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ねむうさぎ
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②アームス

Chapter 1

──ロケーション『タビノマタ山道』。

 人里に近すぎず、かといって山奥過ぎない。そんな絶妙な距離感でこの山道を縄張りにしている山賊団がある。彼らは今日も獲物を待ち侘びつつ、山道から少し離れた林の空き地で見張りからの合図を待っているのだった。


 ニャーガル山賊団。猫科の種族だけで構成されている、弱くはないが強くもない中途半端な一団。焚き火を囲って商人の荷車でも通らないものかと、昼間から酒を飲んだり、駄弁ったり、刃物を研いだりと様々。

 そんな彼らのすぐ横に突然の魔法光。地面に魔力で描かれたのが転移の魔法陣だとは理解できなくとも、その中心に聖剣を背負った虎種の少年が出現すれば驚きもする。

「おいなんだこいつ急に現れたぞ!?」

「兵隊どもの手先か!?」

「違うだろ、冒険者か賞金稼ぎかもしれねぇ」

 慌てふためく盗賊団に囲まれた状況に放り込まれながらも、少年勇者アームスはキリリと眼力を鋭くし、聖剣をスラリと抜き放ったのだ。だが先ほど、ダンジョンで嵌めた指輪の効力が発揮されてしまう、今。


▼小虎勇者アームスが装備したのは『装備不可の指輪』だった!


「えっ、おい、何だそりゃっ……!?」

 アームスの鑑定スキルが間違いではないことを証明するように、手からは聖剣が転げ落ち、装備品の全てが冗談のように外れて地面に転がってしまう。慌ててうずくまり、装備を拾おうとするが弾かれたように触れることさえできないアームス。

 それを見て逃げ腰だった盗賊団の表情が変わる。獲物から狩人のそれへと。

「なんで脱げた……!?」

「知らねえ、やっちまえ!」

「おう!」

 棍棒や縄を手に襲いかかる盗賊たちの下卑た手。

「いっ、なんでこんなタイミングで──」

 アームスは必死で地面に転がる勇者たる装備の数々に手を伸ばす。


▼小虎勇者アームスは剣を装備できない!

▼小虎勇者アームスは鎧を装備できない!

▼小虎勇者アームスは下着を装備できない!


「う、嘘だろぉーっ!?」

 素手でだってアームスならば盗賊など敵ではなかったはずだが、装備や羞恥心にばかり気を取られたのが良くなかった。あっという間にその若々しくも鍛えられた裸体を荒縄で縛り上げられてしまったのだ。

「お、おい!解きやがれ!」

 草と土の匂いを噛み締めながら、精一杯に虚勢を張って叫ぶアームス。だが相手にもされない。

 盗賊団は他に異変や何者かが迫っていないかと警戒したが、それもなさそうと分かってようやくアームスを囲んで見下ろして呑気に話し出す。

「なんだったんだコイツ」

「さあなあ」

「どっかで奴隷商にでも売っ払うか」

 地面に転がされたアームスはもがきながら悔しそうに睨み上げ、負け犬じみた台詞を吐くことしかできない。 

「くそっ、ホントならお前らなんか相手にならねーんだぞ!」

 だがそれも余計に盗賊たちの加虐心を唆るだけ。無言のまま盗賊の1人がしゃがみ込んで、怪しげなピンク色のポーションをアームスに無理やり飲ませたのだ。

「あ、んぐぇッ……な、何を飲ませ、やがったぁ♡」

「ったくクソガキが。今からぶち犯すからよ、素直になったら教えてくれや」

 火照り始めた身体、それを味わせろと粗野な盗賊たちの手が幾つも伸びる。鍛えられた少年勇者の肢体は今まさに慰み者へと。

「え、あっ♡お、おいふざけ────」


 そうして盗賊たちは本来の目的など忘れ、アームスを貪るのに夢中になってしまった。媚薬で強制的に発情させられた、固くも柔らかな少年の肉体は盗賊団の欲望をぶつけるにはうってつけ。最初こそ抵抗を示してたアームスだったが、盗賊団全員が穴兄弟になる頃にはもう意識を保つのも難しくなっていた。いかに聖剣に選ばれし勇者だろうと、たった1人で荒くれ者たちの肉欲を受け止めれば、男としてのプライドなど剥がれ落ちてしまうのだから。

