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雪⑥(完)

Chapter⑥『4日目 雪まつり』

 今日2人が向かったのは雪ノ町の北部。

 朝から雲行きが怪しく、今にも降ってきそう。雨か雪か、みぞれか雹か。

「さっむいねえ」

「三春、あっためようか?」

 もう少しで目的地に到着するというのに、秋高がポケットの中の小さな遠隔リモコンを弄り出す。カチカチと鳴らして遊べば、隣を歩く三春の下の方から僅かな振動音。

「ふぁ……そ、そういう意味じゃ…アッ……秋高さ、んっ……」

 昨晩のこともあり、今日は秋高が三春を可愛がる日。朝から出かけるというのに、三春の下着の中に大粒の遠隔ローターを仕込んだのだ。新製品を試すというのは口実に過ぎず、秋高の気分次第で三春の雄部分は鈍い振動に襲われてしまうということ。

 しかもその下着というのが秋高が三春に趣味で履かせたジョックストラップ。元より大ぶりな三春の股間はローターも詰め込まれているとあってより窮屈。勃ってでもしまったら卑猥なパツパツ具合になってしまうことだろう。

 寒いからと秋高が巻いてくれたマフラーに口元を埋め、小さく威嚇する三春。

「う…ぅぅ……秋高さんのエッチ〜……」

「マフラーしっかり結んでないと見えちゃうぞ?」

 向き合って丁寧に結び直してくれる秋高。よく三春のネクタイを整えてやっているのでお手のもの。だが今日のそれの意味は、外出中だというのにプレイ用の首輪をさせているのが周りにバレないようにということ。

「もおぉ、ほんとに!」

 順番に“上”をしているエッチな関係上、唸ることしかできない三春。昨晩だって楽しくてつい首輪なんて着けさせたのは他でもない三春自身なのだからなおさら何も言えなくなる。朝から秋高の大胆攻勢を受け、満更でもないけれど。


 2人が到着したのは広大な土地を使った大規模な雪まつり。

 積雪とは無縁の地方に住んでいる2人としては、初めて見る光景ばかり。既に会場には大勢の観光客の姿、どこも様々な獣人で溢れかえっている。丁度、今日から開催なのだ。

「いい時に来たね」

「2人の有給消化を合わせるの大変だったからなあ」

 やや思い出したくない話なので遠くを見つめる2人。

 すぐに気を取り直して歩き出す。雪像の展示エリアを抜けていけば、ご当地B級グルメの出店やらフードトラックが待っていることだろう。


 だがその前に、やはり恒例の顔出しパネル撮影会が待っている。この町はそんなにこれが好きらしい。

「思い出にバッチリ撮ってこうね!」

「好きだなぁ三春は」

 仕方なくついて行った秋高の前には、意外にもシンプルな顔出しパネルが待ち構えていた。秋高が変な絵柄でなくて良かったとホッとしたのも束の間。ただの雪だるま、ただし胴体と顔にそれぞれ顔出し用の穴が空いているというものだから、三春が秋高の背中に飛び付いて屈ませてくる。

「僕が上ね〜」

「うおっ!?さ、三春、お、重い重いッ!」

「ほらタイマー始まってるから我慢我慢っ」

「ば、馬鹿こら…本当に重いんだって……!」

「はいもうすぐ〜」

 カシャ。昨晩の情事よりよっぽど必死な顔で重さに耐えなくてはいけなかった秋高、その表情は押して知るべしというもの。撮った画像を見て三春など大笑い。

「あはは、秋高さんすっごい顔してる〜」

「撮り直しだ!いや、もう消せ!」

「やだやだダメですーす!」


 入り口から大騒ぎをしたけれど、そこからはのんびり歩きで雪像の数々を見て回ることに。国民的アニメの主役から、絵画を模したものなど雪像は多種多様。中には雪ノ町の市長の雪像まで。

