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タップ⑦

『シソンヌを探して』後編


Chapter ⑦『青年のきみ』


 それから数年後。


──ロケーション『冒険者酒場ステップアップ』。

 このテッペントラートも新興都市の慌ただしさも抜け、いつかしか冒険者たちの帰る場所となってきたのではないか。そんな気持ちにさせる一つは間違いなくここの存在もあるだろう。都市でも指折りの凄腕冒険者たちが集う、1ランク上の酒場なのだ。


 温かみのあるオークウッドと石材で造られた、広々とした店内。その中央には、お抱え吟遊詩人たちの生演奏に彩られながら踊る1人の獅子青年。

「みんなー、今日もオレの踊りを見に来てくれてありがとね」

 今では都市一番の踊り子として舞台に立つのは、かつては“ちんちんくりん”と笑われていたタップ。

「よっ、待ってました!」

「愛してるぜ〜!」

「今日もタップちゃんを見に来たよー」

 酒飲みの冒険者からお調子者まで、軽薄な声援。ギルドでは精力的に依頼をこなす凄腕の彼らが、まさかこんな声をあげているなど街の皆は知るまい。


 その視線を独り占めにするタップ青年。

 現役冒険者なので休みの日にしかステージには立たない。そのため彼の舞を見られる機会が少ないこともあって、この日も酒場は満員御礼。

 熱烈なファンの声援には「はいはいオレも愛してる愛してる」とか「オレじゃなくて踊りの方を見に来てよね」だとかバッサリと。

 その容姿。少年の頃から背丈こそ成長はしたが、雄獅子というよりは雌猫獣人のような肢体。立髪だってついぞ生え揃うことはなく、女性性を匂わせるしなやかな細身を、例の妖精産の踊り子衣装で包み込んでいる。極薄銀のヴェール、細やかな金装飾をシャンと鳴らし、見事な舞の数々で観客たちを魅了しているのだ。

 舞を披露しながらも、目が合えば気さくに声をかけ、ファンの心を掴むサービスだって欠かさない。

「今日もじゃんじゃん飲んでってよ」

「ツケはお断りだからね」

「みんなの次の冒険が上手く行くことを願って、ホンキで踊らせて貰うからさ」


 そうやってステージを終える頃には酔いを深めた客も多数。今度はおせっかいママのような態度で声を飛ばしていくタップ。

「じゃあね、おやすみ!おやすみ!」

「ほらそこ、寝落ちしてるパーティメンバーを置いてくな」

「あ!ダメダメ、吐くなら店の外でね!?」


 更には観客はもうタップの肢体を見るだけでは我慢できず、こんなことまで言い出す始末。

 猿獣人のレンジャーが助平なジェスチャーで誘う。

「なあなあタップちゃん、このあと“どう”?」

「ダーメ」

 土魔法使いの象獣人が鼻息も荒く手を上げる。

「おれはおれは!?なあ、もう半年通ってんだぜ?」

「もちろんダメです」

 竜族の聖騎士も職に見合わぬ興奮顔で頼み込む。

「頼む!1発だけ!」

「ぜーったい、ダメ」

 彼ら酔っ払いからの夜の誘いなど、今日に始まったことではない。少しだけ嬉しそうにだが“丁寧に”断っていくのだ。


 中には酒の力を借り、無理矢理に手を出そうとするものも。

 犀獣人の重戦士は我慢ならないように角を震わせ、酒精と怒りで顔を赤く染めて吠える。

「ッ、このオレ様の誘いを断るなんて、子猫ちゃんには力づくで分からせてやらねえと分からねえみたいだ──」

 だがその格好の良い啖呵は言い切ることなどできなかった。

「う、うおわあぁ!?」

 その大きな鎧のうなじ部分を、どこからか伸びた太い腕にガシリと掴まれて店外に引っ張られていったからだ。店のすぐ表でわざとらしい打撃音を立て、重戦士が叩きのめされているのが街中に響いただろう。重戦士だけでなく、通行人の悲鳴までもが店内にまで届いて。


 しれっと店内に戻ってくるのは今し方の騒動の主、狂戦士のダンクス。

 その姿を見れば、タップの周りに群がっていた酔っ払い冒険者たちは蜘蛛の子を散らすように居なくなった。

 その容姿。三十路を控えた頑強な身体付きはタップと旅を始めてからより研鑽が積まれ、強面は相変わらずだがどこか落ち着いた笑みを浮かべるまで。相変わらず身体の動きを妨げない軽装ではあるが、赤竜の革や魔鉄鋼などなど、2人で集めた素材で造られた装備品は見事なもの。

 こうも逞しいボディガード兼相棒が居るせいで、タップに手を出せる男などこの街にはいるはずがないのだ。加えて、タップがこんなにもしなやかな痩身に育ったのも、この男の雄ホルモンの強さにやられているせいに違いない。

「遅かったから迎えに来たぞ、タップ」

「あー……さっきの大きい子は?」

「ん?ああ、きっと酒が強かったんだろう、外で寝てるぞ」

 タップに影響されたのか、ダンクスだって今ではこんな冗談を真顔で言うのだ。

「も、もぉダンクスはーっ。自分で対処できるって」

「自分で対処して、どうなったんだったかな?」

 ダンクスの含みのある言い方。この街に来たばかりの頃、同じように酒場に雇われたが酔っ払いに絡まれたタップが、店内で客をボコボコにしてしまったのだ。もちろん即座にクビになったという、この街特産のエールよりも苦い思い出話だ。