 気絶したアームスがアジトに連れ込まれれば、そこからもまた地獄。小さな身体を犯し、奉仕させ、服従を強いる。当然、装備不可の指輪のせいで服の一枚だって着れないせいでアームスの裸体は常に男たちのねっとりとした視線に晒され続けたのだった。


 * * *


Chapter 2

──ロケーション『西風の街』。

 様々な種族の冒険者たち、そして彼ら目当ての商人や娼婦が集う。西風の街は近くの中規模ダンジョンのお陰で今日も賑わいを見せている。

 そんな大通りをならず者の集団が騒がしく歩いていた。猫科種族だけで構成された盗賊ニャーガル団だ。手配されている訳ではないがこうも冒険者が多く、大人しくなるかと思えば逆。対外的には揉め事は起こさない代わりに、最近手に入れたばかりの玩具で遊ぶのに夢中なのだった。

「おーいアームスちゃん、どうした」

「そんな恥ずかしがるなよぉ」

「ガキなんぞ素ッ裸でも誰も気にしねぇって〜」

 ニャーガル団員にそう囃し立てられたのは少年勇者アームス。

「ふざ、けんなぁ……」

 今のアームスの身は『装備不可の指輪』の呪いに侵されており、一糸纏わぬ姿。こうも人通りの多い中、恥ずかしそうに両手で股間を押さえながらニャーガル団員たちに囲まれて連れまわされているのだ。

「み、見られて、んだろお……!」

 大通りには筋肉自慢の半裸の冒険者も少なくはないが、素っ裸で往来を行くなどアームスただ1人。こんな恥ずかしい格好で連れ回されて怒りを露わにするも、尻をそっと撫でられるだけでアジトで行われた数々の調教が思い出されてしまう。

「ッ♡あっ、んっ♡…さ、わんなぁ…………♡」


 前屈み、必死に覆っている両手の中身がグッと力強くなってしまうのが止められない。そんなアームスの様子がニャーガル団員には堪らない。

「おうおう、この可愛いお尻が丸見えだよなあ」

「似合ってんぞ、ニャーガル団の刺青も」

「団員の証をそんな見せびらかすなんて、鼻が高いぜ」

 丸見えの生尻には、魔力によって彫られてしまった刺青。下らないいち盗賊団のそれは、散々の“夜の敗北”を味わされたアームスの所有権を主張するもの。

「ぜ、ぜってぇぶっ飛ばすからなぁ……お前らぁ…!」

 腰を屈めてヘコヘコと歩きながらではそんな言葉にどんな迫力があるものか。むしろそんな跳ねっ返りな様は男心をくすぐるだけ。ムラ付いた好色そうな笑みの団員はそっとアームスの肩を抱いて囁く。

「そう吠えんな、心配しなくても夜は可愛がってやるって」

「んぅ……し、知らねえよぉ♡」

 尻たぶを意味ありげに揉まれ、そう言われれば身体が熱くなってしまう。また男に組み敷かれてしまう、心も身体もぐちゃぐちゃにされてしまうと思えば、少年の小さな身では受け止めきれない感情に押し潰されてしまいそうになるのだ。


 それらを振り払うように叫ぶアームス。

「こっちは……い、今すぐ衛兵呼んでも、良いんだからな!」

「おうそうかい、そしたら剣も装備も返してやらねーぞ?お前だってうちの団員の刺青してんだ、捕まったらどうなっちまうかねぇ〜?」

「ひ、卑怯だぞ!」

 今や聖剣すら持てないアームスを誰が勇者だと認めるだろうか。尻には賊の刺青、情けない完全なる素っ裸、扱いはまるで性処理ペット。これでは道ゆく誰しもが、眉を顰めて視線を外すか失笑するのみ。

 牙を噛み締めるアームスだったが、ニャーガル団は大笑い。

「盗賊が卑怯じゃない訳ねーだろ」

 そして目当ての酒場に到着し、奥の席を占領。運ばれてくる酒や食事を他所に、団員の1人が椅子を引いて自身の足元を指差してアームスを呼ぶ。

「ほれアームス、仕事だ仕事」

「ッ……」

 これもアームスの役割。聖剣や装備を奪われ、自分1人ではナイフもフォークも持てないのだ。単に衣服を着れないだけでなく、道具も使えない身では1人で生きることなど不可能。こうして粗野な男の股間に顔を埋めることでおこぼれを預かるしかないという事実。

