SamSuka
ねむうさぎ
ねむうさぎ

fanbox


雪⑤

Chapter⑤『3日目 博物館』

 町の西部には公園や博物館などが多く点在している。どこへ行くにも丁度いい町角には、それらしい大きな地図も建っているので2人はそこで話し合っているところ。

「色々あるけど、三春はどれが見たい?」

「えっとねえ……」

 あといち分かっていない顔の三春へと、秋高は地図に指をさして解説。仕事モードの顔。

「例えば『考古学博物館』、ここでしか見られない独特の模様の土器が──」

 三春、やーんな顔。

「他にも『雪ノ町記念博物館』なら、この町の歴史とかを学べるぞ。きっと1日目で三春が見つけたあの大きい隕石もそのうち飾られるんじゃないかな」

 三春、やーんな顔。

 そんな中、なんとか三春が興味を持ったのは一つ。太いまあるい指をさして秋高に眩しい笑顔を向けるのだ。

「これ!」

「……だよなあ」


 ということでやってきましたは『雪ノ町トリックアート展』。

 入り口前から子供が多く、それらはやはり家族連れが目立つということ。走り回る小さな少年少女たちを避けるのにも一苦労。三春なんて、何度か壁と間違われたほど。

 歩き出そうとして秋高の背筋に嫌な悪寒。しかし遅い。買った入場券にスタンプを押してもらって進めば、少し広い空間に幾つもの顔出しパネルが並んでいたから。

「……これは止められそうにないか」

「何か言った秋高さん?」

「なんでもない、行こうか」

 最早この旅の恒例行事になってしまっている。催しの一環なのか選ぶのにも迷ってしまうほど種類があるが、やはり三春が主導してひとつの前で立ち止まることに。

「僕の一押しはコレ!」

「……なんでモナリザとムンクが剣で戦ってるんだ?」

「さあ?いいじゃん、ほら撮ろ?」

 秋高、いやーな顔。

「モナリザちゃん貰い〜」

 さっさとパネルにモチモチの頬っぺたを押し込む三春。

「どっちも嫌だ……!」

 カシャ。ムンクの叫びほどではないにしろ、記念写真にしては嫌そうな顔の秋高がそこには写っているだろう。モナリザにしては眩し過ぎる笑顔の三春と。


 中の展示物コーナーへと進んでいけば、確かにと唸るようなトリックアートの数々が待ち構えていた。あんまり三春がはしゃぐものだから、秋高まで楽しい気分になってくる。

 見る位置によってイラストが飛び出す構図の作品では、三春がとんでもない変顔で超大型サメに襲われそうに。思わず写真を撮った秋高、出来栄えはどうかとスマホを覗き込む三春。

「うわ僕、すっごい顔しちゃった」

 だが親バカというか彼バカ、三春単品ならどんな写真だろうと良いらしい、秋高はこう返す。

「そうか?可愛いと思う。なんならこれをTシャツに印刷して貰って──」

 顔出しパネルのなんかよりよっぽど収穫だとホクホク顔の秋高なのだ。

「やめて?」

「どんな三春も俺は──」

 あんまり秋高が嬉しそうに言うものだから、本気でやりかねないと三春は釘を刺す。

「絶ッ対、やめて?」

 しょんぼりと最後までスマホの画面を見つめる秋高なのだった。


 他にも錯覚を利用した絵画、大穴の空いたように見える床、沢山の曲線により歪曲したように感じられる廊下などなど。騙し絵では有名なのから初見のものまで様々で、2人の目を楽しませてくれるのだ。

「ほら、お爺さんの顔とお婆さんの顔が」

「ほんとだー!」

 だとか。

「うわ、顔が浮き出てきた」

「……全然分からないんですけど〜!?」

 だなんて騒ぎながら、作品ひとつひとつに2人の足は止まり続けたのだった。


 少し進めば特に規模の大きな作品群。

 部屋の中、立っている位置によって人物のサイズが変わったように見えるという仕掛けの作品。左に行けば大きく、右に行けば小さく見えると、立ち位置を変えながら楽しむ観光客の姿が。