「う…………オ、オレも若かったの!」


 こうして今日のタップのステージは早めの切り上げ。

 店の奥で一応の上着を羽織り、ダンクスに連れられて裏口から出る。そんな時だ、タップがよろけたせいでダンクスにもたれかかったのは。あれだけの大人数に柔肌を晒し、見つめられ、欲をぶつけられれば、その細身を火照らせるのも仕方ない。

「うぅ……今日の舞台上も、熱かったんだぁ……」

「祭りに行くんだろう?」

「……いく」

 だからステージも早く終わらせた。

「でも、あとちょっとだけこうしててね」

 ダンクスのいつだって分厚い胸板を借り、落ち着くまで、落ち着くまで。



 そして夜の街へと繰り出した2人。

 今日はいつだったかの時にも見かけた、街の恋愛祭りの『愛々祭』が行われている。夜の大通りは魔法の幻光や煌びやかな装飾がキラキラと光り、沢山のカップルが楽しそうに。

「うわ〜、今年もすごいね。ほら早く」

「最初に来たときは見向きもしなかったのにな」

「もー!ダンクス、それ毎年言ってくるんだから」

 手を引いて急かすタップにダンクスはそう冗談めいて笑った。今ではタップだって色恋を知った身、こんなにも盛大に祭りが開催されていれば胸の高鳴りを感じずには居られないのだ。

「思えばあっという間だったな──」

 ゆっくりと大通りを歩きながら、ダンクスがポツリと呟いた。

 駆け出し冒険者だったタップも今は昔、ランクだってそれなりに上がった。この街にもある教練所では、教わる側から教える側になったりもした。

 ダンクスはあれからもタップに付き合われ、訓練やらを繰り返して狂暴化を見事抑え込めるまで。そのせいか陰は消え、より一層の男前に磨きがかかったことで逆ナンパからパーティ勧誘からを断るのに忙しい日々。

 ただしいつだったかダンクスが、生えていない立髪のせいでタップのことを猫獣人だと勘違いしていたことが判明し、二度目の解散の危機があったりしたことも忘れてはならない思い出だろう。


 あちこちで職人たちが腕を競うように花火を上げている。魔法使いたちも魔力を限界まで振り絞って空にロマンチックな輝きを放っていたりと、恋愛の祭りに相応しい雰囲気に街は包まれているのだ。

 普段は実用品ばかりの市では飲食の出店が並び、タップがあちこちで買い食いをする。

「ほらどう?嫉妬しちゃう〜?」

 棒付きの太いフランクフルトを、ダンクスに見せつけるように咥え込んだ。

「……おい」

「ンッ……ンムッ…あっ、熱っ…!?」

 イヤらしく食べるつもりが、火傷していないか舌を突き出して確認してもらうタップだった。


 他にも『思い出の水晶』を使った撮影ブースなどもあり、銀貨を支払ってタップがせっつく。

「ね、ダンクスほら!一枚撮ってこ?」

 ファンシーな背景の前でダンクスの二の腕を背伸びして抱きしめ、この時ばかりは少年時代を思わせるニシシという幼い笑み。

「人前でくっ付き過ぎだ」

「嬉しいくせに」


 恋人達の為の祭りとなれば、出店の一部では当然のように『夜の品』だって売っている。以前ならば大声で笑ったであろうタップも、今では良い歳、落ち着きのある青年としての態度で言うのだ。

「もう、品が無いんだから。ねえダンクス──って!?」

「店主、これは幾らだ?」

 リンゴを買うが如く平然と尋ねるダンクス。

「ちょ、ちょっと、こら!」

「あ、おいどうしたんだ?」

 先ほどよりも強く腕を抱き、引っ張って如何わしい出店から離れさせていくタップ。気恥ずかしさからついダンクスを殴ってはみるも、分厚い胸板に弾かれるだけだった。


 そして楽しい夜の祭りを堪能していく2人。

 キスをするとサービスしてくれる食べ歩きデザートを2人でつついたり。路地裏でキス以上のことをしているカップルを見かけ、2人してムラッとしてしまったり。けばけばしいピンクのランプを灯した宿を紹介されて言葉に詰まったり。

 そして。

「…………やっぱ、手おっきいね」

「……ああ」

 こんな祭りなのだから、皆して手を繋いで歩いているのだ。2人だって自然とそういった風に手と手と重ねた。大きい手は大きいまま、小さい手は少しは成長したが細いまま。

 そんな2人の指には揃いのペアリング。あの錆びた『凪の指輪』を素材に作ったひと組。ただの古びたミスリルではあったが、苦労と労りの籠った品。

 それもこれも、以前のこの祭りでダンクスがタップに告白をして受け入れて貰った時にプレゼントした品だから。今ではれっきとした恋人同士、手くらい繋いだっておかしくはない。


 そのまま他の恋人達の流れに沿って歩いていけば、小さな池のほとりへと。

 蝋燭と光魔法で演出され、水面は幻想的に輝いている。明らかに何か日常から切り離され、特別に仕上げられている空気。

 だからそこかしこでカップルの雄が、この祭りの風習として相手にプレゼントを贈る光景が繰り広げられている。タップだってそれを経験済みだが、それはそれとしてソワソワと落ち着かなくなって。

