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⑦アームス

Chapter 1

▼小虎勇者アームスが装備したのは『淫魔化の指輪』だった!


 指輪の効果により、アームスは身体中に鈍い痛みを感じながら跪いてしまう。呻きながら、肉体が造り替えられていく嫌な感覚にのたうってしまうのだ。

「アッ……ガッ!?な、ん……身体がぁああッ!?」

 内面から外面まで、何もかも変わってしまう。特に違和感のある頭からは悪魔の角、背中からは小さな蝙蝠の羽。しかも勇者としての衣装だって、謎めいた魔法反応で変化し、着衣はまるでインプや淫魔風のボンデージのようなそれになって。

「なんっ、だよこれぇ!?」


▼小虎勇者アームスは『下級淫魔』に変身した!


「ふざっけんな!こんな格好で外歩けるかよ!?」

 胸を覆う程度の短いタンクトップ、ツルツルとした素材の際ど過ぎるショートパンツ、どちらも紫色のいやらしい代物。トラ種ながらに角と蝙蝠羽を備えて、アームスはまごうこときなき淫魔に変身してしまったのだ。

 しかも最悪なことに、淫魔化したせいで今のアームスでは足元の聖剣に触れることもできないだろう。現状、自分が誰かに願われれば召喚されて使役される程度の下級淫魔だと理解しているからこそ、どうしたらと困り果てるアームス。

 だが間が悪いことに、足元に光る魔法陣が展開されて。

「って、お、おいこれって召喚の魔法陣──」



──ロケーション『マジクー魔法寮』。

 由緒ある全寮制の男子魔法寮。そこの小魔法演習室で行われていた召喚魔法の儀式。夜を思わせる模様の薄暗い天井、灯された大量の蝋燭が印象的。床は魔力を通しやすい特殊な石材で出来ており、ひんやりと光を放っている。


 そんな中央の魔法陣に呼び出されたアームス。目の前で杖を握りしめている自分を呼んだであろう召喚主を、不機嫌そうな顔で睨む。

「……なんだよまだガキじゃねーか」

 ぽっちゃりとした白熊種の見習い召喚男子。ローブ姿にとんがり帽子を被っており、恐らくはアームスと同年代。気弱そうな態度だが、それでも召喚成功したと見るや表情をパッと明るくさせるのだ。

「わ──で、で、で、出来た!」

「喜んでるとこ悪いけど、オレは召喚されるような悪魔だとかじゃねーからな!?」

「やった……ぼくにこんな可愛い淫魔が」

 両手で杖をしかと握りしめ、鼻息も荒く見つめてくる視線はやけに力があってアームスを驚かせるほど。しかし気を取り直し、アームスは自分の衣装を恥じらいながらも冷静に話をしようと。

「おい話聞けって、さっさと元いたとこに帰せよな」

「こんなえっちな格好した、ぼくだけの淫魔……はぁ、はぁっ…!」

「だーから!オレは淫魔なんかじゃ──うおっ!?」

 一瞬で体当たりのように魔法陣の上に押し倒されるアームス。ローブ越しに柔らかな肉の重みを感じるが、非力なはずの魔法使いさえ押しのけることができない。


 あっという間に身体を撫で回され、ゾクゾクと淫魔らしい気持ちが湧き上がってきてしまう。雄とまぐわいたい、イヤらしい行為で蕩けてしまいたいと。

「んひ、ぅあっ♡や、何す、んだぁ♡どこ触ってぇ♡」

「うわあ……やらしい声、身体も敏感で、いい匂いする……!」

「…くぅ…ぁ……さわんなあ♡や、めろっ♡」

 淫魔化したアームスの肢体は本当に敏感そのもの。まだあどけない白熊男子の指先に身体のラインを撫でられるだけで感じ入ってしまうのだ。火照った肉体は甘い喘ぎ、熱い吐息を吐き出すばかり。ショートパンツの中でツンと勃った若雄が、白熊男子の肉で圧迫されるのだって心地良くて仕方ないのだ。