 人気があるらしく写真を撮るために並んでいて、2人も数人待ちの後に試せたのだが──。

「どう?小さくなった?」

 そう聞く三春、確かに右に歩いていっているから小さく見えるはず。はずなのだ。

「…………。」

 もしかすると体格のせいで別に小さくなりようがないような、そんな。

「ちょっと秋高さん!?」

「すまない、老眼かもしれない」

「ちょっと!?」

 他の観光客にも笑われてしまうような、三春の大声なのだった。


 所変わって更に奥。あまり人気のなさそうな魚眼レンズの望遠鏡のような作品へと。

「ふふーん」

 キョロキョロと周りを見回し、奥まったスペースで人影がないのをいいことに三春が暴走し始めてしまう。

「秋高さん見ててよ〜?」

 望遠鏡で面白視覚を楽しもうとしていた秋高だったが、流石に三春がズボンを降ろそうとしていると理解した瞬間にダッシュ、頭を思い切りはたいていた。

「あだっ!じょ、冗談だったのに〜」


 なんてことがありつつもトリックアート展を楽しみ、おまけとして解放されている野外公園の現代美術エリアも散策。幾何学的だとか前衛的だとか言われるであろうよくわからないモニュメントとか彫像を数秒だけ眺め、2人して「わ、分からない」「お、同じく〜」という感想で回れ右するのだった。

 しかし公園にはつきもののトイレがあったのは幸い。室内のは家族連れで長蛇の烈、地味に我慢していた成人男性たちだったのだ。

「トイレ行こ〜っと」

「俺も」

 人気のない静かな公園のトイレ。清潔な白小便器へと黄色い飛沫をとばす2人。

 なんてことない顔をして前を見て用を足している振りをしつつ秋高の視線はどうしてもチラリ、隣立つ三春の股へと。

「…………。」

「秋高さん、なーに?」

「べ、別に」

「ふーん?」

 きっと素直に白状はしないのだろうと分かっているから、三春は無言のまま向きをさっと変えて秋高が小便している便器へと黄色滝の合流。

「あ、こら三春!」

「別に〜?」

 じょぼぼぼ、と決して上品ではない音を立てて二つの流れがぶつかったり避けたり。

「わ、分かったよ、見てた、少しだけ見てたから」

 慌てて口を開く秋高に、三春は満足気。短い足を踏ん張って腰を突き出し、むくりとしてしまいそうな男の子部分を見せびらかす。

「ほら〜?好きなだけ大好きな彼氏くんのちんこ見たらあ?」

「……そ、外ではやめなさい」

「嬉しいクセにっ」

 その答えは秋高の尻尾だけが知っている。


 * * *


 今日も夕方前に宿へと帰って来れた2人。

「秋高さん秋高さん、整いに行こ!?」

 三春が見つけていた宿の施設へと向かうことに。宿の裏手に新しく造り立てだというそこは、最近流行っているというあれ。

「へぇ、低温サウナか」

「宿泊客なら無料だって」

「せっかくだし満喫させて貰おうか」

 旧露天風呂を改装して作られているらしく、男女で分かれた脱衣所を抜け、腰にタオル一枚で2人は低温サウナのある外へと。少しだけ肌寒いのを我慢しつつ、小走りで駆けて行けば複数の巨大タル型のサウナルームが見えてくる。自分たちが借りた番号を探し、擦りガラスのドアにかかっているプレートを『使用中』に切り替えて入室。

 中は完全なる湿気、心地良い暑さ。タルに使われた木材の良い香りもまた味わいか。

「と、整う〜」

「まだ入ったばっかりだろ」

 一応は4人までで使用できるのだが、三春が1人いるだけでも十分に手狭。秋高はその窮屈さに苦笑いしつつも、そっと毛並みを寄せて静かに笑うのだ。

「ほあ〜」

「ふう……」

 しばし憩いの空気感。


だが、だが、こんなにも男盛り、彼氏大好き盛りの2人だ。

「…………。」

「…………。」

 せっかくの2人きり、温度だって普通のサウナと違って動くのに支障はない。入り口は擦りガラスかつ、デッキが一段高くなっているので中を見られる心配もない。何よりタオルなんて邪魔者がありつつも、裸一貫で恋人の隣に座っているのだ、意識しない方がおかしいだろう。