「あー……今年も、なんか…ある……?」

「ない訳がないだろう?」

 この祭りの締めくくりも二度目。ダンクスは静かに頷き、跪いて小さな飾り箱を差し出す。それをそっと開ければ、中には小さな魔石が二つ。

「わっ……キレイ!」

「今度、一緒に行って加工して付けて貰おう」

 揃いのリングに追加して取り付ける為の、少しばかり奮発した強力な魔石。

 タップは最初だけは真面目に微笑んでいたが、次第にニヤニヤとした笑みを浮かべていた。

「……何がおかしい」

「ふふ、ダンクスも気が利くようになったねえ、と思ってさ」

 告白をした年、その時は指輪のサイズが合わなくてバタバタしたりしたのを思い出し、からかうタップ。

「それは──」

「ありがとね」

 もちろん本気ではないよと、思い切り背伸びしたキスで黙らせるタップなのだった。


 あくまで小さなキス。これ以上つながろうとしてしまえば、後戻りはできなくなってしまうからとタップは両手をスナップを効かせて叩く。 

「オレがもっと盛り上げてあげちゃおうね!」

 上着を脱いだかと思えばダンクスに放り投げ、池のほとりを今夜の第二ステージとするタップ。情熱的でありながらも真摯であり、感謝と祝福を相手に捧げるような見事な舞。身体が熱くなるのは見られているだけでなく、踊りを通じて自分だって告白するような気持ちを伝えようとしているから。

 次第に盛り上がったタップはダンクスの手を引き、その踊りの世界に引き込むのだ。

「あはは、ほらダンクスも来いって!みんなも踊ろう、さあ!」

 プレゼントを終え、舞い上がる気持ちを抑えられない恋人達は勢いのままに池のほとりで愛のタップを鳴らすのだった。


 * * *


 2人が帰るのはそこそこ敷居の高い定宿地区。今ではこの街に来た当時よりもよっぽど良い部屋を借りられているのだ。もちろんダンクスが頭をぶつけることもない。

 タップとダンクスは手を繋いだまま入り、ニコリと顔を見合わせて言う。

「ただいま」

「ただいま」

 昔のような一室だけでなく、キッチンからリビングを抜け2人は寝室へと傾れ込むのだ。

 酒場でのステージから、池のほとりでの踊りを経て、タップの身体は熱く熱く。沢山の視線を注がれてすっかり気持ち良くなっていた肢体を解放するように、上着を脱ぎ払う。踊り子衣装をはためかせ、ダンクスの大きな身体をベッドへと押し倒した。

「ほら、オレこんなに火照っているよ」

「酒場の時点で身体熱かったよな」

 やられっぱなしではないとダンクスの手がタップの腰を優しく抱く。

「だって、あんな見られたら……」

「皆、タップ目当てだ」

「ふふ、知ってる」

 おかしそうに笑い、タップはダンクスの胸板にへたり込むように身体を沿わせた。

「いつも凄い人気だ、あんな目で見られて平気か?」

「……興奮する」

「ファンの雄たちはみんなタップのこんな姿を妄想してるんだろうな」

 明らかに独占欲を滲ませた声でそう言い、ダンクスの太い両腕がタップの柔らかな尻たぶに食い込んだ。

 甘く呻いたタップだが、顔を起こしてマズルを尖らせて。

「ンッ♡そんなの知らない……オレはダンクスが良いの」

 起き上がったタップはダンクスに跨ったまま妖艶に微笑んだ。窓から差す月明かりに照らされながら、銀のヴェールをベットから投げ、身体の装飾品を一つ一つ外していく。蠱惑的な笑みで踊り子衣装に手をかけ、さあと脱ごうとするタップ。


「嬉しいよ」

「ふふん、もっと嬉しくしてあげるから?」

 着用者に合わせてサイズの変わる妖精産の踊り子衣装。いつかの旅で買ったそれは未だにダンクスの視線と心を掴んで離さないもの。それをそうっと脱いでいけば、そのしなやかな細身に見合った女性用のランジェリーが現れる。こんな祭りの夜だ、プレゼントは自分だと言わんばかりのタップの恥ずかしそうな笑み。

 レース仕立ての薄生地はしっとりと濡れ、明らかに丈が短いにも関わらずタップの性器を包み込んでいる。それに指をかけ、焦らし半分と羞恥心が半分でタップは囁く。

「こんなのダンクスにしか見せないんだからね」

 清潔なシーツに落ちたランジェリー。タップの股間、そこにはろくに勃起もできず種無しの甘え汁を垂らしている小さな包茎ペニス。貞操帯で押さえつけ過ぎたせい、ダンクスの強い雄ホルモンを浴び続けたせい、そしてそんな相棒の番になりたいと心から思ってしまったからこその、所謂メスちんちんの有様なのだ。

「見せられない、の間違いかな」

「……バカ…」

 ヒクンと雌突起を揺らすが、それだけ。タップはダンクスに跨り、全てを晒しながら薄い胸を上下させるだけ。裸の心で見つめるだけ。


「まだ小さかった頃は『いつかお前より大きくなる』とか言ってたもんな」

 ダンクスは右手をタップの頬に当て、そっとキス。

「ン♡ァ……あ、あれは」

「『成長期なんだからな』とか言ってたのはどうなったんだろうか」

 からかいながらのキス。

「立髪だって、生え揃わないなんて思わなかった」

 頭を撫で付けながらも抱き寄せ、ダンクスはタップと体温を交換させていく。

「もう貞操帯も必要なくなってしまったな?」

 尋ねながら撫で付ける大きな手。今のタップの身体はどこも、雌性の細さと肉の柔らかさを如実に示している。明らかに女性ホルモンの影響を感じさせる、男を欲情させる肉付きに仕上がっているのだ。

