を当ててからかう。
「ダンクス、ビビってやんの」
とはいえそれはお互い様、ダンクスだってタップの薄い胸に大きな手を当てれば分かってしまう。
「タップもな?」
「むぅー」
2人して子供みたいに笑い合い、焚き火の灯りに揺れる顔を見つめ合わせる。
これから初めて、互いに素面の状態で求め合うのだ。
「タップ、ほら」
「んっ……」
仰向けのタップの小さな口へと、ダンクスは覆い被さるようにキスを。熱を交換するみたいに、ゆっくりとしたムードのある口付け。大きな影が口元から銀の橋をひからせながら離れる。
「……ほら、タップも静かになったろう?」
「オ、オレは元から物静かなの!」
そこからは互いに啄むようにキス、キス。
下半身に熱が集まってくるのは年頃の男子だから仕方ないこと。特に金属製の枷で誤魔化そうなどとしていれば余計に。
ダンクスの手が容易く新しい踊り子衣装の下を剥き、ずっしりとした貞操帯を取り外そうとする。今ではもうこの動きも慣れたもの。
「こんなもの、今はいらないよな」
「アッ♡……うぁ…も、もう勃ってんだ、から………ゆっくり、外してくれよ」
いや、今日だけはダンクスも緊張からか少し辿々しい。そこからは体格差ながらもシックスナインの体位。厚布の上で服を脱がしあって、お互いの下半身に顔を埋めたのだ。
「赤くなってるじゃないか、俺が慰めてやるからな」
「んひゃ、あッ♡こ、このやろっ♡オレだってぇ……!」
貞操帯に押さえつけられていた若雄を舌で優しく舐めていくダンクス。
タップも負けじと唾液を滴らせた小さな口を大きく開くのだ。
「んっ、はは、しっかり濡らしてくれよ?」
「アッ、ンムッ♡デカい、んだよぉ……余裕ぶってさあ…ッ……!」
お互いに高め合い、楽しんだ。かと思えば性急にタップの尻は行為への階段を登らせられていく。特製の甘い潤滑ポーションを垂らされ、どちらも大きな指と舌で若穴を解されていくのだ。
「あ、ぁああっ……う、あんんっ♡」
その香りよりも甘い声が出るのなど、我慢できるはずもない。
「んっ……舌やばいってぇ、指もっぉおお♡」
「……タップも悪いんだぞ、こんな誘うような服」
脱ぎ散らかされた新装備はダンクスの目にはそう映っていたのだ。
「だ、だってこれが一番いい奴、なんだからしょうがないだろっ……う、ああっ♡」
「……あ、あまり他の奴には見せるな」
滲み出るような独占欲。ダンクスが珍しく尖った耳をへたり込ませているのは余程のこと。不機嫌という保ではないにしろ、パタンパタンと揺れる黒縞模様の太尻尾。
「ンッ……あ、あ…も、もうッ♡し、嫉妬かよ、嬉しいけどさあ」
「タップだって興奮してる癖に、前ぐしょぐしょだぞ?」
「う、るさいぃ♡ダンクスが、焦らすからだっつの……!」
互いに期待の先走りを溢れさせながら、息を乱し合う。2人共、今までとは違って完全に素面だというのがより恥ずかしさを助長しているのだ。
ダンクスの指は舌は、優しく労わるようにタップの若穴を慣らす。
「今日は、その……そういうセックスではないから、尚の事と思って……!」
「う、あっ♡バカ、急にそういうこと言うな、あぁぁ♡」
今になってこれが何のしがらみもない、想いを寄せての交わりだと強く理解して赤面してしまうタップ。
「もぉ、入れろってぇ♡」
脚には力が入らないからか、タップは尻穴を淫らにヒク付かせて誘う。
「ああっ……んな、ゆっくりしてたら、ジジイになっちまうぞ、オレェ♡」
助平な声を漏らしながら、真っ直ぐな瞳で見つめる獅子少年。
「はは、うちのリーダー様は注文が多いな」
ダンクスはその小さな身体を仰向けに寝そべらせる。柔らかな曲線を確かめるように撫でながら、見つめ返すのだ。