「んあぁぁっ♡な、んでこんなあぁ♡」

「ツンツンしちゃってても淫魔だから、えっちな身体は正直だね……!」

 ふうふうと鼻息を荒げながら、白熊男子はアームスのショートパンツをずり降ろす。同じく自分も下半身を露出させると、初心そうだがぶるんと小太い若肉棒を見せつけるのだ。

「だ、からぁ♡淫魔じゃ、ねぇんだっ♡」

「そんなこと言ったってさあ、ココすごいことになってるよお?」

「ん、あああっ♡指、やめっ♡」

 アームスの尻穴は淫魔化した今、ただただ雄を愛するためだけの器官。ほのかに甘い香りさえ放ってはしどどに愛液で濡れそぼっている。白熊男子の指を嬉しそうに受け入れ、ナカをヌチャヌチャと弄られる度に締め付けるのだ。


 仰向けに組み敷いたアームスの両足を開かせ、白熊男子が固く勃った性器を押し付ける。

「ぼくの初めてさ、きみにあげるから……!」

「へ、あぁっ!?ちょ、お前っ、落ちつ──ンァあああんっ♡」

 淫魔としてはあまりに余裕のない、情けない悲鳴。勇者だったなど誰にも信じられないような甘い声で白熊男子を受け入れ、無意識の締め上げだけで互いを気持ち良くさせてしまうのだ。

「はっ、ああっ!全部、入っちゃったああ!!」

 白熊男子は勢いのままに童貞卒業を果たし、帽子もローブも杖も放って腰を振り続ける。

「だぁあ♡なん、コレェえっ♡チンポやばいってぇえ♡これ、突っ込まれんのぉ、すげっ♡嬉しく、なっちまう、や、こんなんっおかし、いってのにぃい♡」

 アームスだって処女を喪失しながらも、白熊男子が必死に腰を打ち付けてくるのが嬉しくて仕方ない。淫魔化した今、雄との交接は何よりのご馳走。性器と化した後孔を何度だって犯して欲しいし、ぷっくりとイヤらしく膨れた前立腺を何度だって突いて欲しいのだ。

「抱き心地も最高だよっ……ぼく、一生大事にするからあ!!」

「ふざけっ、ンヒッ♡ああっ、アッ♡動く、なああぁあっ♡」

 白熊男子が完全に理性を失っているのはきっとアームスの色香のせい。童貞を拗らせていた非モテ男子の前に、自分だけのエロ淫魔など現れようものならこうもなろう。今まで妄想していたイヤらしい行為を吐き出されるように、アームスはくたくたになるまで犯され続けることとなったのだ。


 窓もない密室のせいで時間感覚はないが、きっと半日は経ったろう。白熊男子はその大人しそうな顔に見合わずの絶倫で、淫魔であるアームスでさえ枯れそうになるほどだったのだ。

「……も…やめ…もお、無理ぃ……だっての……!」

 2人の精液でドロドロのアームスは、床で自分の身体を守るように抱きしめてそう呻いた。すると白熊男子はくすくすと笑うとその両手を引き剥がし、指と指をたがい違いにするように恋人繋ぎへ。そっと諌めるようにアームスに囁くのだ。

「ね、ちゃんと契約しようね?契約したらおしまいにしてあげるから」

「は……ぁ……わ、ったっての……契約、する、するから、もうやめ、ろってぇ……♡なんでも、いいからぁ♡も、やめろぉっ……♡」

 それを了承と受け取り、白熊男子は幸せの絶頂顔で契約魔法を唱えていく。息も絶え絶えだったせいでアームスが、本来はする必要のない契約をしてしまったのが嬉しかったに違いない。呼び出すまでが召喚魔法だが、契約するしないは召喚された者次第だからだ。そんなことも知らず、セックス漬けで馬鹿になったアームスがこれを後悔するのはまた少し後。


▼小虎勇者アームスは『使い魔:下級淫魔』になった!


