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④アームス

Chapter 1


▼小虎勇者アームスが装備したのは『自慰露見の指輪』だった!

▼アームスの鑑定レベルでは効果は分からない!


 指輪を嵌めた途端、小さなムラ付きがアームスを襲う。それは抑え込めなくはないが、耐え続けるには苦しい絶妙な塩梅。

「も、もしかしてこの指輪……は、発情系の呪いかぁ?悪趣味すぎるだろ……!」

 効果を知らないアームスにはそう思える。だがそれはあくまで副作用でしかないもの。



──ロケーション『バレルの街』。

 ダンジョンから転移させられ、辺鄙な場所に放り出されたアームス。数日かけてやってきたのは機械工業の盛んな街で、常に何かの作業音が鳴り響いているのだった。宿を取り、窓を閉めようがうるさいながらも一安心。


 ベッドに腰掛け、アームスはまじまじと指輪を眺める。何度外そうとしたことか、外すのは一旦諦めているのだ。

「ったく、せっかくレア装備かと思ったってのに、ふざけやがって」

 指輪の嵌った右手は自然と股間へ降りていく。部屋着に着替えた今、もう我慢する必要はないと若雄を露出させるのだ。

「……こ、こういう時は一人旅だと楽っちゃ楽なんだよな」

 言い訳じみた言葉も、呪いの指輪のことを考えないようにしているからか。そっと触れるアームス自身は、既に期待感で勃ち上がっていて右手に喜んでみせる。ヒクンと嬉しそうに跳ねる若雄をゆっくりと味わうように扱き始めるのだ。

「…ッあ♡はぁっ♡」

 流石に野外でする訳にもいかず、数日は我慢しっぱなしだった。

「っ……ふあ♡」

 尻尾が跳ね、股間の毛並みをクシャクシャにしながらアームスは右手を動かす。

「ひ、久しぶりだから、か……気持ちぃ…♡」

 声が漏れ、左手はシーツをギュッと握りしめる。

「ぅ…くぅ……♡やべ……もう…ッ……ッ……♡」

 溜まっていたそれを今にも吐き出せる、そう予感した時。


「御夕飯が出来まし──アッ!?」

「いっ!?」

 入ってきたのは宿の主人の息子。キツネ種の馴れ馴れしい表情の少年で、「いやぁノックしたんですけど」と笑う。街の作業音が絶えないせいだろう。しかもだ、一瞬で全てを理解したのか後ろ手でドアを閉めながらアームスへと擦り寄ってくる。

「なんだお客さん、お楽しみ中すいませんね〜っ。溜まってたんですか?」

「ふ、ああっ♡触んなあぁ♡」

 伸ばされた手、優しくだが遠慮などなくアームスの若雄を握る。からかうように根本をニギニギと圧迫されると抵抗できなくなってしまう。ただでさえ1人遊びをしていた場面を見られるという、男にとって最大限に恥ずかしいショックを受けているのに。

「こんなビクビクさせて、喜んでるくせに〜」

「か、勝手に、入ってくんなぁよぉ……♡」

「いやーすいませんホント。お客さんがオナニーしてるなんて思わなくって。ほら、お手伝いしますから許してくださいよ〜」

 悪びれず、優しく扱き上げてくる動きにアームスは腰を合わせてしまう。まだ他人と性的な出会いを果たしてもいないアームスには、与えられる刺激全てが新鮮で堪らない。そんな初心な反応が楽しいらしく、宿のキツネ少年の声音はより浮かれたものへ。


「綺麗な色してますね〜?新品ですかコレ?いっつも右手が恋人なんですか〜?」

「あっ♡ふざ、けんなあぁっ♡」

 左手も添えられ、まだまだ未熟なアームスの竿や玉を弄んでくる。同年代くらいだろうが、やけに手慣れた動きにアームスは翻弄され続ける。先走りを垂らしながら股をだらしなく開いて与えられる快楽を享受していくばかり。

 先ほど自慰を見られた段階で既に限界が近かった、だからアームスはあっという間に上り詰めさせられる。今にも、今にもと腰がキツネ少年に突き出されるのが止められない。

「やばっ…いいっ♡くぅ、なあ、こんなんでぇ……くぅ………オレッ、オレェッ♡♡♡」

「はい終了〜っ」

「へ……あ…?な、んで……お、おぃ……………ふざ、けんなよぉ……♡」

 腰が情けなく前後してしまう。ズリ下げた服から突き出た竿を揺らし、まるで物足りないと泣きそうな声を出してしまうアームス。 

「悪い悪い。親父から『うちの宿はそういうのじゃねえ』って言われてるもんでさあ」

 ここまでしておきながら無邪気な顔で笑うキツネ少年。

「それとも──もっと手コキされたかった?」

「ぅぅ……で、出てけよな、もう!!」

 本当に心の底からその通りなのだと、勇者たるアームスには口が裂けたって言えない。あのまま最後までイかせてくれたのなら、どれだけ気持ち良かっただろうとモヤモヤした気持ちばかりが込み上げるのだ。こんなことをされて続きを楽しめるほど肝は座っていないアームス、悶々としながら過ごさせられてしまうのだった。


