「……じっと見つめすぎですよ、そんなに気になるんですか?」
夜の街明かりが窓越しに差し込む、静かな時間。
ティアはゆっくりとドレスの裾を摘まんで、ふわりと持ち上げた。
その仕草に、胸の鼓動が一瞬止まる。
「ふふっ、からかっただけです。……けれど、少しくらいは、期待してもいいですよ?」
淡い微笑みの奥に、どこか愉しげな揺らめき。
濡れた髪先から、肌を伝う水滴が、しっとりとした空気を際立たせる。
——彼女のその視線が、自分だけを映していると錯覚してしまいそうになる。
ただのメイド姿のはずなのに、ただの戯れのはずなのに。
今夜だけは、何もかもが“特別”に感じられる。