 そのまま意識を手放すアームスと、契約魔法を唱え終えて気絶する白熊男子。起きた頃にはアームスの大きな叫び声が聞こえることだろう。


 * * *


Chapter 2

──ロケーション『マジクー魔法学校・教室』。

 この召喚魔法科では自分の使い魔などと一緒に授業を受けることができる。それは常に一緒に居ることで絆を深めたり、意思疎通の精度を高めるため。

 とはいえ今のアームスは興味もない授業などに出席させられて仏頂面。

「ほらアームスくん〜」

 しかもその召喚主で契約主人である白熊男子──マドーに腰を抱かれて引っ付かれているからの不機嫌なのだ。しかもアームスの淫魔と化した身体はマドーの柔らかくムチムチとした手で撫でられるだけで、妙な声をあげてしまって仕方ない。

「お、いっこらあ──ンッ……アッ♡ッ……♡」

 授業中だろうとお構いなし。教師も淫魔の特性は知っているので、鼻で笑うだけ。マドーの興奮はより行為をエスカレートさせ、授業中だろうと容赦のない舌まで絡めたキスに発展する。まるで彼女扱いでもするように、見せびらかすようなマドーの行為なのだ。

「ンァ……♡ふ、アッ………んぅ♡」

 恥ずかしさと怒りで顔を赤くしながらも、アームスはキスだけで興奮し尽くしてしまう。窮屈な淫魔衣装の股間がキツく、心のどこかでは脱がして欲しいとさえ願ってしまうのだ。


 マドーがそこまで前のめりでアームスを貪り、見せびらかすのはお披露目にも近い行為。教室のほとんどの男子が声を上げるか、羨ましそうに下半身を気にしながら見つめているからだ。

「お、おおーーっ」

「すげ、うらやまし過ぎだろ……」

「マドーのやつ、こんなエロ淫魔を使い魔にするなんて」

 使い魔同伴の授業であり、男子生徒たちの側には低位のサラマンダーやウィスプなどがいるが、それらは誰だって呼べる程度。今まで碌に召喚を成功させていなかったマドーが、急にあんな可愛らしい虎少年淫魔を従え、あまつさえイチャつくだなんてと。

 こうして一気にクラスカースト上位の存在となり、マドーは調子に乗りまくってアームスの肢体に指を這わせ続けるのだった。


 アームスは使い魔契約を結んだことでマドーには逆らえない身になった。とはいえ反骨精神までもが無くなったり、性格が激変することもない。反抗的に牙を鳴らして低く唸ったりもする。

 だがそんな反応だってマドーには愛おしく感じるもの。そっと手をアームスの股間へ、窮屈そうになっているピチピチのショートパンツの膨らみを撫でる撫でる。

「アームスくんさ。声、我慢してない?」

「ッ………!……ぅ♡……は……っ♡……ば……か…やろ……ぉ♡」

 その手付きは焦らすための優しくも僅かな刺激。淫魔の肢体はすぐに快楽が欲しくなって切なくなってしまう。いつしかアームスは両手をマドーの手の上に乗せ、もっと触れと無言でねだってしまうのだった。

 かと思えば座学が終わり、教室の移動になる。1人だけへっぴり腰で前屈みになってしまうアームスはマドーを睨むが、どちらかといえばもっと刺激が欲しいという方向の怒り。

「こらアームスくん、淫魔だからって勃起ばっかりしてたらダメだって〜」

「おまっ……お前が、触ってきた、んだろうが……!」

 からかいつつも大声でそんなことを言われれば、アームスの股間が恥ずかしくなってしまっているのを大勢の男子生徒に見られてしまうのだった。


 そして移動先、共通科目の魔法薬学の授業。薬草臭い実験室では、マドーが作ったばかりの魔造スライムを操り、アームスの服の中へ。

「ヒャ、ァッアア♡何す、ん〜〜ッ♡ああ、ダメだ、ぁああどこ入ってきてぇええ♡」

 服の中どころか、後ろの大事な穴からも侵入されてしまい、なんとも情けない声を上げさせられてしまうアームスなのだ。そんな声を一日中出し続ければ、流石に教師からも叱られたり。しかしこうまでクラスの注目を集める存在になり、今まで日陰者だったマドーはむしろ誇らしげに謝るのだ。