 そして夕食の後、早めにベッドに入るアームスだったが。

「ね、寝れねじゃねえか……あんな、こと……あったら余計に……クソッ……」

 既に一度入った後だったが、小さな浴場を利用することに。気持ちをリセットするぞと湯に浸かったのも束の間。

「んぅ……こんな夜なら、誰もこねぇ…よな?」

 どうしてもムラ付きが抑えられず、そこそこの大きさの浴槽に腰掛けて股の間を弄り始めてしまう。夕食前にあんなことがあったばかり、部屋でできないならここでさっさと抜いてしまおうということ。

「さっき……もうちょっとで…出そう、だったのに……♡」

 どうしても思い出しながら右手を動かしてしまう。

「っ…やっぱ……ヒトにされんの、すげぇ良かった……♡」

 恥ずかしい声が止められず、両足がバシャバシャと湯船を叩く。尻尾が左右に大きく振られ、その気持ちよさを代弁するのだ。

 今度こそと息巻いて、鼻息も荒くアームスの右手は止まらない。しっとりと濡れた竿が、次第に潮臭い汁でコーティングされていく。ヌチャヌチャとあられもない水音を立てながら、腰は快楽にくねってしまうほど。


 それなのに、一度あることは二度あるのか。

「おーいお客さん、忙しそうだな」

「ッ……えあっ!?」

 唐突に後ろからかけられた野太い声。パニックになったアームスを、背後から抱きすくめたのはこの宿の主人のキツネ中年男性。少しだけ腹の出た身体をアームスの背中に当て、両手でしっかりとホールド。

「ここでオナんのは困るよ、お客さん」

 自分のあまりに恥ずべき行いを見られたことに真っ赤になってしまうアームス。親子ともどもに自慰しているところを発見されたなんて。

 そして親子らしいと言えばらしい行動、アームスの若雄を平然と握ってきたのだ。

「ふ、あッ♡待っ、んんっ♡わ、悪かった、からっ♡」

「ここは他のお客さんも使うし、やるなら部屋でしてくれよ?」

 ゆっくりとアームスの竿を弄りながら、キツネ主人は躾をするようなゆっくりとした声でそう言った。大きな手で包まれ、同じ男だからか気持ちのいい所などお見通しと刺激をひた落としていく。


「は、へぅ♡んっ♡わかった、からあぁ♡」

「もうしないか?約束できるか?」

 裸はガッシリと固定され、背後から聞いてくるキツネ主人に何度も頷くアームス。ビクビクと跳ね続ける若雄は、もっとお願いしますとばかりに暴れて仕方ない。こんなにも生殺しが続けば、性的経験値の低いアームスはどうにかなってしまいそうなのだ。

「ひっく♡ああっ♡し、しないっ♡風呂で、オナニーしないって約束っ♡するからぁ♡あっ、やばっ……手ぇやばいぃ……って、んっんんっ♡♡♡」

 あと少し、ほんの少しで。背中のキツネ主人に全体重を預け、腰の下から込み上げるものっを必死に掴み取ろうとするアームス。

 それなのに、ピタリと刺激を止めたかと思えば、一人息子を折檻する時と同じようにアームスを抱え、右手を尻へと振りかぶる。

「こらこら、何勝手に気持ち良くなってんだ」

「い″っん″ん″……ッ♡」

 タイル張りの浴室に響き渡るアームスの生尻を叩いた音。お仕置きにさえ甘えた喘ぎで答えてしまったアームスは、恥ずかしくってキツネ主人の顔を見ることさえできなくなってしまう。

「さあ流したらさっさと部屋戻ってオナって寝ろなっ」

「……ぅう……………わぁったよ……!」

 親子の両方にオナニー現場を目撃され、両方から弄ばれてお預けを喰らわせられてしまった。アームスはもうどんな顔をしたらいいのか困り果て、タオルで顔を隠したまま部屋へと逃げ帰るしかできないのだった。



 そして真夜中、真っ暗な宿の一室でアームスは下半身を丸出しにして1人遊びに興じていた。あのキツネ親子にされたことを考え、怒りと情けなさ以上に快感を思い出して右手を動かしていたのだ。