「ふ……あ………っ…ん♡」
「まだまだ細いな」
「ダンクスがデカいだけだし」
「嫌いか?」
「い、いや!…………ドキドキする」
「それは嬉しいな」
言いながら自然とダンクスは微笑んでいた。相棒からは表情が堅いと何度も言われていただけに、珍しいその笑みはタップの胸を打つのだ。
「そ、そういうのズルだろーっ!?」
「タップの方こそ、こんなに俺を欲情させて狡いだろう」
今や全裸となったダンクスは、タップの腹へと燃えたぎるような肉棒を乗せる。ずんと押し当てるようなそれは、獅子少年に小さな悲鳴を上げさせるほどの逸物。ビグビグと脈打つ幹、亀頭が焚き火の炎に照らされてテラテラと光って。のそりと垂れた雄袋だって重量感でタップの思考を乱してやまない。
「ひゃ……うぅう♡」
「こんなになってるのは、タップのせいなんだからな」
少しだけ雄気を滲ませる強気の顔を見せ、タップの両脚を折り曲げて受け入れてもらう体勢へと。
「身体の力、抜いてくれ」
囁きながら濡れた若穴へと欲望を押し付け、ゆっくりと挿入を仕掛けていくダンクス。
「う、ぁああ……ダンクスの入って♡入ってぇ……♡う、あぁぁあ…ぁああっ♡」
こんな穏やかな挿れ方は初めてだからか、タップの声は恥ずかしさに濡れたもの。痛みではなく、ドキドキとした胸騒ぎ。
「大丈夫、ゆっくり、ゆっくりだから」
「ああ、んんっ♡違っ、オレ……嬉しく、って♡」
心配しかけたダンクスだったが、その答えには雄をより固くグンと上向けさせてしまう。
「わ、ああっ♡バ、バッカ……急にそんな、興奮すんなぁ♡」
「……わ、悪い。ただ俺も嬉しく思っただけだ」
時間をかけ、ダンクスの巨大な雄の体積が冗談のようにタップの尻に収まった。決して細くもないが、しかしまだ少年特有の寸胴の腹は確かに相棒のそれで膨らんでいるように見える。
「タップ、動くぞ」
「ンッ♡あっ…あっダンクス、うぁ……あっ♡」
酒の勢いや怪しいアイテムだとか、パーティの仲間だからとか、そんな言い訳の何もない、ただただ2人の為だけのセックス。
心まで満たすような抽送が、ひと突きごとに2人の腰を加速させていく。きっともう焚き火の炎よりも、想いは熱いはず。
「今日、なんかぁ♡なんか、いつもと違うっ♡」
「俺もこんな明瞭な気持ちでするのは初めて、で……!」
2人ともやけに初々しい声音、腰遣い。
「んっ♡ああっ♡ダンクスゥ♡ぅう…あっ♡」
「こうか、しっかり掴まっていろよ」
「んん〜っ♡あっ、やばいってぇ♡あっ、ふあぁあ♡」
タップの声は次第に少年のそれからオンナを感じさせるような艶のあるものへ。踊り子という職柄か、腰のくねりだって娼婦もかくやというそれに変貌していってしまうのだ。
それが自分の為だと分からればダンクスは堪らなく嬉しくなってしまう。1匹の雄として精一杯で答えなくてはと、やはり少し頑張り過ぎてしまうというもの。
「ダンクス、あっ♡あっ♡」
小さな手でダンクスの硬い毛並みをぎゅうと握り締め、タップの甘い喘ぎ。
「オレ、嬉しっ♡気持ち、いいって♡」
両脚だってしがみ付いてはより求めるように腰を捧げていく。
「いいから、もっと、もっとぉ♡」
声変わりを忘れてしまうような、甲高い声をあげながらダンクスに──その猛々しい雄槍に媚びるのだ。
「無理はさせない、が……!」
一瞬だけ瞳が赤く染まりそうなほど、ダンクスは激ってしまう。
「あんまりそんな目で見られると……!」
こうまで欲されれば男としてのタガが外れかけたのだ。
「ふ、う……俺も抑えが効かなく、なりそうだ……!」
なんとか堪え、自分だけでなく小さな猛獣を感じさせたいと動いていく。