 2人の身体が火照っているのは低温サウナのせいだけではない。とっくに期待しまくっている2匹、先に手を出したのは三春。

「あッ……おい三春……!」

「秋高さん勃ってるう」

 タオルの上から無造作に握ってからかう三春。だから秋高だってむんずと手を伸ばして湿った布切れを持ち上げている太ましい猫男子をギュッと。

「三春もだろ」

「うあっ……だ、だってえ」

 男同士、密室となればすーぐこういう展開を望んでしまうのは仕方のないこと。

 三春の手がゆっくりと上下し始め、秋高の腰は僅かに揺れていってしまう。

「……は、あ…公共の場所、だぞ……」

 そんな真面目そうな言葉を吐きつつも、秋高だって三春の雄肉の大きさを確かめるような動きで刺激していってしまう。

「ん…ぁ………秋高さんだって期待して勃ってたくせにぃ……」

 湿度100%は伊達ではなく、2人のタオルはぐっしょりと濡れている。甘皮の被った2人の亀頭がタオル越しにヌラリとへばりつき、余計に卑猥。先走りまで混ざってしまえば、タオルがニチャニチャといやらし気な音を立ててしまうのだって時間の問題。

「は……ァ…く……」

「…あ……ぁあんん……」

 どちらの声も大タルの中で熟成していくのみ。

「ん…ふ………」

「も、ぉお……秋高さぁ…ん……」

 こんな所で淫行に走るスリルに2人は酔い痴れてしまう。手を止めなければいけないのに、止められない。相手が止めれば自分も止める、そんな言い訳を頭の中でぐるぐるとさせながら彼の肉棒扱きを加速させていくだけ。


 そんな時、低温サウナルームの前を若者集団が騒ぎながら通り過ぎていく。

「あっちー!

「飯行こうぜー」

「おい急かすなって〜」

 2人してビクッ、と肩を震わせて動きを止めてしまう。

「……ッ」

「あはは」

 なんだかんだで2人は常識人、流石にこれ以上は公序良俗にあれこれだと身を引くのだった。正気に戻りはしたが、熱い視線だけは交わし合う。どちらともなく口が開いていた。

「続きは帰ってから、な」

「……うん!」


 * * *


 離れに戻りながらも2人は前屈み。寝室に駆け込みながら室内着の浴衣を脱ぐのだってもどかしい。どちらも頭の中はピンク一色。

 そんな中で先に手を出したのは三春。いや、身体全体を差し出したのだ。

「にゃ〜ん」

 だとか可愛いこぶりながら秋高を押し倒す。

「おわっ……!?」

「僕も抑えるの大変だったんだから」

「こら三春、そんなに押し付けない」

 下着姿の身体同士を布団に絡ませ、三春のツンとした雄が秋高へと密着させられているのだ。明らかに肉欲の滲んだ抱擁に赤面しつつも、秋高の声。

「俺だってお前のこと抱きたい……!」

 だが三春は下着越しに勃ち上がった太ましい滾りを兜合わせのようにぶつけて自己主張、

「だ〜め」

 グッと上向いた雄同士、その先端が布2枚を隔てて押し付け合わされ続けるのだ。

「秋高さん、いい?いいでしょ?」

 このところの流れを鑑みればと、仕方なく目を逸らす秋高。ヒクンと雄と尻尾を反応させたのが三春にバレないはずもない。

「えへへ、OKってことだよね」

「順番こでしてる、から……俺だってある程度は覚悟して、た……」

 そこから本当に言いにくそうに低温サウナ前のことを切り出す秋高。

「……もう支度してあるから」

「ッ!もう秋高さん大好き〜」


 思い切り抱き付いた後、三春はスケベグッズの入ったポーチをひっくり返してキラキラした目で秋高を見つめるのだ。

「今日は何使って遊ぼっか!?」

 布団の上に散乱する、大人向けの品々。会社で扱っている物なので、2人にとっては馴染みあるものばかり。

「三春、散らかすんじゃないそんな物を」

「いつも見てるでしょ〜?」

 三春が楽し気にそれぞれの手に握ったのは、可愛らしいファー付きの手錠だとか、手触りの良い真っ黒の目隠しだとか。見せびらかすようにしているのは秋高の反応を楽しんでいるからに他ならない。