 そんな折、天井の隅が割れて黒衣の男が落ちてくる。どうやら天井からアームスの痴態を覗き見ていたようで、ピタリと密着した黒衣の股間を盛り上げさせながらも、俊敏な動きでアームスの貴重品入れを奪って逃走。

 あまりの出来事、恥ずかしさと怒りと困惑。本当に一瞬の出来事にアームスはむしろ唖然としてしまっていた。下半身に何も履いていない上、固くさせた状態では追いかけることもできないのだった……。


 次の日の朝だって最悪だった。真夜中にあんなことがあって、結局は欲求不満のまま寝たアームス。だから健康な男子らしく、堂々とした朝立ちで目が覚める。今度こそと寝ぼけながら、シャツをたくし上げて下着をずり落ろす。少しは腹筋の乗った腹を自分で摩りながら、右手はスローペースで若雄を弄っていく。意識がまだまどろんだ状態でのそれは本当に心地良く、うっとりとさえしてしまう。

 なのに、気付いてしまう。開いていた全開のカーテン、窓の向こうで屋根の補修作業をしていた男たちに見られていることを。心臓が飛び出してしまいそうになり、飛び起きる。ひったくるようにカーテンを閉めた後も、あの嬉しそうな作業員たちの顔が頭から離れなかった……。


 そんなことが続いたこの宿。けれども諦めず、アームスは牙を食いしばって真っ赤になりながらも射精を向かえた。右手にベットリとかかった白濁は、明らかに普段よりも多い量。こんな慌ただしい1人遊びは初めてだと、拗ねたように片付けをするのだった。

 手や局部を拭いた安布を丸めてゴミ箱に放った時、アームスはふと嫌な物を目にしてしまう。きっと前の宿泊客の忘れていったのだろう望遠水晶が部屋の角に転がっていたのだ。これは離れた場所でも水晶越しに見れるという代物で、本当に微かに発光しているのは、つまり起動しているということ。

 慌ててそれを窓から放り投げるも、既に手遅れ。誰とも知らない相手に、アームスが必死になって下半身で快楽を貪る様子を全て見られてしまったということ。これでアームスの痴態を目撃されてしまうのは何度目だろうか。

「なん、なんだよ……ほんとに!」

 これがアームスが嵌めてしまった呪いの指輪が引き起こしている運命だと、いつになったら気付くことになるのだろうか……。


 * * *


Chapter 2

──ロケーション『ロッケンダンジョン』。

 かつては人気だったものの、同じ種類の魔石が近くの別ダンジョンで多く取れるとなれば今のように廃れるのも仕方ない。そんな潜っている者がほぼ居ないはずのダンジョンにアームスが来ているのは、どうにも他人の目が気になるから。どんな運命の悪戯か、アームスが自慰をすると図ったかのように人目に晒されてしまうのだ。


「……ふ、ぁ……んっ…………こ、ここなら落ち着いてぇ…は……あっ♡」

 ダンジョンを進む間、無機質系のモンスター以外には誰にも出会わなかった。だから安全地帯である回復の泉にて、アームスはついつい油断してしまったのだろう。甘えた声で若雄を扱き上げ、込み上げる快楽に両耳をヘタンとさせて。

「おやおや、先客がいらっしゃったのですね」

 だから背後から困ったような、少しだけ照れくさそうな声がかけられて尻尾をピンと立てて驚いてしまうのだ。

「ッ……み、見んなあ♡」

 股間を押さえ、自分がこんな場所で痴態を演じていたのなど棚に上げて騒ぐアームス。

 相手はどうやら流れの商人らしいカワウソ種の男。恐らくは商人ギルドの依頼でここの回復の泉の保守点検にやってきたのだろう。半年に一度あるかないか、つまりはアームスとの遭遇は本当に偶然。

「どうですか、こういう時こそ便利な品がありますよ」

 背中に背負った背嚢から、にこやかなセールストークで取り出したるは奇妙な筒。

 安くしておくからと、確かに安く売ってくれたそれをアームスはしげしげと眺める。説明を聞けば、それは男が挿入して楽しむアダルトグッズ・オナホールという物らしい。アームスは興味はあってもそんな軟派な物を勇者が使う訳にはいかないと思っていたが、今はもう出したくて仕方がなかったから。