「だ、誰かさんが毎日ぃ♡ふあぁ♡……こ、こーゆーことする、からぁ♡」

「こういうことか?」

 ダンクスの愛撫は優しく、イヤらしく、よりタップの体温を上げていく。頑強な巨漢ながら、その雄の強さや匂い、愛おしい気持ちを擦り付けるような撫で方がタップをもみくちゃにしていくのだ。

 となればタップの心音はうるさいほど、ドキドキしっぱなしで泣きそうにさえなってしまうのだ。

「そ、そうだよ!そのせいでこんな……こんなぁ♡」


 その強がりが可愛くて堪らないのか、ダンクスは男性性を目一杯に湛えた低音で囁くのだ。

「こんな細い喉?」

 ついぞ声変わりしなかったからか、ダンクスの撫で付ける首筋は平坦なまま。

「こんな柔らかい髪質?」

 太い指先で優しく掻き分けるが、そこには立髪なんて誇らしいものは生えてはいない。

「こんな雌の乳首?」

 ツンと張ったそこだって、ダンクスが毎晩のように愛撫すればこその膨らみ。

「こんな細い腰?」

 踊り子としての活躍は確かな腰のくびれを生み出し、雄を誘って仕方ないもの。

「こんな雌のちんちん?」

 人差し指で持ち上げられてもぷるんと柔らかいままの小性器、縮んだせいで皮だって被ってしまっている。

「こんなむっちりした尻?」

 臀部の硬い筋肉下地の上にはしっとりと贅肉が乗り、青年らしからぬ色気を放つ。

「こんな──俺のが大好きな、ココ?」

 そのままダンクスの指が滑り込んだのは尻の割れ目。そっとノックしたのはタップの淫らな秘部で、指で撫で付けながら瞳を覗き込めばタップの返事など濡れに濡れたものになってしまうのだ。

「う、あ……あ…ぁ♡……せ、責任とってよねえ……♡」


 それに応じるさと、ダンクスはタップを軽くふわりと押し倒し返す。自分もいそいそと服を脱ぎ捨てれば歴戦の傷だらけの見事な裸体。同じく月明かりにそれを誇示したかと思えば、既にその裸体に欲情し切った男根をタップのマズルに乗せたのだ。

「コイツで、か?」

 いつかやったようにタップの鼻先にズンと乗ったそれは、これ以上ないほどに固くそそり勃っている。毎晩のようにタップの体内を感じ尽くしているそれは色黒でキッパリと亀頭を露出させた、誰しもが羨むであろう逸物に仕上がっているのだ。

「ッ………ふあぁ♡」

「これ好きだろ?」

 少年時代でもそうだったのだが、今では『好き』だけでは足りる訳がない『大好物』。もう完全に意識も視線も奪われた発情顔のタップ、蕩けたような表情で呟くのだ。

「す、好きぃ♡」

 普段の溌剌とした表情、ステージで観客を誘惑する表情、それらからは想像も付かないようなうっとりとした顔になってしまう。

「…っ……あ♡な、何も考えられなく、なるぅ♡」

 ダンクスにだけ見せる、大切な恋人にだけ見える裸の表情なのだ。

「だ、大好きぃ……♡」

 蕩けた声音、垂れるのは眉や目尻だけではなく唾液まで。

「オレ………しゃぶって♡キスしてぇ♡舐めて♡お尻で感じたくなるッ♡」


 気付けばタップは鼻をスンスンと鳴らし、マズルにどすんと乗せられたダンクスの太肉棒に完敗していた。

「毎日こんなの突きつけられたせいなんだからね……♡」

 身体の全てが柔らかさのみを増し、雄臭い幹を嗅ぎながら声を漏らしてしまうのだ。

「オレがこんな、エッチになったのはあ♡」

 恥ずかしそうにしながらもタップの両手は乳首を弄り、薄い胸を逸らすようにして感じ入った素振りを見せる。ダンクスの雄の重さを少しだけ持ち上げるようなマズルで確かめ、蕩けたように言ったのだ。

 だからダンクスだってより自分の欲望を示すため、より大振りになった睾丸をズッシリとタップのマズルに乗せたのだ。

「ほら、こんなにタップの中に出したいのが溜まっているぞ」

「ふ…あ………へ…ぅぁ……やば、い…ってぇ………♡」

 下着の中で蒸れた雄袋、その熱さと臭気がタップの思考をただ雌のそれへと追いやってしまうのだ。


 これ以上は我慢できないと、ダンクスも腰を進める。その誰が見ても巨根だと褒め称えるであろう肉柱をタップの顔面に押し付けた。

「ッ……良いぞ」

 自分だってドギマギしていながらの、一声だけ。

「んっ♡」

 餌付けされる動物が飛びつくように、喜んで奉仕を捧げてしまうタップ。誰にだって見せたことのない、聞かせたことのない甘え方。

「頂きます♡………ンムッ♡ンフッ♡チュ、ンプァ♡」

「今日はやけに積極的だな」

 嬉しくなってしまうダンクスだって、尻尾を振るう。

 タップもその振りに合わせるように尻尾をくねらせ、ピチャピチャといやらしい水音で太ましい旦那様に口淫を。舐め上げる舌、唾液と一緒にダンクスの先走りを啜り、玉袋を揉みながら切なそうに見上げる目。今や完全に女の仕草を覚え込まされてしまったタップだ、それらは容易にダンクスの心拍数を上げていくもの。