「そうだけど、自分たちで使うとなると……」

「なーに?興奮しちゃうって?」

 グッと顔を近付け、三春は前のめりの勢いで秋高をからかう。

「……攻める時ばっかりノリノリになって」

 秋高はつい照れ隠しにボソリと呟いてしまった。

「あ〜!?そういうコト言うんだ」


 三春は欲望のままに秋高に乗っかり、アダルトな装具で秋高を飾り立てていく。

「ジャーン!」

 嬉しそうにそう声をあげれば完成。ファー付きの手錠は質感こそ本格的だが鍵のかからない雰囲気作りの道具でしかないが、三春には拘束されている秋高の姿にいけない気分にならざるを得ない。更には黒の目隠しをされて犬耳をへたり込ませている秋高なのだ、三春は下着の中で勃起が痛いほど上向いてしまっている。

「……ぅ…」

「大丈夫、僕が可愛がってあげるからあ」

 仰向けで両手を上にした格好の秋高を、そっと三春の大きな手のひらが撫で付けていく。下着以外には何も隠せはしない秋高の肢体はスラリとしていても内側には芯ある筋肉が感じられるもの。だがそれだけに三春の愛撫によってビク付くのが堪らない。

「秋高さんの身体ぬくとくなってる」

「あ……三春の手だって、あったかいぞ」

 低温サウナで身体の芯まで温まったからか、恋人の身体に欲情しているからか。

「1番熱々なのはココかな〜?」

「ん…ぁ………ふ、あ……あ……」

 秋高の飾り気のない無地の下着、ツンと持ち上がっているそこを三春の手が揉みほぐしていく。コネコネと、仔猫のフミフミのような仕草。しかし明確に快楽を助長する動きであれば、秋高の下着には粘ついた染みが滲んでしまうのだ。

「やっぱ秋高さんもノリノリじゃん」

「ぅう……そ、そこまででも、ない……」


 それがただの照れ隠しだということは三春にだってすぐ分かる。

「ほんと〜?」

 クスリと笑い、秋高の下着を太ももまでズリ下す。

「う……さ、三春こら…ッ………」

 ヒクンと跳ねる秋高の勃起。我慢汁が甘皮にまで垂れており、空気と三春の視線にビクビクと震えてしまっているのだ。

「拘束エッチで興奮しちゃった?」

 可愛らしくも手錠、視界を遮る目隠しと、いつもと違う少しアンモラルなスパイスは確かに秋高の裸体を熱くさせているのは確か。

「それともサウナの時から僕とヤることで頭いっぱいだった?」

 三春の言葉ごと、秋高は雄竿をヒク付かせては手錠を鳴らして身じろぎしてしまうのだ。

 こんなにも三春が煽るのも、先ほどの秋高の「……攻める時ばっかりノリノリになって」という言葉へのお返し。もちろん1番は秋高の反応が可愛いくて好きで堪らないから。

 秋高が抵抗できないのをいいことに、三春はおもむろにピンと天井を向いた濡れ肉棒を握る。

「ぅ、あ……く…ぅ……」

「ほーら、秋高さんいつもより感じてる」

「そ、んなこと──」

 小さくはないにしろ三春の大きな手の中にすっぽりと包まれた秋高自身。緩急や強弱を付けた三春の手淫によってビクビクと跳ねながら感じさせられてしまう。


「なら“頑張って”?」

 次の瞬間には、三春の大きな欲張り口が秋高の乳首をねぶっていた。

「僕も秋高さんのおっぱい好きなんだあ」

「……あ、そんな吸う、なぁあっ……!?」

 三春はそんな反応が楽しいからと、わざとらしく音を立てながらチュパチュパと秋高の胸で水音を立て続ける。同時に右手を何度も動かし、秋高の屹立からあられもない汁を滴らせていくのだ。