「では、わたくしは先を急ぎますのでごゆっくり」

「い、いいから行けよ……!」

 両者の態度は寄り添わなかったが、互いに実利を得られたからよしとするだろう。


 また1人に戻ったアームス、ガックリと膝を落とす。

「最悪だ、また見られた……。でも、これ……これ、ホントに気持ちいいんだろな……!?」

 半端な寸止めとなった為にもう抑えられない欲、念の為に周囲を見回してから早速と使おうとする。形状は両手で握りしめるのに丁度いい円筒で、外は固いが底部にはスライム素材のようなブニブニとした穴がぽっかりと空いている。その穴が自分を誘っているように感じ、アームスはつい生唾を飲み込む。

 半端に萎えかけた若雄を根本から擦ってから固さを取り戻させ、ええいと挿入。

「う、お″ぉっ♡すげ……ナカ……キッツくて……♡」

 思わず目を瞑ってしまう。童貞には刺激が強すぎる内部の締め付け。入り口はスームズ、しかし一度入れてしまえば二度と抜きたくないほどの快楽が竿を包んでいるのだ。

「やばっ……すぎ…ッ♡」

 きっとアームスの体表の魔力を利用してか、スライムのような粘肉素材はグニグニと蠢く始めた。締め付け、絡み付き、右手しか知らないアームスには未知の感動を与えてくるのだ。

「チンポに吸い付いて、くるぅうっ♡」


 一瞬でもうオナニーのことしか考えられなくなる。射精のことしか願えなくなる。ずり落ちていく下着やズボンなど無視し、丸出しの尻をヘコヘコと振り続けてしまうのだ。

「く、おっ♡オナホって、こんなすげっ……の、かよぉ♡」

 生意気そうに使い始めたのなど過去、今では夢中になって腰を前後。ヌプヌプと出し入れの挿入感を楽しみ、最奥に突き入れては内部を味わうのだ。これがセックスかと、まだまだ青い感激を胸にアームスは欲望を解放するのだ。

「ッくぅ……やべっ……も、おおっ♡これ、チンポ止まんねぇ……もうっオレッ………イ、イクッッッ❤︎❤︎❤︎」

 スライム素材の生暖かく柔らかな粘肉へと、雄の顔で中出し射精をするアームス。後ろから見れば生尻を突き出して尻穴まで丸見えの情けない格好ではあるが、オナホールを抱きしめるようにしっかりと雄の責務を堪能したのだった。


「………っ……はーっ……ふ……ぁ…………♡」

 終わってなお、オナホールから若雄を引き抜こうとは思えない。こんな物を勇者になる前に知っていたら、剣を握るよりもこっちを選んでしまったかもしれない程の快楽余韻。くったりと息を吐き、惚けた顔で誰にも見せられないほど嬉しそうに呟いてしまうのだ。

「すご、かったぁ……」

 あまりに気持ちよく、堪らなかったからか、そのまま仰向けになって寝転んでしまう。アームスは行儀が良くないと思いつつ視線を彷徨わせる。だが忘れてはならなかった、自分がどんな呪われた指輪をしてしまっていることを。

「ッア!?」

 天井、少し離れた安全地帯ギリギリの曲がり角に偵察用の使い魔を発見してしまったからこその驚き声。召喚術師などが使う、目玉型の使い魔は術者の視線とリンクしての偵察ができるもの。それを覗きに使われた、アームスが1人オナホールに腰を振るのを、必死に射精して悶えるのを全て見られてしまったのだ。

 目玉型使い魔もアームスの視線に気が付いた途端、甲高い笑い声のようなものを残して脱兎の如き逃走。一瞬で逃げられてしまった。

「く、ううっ、また見られた……!」

 こうまで不運とも言える自慰の露見が続けば、アームスもぼんやりと気が付いてしまうのだ。

「なんでなんだっ、これぇ。どうして毎回毎回、シコってるとバレんだよお……!」

 もしかして、もしかしなくとも、アームスは右手の外せない指輪を忌々しそうに睨みつけるのだった。


 * * *


Chapter 3

──ロケーション『酔いどれ酒場』。

 どんちゃん騒ぎ。飲んだくれて顔を赤させた様々な種族の男たちが、手を叩いて店内を盛り上げている。とある街の小汚く小さい店ながら、二種類の者にとって名が知られている。

 一つは今のアームスのように、何故かここを固定指名している情報屋を待つ者。


「……遅い」

 不機嫌そうに呟くアームス。ここで呪いの指輪の解呪方法なり対策なりを聞きたかったのだが、情報屋はまだ来ていない。

 そのせいでこの店が有名な理由のもう一つ、それを求める者たちの騒ぎを聞かざるを得ない。

 窮屈ながらも店内奥には小さなステージ。

「いいぞ〜、それチップだ」

「すっげえ尻っ」

「可愛い顔して唆るじゃねえか」

 そこで踊るのは野兎種のしなやかな体躯の青年。淫らな踊り子衣装で妖艶に、しかし情熱的に身体をくねらせて酔っ払いたちからチップを巻き上げているのだ。細い腕が伸び、スラリとした脚が跳ね上がる。その度にどんな種族の男たちも、目を輝かせてはチップをステージへと放るのだ。