 加えてアジトで散々に仕込まれたせいで、アームスの小さく雄弁な口は今や都合の良い快楽穴。

「……い、今に見てろよ…!」

 騒がしい酒場とはいえ全裸を晒すよりかはと、すごすごと団員の股座の間に潜り込んでしゃがむアームス。ズボンから下着から、ぶるりと姿を現した雄を両手で握る。ゴクリと喉を鳴らしてしまうのは、こんな場所でも身体が雄を求めてしまっているから。


「ンゥ……あっ…でか……くっせぇ……♡んっ、ンプアッ……♡」

 まだまだ成長途中の自身などとは比べものにならない太く使い込まれた肉棒。最初の一瞬だけは気丈に睨んでおきながら、すぐに子猫のようにうっとりとフェラチオを捧げてしまうアームス。

「……ンッ♡す、げ……へ…ぅ………♡」

 素っ裸にまだ慣れたわけではない、恥ずかしさを忘れようと目の前の肉棒に集中する。味覚も嗅覚も、そのえぐみのある雄臭の股座に犯されるのだ。机の上では騒がしい宴会、小汚い床がアームスの席。悔しいと、許せないと思いながらも呪いの指輪に蝕まれた身では抵抗どころか逃亡だってできないだろう。

 酒をあおりながら、団員は無言のまま太い両足でアームスの頭部をロック。楽しく談笑しながらも、悪辣な笑みで思い切り精を幼い喉奥へとぶちまける。アームスが悲痛な動きで太ももを叩こうがお構いなし。

 強制的な奉仕が終わる頃にはアームスはマズルの鼻先からも雄の白濁を垂らしながら、咽せて床に這いつくばってしまっていた。


 それなのに。

「次は俺なぁ〜?」

「あっずるいぞ」

「お前は昨日の夜、ってか朝まで散々ヤッたろうが」

 机の下、アームスが見上げれば露骨にズボンから蒸れた肉棒を突きつける団員たち。猫科種族の何本もの剛直がアームスを誘うのだ。

「…ッ…………オ、オレはお前らのオンナじゃねーんだぞ…!」

 睨み付けながらも、囚われの身であることは忘れてはいない。小さく「がっつきやがって」とか「うるせえんだよ」とか言いながら、順番にその小さな口を使って男たちを満足させていくしかないアームス。日々の鍛錬で鍛えた身体が、こんな浅ましい行為に浪費されていく屈辱に震えながらも飲み干す精液の濃さにおかしな気分にさせられてしまうのだった。


 そんな一仕事を終えれば、虎少年も疲労困憊。

「め、飯……くれよ……!」

「おう、そうだったな」

 ようやくアームスにも食事の機会が与えられる。

「ほれ、たんと食え食え!」

「……ッ……………くそっ…」

 残り物が平皿に盛り付けられ、それが置かれたのは床の上。フォークやナイフはおろか、皿まで装備扱いなので持ち上げることもできないアームス。装備不可の呪いはそうまで悪趣味で、上手く活用して弄んでくる盗賊団との相性だけは抜群なのだった。

 仕方なしの四つん這いでの犬喰い。しかもコップも持てないとなれば、嫌々ながら団員たちのニヤけた笑みにオネダリをして口移しで飲み物をねだるしかない。アームスは自尊心を削り続けながら、三流の盗賊団に弄ばれていくのだった。


 * * *


Chapter 3

──ロケーション『タビノマタ山道』。

 縄張りであるこの山道を進む一団。猫科獣人族で構成された盗賊団の装備はすべからくボロボロ。計画性がある訳でもないので当然。

 だが運には恵まれ、ストレスと性欲の発散先である少年勇者を捕らえられた。山道を行く集団の真ん中を、1人だけ全裸で歩かされている少年勇者アームス。股間を両手で隠すという情けないポーズでありながらも、口ばかりは達者。

「お前ら、絶対に許さない、からなぁ……♡」

 どこか上気した物言いなのは、いつしか裸で居ることに甘い疼きを覚えてしまっているから。呪われた装備不可の指輪に蝕まれた結果だろう。

「おいおい、聖剣も持ってない勇者様がどこにいんだよ」

「それは……か、返せって言ってんだろ…!」

 取り上げられていた自慢の聖剣。それを木の枝でも放るように団員の1人に地面に打ち捨てられる。

「ほれ」

「なっ……!」

 慌てて拾いに駆けるアームス。両手でしっかりと握ろうとする。


▼小虎勇者アームスは剣を装備できない!