「上手いぞ、タップ」

 頭を撫でながら、ダンクスは亀頭を磨くように舌をねぶってくるタップが愛おしくて仕方ない。

「……本当に、やらしくなったな」

 踊り子衣装さえ脱ぎ捨てた裸体は月明かりにその細身のシルエットを浮かばせる。少年の時から、あまりにも男を誘惑する肢体に育ったのが堪らないダンクスなのだ。

「ンチュッ♡んっ……あは、は♡」

 しかもタップは自身の尻の支度さえ並行させ、早く交わりたいと微笑みさえする。じゅるり、ぴちゃぴちゃと唾液の音を遊ばせながらも、若穴を潤滑ポーションで濡らす、指を前後させる。それらをダンクスに見せ、余裕ないなりにも煽るように熱い視線を絶え間なく送るタップなのだ。


 だからダンクスが沸点を超えるのだって仕方ないこと。

「滾っていたのは、タップだけじゃないからな……!」

 男根により血流が漲っていくのを実感しながらも、細い喉で必死に舐めしゃぶるタップの刺激に腰を強張らせていくダンクス。こんなにもイヤらしく喉を鳴らし、顔を上気させて肉棒に蕩けているタップの姿、これこそ恋人だけに見せる劣情の舞に他ならないだろう。

「悪いが……お前の踊り姿は…俺を欲情させて堪らないからな!」

 タップのたおやかに成長した青年顔をカウパー液でドロドロにしながらも、それ以上にマーキングせんとダンクスは吠えるのだ。

「……ッ…タップ、もう…………出すぞッ!!」

 どうにか腰の押し進めだけに留めたが、それでも黒虎の絶倫さは磨きがかかっているもの。この日の為にここ数日は堪えていたのもあっての速さ、そして量がタップを襲うのだ。ドクンドクンと脈打つかのような雄袋から、これでもかと溢れていく精、精。

 タップはそれを喉奥で受け止めようとする、懸命にごくりごくりと飲み干していく。それでもそれでもと溢れていくものだから、最後には顔どころか胸元までをぐっしょりと白に染めてしまうのだった。だというのに卑猥な笑みを浮かべたかと思えば、舌舐めずりさえして囁くのだ。

「え、へへぇ♡……濃かったねえ♡」

 全ては無理にしろ、かなりを飲み干せたから自信ありげに笑ってみたタップ。けれどダンクスの続く言葉。

「……今のはまだ上澄みだからな」

「へ?」


 ひょいと抱き抱えられるタップ。あぐらをかいたダンクスに座らせられるように真正面から向き合う形だ。

 タップが幾ら青年へと成長したとはいえ、ダンクスだってより男盛りに磨きがかかっているのだ。その巨漢は戦う者としても、抱く者としても遥かに育っているのだから。

 そうやって少年時代から散々に抱かれてきたタップだ、この愛しい黒虎専用のカラダに仕上げられているということでもある。

「日に日に俺好みになっていく、俺は自分を抑えるので精一杯だ……タップ、お前こそ責任を取ってくれよな!?」

 瞳を覗き込むようにして、先ほど出したばかりを感じさせない固さの雄を当てがうダンクス。交わりを欲し、白に濡れた亀頭がタップの秘部を穿たんとビク付いている、今にも、今にも。

「待っ、ダンクスッ、あ、こら──」

 そんな聞き分けのいい男などここには居ない。ダンクスはタップを正面座位の体勢で軽く持ち上げ、その太ましい肉棒でもって下から一気に貫いていく。

「んっぁあああぁぁあーっ♡♡♡」

 月にまで届くのではないかという嬌声を上げ、裸体をのけ反らせるようにして挿入の衝撃に悶えるタップ。抱きすくめられ、逃げることもできないままに愛しい雄を深々と体内に収めていくのだ。


「あっ、うああ♡待っ、待てったらぁあ♡」

「待たない……!」

「んぅぅ、あぁあッ♡」

 少しは成長したとはいえ、その体格差は男と女ほどはある。それもとびきり逞しい男と、とびきり華奢な女の差だ。

 ダンクスはタップの善がり声を聞くのが嬉しくて仕方なく、どうにも腰を進めるのを止められない。狂暴化など比べることもできないほどの愛しい肉の欲求が腰から命じてくる。番を自分のモノにしろ、番を自分の雌にしろ、そう叫んでやまないのだから。

「あ、んくぅう♡あ、すごっいいいぃ♡」

 メリメリと若穴を押し広げていくダンクスの太ましさには、毎晩抱かれていたってタップは慣れることはない。恥ずかしい穴性器をダンクスの雄竿ぴったりの形にされているというのに、毎晩漏れ出る嬌声が弱まることはない。

「バカァ♡激し、いんだってえ♡」

 黒虎のガッシリとした太腕がタップの細腰を抱くすくめる。離しはしないと身体の距離をほとんどゼロにする勢いでタップを揺さぶり、ガツガツと掘り崩していくダンクスなのだ。

 そうまでされて、そうまでされるのが嬉しくなって、タップは両手でダンクスの左手をぎゅうと握りしめる。

「く、ふうぅ♡あぁあ♡ダ、ダンクス、ダンクスゥ♡」

 人気ナンバーワン踊り子の、あのタップの悩ましげでくしゃくしゃの声。

「あっあっ♡ンンンッ♡」

 きっとこんな声、こうして目の前にしなければ本人と分からないのではないかというほど。


「おっき、いぃっ♡すごいっ♡」

「これが欲しかったんだろ?」

 ダンクスの右手がタップの腹を撫でる。薄い腹筋はそのままではあるが、成長するにつれて舞いの動きで絞られた腹部はしなやかの一言に尽きる。それが今、ダンクスの巨砲によってうち抜かれており、容赦なくボコリと盛り上がってしまっている。