「うわー、生で見るとでっかいねえ!?」

「来れて良かったな三春」

「ねー!秋高さん」

 と、かじかむ手を繋いで温め合ったりして雪国デートを堪能するのだ。

 純愛な空気感を出しつつも、思い出したかのように秋高がローターのスイッチを最弱で入れたり消したりもする。

「……ッ…!」

「ほら三春、あっち見に行こう?」

「ぅ……ゆ、ゆっくりね……!」

「俺は構わないけど?」

 なんて悪い大人顔でよたよたと歩く三春をリードしていく秋高なのだった。


 しっとりと雪像展示のエリアを周り終え、2人は食べ物の出店などのある広場へと向かう。目立つ特設ステージ上では、全く知らないご当地ゆるキャラのキャラクターショーなどが開催されていたり。

 簡単な椅子やテーブルなども用意されてはいるが、それよりも目を引くのは数十のかまくら。

「うわぁ、僕こういうの初めてかも」

「積雪地方ならではだな」

 流石にどれも使用中だったが、2人の目の前でひとつが空いたので急いでキープ。

「じゃあ三春は席取っておいて。こっちで食べ物買ってくるから」

「え、いいの?やっさし〜!」

「食べたいのはビデオ通話で聞くから」

「うん!」

 小さな椅子と小さなテーブル、奥の方にストーブが炊いてあり思いのほか暖かな空間。直ぐに腰を下ろした三春へと、秋高はスマホ片手に手を振って出かけて行った。いや、顔だけひょいと出して言い忘れ。

「それと──」

「ひゃ……あ……ちょ、秋高さん…!?」

 三春の下着の中、前の部分に詰め込まれている大型ローターが静かに大暴れし始めたからの悲鳴。

「俺が居なくても触っちゃ駄目だからな?」

「も、もぉ〜……!」


 途中、ビデオ通話で三春からご注文を賜り、せっせと買い物に走る秋高だった。しばらくして年下彼氏の待つ愛の巣へと帰還。ご飯にしようか、と秋高は遠隔ローターの電源をオフ。一応、それっぽい態度で聞いてみる。

「待ちきれない?」

「い、今は食欲が最優先なの!」

 冷めないうちに召し上がれ。

 トレーに並んだ紙コップには、先着無料の甘酒。それもとびきり熱々。

「ああぁ〜、もう寒い時にはこういうのが1番っ」

「火傷するなよ?」

 メインとなるのはご当地B級グルメの『隕石カレー』。

「黒!」

「すごい色だよな」

「なんなのこれ!?」

「俺にもよく分からん……『隕石カレー』とか書いてあったかな」

「スマホの画面じゃカレーってことしか分からなかったあ」

 2人して割といい加減な会話をしつつ、真っ黒なカレーのスパイシーさに舌鼓を打つ。

「あ、おっきい肉団子が入ってる!」

「これが隕石ってことか」

「ほえ〜」


 他にも三春がお腹を空かせて待っているだろうとトレーの上にはホクホクのじゃがいも。スタンダードなじゃがバタから始まり、チーズの奴や明太子の奴などなど。

 とっくにカレーを完食し終えた三春、ちょうどいい食べ頃の熱さとなったお芋を頬張ること頬張ること。

「…………?」

「な、なあに?」

 とびきり美味しそうに食べる様子を見るのが好きな秋高だったが、今だけは少し不思議そうな顔。三春も口をいっぱいにしながらも聞かずにはいられなかった。

「売ってる時は大きく見えたんだけどな」

「はいそこうるさいでーす!」

 大きな声を上げながら、三春は全部平らげてやると心に誓うのだった、むしゃむしゃ。


 かまくらを出て美味しそうな串焼きや、お酒の試飲やらお土産の物販コーナーへと向かおうとしたあたり。ついにポツポツと降ってくるもの。

 最初は小さな綿のようなサイズだったが、次第に大粒のぼた雪に変わっていく。

「あちゃー、本格的に降ってきちゃったね」

「仕方ない、三春ちょっと待っててな」

 カバンの奥を弄る秋高だったが、どうやら悪いニュース。

「あ、そんな……お揃いだったのに」

 天気の悪い時は持ち歩いている折り畳み傘が2本、だけど1本が折れてしまっていたのだ。

「まあまあ秋高さん、相合傘のチャンスですよ!?」

 悪いことだって良く捉えるのが三春の良いところ。大きな笑顔に絆されて、秋高まで微笑んでしまうのだ。

「ああ!それもそうだな」

 恋人同士の相合傘といえば、それこそロマンチックの匂い。が、するはずだったのだが2人にとっては何か、こう、何か違う。

「…………。」

「ちょっと!?黙らないで!?気まずいでしょ僕が!」

 ただでさえ男同士、特に横幅が大きな三春とでは明らかに折り畳み傘ひとつで納まりはしなかったから。2人して割と全然かなり雪に濡らされながらくしゃみの帰路へとつくのだった。