「んじゃほら行くぞお前ら〜」

「え、あ、おい待て──」

 失うわけにいかない勇者の証、聖剣をどうにか持ち上げようとアームスは必死になるがどうにもならない。山道をさっさと奥へと進んでいく盗賊団はアームスなど気にする様子もない。このままでは、このままでは。

「ま、待ってくださいっ……!」

 アームスの喉から絞り出された弱気な一声。

「オレの剣を預かってて、ください……」

「どうしっかなぁ〜」

 気付けばニャーガル団の全員が立ち止まり、ニヤニヤした笑みでアームスを見ている。その素っ裸でご自慢の剣さえ持ち上げられない不恰好さを笑っているのだ。

「どうしたアームス、お願いか〜?」

「お、お願い……だから!」


 大した力もないくせ、盗賊団は勝ち誇ったように告げる。皆で笑い合いながら、アームスでどう遊ぼうかと考え、言いつけるのだ。 

「よーし、じゃあ今から言うのを復唱な?」

 皆で口々に告げる。

「そうだなぁ……『全裸勇者アームスは』」

「ぜ、全裸勇者……アームスはぁ……♡」

「『ニャーガル団のフルチンペットです』」

「ッ……!く、ぅ……ニャ、ニャーガル団のぉ…フルチンペット、ですっ♡」

 そんなふざけた事を言わされ、アームスの裸体が震える。中でも股間の未熟な性器がヒクンと反応してしまうのが恥ずかしくて仕方ない。それでも、聖剣の為と牙を食いしばって賊の言葉を復唱していく。


「『今後は口の利き方にも気をつけ』」

「今後はぁ……口の、利き方にも気をつけ……ぅ♡」

「『自分で下半身を隠すことは2度としません』」

「そ、んなぁ……オレ、服着れねんだぞ……う、くそっ……じ、自分で下半身を隠すことは2度としま、しません……♡」

 それを口にするのに、どれだけの覚悟がいるか。言ってしまった以上、自分で隠していた両手を股間から離すのに、どれだけの覚悟がいるか。

 ニャーガル団の意地悪そうな笑みの元に、こんな状況で勃ち上がったアームスの雄が晒しものになってしまう。

「『どうか可愛がってください、よろしくお願いします』」

「ッ……見、んな♡……う、あ………ど、どうか可愛がって、ください……よろしくお願いしますっ♡」

 裸を、勃起を、服従を全て見られて火照る少年勇者の裸体。しかしそんなことを言わされて、文句を言いながらも身体は嬉しくなってしまっていた。恥ずかしい何もかもを見られるのが快感で、突き刺さる視線に先走りが垂れてしまうほど。

 これから自分がどんな扱いを受けるのか、どんな態度でいなければいけないのか、決定的になってしまったと理解しながらも、アームスの若竿は決して固さを失わないのだった。


 * * *


 街中でだってアームスは裸のまま連れ回される。

「ほーれ、勇者様のちっせー聖剣が見られちまってんな〜」

「おいおいアームス、衛兵呼ばれたらお前のせいだぞ?」

「ば、かやろ……恥ずかし、っつの……む、無理、だってぇ…♡」

 口約束とはいえ股を隠さないと言ってしまった以上、アームスの手は戦慄いて空を揺れるだけ。むさ苦しい男達に囲まれ、可愛がられるように裸体を撫でられながらの白昼堂々。街中を進むたび、笑って指差す者や顔を顰める者と通行人の反応は様々。

「街に入る前からボッキしっぱなしだもんな?」

「見られるの大好きなんだよなアームス〜」

「やめ、ろって……見られてぇ…バカになるっ♡からぁ♡」

 これでは自分1人が変態じゃないかと思いながらも、アームスは熱い火照りを治められないのだった。


 スラムを通っておつかいに行かされたりもした。

「に、荷物……と、届けてきま、したぁ……♡」

「こんなちょっとの距離で息切らしてどうしたよ」

「だ、だって……色んな、奴に…犯され、そうになって……オレ…♡」

 子供でもできる仕事ではあったが、可愛らしい裸を晒していればスラムの物好きに声をかけられることは一度や二度ではなかった。その度、『もし』とその先を考えないでもなかったが、なんとかこうしてニャーガル団の元へ戻ってこれた。何せ、今ではここがアームスの帰るべき場所。