「乳首もピンッピン、ちんこもカッチカチにして秋高さんたらエッチなんだ?」

「も……三春んん…お、落ち着きなさ、いっ……」

「秋高さんこそ我慢しなよ、大人でしょ〜?」

「ッ……こら、あぁあ…あっ……俺は……ぁあっ……」

 チュッチュと乳首を舐め、吸い、虐め抜く三春。

 秋高の薄い胸、腹は呼吸と喘ぎのたびに上下しては落ち着かない。抵抗も視界も塞がれたシチュエーションが余計にその感度を上げてしまっているから。

「ほら秋高さん。おっぱいチュッチュされながら、ちんこコスコスされるとどうなっちゃうのかな〜?」

「く……ば、馬鹿言ってぇえ……さ、んしゅんんっ…こらぁ、ああぁ……俺、俺ぇ……で、出ちゃうからぁあぁ……!」

 元より大きくも我慢強くもない秋高、可愛らしい恋人の責めにあっという間に吐精させられてしまう。ビュクと噴き上げる白濁は三春の手の中に溢れ落ち、後から後から追加していってしまうのだ。

 そんな様子に舌なめずり、三春はぐしょぐしょの右手を少しだけ動かして秋高の悶える姿を眺めて声を弾ませる。

「秋高さん、かーわいっ」


 まだ息も整わない中、秋高は照れ隠しの文句。

「は、はぁ……はー……はぁ……三春…頑張りすぎだぞ…」

 だが三春は「ふふん」と笑うのみ、そのまま秋高の手錠と目隠しを外す。

 脱力から抜け出せてはいない秋高だったが、開けた視界に飛び込んでくるもの。

「はい秋高さん、次はコレね?」

「……お前な、本気で言っ──」

 これだって好き者のお客様のために会社で扱っているもの。獣人用の首輪。

「あ、こら!?」

 こういう時ばかりは素早い三春によって手早く装着され、秋高は翻弄され続ける。いつから用意していたのか、首輪のネームプレートには『あきたか』と書かれている準備の良さ。

「似合う似合うっ」

 言いながらリードを首輪に取り付け、軽く引っ張りながら三春はじっとりと湿った視線を送る。

「秋高さんは僕だけのワンちゃんだからねえ」

 あまりの出来事に返事をしかねる秋高、頬も耳の先も真っ赤に。尻尾だけは原初の本能に則り、はしたなくぶんぶんと振られてばかり。一度ではまだ足りないと、雄だって再度固く上向いてしまっていた。


「ね、僕のちんこ舐ーめて?」

 リードを握りしめ、膝立ちで誘う三春。自分から「よっこらしょ」と下着を寝室の端に放り投げ、秋高の痴態にグンと勃った太竿を見せつけるのだ。

「……ああ」

「ワンちゃんなんだから、お返事は?」

 秋高がせっかくか細い声で頷いたというのに、三春の言葉はあまりにも。けれど年下彼氏のわがままに翻弄されるのもそれはそれで好きな秋高なので、かなりの覚悟を用したが──鳴く。

「ッ…ぅ………………ワ、ワン」

「か、かわいい……!」

 うっとり顔でリードを両手で握りしめ、三春は感動したように贅肉を打ち震えさせる。

 秋高は半ばヤケになり四つん這い、膝立ちの三春の股間へと口を開いた。

「ンッ……ワン……ン………」

「そうそう、いい子いい子」

 口淫なんて恥ずかしくもないはずが、首輪とリードはあまりにも秋高の裸体を欲情させてしまう。いつもより口の中の三春の雄が逞しく感じられたり、もっと奉仕を捧げたいという妖しい感情さえ湧き上がってくるのだ。