 番としてはそれがどうしようもなく独占欲を唆る行為であり、最果てを考えればまだまだこんなものは序の口とさえ思ってしまうのだ。膨らみをなぞりながら、ダンクスは静かに囁く。

「ほら、タップのココまで入っているぞ?」

「う、ぁああ♡すごい、奥までぇ♡もう、こんなの知っちゃたせいで、オレ……オレェ♡」

「そうだな、こんなに可愛くなってしまって」

 細い身体を抱き潰さんとする。ダンクスはどれだけ可愛がっても足りないと腰を打ち付け、肌を合わせていく。固く固く治まらない男根をひと突きするごと、タップの甘えた声が男心をくすぐって仕方ないから。

 ついには全身を舐めるように撫で付け、華奢な子猫をあやしつけるのだ。もうかつての口癖だった「悪い」とは言わず、むしろ得意げに言う。

「すっかりオレの雌になってしまったものな?」

「ァっ♡ぅう………お陰さま、で!……う、嬉しいけどぉ♡」

 ズンと打ち上げられ、背筋をゾクゾクとさせながら半泣きのタップは答えた。可愛らしく「このヤロウ」と鳴き、ダンクスの背中に回した手の爪を立てたのだ。

「俺だって嬉しいぞ、タップ」

 そして直ぐに直下地震のように掘り尽くされ、アンアンと甲高い悲鳴を上げさせられるだけ。

「ンッ、あぁ♡」

 若穴がグチグチ、ヌチヌチとうるさくって仕方ない。

「ああっ、もぅう、ああっ、好きぃ♡」

 こんなにも男らしい雄に抱かれること、こんなにも通じ合った相手に抱かれることが嬉しくって仕方ないのだ。

「やぁ、んんッ♡」


「ほら、好きに気持ち良くなっていいぞ?」

 その言葉を受け、身体は従ってしまうタップ。夢遊病のように無意識的に両手で乳首を愛で、ダンクスの抜き差しに合わせてコネコネと遊んでしまう。じっと見られている、優しく見守られていると分かっていることが、余計に恥ずかしさともどかしさを助長する。

「……ァア♡ア、ンンッ♡ッ……アァ♡」

「もうこっちは触らないんだな?」

 その質問、視線の先はタップの柔らかく揺れるだけの若雄。もうまともに勃起するという機能を果たせず、だらしなく甘塩っぱい雫を垂らすだけ。快楽を味わう器官というよりは、それを証明するだけの器官に成り下がっているのだから。

「ッ……う、あぁ…………だ、だってぇ…♡」

 言われると一気に顔を赤面させ、タップはうろたえてしまう。こんな身体になったのは誰のせいだと言えもせず、ただ恥ずかしさに震えるだけ。

 ダンクスは少し申し訳なさそうに手を伸ばす。

「小さくっても、可愛いからな?」

「ンッ……ダメェ…アッ♡触っちゃ、ダメだからぁあ……ソコ、ホント弱いッからぁあ♡」

 未成長の皮被り、以前は年相応のサイズで成長を期待できる品だったのに、ダンクスの雄気に誑かされてこの様。今だって硬い指先に弄られては、冗談みたいにビクビクと跳ねてしまうのだ。

「ダメッ♡……アァア♡直ぐ、出ちゃ、うからあぁああ♡」

 あまりに小さく、弱く、それは幼い弱音をタップから吐き出させてしまう。


「それは勿体無いか」

 ぴたりと手を止めるダンクス、むしろタップにとって若竿以上の快楽器官となった雌乳首を可愛がり始める。タップが触れているのを大きな手で上から包み込むようにし、2人分の慰めをつぶらな乳頭に落としていく。

「ふ、ぁああ♡これ、やばいってぇ♡ダンクスのおっきい手、感じちゃ、うからぁああぁああ♡」

 叫べば叫ぶほど、タップの丸尻はキュンと跳ねる。すれば愛しい恋人の太い雄をぎゅうと締め付けては離すまいとしてしまうのだ。

「俺のを、必死に咥え込んでるので良く伝わってるよ……!」

 クスリと笑われ、その低音ボイスにゾクゾクと感じてしまうタップ。こんなにも至近距離、こんなにも下腹に響く重低音が、獅子青年の理性をくしゃくしゃにしてしまうのだ。

「い、言わないでったらぁ♡アッ♡ぁああ、もうオレェ………オレ……ん、くぅうう出ちゃ…う、からぁああ❤︎」

 ずっぷりとダンクス自身を咥え込んだ尻の肉襞がキュンと窄まっていく。吐精と連動して蠢くイヤらしげな中肉が、ダンクスをも追い詰める。2人して昇り詰めてしまい、目をぎゅっと閉じて果てを受け入れるのだ。

「俺も、限界だっ……!」

「あぁあーっ❤︎イッちゃうっ、イッちゃうからあああ❤︎❤︎❤︎」

 とびきりの嬉しい声で鳴き、タップの柔らかな包皮の隙間からぴゅくぴゅくと漏れ出る精。勢いや量は成長したにせよ、勃起していないせいでそれはなんとも女々しい射精。

「タップ、出すぞ!手加減なしで、出すからなぁッ!!」

 対して猛獣のように吠えたダンクス。ぐっぽりとタップの最奥へと雄挿入し、いきり立つ竿をうち震わせるようにして精を解放したのだ。三十路前のこれでもかという男盛り、その体躯からして雄らしさの塊、誇らしいほどの射精がタップの腹を襲うのだ。