 * * *


 いまや見慣れた離れの玄関、雪に追い立てられるようにして部屋へと駆け込んでいく2人。コートを放り投げ、子供みたいに服を脱ぎ散らかしていく秋高と三春。

「ほら早く脱がないと風邪引くぞ」

「だ、だってこの下はぁ……」

 脱ぐ手をズボンで止めてしまった三春、秋高にじっと見られて文句を言わずには。

「秋高さんはすーぐ僕にヘンなの履かせるんだから、変態っ」

 そう言われようとも秋高は「うんうん」とあやしながら、三春のズボンを下ろしてしまう。雪の濡れとはまた違う、三春の恥ずかしい粘着く染みがジョックストラップに滲んでいるのが明らかに。直ぐにムクと反応しかけ、大粒のローターと窮屈そうに布地に竿の陰茎を浮き上がらせてしまっているのだ。

「そうは言うけど、けっこう感じちゃった?」

「…う、にゃあ………」

「三春、変態なのはどっちかな?」

 昨晩の仕返しのような言葉。好き合いながらも似た者同士、エッチな応酬がそれはそれで楽しいものだと。


 窓の外を雪が舞う中、2人は直ぐに行動。三春がお尻の支度をしている間に、秋高が散乱している服を片付けて部屋を暖めておいてくれる。

 トイレから戻った三春、締め付け感を気にしながらもジョックスストラップ一枚で寝室に登場。首輪は擦れて痛いからと没になったとか。

「……め、めっちゃエッチしたい!」

 言うが早いか、秋高に憎たらしいローターと投げつける。もちろんそっと。

「こーら三春、投げない」

 受け取りつつも秋高の手には、それのリモコン。使う気満々。布団でくつろいだように座り、下着一枚の秋高は三春を近くに呼びながら聞く。

「せっかくだし、ナカ入れてみる?」

「べ、別にいいけど〜」

 気恥ずかしいからか、少し生意気な返事の三春。

「はい、可愛いお尻出して」

「はあぁ〜?」

 上擦ったような声で聞き返すも、しっかり秋高へとその大きな尻を突き出すのだ。


 既に使う物の準備も万端な秋高だ、指とローター、三春の後孔へとローションをたっぷりと。今日のは無味無臭、これなら1番に三春の匂いを感じ取れるから。

 そっと大粒ローターが挿入されていく、少しだけ冷たい異物感に三春の声は高くなる。

「…う…ひゃ………アアァ…!」

 くぷんと飲み込んだ後には、電源ユニットに繋がったコードだけがぶら下がっている。まあるいお尻にはジョックストラップのゴム紐が食い込み、裸よりも秋高を興奮させるのだ。

「三春のお尻、簡単に飲み込んじゃったね」

「ら、楽勝だしい……!」

「なら、良いよね?」

 返事なんて待ちもせず、秋高がリモコンのスイッチをオン。手始めは弱振動。

「う、ああぁ……け、けっこう、クるぅぅぅう…!?」

「お出かけの時もコッチに入れてあげたら良かったかな」

「あ、うひゃ……んん…ぜ、ぜったい変な声、でちゃ、ってたってぇえ……!」

「そんな堪えなくなっていいんだぞ三春」

 秋高に尻を突き出し、うずくまるようにて悶える三春。ゆるく開いた太脚の間からは、ジョックストラップの窮屈な布地を何度も押し上げる三春の雄部分が秋高を誘っているよう。