「ああ、興奮しちまったんだよなぁ?どうした?慰めてやろうか?」

「……う、あ…く………おね、がい…します……♡」

 何せ、今では彼らがアームスのいけない欲求を慰めてくれる者。

 今日もアームスは三下盗賊にその若欲に熟れた肢体を組み敷かれるのだった。


 怪しい魔導商店で卑猥な買い物だってさせられる。

「エ、エロアイテム……買って、きたぞ…!」

 真夜中の買い物を終え、安宿に買ってきたアームス。目当ての品を買えたであろうアームスを囲み、1人が皆を呼ぶように大声。

「んじゃ──おおーい!アームスがアナニー見せてくれるってよ〜?」

「は、はぁあぁ!?な、何言って……言って、んだよぉ♡」

 裏返る声、恥ずかしさと期待で胸がバクバクする。買い物中にも勃ってしまって、今だに固いままの股間は雫を垂らしてさえ。言われるがまま、若い肉体は太い魔導ディルドを尻に受け入れさせられてしまうことに。

「ンッウウッ♡く、そっ♡どうして、も……抜けちまうっ♡」

 だが装備不可の指輪はここでも悪さ。完全に挿入を果たす前に、ズルリと呪いの効果で抜けてしまう。となれば欲求不満なアームスは、震える声で股を開いてこう言うしかないのだ。

「ふざ、けんなよぉ……こ、んなんじゃ……オレ……お、おい…ペットの、ケツッ♡つ、使ってくださいっ……使え、使ってくれ……よぉ♡」


 * * *


Chapter 4

──ロケーション『ならず者の隠し街』。

 山岳地帯のとある隠匿され洞窟を進めば、半地下に形成された薄暗いこの街が見えてくる。天井に開いた幾つかの大穴から日光を取り込んではいるが、それでも鬱屈とした雰囲気が漂う。そんなこの街はお尋ね者や犯罪者、悪党達にとってはこれ以上ない過ごしやすさ、集まってくるのも当然か。


 アレから半年。ニャーガル団がこんな街へ来ているのも、以前まで縄張りにしていた山道がきな臭くなってっきたから。王都の軍や高ランク冒険者に襲われては堪らないと、次に腰を落ち着かせる場所の算段を付けつつ避難しに来ているのだ。

 そんな状況。彼らの装備だって未だに最低限で金だって多くはないが、士気は高い。何せ、彼らには可愛い可愛い愛玩動物が居るから。

 薄暗い大通りを歩けば、道端の奴隷商が不思議そうに話しかけてくる。

「おや旦那方、その奴隷は首輪はないんですかい?」

 途端に顔を見合わせ、笑い出す盗賊たち。

「ああ!そりゃあそうだぜっ」

「なんせこいつはアイテムとかで支配されてんじゃなく、自分の意思でペットしてんだ」

「なあそうだろアームス」

 話を振られ、かつては勇ましくつるぎを振るっていた少年は蕩けた笑みで答える。

「そ、その通りですっ♡オレッ……オレは皆さんのフルチンペットですっ♡」

 勇者の証の聖剣も、とっくに盗賊たちの酒代に消えてしまっている。それでも粗野な男たちなりにアームスを丹念に開発、調教した結果がこれなのだ。

「そこらの奴隷なんぞに負けねーよな?」

「当然、だろっ♡オレ……オレはお前らのペットなんだ、からなッ♡」


 ゴツい手で両肩を抱かれ、アームスは発情顔でそう答えた。下半身が疼いて仕方ないのか、勃った竿を僅かに揺らしているのは間違えようもないチン媚びの仕草。団員に言われた言葉を証明するよう、続けるのだ。

「毎日っ、皆さんの朝勃ちチンポにオハヨウフェラ、してっ♡ケツ振りながら犬みてぇに餌付け、されてっ♡こんなっ、恥ずかしい素ッ裸で連れ回され、てっ……可愛がって、貰ってんだからなぁ……♡」