「ふん……エロ親父どもが」

 そして踊りだけでなく、ただでさえ露出の多いというのに一枚ずつ、その薄いヴェールさえ脱いでいく野兎青年。脱ぎながらあられもないポーズの連続。細腰と良く張った尻のコントラストが店内全ての視線を独り占め。


 だからアームスだって、いつしかその踊りともストリップとも呼べる動きから目が離せなくなってしまうのだ。ゆらりと歩いたかと思えば、途端に座り込んでの開脚。恥ずかしげもなく秘部を晒しながら、ドキリとさせる流し目。

「………………ぅ…ちょっとだけ、エロい……かも……」

 勇者としてこんな酔っ払いたちなどと同じになってはいけないと、アームスはトイレへと駆け込んでしまう。それはきっと、このままだったら他の男たち同様にアームスもチップを投げて歓声を上げてしまいそうだったから。


 一つしかないトイレの個室へ駆け込む。だがそれは間違いなく、間違いの始まり。

「ッ……♡はぁ……っ♡」

 なし崩しにズボンと下着を降ろして若雄を弄り初めてしまったから。

「あの尻……確かに、エロかったぁ……♡」

 店内時点で既に半勃ちだったが、落ち着ける場所であの姿を思い出せば少年が勃起に落ちるのなど仕方ないこと。あの野兎青年は男を欲情させることを生業としているのだから、それだけ腕が立つというだけの話。

 しかしアームスのような初心な年頃では、そんな感情にも罪悪感を抱いてしまうのだ。だがそれでも、呪いの指輪のせいかどうかも定かではないがアームスの右手が動き続ける。

「んっ……声、出ちまう……♡んくっ♡ああっ♡」

 必死になったせいえ自分の右手さえ、あまりに良かった。だから声と同時に壁を叩いてしまったのが良くなかった。

「おぅーい、どうかしたかあ?」

「ちょ、おいっ!?」

 並んだ小便器の方で用を足していたのか、酔っ払い男が個室トイレに入ってきてしまう。鍵のかけ忘れ、そのせいでまたしてもまたしてもアームスは恥ずかしい自慰の現場を見られてしまったのだ。

「おっ、なーにしてんだ坊主」

 声が上手く出ず、固まってしまうアームス。こればかりは何度経験しても慣れるものなどではないから。


「大方あのストリップの兄ちゃんに興奮したんだろっ」

「ち、違っ……てか、見んな──ん、ああっ離せっ……!?」

 個室トイレから引っ張り出され、背後から覆い被さる酒臭い酔っ払い男。顔付きこそ獰猛なワニ種ではあるが、へべれけで上機嫌。だが2メートル近い体躯だ、快楽に揺れるアームスでは決して敵わない。

 抱え込まれたままトイレの鏡の前に。そのままゴツゴツした手がアームスの下半身へ伸び、恥ずかしそうに揺れる若竿を握る。

「どうした坊主、気持ちいいか?」

「ふ、あぁ……♡な、に触って、んだぁ……♡」

 あまりの事態に頭が追いつかない。それなのに男の部分を弄られればそんなことはどうでも良くなってしまう、快楽に流されてしまうのだ。

「ほれ、続きをしてみろって?」

 促されるがままアームスの両手がワニ種の硬い右手に乗せられ、ごと動かす。他人に握られる刺激と、自分のペースで快感を貪る嬉しさに声が蕩けてしまうのだ。


「んっあ♡く……うっ♡」

「そうそう、さっきみたいにシコっていいんだぞ〜」

 恐らくは漏れ出たアームスの喘ぎ声を聞いていたのだろう。真っ赤になりながら、正面の鏡に映る酔っ払いワニを睨むアームス。だが大人の余裕で流され、酒臭い息で笑われるだけ。

「若いんだからストリッパーでチンコ固くさせんのだって仕方ねーよ」

「……あっ♡くぅ♡……な、んなんだよぉ……もぉ♡」

 ゴツゴツした手のひら、他人を使うおかしなオナニー方法だがアームスはもうそれに夢中。

「ははっ、気持ちいいか〜?」

 機嫌の良い声に、返事をする余裕なんてない。アームスは上り詰めるのに精一杯。ただ腰が跳ねるその瞬間だけを追い求めてしまうのだ。

「ほれほれ、ちゃんと声出したほうが気持ちーぞ?」

「うっるせぇ……んだよ♡クソッ♡んっくうっ♡気持ち、いいっ♡チンポッ、シコんの気持ちぃいっ♡やばっ、くっ……もうっオレっ……出る、出るっ♡出るからあぁああ❤︎❤︎❤︎」