 せっかくだから感じている顔を見たいと、三春を押し倒して仰向けにする秋高。どてんと寝転んだ三春の柔らかな肉の丘を撫でまわし、甘く乳首を舐め上げていく。

「あ、秋高さん今日は積極的ぃい……」

「三春が可愛いからかな」

 欲情と庇護欲のない混ぜになった独特の大人の表情。秋高はうっとりと舌を這わせ、三春のやや凹んだ乳首を吸い上げたりするのだ。

 もちろん、その間でも三春のお尻のローターは低く暴れていて感度をひたあげさせている。

 そうして次第に秋高の動きは欲望に忠実に。執拗にお腹の膨らみや、柔らかな乳房といった豊満な部位ばかりを揉みしだいているのだ。

「…………このむっつりデブ専…」

「確かに、むっちりおデブだな?」

 2人きりならばなんと言われようとも。秋高はクスリと笑って言い返し、年下大柄猫彼氏の生意気な贅沢ボディを頬擦りするまで。撫でても舐めても足りず、そうしたってまだまだ堪能し足りないと。

「もぉお……」

「むくれても可愛いんだ」

 いやらしい手付きによるマッサージのような愛撫。口全体や舌先を使っての乳首ねぶり。ローターだって不定期に強弱を切り替えて三春を悶えさせていく。その大きな身体を蕩けさせたくて堪らないと肌を合わせ続ける秋高なのだ。


 秋高とオモチャに可愛がられ、三春のジョックストラップの際どく窮屈な前布がより濡れていく。

「ぅ〜……ァ…………ん……」

 甘皮を被った亀頭の輪郭さえ浮かばせ、ビクビクと跳ねるのは尻尾以上に敏感だから。

「ふーっ……あ………」

 嬉しそうに秋高に身を任せ、借りてきた猫のように大人しく感じいるだけ。

「……あ…ぅ……秋高さ、ぁんん……」

「今日はやけに静かじゃないか?」

 秋高がからかうように聞いても、三春は小さく身じろぎをしてそっと口を開く。

「だ、だって朝からずっと興奮しっぱなしで……」

 町中をローター装着で出歩いてたなんてと、恥ずかしながらの内心を吐き出すのだ。

「……エ、エッチな動画みたいでドキドキしちゃったの…!」

「ほんとエロネコなんだから、俺の三春は」

 会社では絶対に見せない雄の顔になると、秋高は有無を言わせずに口付けを落とす。

「ふ……アッ……ンッ…」

 しかも三春の両乳首を爪で甘く引っ掻き、ローターだって頑張らせる。

「アッ、ンムッ……待っ、あっ……秋高さん、んっ、ああっ…あ、待っ…や、あ……僕ぅ……エロネコだからぁああ……!」

 途端に三春の喘ぎ方が激しくなり、両手が秋高の背中にまで回される。ぎゅうと抱きしめながら淫らに乱れた嬌声をあげてしまう三春。

 それが悦んでいるのだと分かっているからこそ秋高は止めはしない、続けるだけ、もっともっと鳴かせたいだけ。

「〜〜ッ……アッ、ああぁあ、やばぃ…ってえぇええ……ッう〜〜ッ!!」

 胸の刺激、お尻の意地悪さに追い詰められて三春は簡単にイかされてしまう。秋高の身体を強く抱きしめながら、ジョックストラップの前部分からどぷりどぷりと白濁を滲ませてしまうのだ。朝から蓄積されていた分、それは本当にたっぷりとした量。生臭い汁気で性器全体も双球の形もクッキリと浮かび上がり、これでは裸よりもよっぽど。

「もぉお……で、出ちゃったじゃん……!」


 むくれた三春の声に、秋高は余裕たっぷりに答える。

「今からが本番なんだぞ?」

 おもむろにいつもの下着を脱ぐと、竿の根本にはエロチックなコックリングが装着されていた。黒いリングに金属鋲のようなものが取り付けられており、見方によってはSMチックに見えないこともない。