「すいません、うちの淫魔がうるさくってえ」


 * * *


 などなどと、淫魔アームスと召喚主マドーの生活。部屋で2人きりになった瞬間、ガツンと言ってやるとアームスは腕まくり──をするような服もなくなったことに苛立ちながらマドーに言うのだ。

「お前なあ……!使い魔だとか契約だとかわけわかんねーこと言ってるけど、ふざけんなよな!!」

 逆にベッドにどかっと押し倒し、自分の方が上なんだからなとその柔らかな起伏の腹に跨って威圧する。

「ごめんごめん、謝るって」

「おう、最初からそういう態度ならオレだって──」

「そうだよね、焦らしちゃって寂しい思いしちゃったよね?」

 少しだけ起き上がったマドーの両手が、アームスの尻たぶをすっぽりと覆う。両手両指全てでいやらしく揉みしだけば、淫魔の身体はぐにゃりと頑なさを失うのだ。

「え、いや、何普通に揉んでんんんっ♡お、おいっ♡」

「授業ばっかじゃ我慢できないよねえ?したいよねえ?」

 初めて出会った時からは考えられないような、マドーの“分かっている"口振り。本当に偶然アームスを召喚できただけではあるが、今ではすっかり召喚主が板についているのだ。

 尋ねられ、アームスは太ももでマドーの腹をギュッと挟みながら顔を背け、消え入りそうな声を出す。

「……し、したい…」


 その言葉を皮切りに、少年淫魔と召喚男子の甘けたセックスの開始。契約など抜きにしても、淫魔の身体は雄との交わりを求めてしまうもの。少しからかわれ、少し誘われただけでその淫らな肉体は交尾へとスイッチが入ってしまうのだ。

 ショートパンツを脱ぎ捨て、あっという間に結合。アームスの嬌声は部屋から漏れ、寮にまで響いているのではないかというほど。

「な、んんでこんな気持ちんだよぉおっ♡」

「ご主人様とのエッチが淫魔には1番のご褒美だからだよお!」

 マドーはそんな調子の良いことを言いながら、仰向けのアームスの両足首を掴んで頭の方へと折りたたむ。所謂チングリ返しの姿勢はアームスをより興奮させるらしく、ご主人様のずんぐり肉棒をミチミチに締め付けていく。

「な、こんな体勢っ♡恥ずいっ、だろぉ♡アーッ♡それ、やばっ♡ンッくううぅっ♡」

「すっごい締め付けてさあ、喜んでるくせにい!!」

 涙さえ出てきてしまうアームス。勇者として過ごしてきた中での緊張感が全て消え、ただただ他人と交わる心地良さと快楽に溺れていってしまうだけ。


「んああぁあっ♡これ、すげぇイイとこ当たるぅうっ♡」

 マドーもアームスを喘がせるのには慣れたもので、どうやればこの淫乱淫魔が馬鹿になってしまうのかなんて丸分かり。尻の中の弱い所を丹念に突き上げれば、小さな身体を震わせる、先走りを漏らす、表情を蕩けさせるのだ。

「お前のチンポッ、すげっ感じるっ♡ケツの奥で、ああっ♡やばいってええ♡」

 恥ずかしい言葉だって当然のように出てしまうのは、きっと淫魔の習性だ。そう思い込んでしまわないと、こんなにもイヤらしい自分が信じられないから。身体を仰向けに丸めるようにされているせいで、目の前には自分の若雄が情けなく揺れ、ボタボタと先走りを顔面に落としてくる。それを舌で受け止め、喉を潤すのだってきっと淫魔だから。そんな浅ましい姿をご主人様に見られ、笑われるのが至上の喜びだから。

 何度も腰を打ち込まれ、半泣き半笑いでアームスは悶え続けた。鍛えた下半身の筋肉を、せっかくの体幹を、ただただセックスの為だけに浪費していく。それこそ無意識的にマドーの雄肉をギュウギュウと締め付け締め上げ、自分で勝手に善がり狂ってしまうのだ。