 酔っ払いワニの大きな手の中に弾けるアームスの精。勇者といえど男、これだけはどうしたって抗えない欲求。若竿がビクビクと揺れては元気の良い子種を何度だって吹き上げてしまうのだ。


「だーっはは、景気がいいねぇ!」

 アームスが射精などというプライベートな瞬間を晒したというのに、酔っ払いワニの反応などこれなのだった。

「おつかれさん坊主!よしっ、さあ飲み直しだ!」

「えっ、あぁおいっ引っ張んなああ!?」

 まさか店内へと強引に連れ戻されるとは。なんとかズボンを上げたアームスだったが、その汗ばんだ顔と、生臭い染みの下半身を見れば男なら察してしまう見た目だろう。

 店内の真ん中テーブルに連れ込まれ、酔っ払いワニが他の仲間らしい男たちにアームスを紹介する。

「ようお前ら、新しいお友達だ」

 手を振ったり、ジョッキを掲げたり、返事をしたりと様々。

「この坊主、便所で1人寂しくシコってたからな、手伝ってイかせてやったんだよ」

「ッ……ぅ……う、っせえんだよ……!」

 しかもそんなことまで暴露されてしまう。今までは見られるだけで済んだというのに、こんなにも堂々と集団に知られてしまったのだ。酔っ払いワニに腕を掴まれて居なければ、勇者だろうと全力で逃走する程の恥ずかしさなのだ。


 更には、アームスがトイレで右手遊びを始めた原因までもが声をかけてくる。本当に狭い店内だから、どんな会話も耳に入ってくるもの。その可愛らしい兎耳であれば、聞き逃すはずもない。柔らかな笑みでアームスにだけは、子供をあやすような口調の野兎青年。

「ぼくに興奮してしまったんですか、嬉しいなぁ」

「う……いやオレ………」

「もっと近くで見せてあげるよ」

 酔っ払いワニに捕まり椅子に座っているアームスへと、野兎青年の柔らかい肢体が乗ってくる。

「ひえ、ぁ……う…わ………ぅ、うぁああぁーっ!?」

 戦士職とは筋肉のつき方がまったく違う、触れるだけで男としての欲望を滾らせるような魅惑の裸体がアームスの理性を限界突破させてしまうのだった。


 * * *


Chapter 4

──ロケーション『バグロー装備店』。

 如何にも老舗という店構えだが、それが去年そう作られたばかりだとは普通は分からない。そんな騙しのテクニック、きちんとした商店に紛れて悪徳商売もするなどと店主ななかなかのやり手のようだった。


 例の酒場、遅れてきた情報屋から聞いたのは、アームスのそれが『アクシデントを引き寄せる』類の呪いの指輪だということ。

「ってことはコレって……」

 誰に言うにも恥ずかしすぎる。これが『オナニーが他人にバレる』という効果の代物だなんて。アームスは苦々しく思いつつも、情報屋から力になってくれそうな商人を紹介してもらってこの店に来たのだ。

 店に入ると、また何とも気恥ずかしい再会。

「げ………あ、あんたは……」

「おや、ダンジョンの回復の泉で──」

「い、いやいや!言わなくていいから!」

 どうやら以前、ロッケンダンジョンでアームスにオナホールを売ってくれたカワウソ種の青年がその商人だったのだ。もちろんあの時、緩んだ顔で回復の泉で自慰に耽っていたのを見られてしまったのだって思い起こされるから慌てるアームスだった。


 指輪の件を話すと、どうやら相談に乗ってくれるとのこと。ただし、今から団体客が来るらしく、店内でも見て待っててくれとのこと。

 そこそこの広さの店内、古めかしい造りを見ればさぞや由緒正しい店なんだなとアームスは簡単に騙されてしまう。並んだ武具防具、アクセサリーの類などはしっかりとした品質で揃えられているから。

 一回りしてまだ時間がかかりそうだったので、何となしに試着室を覗く。そこには盗難防止の太い鎖で繋がれた、様々な魔法の指輪が試せるように吊るされていた。中に入り、試着室のカーテンを閉める。

「へぇ〜、瞬間装備の魔法ねぇ」

 それを嵌めるだけで、瞬時に装備を変更できる。物珍しさからアームスはそれらを次々に試していく。重厚なフルプレートから軽装のレンジャー装備、聖騎士風の格式違い鎧などなど。だから何となしにソレをも軽率に嵌めてしまうのだ。


▼小虎勇者アームスが装備したのは『女勇者のビキニアーマー』だった!