「…ッ…ゥ……ワンッ…ンンッ………」

 わんわん鳴きながらしゃぶるだなんてと、否定的なのは心だけ。

「ンッ……ゥ……く……ワンンッ………」

 秋高の身体はとっくに悦んでしまっていて、揺れる肉棒、ヒク付く後孔、跳ねる尻尾。

「………ッ………ワ…ンッ…」

 舌遣いも必死、秋高の口は三春専用の快楽器官へと。


「がっついてる秋高さんも可愛いっ!」

「ンッ……ワン……ワンンンッ……」

 三春がリードを軽く引くだけで、秋高の喉奥へと挿入される太雄。そのまま三春は握りしめたリードを操り、年上彼氏を可愛らしく躾けていくのだ。

「もっと舌出して?」

 会社ではあんなにも真面目な秋高が、ちゅぱちゅぱと自分の亀頭を舐めているなんて。

「う、あんん……先っぽ、たまんないってぇ」

 いつも頼れる好青年という雰囲気が、こんなにも崩れている、自分が崩していると三春は危ない支配欲に溺れているのだ。

「あっ…あはは、首輪引っ張られるの好きなんだ?」

 三春の方こそ、それらなんてなくたって秋高にぞっこんなのだから。

「秋高さん……すっごいエッロ……」

「ンッ……フーッ……ワ…ンッ……ンチュッ……」

「あ、やばいってぇ……エッチ過ぎ、だって……僕、僕ぅ……!!」

 リードがピンと張られ、三春の声に余裕が掻き消える。嬉しくも切ない喘ぎと共に、そのむっちりとした亀頭からはたっぷりの精。わんこ彼氏の喉へと注ぎ込むよう、弾けるように吐精していく止まらない止まらない。


 そうして秋高はそんな三春に満足したのか、シチュエーションに燃えているのか未だに三春の雄を舐め続けていた。

「う、あ……もぉお、秋高さん舐め過ぎだってばあぁ……!?」

「三春がヒトのことイヌ扱いしたんだろう」

 と自慢顔で舌なめずりする秋高。だが口でこんなにも味わってしまえば、もっと身体の深い所でも味わいたいと思わずにはいられない。ゴクリと生唾を飲み込み、視線は三春の下。