「な、すげー躾が行き届いてんだろ?」

 自慢するような言葉。マジックアイテムの首輪で奴隷を繋いでいる奴隷商の男は、少しだけ羨ましそうな顔で頷いて答えた。

 だがまだまだアームスを見せびらかしたいのか、奴隷商だけでなく檻の中の奴隷たち、道ゆくならず者たちにさえ聞こえるように団員が声を張り上げる。

「ほれアームス。ここじゃ奴隷だって布切れ着てんだぜ。お前はどうした、そんなフルチン晒して恥ずかしくねーかよ?」

「恥ずッかし……です♡」

 隠しもしない若雄はビクンと大袈裟に跳ねた。恥ずかしそうにせっかくの腹筋にペチンと当たる音がなんとも情けなく、我慢汁がビュクと滴る。


 だというのに、団員が悪戯っぽくも声音だけは一才笑わせずに言うのだ。

「ならよ──お前が奴隷以下のフルチンペットだってとこ、見せてくれよ?」

 ゾクゾクと込み上げる、躾の教育成果がアームスの背筋を走り抜ける。恥ずかしい、気持ちいい、嬉しい、恥ずかしい。大勢の視線が自分に集まっている、この裸の隅々までを品定めするように見られていると思えばアームスの思考は乱れに乱れて仕方ないもの。

 なけなしの勇気、それがこんなにも浅ましい行為として振り絞られることなど、この世にあってはならない痴態を披露するに至る。アームスは一糸纏わぬ全裸、鍛えられた肢体だからこそ、中腰ガニ股姿勢でまだまだ成長しかけの勃起を必死に扱き始めたのだ。

「オレッ♡オレはぁっ♡全裸勇者アームスはぁっ♡ど、奴隷以下のフルチンペット、ですっ♡」

 左手で乳首を自分で虐めながら、カクカクと振るう腰のなんと情けないことか。

「こ、こんな変態ポーズまで、してっ♡チンポいじんの、止められねえんだっ♡」

 必死に腰を前後させようが、今後一生他人を犯せることなどないだろうに。

「裸、見られってんの……♡恥ずい、恥ずいのにっ……くそっ♡くそっ……オレのエロガキオナニーッ、見て、くださいっ♡」

 馬鹿みたいな大声で喘ぐせいで、余計に通行人の視線が刺さる。

「そ、んな目でオレを……ッ♡く、うぅぅ♡シコんの、止められ…ねぇえっ♡」

 本来は勇者として捕まえたり、成敗するべきゴロツキや悪党にさえ、鼻で笑われてしまう。侮蔑の視線や、嘲笑の囁きが右手をひたすらに加速させてしまうだけ。


 そして息を荒げ、この街でもっとも愚かでもっとも格下の存在だと証明するように石畳へと欲望をぶちまけていくアームス。

「チン媚びしまくって、腰止まらねぇっ♡フルチン腰振りしてんの、見られて興奮するっ変態野郎っですっ♡チンポから我慢汁もらしまくってんの、見て、見てくれぇっ♡フルチン勇者の、フルチン射精するとこっ見てく、れぇええっ❤︎❤︎❤︎」

 破茶滅茶な妄言を喚きながら、優秀な子種を無為に撒き散らしていく。若いだけあって勢い良く、ガニ股の無様なポージングながら放物線を描く白。ニャーガル団の可愛らしいペットは、こんな往来のど真ん中だろうとその身の存在理由を証明するに至ったのだ。

 とはいえ事情を知らぬ周囲の者からは、馬鹿にしきった声がかかるだけ。

「あんなんが勇者な訳ねーだろ」

「奴隷にも笑われてやんのな」

「なっさけねえ」

 そんな心無い言葉のナイフが突き刺さるも、大きな手が伸びてはアームスの裸体を包む。衣服どころか装備さえ何一つ出来なくなった身ながら、その身体をニャーガル団の男達の手が包み込んでやるのだ。

「そんな顔するな、可愛い顔が台無しだぞ?」

「俺たちがしーっかり面倒見てやるからな」

「今夜も楽しみにしてるぞ」

 それがよりアームスを彼らに依存させるためのものだろうと、勇者でもない少年はその手を取らざるを得ない。

「う……ぁ…………わ、分かってるっての…♡」

 夜になれば、きっとこんな自慰行為など鼻で笑われるようなセックスが今夜も繰り広げられるだろう。それが待ち遠しくて、アームスは一丁前に「は、早く宿に行くぞ」とニャーガル団の皆を引き連れて堂々と裸にて歩き出していくのだった。


 <終>


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