「……あ、秋高さんもそんなの着けてたのお!?」

「どう?」

 三春は小声ながらも「あんな爽やかムードでデートしてたのに、こんなのちんこに着けてたなんて〜」と大騒ぎ。熟考の末、一言だけの感想。

「え、えっちじゃん……」

「三春がそうさせてるんだ」

「ッ……あ、秋高さんは素面でよくそんなこと言えるよねえ……」

 と、三春はドキドキさせられっぱなし。これ以上はと勢いのままに行動する。

「い、いいからもうエッチしよ……!」

 照れっぱなしの顔を見られるのが気恥ずかしくて、三春は四つん這いの姿勢で大きな尻を突き出して誘う。尻尾をゆらゆら「早く」と。

「彼氏くんのお願いとあらば」

 秋高は静かに三春の後ろから足の間に位置取る。両手でお尻のラインをなぞり、腰を優しく抱く。

「本当におっきくて可愛いお尻してるな三春は」

「だ、だから手付きがやらしいんだってばぁ……」

 三春はそう撫で付けられるだけでドギマギとしてしまい、かと思えば秋高がからかうようにジョックストラップのゴムをパチンと引っ張れば小さく喘いでしまうのだ。

「アッ……もぉ〜……」

 揺れる大ぶりの尻肉。秋高はくぐもった鼻息と共に「エッロ……」なんて呟くのだ。それは紛れもない雄声で、余計に三春の下半身を疼かせるもの。


 秋高が三春の後孔を撫で付けつつ、コードの垂れたローターをどうしようかと。

「も、もうそれはいいでしょお?」

「……どうせなら入れたまましよっか?」

「へ、ええぇ……!?」

 今は動かしてはいないが、そんなことは今までしたことがないから三春の声は困り気味。

「あ、えっ秋高さん……!?」

 だが性急に腰を押し付けてくる感覚に三春はより戸惑う。後ろからは真剣さを帯びた、欲たっぷりの低音ボイス。

「……あ、朝からかなり我慢してたから、もう待てない……恋人のあんな可愛い姿見て……興奮しない訳がないだろ……!?」

 ローターのコードを指で退かしつつ、秋高の甘皮被りの亀頭がにゅぐりと押し込まれかけるのだ。前戯もゴムも無しの、ただ若さに後押しされるような挿入へと。

「俺をこんなにさせた三春が悪いんだからな……ッ!」

「ん、あぁあっぁああっ……!」

 秋高が思い切り腰を密着させる、息を荒げながらも奥まで打ち込めば柔らかな三春のお肉が揺れ、尻尾なんてビリビリと立ってしまった。

 止まれるはずなんてなく、秋高は眼下のジョックストラップのゴムを両手で掴んで腰を弾ませ始めていくのだ。

「三春ッ…三春んっ……!」

「あ、ああぁ秋高さん今日は、頑張りすぎだってえぇ……!」

「こんなエロ下着でッ……ふ、ぅ…挑発するから、だろ」

「秋高さんが履かせたんで、しょ……お…あっ……ん、ぁ…あっ、んっ!」

 結局はどちらにも主導権なんて存在しない。ただお互いに気持ち良くて、気持ち良くなりたくて、気持ち良くさせたくて仕方ないだけ。


 腰を打ち付けながらも秋高にしては下世話なことを言い出すのは、よほど三春のジョックストラップ姿が気に入ったからか。

「毎日これなら、いつでもセックスし放題なのにな……!」

「もぉお、あぁあっ……あ、秋高さんのバカぁあ……い、いつでもしてるでしょ〜」

「三春だって興奮してるだろ、こんな尻尾までピンピンにさせて」

「あ、んっ……にゃ、ああぁ……!」

 思いっきり抽送を繰り返し、生のまま抜き差しされる肉棒はローションと愛液で濡れ濡れていく。

 次第に三春の喘ぎは言葉にもならなくなって、くしゃくしゃの細かな吐息と混ざって。秋高はより興奮を強め、年下彼氏の淫らな鳴き声に腰を止められなくなっていくのだ。

「三春可愛い」

 強い鼻息と共に告げる。

「三春好き」

 強く腰を押し込み、感じさせようと。

「三春エッチだ」

 なんて愛を囁きながら大人の腰使いでより三春をメロメロにさせようというのだ。

「あぅ…アッ………んっ…もぉお……あんまり惚れ直させないでったらぁ〜……」

「2人で気持ちよくなろうな……!」

 追撃の手を緩めない秋高の次の行動はローターのスイッチを入れること。


「ッ……ァ、うぅぅぅぁ〜〜ッ!?」

「これ…俺もやばいかも…ぉ……!」

 三春の中で暴れる大粒ローター。挿入されている本人もそうだが、竿の先に震えがぶつかり、かつ三春の締め付けがより顕著になるものだから秋高だって腰が痺れるほど。

「秋高さんんっ、ちんこでグッてされるとブルブルが奥ま、でぇぇ……」

「三春、締め付けすぎだッ……」

 どちらも余裕なんてない。オモチャ一粒に翻弄されながらも、ぐちゃぐちゃに交わり尽くしていく。どっちが腰を弾ませているだなんて考えられもしない、相手か自分か、分からない。