「や、ああっ♡やばいぃい♡チンポでダメになるっうぅっ♡ケツが勝手に咥え込んでぇっ❤︎❤︎❤︎」

 恥ずかしい大声、射精。顔面に降り注いでくる淫魔の甘い精。今や緩んだ顔付きにも、虎耳にも、悪魔の両角にも、どっぷりと尻で達せられた白濁のデコレーション。

 マドーはそんなアームスの顔を見て口の端をニイイと歪ませる。こんな淫らな少年淫魔に、性癖を歪ませられた白熊少年だ、元よりの絶倫具合も相まって今夜は朝までアームスを手放さないだろう。


 * * *


Chapter 3

 魔法学校の生活、と言うより淫魔としての暮らしはアームスを着実のその色に染めていく。あれだけ文句を言っていたマドー相手、召喚主ということもあってその精力が堪らなく美味しく感じられているからだ。かつてでは考えられない声音で、自分から求めたりもするようになっている。

「な、なぁ……しようぜ♡オレ、もう腹減っちまって……♡」

「こらアームス、駄目だろお」

 次の学期末試験への追い込みで忙しいのだ。マドーは人差し指を口元に押し当てる。

「静かに。ここ図書館だって分かってる?」

「へ……?……ッ、あっ…い、いや……ぅぅ♡」

 あまりに欲しがりが過ぎてしまい、2人きりですらないことに気がついていなかったアームス。とろんとした表情で隣の席で魔導書に向かうマドーを見つめたまま、恥ずかしそうに太ももを擦り合わせるだけ。先ほどまでは腰を前後に揺らしていたのも、自分では気付いていたかどうか。



 他にも教室での授業中。

 マドーが小さな声でアームスの方へと顔を近づけてきた。

「あっ」

「……アッ♡」

 このところ構って貰えていないアームスは、躊躇なくそのキスを受け入れる。自分から両手でマドーのふくよかな身体を抱き、そっと触れるキス。

 かと思えば、驚いたようにマドーに引き剥がされてしまうのだ。

「ンッ♡……っ、おい、なんで……!」

 そうしてマドーの手に握られていた消しゴムを見て理解するアームス。単に落ちた物を拾おうとしただけなのに、勘違いしてキスだと盛り上がってしまったのだ。一気に顔から火が出るほどの恥ずかしさ、尻尾など乱暴に左右に振られる。

 しかもそんな時に限って教師の虫の居所が悪かったらしく、杖を向けられて叱られてしまうのだ。

「こらそこ、授業中だぞ。マドー、その万年発情期の使い魔をしっかり躾けておけよ」

「はーい!」

 マドーはあまり気にしてはいないが、クラスメイトからのくすくす笑いはアームスにはいたたまれない。小声で「うう……」と唸り、拗ねたようにマドーを横目で睨みつけるのだ。

「ほらアームス怒られちゃったでしょ」

「へんっ……!」

 小さな怒りを燻らせるほど器用ではないアームスは、直ぐにまた欲望に身を委ねてしまうことになる。授業中だからと声は出さず、マドーに対しておねだりするような指で卑猥なジェスチャーをしてみたり。口を妖しく動かしてフェラチオの真似事。時には直接的にマドーの太ももを揉んで煽ったりなどなど。

 更には教師が少し退室している隙に、他生徒の使い魔である精霊馬に自ら尻を押し付けて喘ぐ振りで誘ってみたり。水霊にわざと触れて淫魔のコスチュームを濡らして透けさせたりと、やりたい放題だった。

 そうやってひたすら、アームスなりに可愛らしい食事の催促を続けたのだった。



 小さいながらも落ち着ける自室へと戻る2人。

 アームスは授業中のフラストレーションを爆発させるように、一昔前からは想像も付かないような甘えた声で騒ぎ出す。

「なぁマドー、セックス♡セックスしようぜ♡」

 上着のショートタンクトップを、背中の蝙蝠羽で苦戦しながらも脱ぎ捨てる。アームスはマドーの手を引っ張って自身の腹に触れさせて、こんなに熱くなっている責任を取れとばかりだ。