▼『女勇者のビキニアーマー』は呪われている!

▼『女勇者のビキニアーマー』は絶頂するまで外せない!


「なぁっ!?なんでそうなんだよぉーっ!」

 アームスは自分の体を見て絶句。円形の肩アーマーにマントはまだしも、両胸を覆うはずの胸当てなど極小サイズで乳首を何とか隠せる程度。女性用ビキニは窮屈でアームスの股間でもキツくって仕方ない。尻に食い込む部分など、ほとんど紐でしかない。

 店主が試しと悪ふざけで吊るしていた瞬間装備の指輪。勇者にしか効果がないから放置して忘れていたが、まさか本物の勇者が来店するだなんて。

「ど、どうすんだよぉ……!」

 アームスの鑑定スキルでも理解できた。これを外すためには、射精しなくてはならない。こんな所でこんな格好、何より自慰行為は指輪のせいできっと最悪な結果しか生まないとわかっている。

「んっ……こんなとこで、シたらまたっ♡」

 嫌だと態度だけは言い訳じみて。この服を脱ぐためだからと、ビキニ部分からピンとはみ出た若雄を弄っていく。

「……うぁ♡ん……早く、済まさねえとぉ♡」


 アームスが必死に右手で遊んでいると、やはり物事は悪転していく。店の入り口の方、扉が大きな音を立てて開かれたようだ。

「たのもーっ!」

「店主いるかー!」

 足音と会話で複数人の男たちが入店したと分かる。

「げっ……な、なんでこんな時にぃ…♡クソ、団体客が来るって言ってたか……」

 若雄を握り締め、緩く扱きながらそれでも気持ち良くなるのを止められないアームス。男なのに女勇者の破廉恥な衣装を着て、コソコソと自慰に耽る。アームスは今やその背徳感の虜。右手で竿を上下させながら、左手で殆ど裸体としかいえない若々しい肢体を妖しく弄っていく。

 店内からは大きな声量の男たちが品物を探したり、品定めしたりと賑やか。

「これなんて良いんじゃないか?」

「そっちの剣も悪くない」

 狭い試着室、隔てるのはカーテン一枚。

「……うぁ♡こんな薄いカーテンの向こうにぃ、ヒトいんのにぃ♡くぅ、手ぇ止まんね……♡」

 おかしな状況に完全に飲み込まれ、アームスの声は次第に蕩けていっている。このままずっと、この奇妙だが恥ずかしくも理性を無くしたオナニーを続けていたい。そう願うアームスは幼い腰をくねらせて必死に快楽を貪り続けるのだ。


 だが店内では何やら揉め事。

「おい、それはオレ様が先に見つけたんだぞ!」

「何だと!?やんのか!」

 足音だけでむさ苦しい男たちだと分かる。そんな男たちが暴れれば揉み合いの最中、試着室のカーテンが引き千切られるのだって良くあること。

「う、いってぇ……何して──ッ!?」

 冒険者風の大男が倒れて起き上がると、アームスの格好、そしてその痴態を目の当たりにする。

「おいおい坊主、そんな格好でナニしてたんだぁ〜?」

「可愛い“女”勇者さんじゃねえか、ははっ」

 他の冒険者仲間も、アームスの恥をまじまじと見て大笑い。

「う……あ、違うっ、て……………こ、これ……オレはぁ……♡」

 しどろもどろのアームス、試着室の壁に逃げて真っ赤になって震えてしまうほど。ペタンと伏せられた両耳、恥ずかしさで猫科のヒゲがしょげてしまうのだ。


 そこへ声をかけるのはカワウソ店主。

「ああ、これはいけませんねえ」

「ふざけ、んなぁ……!これ、装備外せよぉ、呪われてるじゃねぇか!?」

 アームスは指に嵌った『女勇者のビキニアーマー』の瞬間装備の指輪をカワウソ店主に突き付ける。試着室の上から鎖で繋がれている為、ここから動くことだってできないからだ。

 それなのにカワウソ店主は、悪徳商人らしい笑みでアームスの腰を抱いて囁く。

「ではほら、外すにしても今何してたのか正直に教えて貰いませんと?」

「へ……な、何が、だよ…………」

 カワウソ店主の手が、アームスの瞬間装備の指輪を撫でる。鑑定スキルで思い出したのか、つらつらと語る。

「外すにはどちらにせよ、絶頂する必要がありますからねぇ。ココ、お辛いんでしょう?」

 睾丸が詰まったビキニ部分、ピクンとそこからはみ出ている竿を弄られてアームスの身体は跳ねてしまう。頭が完全に真っ白になって悶えてしまう。カワウソ店主の手、冒険者の大男たちの視線が裸体を舐めるようだ。