 ドプッ、ドピュル、ブピュルウ。とんでもない絶倫さを見せつけるように大振りの睾丸をたわませ、ダンクスはタップを孕ませんと白の濁流でもって理性を押し流していくのだった。


 2人がケモノではなくヒトとしての思考回路に戻り、息を散らし合う。タップなど、肩で息をしながらも腹部を押さえずにはいられない様子。踊り子としての曲線美を誇っていたその腹は、注がれたダンクスの子種によってボッコリと膨らんでいるほどなのだから。

「……ハァーッ♡ハーッ♡……ほんっと、ダンクス出し過ぎだって♡」

「ッ……悪い、とは思う」

 タップが腹を抑えながら少し苦しんでいるのが、いけない興奮を湧き上らせるものだからダンクスの声は小さい。

「は、はは♡オレ……見ろってぇ、こんな孕まされ、ちゃったあ♡」

 そういうタップの声だってどこか嬉しそうな響きであるし、毎日こうやって恋人の体液で満たされることを望んでいる部分があるのだから。

「ん、はぁあ♡こんなお腹じゃ、ステージの上では踊れない、からさぁ♡」

 うっとりとした表情で上目遣い、ダンクスをからかうようにタップは妖しく微笑むのだ。

「ダンクスの上で、まだまだ楽しませて貰うからねえ……♡」


 こうまでされてもまだ満足できないと、タップはダンクスの上で淫らな舞を繰り広げようというのだ。繋がったまま押し倒し、見つめ合ったまま騎乗位へと。

「ンッ、ああッ♡これ、ちょっと痺れちゃう……♡」

 仰向けに寝転んだダンクスに貫かれたままであるというのに、馬乗りで分厚い腹筋に両手を当てて動き始めるタップなのだ。

 心配そうに見上げ、声をかけようとするダンクスではあったが。

「タップ、無理は──」

「させてるのはダンクスのせいなんだからさあ♡」

 大きく両股を開き、濡れた結合部と膨らんだ所謂ボテ腹を見せつけるタップ。 

「はは♡オレの恥ずかしいとこ、全部みてよぉ……♡」

 そう言いながら始めるのは、あられもないプレイを解説しながらの腰振り。


 薄い胸を突き出し、ツンと勃起した乳首を見せつける。腰をバウンドさせ、ダンクスを攻めながら責めるのだ。

「ンッ、ふぅ♡ダンクスのせい、だろ♡い、いつも、乳首吸うからあ♡摘むから、こんなになっちゃってさあ♡」

 続けて結合部を丸見えにするように恥ずかしげな大開脚。ずっぽずっぽ、ずぷずぷ。2人分の愛液とダンクスの溢れる精液を泡立てながら、タップは叫ぶのだ。

「お尻だってぇ♡オレ、こんなおっきいの味わったから♡……じ、自分の使うなんて考えられなくなっちゃってさあ♡」

 だからその次に摘んで見せるのは皮被りの柔らかい若雄。勃つことがなくなったのはその必要がなくなったからに他ならず、ダンクスの余りある雄性がそうさせたのは2人の何夜もの交わりが証拠。

「そのせいで!くぅ……♡こ、こんな雌ちんになったんだろお♡ダンクスの雌にされた、からあ……♡」

 それでも言葉には嬉しそうな色が垣間見え、アンアンと腰を弾ませながらもダンクスをも喜ばせようとしているのは間違いないこと。

「だからこんな♡ンッ、アアッ♡……お、お尻ばっかり、感じるようになってぇ♡」

 その膨らんだ腹を抑え、孕ませられた同然の肢体であられもない上下運動。小さな包茎ペニス、情けない雌ちんちんをペチペチと弾ませながらの強制騎乗位。

「オレの身体ぁ♡ダンクスのおちんぽの為の身体にされちゃったんだからあ♡」

 蕩けるような声で助平に鳴き、ダンクスを肉ディルドにでもするかのように腰を弾ませるタップ。次第にどうにかして一番良いポイントに亀頭を押し付けようともがきさえ。


「く、ぅうんっ♡あっんん♡こ、こうやってしっかり責任とってもら──」

 余りにも淫ら、娼婦などよりも万倍は情熱的なタップの“舞”がダンクスの理性を崩壊させる。ぐらつくのではなく、完全に倒壊。

「本当にタップは俺の理性を揺るがすのが上手いんだな……!」

 ダンクスは自分の脱ぎ捨てた服から取り出した小さな包みから、大きな金鈴を3個摘み見せる。片手でタップの細腰を抱き寄せて、イタズラっぽく笑うのだ。

「いつの間に、そんなぁ♡」

 先の祭りの出店で買っておいた可愛らしい装飾。

「俺の上で踊ってくれ、いい音を聞かせてくれよ?」

 タップがドキリとした顔で動きを止める。だからそれをダンクスは了解と受け取り、タップの両乳首と包皮先端に金属クリップで取り付けたのだ。重さはないにしろクリップで止められたじんわりとした感覚に、タップは文句の一つ。

「だ、だから買うなってえぇ♡」

「喜んでいるくせに!」

 何年一緒にいるんだと、ダンクスは腰の突き上げ。タップが落ちないように太ももや腰を抱きしめながら、何度だってガンガンと乱れ突いていく。


「んああぁぁあっ♡深いぃい♡あ、バカァ……♡」

 タップが悶え、柔らかな猫科の細身をくねらす度に鈴がシャンシャンと鳴り響く。ダンクスは知らないことだが、いつかタップがエロトラップダンジョンで身につけさせられたそれを想起させるもの。