 しかしマドーの声は平坦そのもの。まずは学期末の試験が優先と。

「もお、学期末試験あるから勉強しないといけないんだって」

「一発ヌいてさ、スッキリしてからでいいだろ♡なっ♡」

「あのねぇ」

「なっ?1発サクッとハメてさ、スッキリしてから勉強しようぜ?なあ♡」

 それでも食い下がるアームス、既に勃起しているのを隠すどころかマドーの手に押し付けて誇示するのだから。火照った視線、物欲しそうな弱気で垂れる虎耳、毛並みもどこかしっとりと。アームスの肉体全てが、ご主人様の精力を欲しているのは明らか。


 だがそんなアームスへと、突きつけられるのは分厚い紙束。

「というか、コレ!」

「……な、何だよそれ」

 どうやらそれは反省文。いくら淫魔だとへいえ、授業中に連日騒いでいればそうもなる。

 だからマドーは少しだけ怒った素振りでアームスのショートパンツを脱がし、反省文を“書く体勢"に仕上げていくのだ。

 それは。

「──わ、悪かったって!だからって……こ、ここまでしなくたってぇいいだろぉ♡」

 アームスの尿道に深々と刺さっているのは魔法の羽ペン。拘束などはしていないが、主人としての命令には使い魔のアームスは逆らうことなどできるはずもない。ローテーブルに置かれた反省文用紙へと、中腰で若雄をヘコヘコと振って文字を書こうと頑張っているのだ。

「こ、れぇ……♡は、恥ずいってぇ♡ぜ、全然上手く、書けねぇってぇ……♡」

 必死に腰を動かし、情けない行為を強制されているのにその声には艶。

「な、なぁマドーぉ♡反省っ、してるからぁ♡」

「アームス、ちゃんと書いて。読み上げながら、ほら?」

 しかも反省文を読み上げながらの執筆という、ご褒美なのかお仕置きなのか分からないもの。ビクンと肩を震わせる癖、アームスは嬉しそうにマドーの言いつけに従ってみせるのだ。

「はぁっ♡へ、ぅぅ……オレッ…万年発情期のエロガキ淫魔アームスはっ……授業中にも関わらずぅ……ちんぽこおっ立ててぇ…皆の、迷惑をかけたことを、ここに謝罪っしますっ♡」

「よしよし、それを100回書いてろな」

「っ……そ、んなぁ…………♡」

「明日、先生に提出するときにみんなの前で読み上げさせるからな。どうやって“書いた”かまで発表しろよ?」


 * * *


Chapter 4

──ロケーション『魔法試験会場』。

 荘厳な大広間には幾重にも掛けられた安全対策の魔法陣。幾人かの教師が少し高い座席から生徒たちを見下ろしている。

 ここに来るまでだって大変だった。寝起き早々にアームスはマドーの朝立ちに布ごしながら頬擦りしての、可愛くイヤらしいおねだり攻撃。

「……もぉ、マドー頼むよぉ♡エロいことしたいっ♡チンポッ、バカになりそぉだってぇ♡」

「だーめ!今日は試験なんだから我慢しろ」

「っ…くぅう♡なぁ、なぁ……せぇえき、飲みたいんだってぇ♡」

「まーったく!」

 完全に主導権を握られ、背中を押されて連れて行かれるアームスだった。


 今日こそは日頃の勉強、鍛錬に成果を見せる時だとどの生徒も張り切っているようだ。特に今までは落ちこぼれに甘んじていたマドーは、ここで実力を発揮するぞと意気込みが違う。

 召喚科の試験は使い魔への本契約。今までの契約など、まだまだ見習い召喚魔法使いのできる口約束程度の効力の弱いもので、この試験を乗り越えてこそ初めてスタートラインに立てるというものだ。