 真っ赤になって固まるアームスの若雄を、カワウソ店主の手がねっとりと扱き上げていく。

「こんな布切れ一枚に隠れて、わたくしの店でする自慰行為はさぞ気持ち良かったでしょう?」

 聞きながら先走りを絡めていき、アームスの股間からはニチャニチャと恥ずかしい水音。腰が疼き、カワウソ店主の言葉に煽られた肢体は燃えるようだ。アームスは自分でもしていたせいで雄臭い手で口元を押さえて耐える、耐えられるだろうか。

「お似合いですよ?ねぇ、可愛らしい勇者様」

 冒険者の大男たちの笑みが、アームスをゾクゾクとさせる。1人遊びをしているのがバレ、男として笑われる常識はずれの屈辱感にさえ、興奮している自分に驚くのだ。

 カワウソ店主の巧みな指捌きがアームスをひたすら追い詰める。小さいが器用な手、アームスの拙い自慰など児戯だと嘲笑うような技量。声だって妖しく囁き続け、アームスのガキくさい思考を卑猥に染めてくる。

「ほら気持ち良かったのでしょう?教えてくださいよ、全部。ねえ?ほら?」

 耳に、脳にまで響いてくる蠱惑的な声音。アームスは魔法にでもかかってしまったかのように、恥ずかしいことを全部全部吐き出していく。

「ひっぅ♡んぅ……くぅっ♡クソッ……き、気持ち良かったよ……!バレるかと思いながら、オナ……オナニーすんの、興奮しちまって、悪かったなあ……♡」

 カワウソ店主の手の動きもより過激に。お仕置きじみた搾り取るような手淫だ、初心な童貞勇者に耐えられるはずもない。

「い、今もこんなあぁ……♡み、見られながらチンポ弄られんのぉ♡腰、止められ、ねえし……こんなエロい格好して恥ずかしいはずなのにぃ……オレッ…オレ…感じて、感じちまってるからぁっ……くうぅ、出ちまう〜〜ッ❤︎❤︎❤︎」


 アームスの必死射精など、冒険者の大男たちの体躯から見ればガキのお遊び。どれだけアームスの羞恥心がぐちゃぐちゃになろうと、ちょっとした余興程度の認識なのだろう。とはいえ気の良い声で労ってはくれる。

「お疲れさん」

「頑張ったな坊主〜」

 そしてすぐに興味を失い、壊れたカーテンレールだのを拾い集めていくのだった。

「おーし、試着室なおすぞー」

「そっち持て、おうそれだ」


 ようやく女勇者から解放されたアームスは、元の装備に戻ってカワウソ店主に奥の部屋に案内される。ふかふかのソファに座ると、先の射精の疲労感でまどろんでしまう。

 冒険者たちとの用事も済ませたのか、しばらくしてカワウソ店主は戻ってくる。手には何やら箱に収められた貴重そうな品。マジックアイテムだろうか。

「いやあ、先ほどは楽しませて貰いました。お詫びと言ってはなんですが、とっておきの鑑定アイテムを使わせて頂きますよ」

 文句の一つ、いや二桁は言わねば気が済まないと思っていたアームスだったが、それならばと納得。目の前で振られた虹銀の短いワンドの光に包まれた。

 カワウソ店主は珍しそうな顔でアームスの指輪を覗き込むと解説し始める。

「これは『自慰暴露の呪い』ですね」

「……そ、それって」

「はい、勇者様が先ほどのように自慰行為に耽ろうとすると運命力によってどうしても他人に見つかってしまう、ということですね」

「な、なんなんだよ……!クソッ……!」

 何となく分かっていた通りの答え。尻尾が不機嫌そうに揺れ、しかし前のめりになってカワウソ店主に喰らい付くように聞くのだ。

「で、でも、これを解除できんだろ……!?」

「そ、それがその……ごめんなさいね」

「……?」

「わたくしも今分かったのですが、さっきのマジックアイテムは強力な鑑定効果を持つんですが、呪われた品だったりすると永久に解除できなくなってしまうようでして……」

「は、はぁぁぁああーーッ!?」

 これからずっと、オナニーの度に他人に見つかる運命を背負わされた怒りと絶望。どこからか湧き上がる愉悦と興奮が、アームスの大声となって店を揺らすのだった。


 <終>


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