確かにダンクスの体格に見合った腰の打ち付け。強靭な四肢はそれだけで凶器、昂る気持ちを抑え込みながらもやはり激しさは隠しきれないもの。
「んなぁあっ♡あっ♡すげ、ッ♡あっ、ケツ、変になっちまいそう♡」
タップの目元の雫は嬉し涙。
「やば、いってぇ♡オレ……あっ♡ダンクスッ♡」
小さな身体に目一杯の快楽を詰め込まれ、思考がショートしてしまいそうなタップなのだ。
「悪い、止められない……!」
唸り声はないにしろ、ダンクスの声には言葉通りに余裕などない。自分の手でこうまで淫らに乱れるタップの姿に、どうしようもなく欲情しきっているいるからだ。ダンクスの腰の跳ね具合が簡単にタップを追い詰め、いや昇り詰めさせる。
「あっ、やっ……ンンンッ♡い、いいぜ、2人でバカになっちまおうぅうう〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」
自分の腹に、ダンクスの腹にと、白を飛び散らしていくタップ。あまり成長の見られない若雄を必死に上下させ、吐精の喜びに身体全体と合わせて震えるのだ。ぴゅくぴゅくと可愛らしく跳ねさせ、何度だって精を解放していく。
「く、ぅ……俺も……今に!」
そんな様子、同時に締め付けのリズムカルさが自身を楽しませるから、ダンクスは嬉しくって仕方ない。より一層に腰の動きが強くなって、追い縋るようにそれを求めてしまう。
「アアァッ❤︎バカ、出てるッ❤︎イッてるのにぃい❤︎」
「タップ、俺も……出すぞッ!」
両手で柔らかな尻たぶを掴み、爪を立てないようにしながらも本気の種付けを予感させるように前のめりの余裕などない声音。
「この尻、手加減なんて出来ないからなぁッ!!」
「あああぁああ、中ぁああ♡ダンクス、出し過ぎなんだってぇえ────」
タップの悲鳴、注ぎ込んでいくダンクスの精の勢いはそれだけ激しいということ。どくっどくっ、どくん。聞こえないはずの中出し行為の音さえ、肉粘膜越しに聞こえてきそうなほど濃厚な種付けなのだ。力強い指先を柔らかな肉たぶに食い込ませ、雄の本能だけに従っての最奥射精。
これが自分の番だと、この世界に知らしめたい想いがダンクスの下半身をいつより以上に気張らせたのだ。どこかそう、狂戦士としての暴走などよりも、よっぽど強い感情がそうさせたのかも知れない。
事後、焚き火も既に小さくなってしまっている。
タップは張り詰めるように膨らんだ腹を両手で抱え、少しだけ恨めしそうにダンクスを見上げてむくれている。
「……悪い」
「ぅあ…………ホント、苦しんだからなぁ…」
途端、初めてタップの前で狂暴化した時の後悔がフラッシュバック。ダンクスは両手を合わせ、自分よりも遥かに小さな獅子少年に頭を下げるのだ。
「本当にすまなかった!」
「あっははは!それ!」
すぐ様に返ってくる機嫌の良さそうな笑い声に、ダンクスは驚いて顔を上げる。
そこには歳の割には穏やかな、妙に母性に満ちた微笑み。
「前もそうやって謝ってたけど、今回のは『どーいのうえ』って奴だろ?」
焚き火がふっと暗くなり、また明るくなる。そうなると既にタップはいつもの悪ガキしいニヤッとした顔に戻っていた。
タップの言葉を噛み締め、ダンクスは舞い上がるような気持ちを隠しながらもタップの両手を握りしめて言ってしまう。
「……よ、良かったら今後もこういうように、出来たらと思う、んだが!」
「べ、別にいいけど!」
照れ隠しのぶっきらぼう。タップの尻尾は何度だって湿った布をペシペシと叩いているのだった。
思えば、これが2人が“吹っ切れて”肌を重ねるようになった分水嶺だったのだろう。