「それでは試験内容は使い魔への本契約。マドー君、準備はいいかね?」

「ハイッ!」

 教師の真剣な様子にマドーの返事にも力が入る。契約魔法陣の上に立たせたアームス──いや、蕩けた顔で座り込んでマドーを見上げる──に問う。

「よーし、アームス。今までの使い魔契約はあくまで仮のもの。今日ここで本契約を結ぶのは理解してるな?」

「あ、ああ!な、なんでも良いっから、言うこと聞くからぁ♡」

 こくこくと頷き、アームスは火照った自分の身体をそっと撫で続けている。既に理性は完全に失われ、その様子は男を手玉に取る淫魔のそれでさえない。マドーが仕掛けた罠、たっぷりとじっくりと禁欲を続けてアームスを骨抜きにしてしまう作戦が見事に嵌まったのだった。だからかつては大人しくおどおどとしていた白熊少年は、王のような不遜な態度でアームスに語り出す。


「じゃあ説明するけど──」

 これから行われる召喚主と使い魔の完全契約、これによってアームスは雁字搦めにされてしまうとは少年淫魔だって知っていること。だが契約というものにもランクが存在する。主に召喚主と使い魔のパワーバランスによってそれは決定されるが、今から行うのは完璧なる召喚主優位の『下級隷属』の契約だ。

 本来は知性のない低俗モンスターや、暴れてどうしようもない重犯罪者などにしか使われない契約魔法。強力無比な強制力を持つが、高価な触媒か被契約公使者の全面的同意がなければ成り立たないもの。

「そ、んなの契約され、たらオレェ……♡」

 明らかに怯んだ様子のアームス。呪いの指輪で淫魔化したとはいえ、解呪の手立てを探せばまだどうにかなるかもしれない。だが一度、ここでマドーとそんな恐ろしい契約などむすんでしまえば冒険の旅は確実に終わってしまうだろう。

「ほらアームス、こいよ」

 そんな少年勇者の葛藤など、マドーがローブ越しに股間をアームスの顔面に押し付ければ一瞬で霧散してしまう。もう何度アームスの喉を潤し、顔面を押しつぶし、尻穴で善がらせたか分からない若主人の肉棒の存在感だ。


 それを鼻先で感じ、毎日しゃぶってきたことを思い出させられれば、アームスなどもう何も考えられなくなってしまう。淫魔などというのも甚だしい、ただの雌猫の表情になってしまうアームスなのだ。

「わか、わかった、から♡早く、なんでもいいっ♡オレ……欲しっ♡」

 顔面をマドーの股間に押し付け、負け犬じみた情けないおねだり声。吐息を荒く吐きながら、アームスはマドーが頷くまで何度だって声を漏らしていく。

「お、お前の……マドーの…………マ、マドー様と契約っ♡契約させてくださいっ♡」

 無言で雄股間をアピールしてくるマドーに、アームスは蕩けるような声。周囲では他の生徒や教師の失笑や嘲笑が投げかけられるも、今はもうマドーの股間にぶら下がる果実のことしか考えられなくなっているから。

 恥も外聞もなく、アームスはガニ股蹲踞のポーズで腰をヘコヘコと動かしながらマドーに媚びた上目遣いをするばかり。ピッチリとした素材のショートパンツの股部分は固く押し上げられ、先端には恥ずかしい染みまで広げてしまっているのだ。

 それに満足したのか、マドーはようやく返事を一つ。

「よし」

 言いながらマドーはアームスの股間を衣装から解放。プルンと跳ねた若雄は、だらしない我慢汁で濡れそぼってはヒクヒクと揺れている。

「ならアームス、ここにサインして貰おっか」

 高級そうな羊皮紙、それを突きつけられてアームスの顔色がより赤く染まる。虎耳の先端まで分かりやすく真っ赤になったのは。

「ああ!こないだみたいにコレで書かされると思った?好きだねぇ?」

 以前の反省文と同じように尿道に羽ペンを刺されるとでも勘ぐったアームス。 


「う、うるせぇよ……い、いいだろ、さっさと──」

 だがそんな図星で慌てるアームスの股間に、専用の魔インクを塗りたくるマドー。元より初心な童貞ペニスが、真っ赤な魔インクに染まってヒク付く姿は滑稽そのもの。そしてその意味。