「だ、だってぇえ…ああ、あぁ…んんっ、これえぇヤバッ……」

「……く、うう…腰動かしてないと、堪えられないっ!」

「あ、アッ、ああっ秋高さ、んん〜っ」

「くぅぅ……三春、三春んっ……!」

 追い込まれる三春は布団をぎゅっと握りしめ、秋高はジョックストラップのゴムをこれでもかと引っ張ってしまう。暴れるローターを止めるなんて考えられもせず、快楽の勢いのまま体温を交換し続ける2人。


「も、ダメダメダメだってぇえええ……!」

 三春の声がより切なく追い詰められたものに。

「これ、凄いな……あっ…俺まで振動、で………」

 秋高だってかなり登り詰められている状態で、慮るほどの余力はない。熱いほどの中肉を秋高の雄竿がぐちゅぐちゅとかき混ぜる。

 ローターの振動、腰遣いが三春をどうにかさせてしまうのなんて直ぐ。

「……ん…ん………もうダメだ、からぁあ………僕、僕ぅ…エロネコだからぁあ、出ちゃ………出ちゃうからぁああ〜ッ!!」

 もう体液を保持できなくなった濡れ布と化したジョックストラップの前面部分から、三春のどっぷりとした精がボタボタとこぼれ落ちてしまう。

 だがそれは体内の律動ともなって秋高の雄竿を強く抱きしめてしまうもの。

「くっ……三春、急にナカ……ッ!」

「あっ、ああ出てる、出てるからぁあ……!」

 締め付け感が堪らないと秋高は雄の本能に従って種付け行動を続けるのみ。三春がまだまだ吐精し続けるのが感じさせられているとの証明のようで、より腰の弾みは強く軽快。

「三春の尻、気持ち良くて……悪い、俺……加減効かない……!」

「や、あぁあ、バカぁあ、出てるからあ、あああ〜!」

「止めない、止められないから……!三春、このおっきな尻に、出す…俺も出すから……!」

 ストロークは継続し、寝室の中は暖房いらずのほど蒸れたものへと。そうして秋高の息遣いが激しく激しくなったのち、頂点に登り詰めた瞬間にグッッと雄竿を最奥にまで突き込んで果てるのだ。