「夜だけは狂暴にならせてもらう……!」

「待っ、あああぁあ♡暴れん、なぁあ♡」

 鈴を鳴らし、嬌声を鳴らし、タップは太い肉棒に狂わせられ続ける。

「腰、立たなくなっちゃうからぁ♡」

 ダンクスが腰を暴れさせる度に、乳首からぶら下がった金鈴だって大騒ぎ。

「んっ、もうコレなしじゃ、あぁああ♡」

 童貞のまま雌の快楽だけを教え込まれたせいで、今では立派なダンクスの雌。

「俺のチンポが好きなんだろ!?」

「アッ♡あぁ、好きぃ♡ダンクスのおちんぽ、好きっ好きっ♡」

 恋慕とかけがえのない相棒とへの感情だって大きいのに、ベッドではその巨根におかしくさせられてしまうタップ。何度味わっても、慣れるどころか日に日に求める気持ちが強くなってしまうのだから。

「こうやって!ゴリゴリされるの好きだもんなあ?」

「やぁああ♡や、ああああっ♡や、ソレ好きぃ♡オレの一番気持ちぃところぉお♡」

 自分でだって可愛らしい尻を振り、柔らかな包茎をペチペチと2人の腹にぶつけては鈴を鳴らしてしまうタップ。膨らんだ腹が身重の恥ずかしさを込み上げさせるが、それでも情交への想いが身体を上下させ続けるのだ。

「あ、くうぅんっ♡お、お腹もお♡お、お尻も全部ッ♡アアッ、ンクゥーッ♡ダ、ダンクスのでいっぱい、いっぱいぃい♡」

「鈴に負けないくらい、しっかり鳴かせてやる!」


 恋人の為の祭りの夜、きっとどの寝室よりも声を響かせていることだろう。

「だ、あぁあああ♡すき、すきいぃい♡」

 シャンシャンと鈴がうるさいこと。それにも負けないほどのタップの喘ぎ声。

「やぁあぅ♡激し、過ぎだってぇええぇぇ♡」

 散らかった嬌声を上げるのが可愛らしく、どうしても腰を止められないでいるダンクス。

「オレッ……変になるぅっ♡気持ち良すぎ、てぇぇえ♡」

 青年らしい背丈に育ったとはいえ、まだまだ細身。そんな身体を貪り喰らう罪悪感よりも、自分色に染めたい、モノにしたいというひた欲求だけがダンクスの中に渦巻いているのだ。ガツガツと掘り上げ、柔らかで弱い性感帯のどこだって愛撫をし続ける。

「タップ、大好きだからな……?」

「ダンクス、ダンクスーッ♡オレも、オレもすき、すきだってぇえ♡」

 甘えた声と鈴音を奏で、タップは両手を彷徨わせる。

「…グゥウ……ほら、一番深いところに……!」

 ダンクスは両手の指一本一本を絡めるように繋ぎ、力強くラストスパートに向けて腰を打ち上げていく。ひと突きごとに満身の力、ひと呼吸ごとに雄性を腰から下に満ちさせるように。

「アッ、アッアッ♡欲しい、欲しいっ♡ダンクス、いっぱい、また欲しいってぇ♡オレを、ダンクスの雌にして、してってぇ……♡」

「ああ!俺だけの、俺の雌になれ、タップ……ッ!!」

 またしても2人が最果てに到達するのはほとんど同じ。何百という夜の交わりが、冒険の旅路が、2人の性感覚を繋いでいるのかもしれない。込み上げてくる白の衝動に2人して牙を噛み締め、瞼を強くつむり、三角耳と尻尾をぱた付かせ、果てる。

「う、くぅうう、オレも出ちゃ、出ちゃうからぁああ一緒にぃいい❤︎❤︎❤︎」

「目一杯に注いで!俺の匂いで一杯にしてやる!……出すぞ、出すぞッ!!」

 タップの可愛らしい吐精など、ダンクスが溢れさせんばかりの雄射精には上書きされてしまいそうになるのだ。雄々しい特濃精液がタップの理性を白に塗りつぶし、自分が漏らしているのが精なのか潮なのかも分からなくさせてしまうのだ。

 小さな噴水のようにぴゅくぴゅくと噴き上げるタップ。ダンクスはその細い身体を壊さないようにしながらも、ケダモノの唸り声にて孕ませるための種付け射精を思う存分に。これでもか、これでもかと雄精を注ぎこみ、タップの腹が淫らな妊婦へと堕ちるまで睾丸を震わせ続けるのだった。


 * * *


 次の日、街は昨日の祭りのことなど忘れてしまったかのように平常運転。

 もちろん、凛々しい冒険者装備に身を包んだ踊り子と狂戦士パーティの2人だってそう。お祭りだなんてチャラチャラしたものなど彼らの道ではないのだから。

「さあ!次の冒険は──」

 大きく遠方に指をさすリーダー、タップは今日もダンクスを引き連れて壁門を潜って冒険へと赴くのだ。その尻尾には大きな金鈴を一つぶら下げて、シャンと小気味よい音色と共に新しい一歩を踏み出すのだった。


 <終わり>

Comments

コメントありがとうございます! 知らないキャラですが、楽しんで貰えたようで嬉しいです!

ねむうさぎ

生意気可愛い感じが、グラビテーションの新堂愁一みたいで良かったです!


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