「ッ、まさか……♡」

「じゃ、契約内容を読み上げながら“サイン”できるよね?」

「ッ……〜〜っ♡♡♡」

 もう世界の何もかもが目や耳に入ってこない。アームスの濡れ揺れる視線はただ、その悍ましい契約書の文面にだけ注がれている。こんな、こんなものにサインなどしてしまえば、自分はこのふくよかな白熊少年の玩具に成り下がると理解はしている。だが、だが、それはきっとこの浅ましい身体を想像もできない方法で慰めてくれることになるに違いない。

 震える舌から、ポタポタと唾液を垂らしながら肉食獣たる少年勇者は絶対服従のそれにこうべを垂れてしまうのだ。

「……オ、オレッ♡エロガキ下級…淫魔のアームスはぁ♡……マドー様にぃ、下級隷属契約をぉ……結ぶことを、誓いますッ♡オ、オレはマドー様にっ、何もかも全てを捧げ、絶対服従することを、ここに誓います……♡」

 言い終えると同時、マドーが突き出している契約用紙に勃起をそのまま押し付ける。塗りたくられた魔インクがぴとりとへばり付き、アームスの人権を全て捨て去った。


 これから一生、アームスはマドーの言いなり。可愛らしくイヤらしい淫魔の使い魔として、その身その心の全てを捧げなくてはならないのだ。当然、排泄も射精も、勃起すらも全てがコントロールされる哀れな玩具である。

 ぼんやりとした光がマドー、契約用紙、アームスを包んだことで契約成立が正式に。だからマドーはこれまでで1番優しい声音で、そして1番残酷な言葉をかけるのだ。

「じゃ、記念に『射精して』見せて?」

 魔法的な命令が含まれたそれはアームスの肉体に驚くような変化をもたらす。言葉を理解した瞬間、アームスの身体は冗談みたいな快楽に貫かれて一気に果てへと導かれるのだ。

「ッ……あ……待っ…ああ……う………だ、あぁああぁぁああっ❤︎❤︎❤︎」

 ガニ股の体勢を保てずに尻餅を付いてしまい、その反動さえ興奮に繋げてアームスの射精は止まらない。ビクンビクンと大袈裟に跳ね続ける若雄の、本当に久しぶりに味わう快感への感謝の気持ち。思考が真っ白に染められていく感覚、腰の下を走り抜ける白の衝動に悶えるばかり。


 ご主人様の言霊で呆気なくも精へと昇らされ、これが『下級隷属』した者の末路かと、アームスはゾクゾクとした妖しい悦びに包まれてしまうのだ。

「……ハッ…ハァーッ……な、んだこれぇ……すげ、めちゃくちゃ……すげ………あ……ふあ……な、んも触ってもねぇ、のに……イかされちまっ、たぁ…♡」

「よしよし、よく頑張ったねアームス」

 頭を撫でられ、以前ならば「ガキはお前だろ!」と振り払っていたそれさえ、心地よくて堪らない。目を細め、喉が鳴り、尿道に残った精が少し漏れてしまうほどの嬉しさ。アームスの勇気は今や完全に肉欲だけに塗り潰されてしまったと言えるだろう。

 2人の世界に入り過ぎていると、教師はわざとらしく咳払い。

「ふむ、ではマドー君の試験はここまで。学年でも下級隷属まで結ばせられたのは君くらいだ、評価は期待してもいいだろう。では、退出したまえ」

「はいっ、ありがとうございました!行くぞ、アームス」

「おう……あ……………は、はいご主人様ッ♡」

 その足取りは軽い。部屋に戻ったらどんなご褒美、どんなお仕置きを頂けるのかと下半身を丸出しのままアームスはマドーの後を付いていくのだった。


 <終>


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