 そんな些細な変化だって見逃す三春ではない。

「秋高さんど〜しましたあ?」

「わ、分かってる癖に」

 蕩けた顔、腰なのだから秋高の声は小さい。

「……俺、あまり余裕ない」

 リードを避けつつも四つん這いの姿勢のまま、そっと三春へと尻を向ける秋高。自分で尻尾を跳ねさせ、両手で尻たぶを押し広げればこれ以上ないお誘いの体勢。

「……なあ?欲しいんだ」

「ふふーん、何が欲しいの?」

「ッ……さ、三春のおっきいのが……もう口だけじゃ、なくて……三春のちんちんを入れて、欲しい……!」

 既に支度済み、中からトクリとローションが溢れてくる秋高の秘部。恥ずかしいポーズ、言葉ごとにヒク付いて仕方ない。


 なのに三春はまだ焦らす。

「入れて欲しいだけ?」

「あ……うぅ……」

 リードをクンと引き、飼い主のような不敵顔で三春は続けるのだ。

「乗って欲しい?」

「…そ、れも…して欲しい……」

「へへ、素直なんだからあ」

 雄でありながらも年上でありながらもバックポジションを譲ってくれる秋高のこういう時の可愛らしさに三春だってもう我慢の限界。

「僕のもビンビンだって。ん……このまま鳴かせてあげるね?」

 ゴムなんて捨てるほどあるというのにその手間さえ惜しんで三春は秋高へと後ろから伸し掛かっていく。

「ちょ、三春こらぁあぁあ!?」

 悲鳴はコンドームのことか、重さに耐えかねてか、いきなりの太挿入のせいか。

 なんとか挿入を果たし、押し潰すような体重差エッチの開始。先ほどはあんな声をあげておきながらも秋高、三春の雄をミチミチと締め付けて離そうとはしないのだ。

「尻尾バタバタして喜んでるくせにい」

「あぁあ、っ!?…ま、また重くなってぇ……!」

「秋高さんが喜ぶからい〜の!」

「ンァあぁ!?ああっ…!あっ!」

 動物のような四つん這い同士、三春の腰は僅かにだって止まりはしない。何度も何度も打ち付け、秋高を鳴かせるのが楽しくて嬉しくて仕方ないのだ。

「秋高さんて僕にギュッてされるの大好きだもんねえ?」

「んぅ、ああぁ!あっ…く、あぁあ…ふ、ぁあっ!」


 それが続けば流石に手も膝も限界の秋高。力無く布団へとうつ伏せにへたり込んでしまうまで。しかし三春は覆い被さるようにして雄交尾をより濃密に仕掛けていくばかり。

 更には布団シーツをギュッと掴む秋高の両手を上から押さえつけ、少しだけ虐めるような声。

「ほーらもう逃げられない」

「アァッ、三春ッ……三春ンンッ……!」

 首輪やリードだけに飽き足らず、三春の独占欲が秋高に絡みつく。とっくに大好き同士であっても寝屋では何もかもが欲しくて堪らなくなるのが恋というもの。

「ほんと秋高さん可愛いっ……僕の下でこんな鳴いちゃうとこも大好きっ」

「あっ、あぁああぁ……!駄目だぁあ……!」

 三春の体重全てに押し潰され、挿入感だっていつも以上。秋高の声はあられもなく感じ入ったもので、切羽詰まったような嬌声。

「なーにが?」

「こ、この体勢……三春を感じ過ぎるからぁ……!ンンッ…あぁっ!」

 秋高自身だってその腹と布団に挟まれてぬちぬちと刺激されてばかり。尻奥で味わう三春の太さに理性なんてどこかへ行ってしまっている様子。

 そんな様でそんな言葉を聞かされてしまえば、ドキンとさせられてしまうのは三春。

「も、もぉ〜……ほんと秋高さんは僕を──ッ!」

「んなああ激しっ……!?」

 余計年下男子は頑張ってしまうに決まっている。


 思い切り掘り抜きつつも、三春の右手がそっと秋高の股間前へと差し込まれる。布団シーツをこれでもかと潮臭い体液で湿らせた、興奮の証。

「うわ、思いっきり好き放題にされてるのにビンビン、秋高さんの変態〜」

「い、いま触ったらぁああぁあ」

 刺激のせいか言葉責めのせいか、簡単に果ててしまう秋高。けれど三春の腰は止まることなんてあるはずがない。

「ほ〜ら、思いっきり押し潰して可愛がってあげちゃうから」

「うあぁ、あぁあまだ出てるからぁあ三春、止めっ…!?」

「もうこっちこそダメ!秋高さん可愛いすぎるってばあ……!!」

「く、ぅぅう……あぁああ〜ッ!?」

 秋高が果てて下半身の奥地を脈動させるごと、三春は自慢の太竿がキュンキュンと締め付けられる感覚に頬を緩ませる。気持ちいいのと、感じさせているという満足感がより交わりを幸せに彩るから。だから腰を止めたりなんてしない。

「ンッ!ああっ、あっ!あっ!」

「あ、ははっ……秋高さん、だいっすき…!」

「馬鹿、加減し…ろぉお、んぅううう…ぁ………!」

 若さと欲望のまま、秋高の尻をガツガツと貪っていく三春。

「秋高さんッ……!秋高さんに腰振るの堪んないってぇ……!」

 シーツがくしゃくしゃになろうが、秋高がぺちゃんこになろうが、好きの気持ちをただぶつけ続けていくだけ。

「ああぁもうっ、僕ぅ……!秋高さんに中出ししちゃうからぁあ……!!」

「ッ……こら三春っ待て、アッ──」

「出ちゃうぅう〜っ!!」

 素面だったら恥ずかしい声をあげ、三春は目をギュッと瞑って大好きな秋高へと思い切りの種付け射精。どくんと込み上げるのは精だけでなく、秋高の全てを自分色に染めたいという欲求も。とはいえまだまだ高校生みたいな性欲のまま、三春はその太雄を何度だってしゃくりを上げさせながら溜まった白濁を注ぎ込んでいくのだった。


 ことが終わっても結合状態のまま。三春が秋高の上で「動きたくなくなっちゃった」などとのたまったから。

「は、あはは……ごめん、頑張り過ぎちゃったあ」

「……はーっ…は……こっちはそんなに若くないんだぞ……!」

「えへへ、足痺れちゃったかも」

 とか言いながら、三春はようやく引き抜いていく。ぶるると身を震わせながら、秋高のナカが自分で満たされたことに満足感を覚える三春なのだった。ドサリと隣に転げつつ、秋高をそうっと気遣ってみる。

「ほら秋高さんも」

 なんとなく仰向けにした三春が見たもの、布団にも秋高の下半身にもどっぷりと果てた精の濡れ。びっちゃりとした雫は確かに三春との交わりに大興奮したという証明。

「……〜〜ッ」

 顔を隠し声にならない声の秋高。

「あ、あー………………しっかり若いじゃん。えへへ、そんなに良かったんだあ?」


 * * *


More Creators