「ぐぅ…ぅぅ……う……………ッ…三春、俺も……イクッ……ぞ!!」

「あ、あぁあ秋高さんのちょーだいっ、秋高さん秋高さんんん〜っ」

 どちらの頭の中まで真っ白に。深々と降り積もる雪を思わせるように果て続けるのみ。恋人のこれ以上ない温かな部分を感じながら、秋高は注ぎ、三春は注がれる。

 息遣いも鼓動もめちゃくちゃになってしまうけれど、ただただ快楽以上に心地よい達成感だけが込み上げる2人なのだった。


 気付けば秋高は疲れ果てて寝転んで天井を見上げ、呟く。

「……か、可愛かった」

 だがあまりに激しかったからか、それとも感じ過ぎて声も出ないのか三春は静か。

 こういう時ばかりは秋高の方がわざとらしい声をあげるのだ。

「やっぱり俺の三春は可愛いなあ」

「うるさいでーす……!」

「本当のことなのに」

「もぉ〜、パンツびしょびしょだし、ゴムは伸びちゃったし!」

 ようやく口を開いたかと思えばやはり饒舌の三春。続けて小さく「せっかく秋高さんに買って貰ったのにぃ……」とぼやくのだ。

 となれば秋高は男前に笑って見せ、分かりやすいほどのご機嫌取り。

「また買ってやるから、な?」

「ホント?やった〜!」

 ちょろい男、三春。

「って、そういうことじゃなくて──」

「ならもう一回いい?」

「え、あ、ちょっとぉお!?秋高さん〜ッ!?」

 お外は大雪注意報、室内は惚気注意報。


 * * *


 旅行最終日。

 2人は早朝から離れ備え付けの個室露店温泉を楽しんでいる。曇り空のため肌寒いが湯に入ってしまえば、恋人の隣に座ってしまえばこの世のどこより温かい。

「ああ、生き返るぅ〜」

「三春、脚閉じてなさい」

 どっかとくつろぎ過ぎている三春へと、秋高は注意。少しだけ鼻の下が伸びていたかもしれないが。

「ッ……!?ま、まだヤり足りないの!?変態!エッチ!」

「そ、そういう意味じゃない」

 慌てて否定する秋高だったが、少し考え込んで訂正。

「……半分くらいは」

「も〜、若いんだから秋高さんはあ」

 そして雪が降ってくる。

「あ、見てほらまた降ってきた!」

 ふわりふわり、雪だって温泉に浸かりたいのだろう。

「本当だ、名残惜しくなってくるな」

「もーここに住んじゃいたいよね!?」

「それは……。まあ、分かる」

「でしょ〜!?」

 風情ある雪見風呂は、やはりこの雪ノ町の良い思い出になることだろう。


 などどのんびりしていた2人。風呂を上がってから見たスマホの通知欄には『大雪警戒注意報』の文字、それも赤と黄色の危険信号を伝える文字色。

「え!秋高さんこれマズくない!?」

「帰れなくなるぞ、急ぐぞチェックアウトだ!」



 だなんて名残惜しさを実感する暇もなく、大慌てで時間を前倒しに変更した電車へと。

 なんとか諸々が間に合い、雪降るホームに滑り込んでくる特急あずき号の姿に懐かしさすら感じる2人。

 電車のドアが開く。明るく温かな車内ではあるものの、2人は直ぐには乗り込まない。電車に一歩進んでしまえば、それは──。

「これ乗っちゃったら旅行もお終いって感じだねえ」

 だが秋高が先に決心したように一歩前へ。そっと振り向いて片手を伸ばす。

「ほーら三春おいで」

「うんっ」

 躊躇なくその手を握り、三春は秋高と電車に乗り込んだ。


 温かな座席に座り、しんみりと。

「また来年も来たいね秋高さん」

「…………。」

 感傷に浸っているのか黙っている秋高。まだ走り出してはいない電車、遠くの景色を眺めているようだ。

「ん?やだ?」

「来年のまた同じ時期、福引のじゃなくて予約して来ようか」

「だね!」

 それきりまた沈黙してしまう秋高。何か考えていたのか、くすぐったいような照れ臭いような、一歩踏み出すような声で話し出す。

「…………そ、その時は、ほら、予約するときに別々の苗字だと大変だしさ」

「だし?」

「その時くらいには同じ苗字で予約を、だな……!」

「秋高さん、それって!!!!」


『本日もご乗車ありがとうございます。特急あずき号、この列車は〜〜』

 と車掌さんのアナウンス。

 この列車が向かうのは、きっと2人の未来。

 寒気なんて全く感じられなくなったのはドアがしまったからだけではない。きっとまた来年、ここの雪を踏み締める時には恋人以上になっている2人の胸がポカポカとしているから。


 <おしまい>

Comments

コメントありがとうございますー! ガッツリ一気読みお疲れ様です!気に入って貰えたようで嬉しいです、オカズ系エロ小説も好きですがこういうアホエロもほっこりできて良いですよね。2人の緩い掛け合いはニマニマしながら書いてました。 楽しみの一つになって貰えて幸いです、ご支援感謝!また次の更新をお楽しみに、こちらこそありがとうございました。

ねむうさぎ

めちゃくちゃ尊かったです!!一気に最後まで読んでしまいました!いつものエロエロな作品も楽しませてもらってますが、こういう恋愛ものも大変良いですね…!!!もちろん各回の後半もえっちなんですけど、毎回前半にある秋高さんと三春くんが健全(?)デートするところはどれも好きです…!!大変幸福感を得られるシリーズでした。突然コメント失礼しました。いつも更新楽しみにしてます!!ありがとうございました。

やちく


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