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ザ・ストア〜くすぐり執行人の集う店〜chapter1

1 ザ・ストア ギャンブルをやめろ、だなんて一体これまで何回言われてきたと思う? 多分、100万回くらい。 でも、私はやめなかった。 やめるわけない。勝った時のあの快感を忘れられるわけがない。 私は、ギャンブル狂であることを誇りに思っている。トレードマークの燃えるような真っ赤な髪の毛と、キリリと目尻の上がった目、それから白すぎだろって言われるくらい白い肌、そしてなんと言っても、腹立つやつを片っ端からねじ伏せてきた拳が私の武器…だった。 私は、火村 花音(ひむら かのん)人呼んでギャンブルクイン……だった。 アイツに挑むんじゃなかった。 アイツに…。 もし、挑んでなかったらこれまで通りの生活を送れていたのに。 挑んだから、挑んで負けたから、私は今…死刑囚でもないのに拘束衣を着せられて目隠しをされ、トラックに荷物みたいに乗っけられてどこかへ連れて行かれてるのだ。 アイツは、まぁ見た目で言えば、いかにもインチキな女占い師みたいなもんで、やたらと爪がツルツルのピカピカ。指先も綺麗だった。 で、そいつが言うわけ、「私と勝負しろ」 って。勿論、私はギャンブルクイン…断らない。 それに、勝てばすっごい金が手に入るからね。 でも、ソイツは言う「私が勝ったら貴女は私のもの」って。 はぁ?なにそれ?とか思いながら私の得意分野で勝負して、で、負けた。完敗だった。 負けて、私は悔しくて絶対明日には今日の負けを取り戻してやる!なんて思ってた矢先、どこからともなく黒ずくめでサングラスの背が高い女達が集まってきて私を取り押さえて、運び出した。 私は喚いたし暴れたけど、でっかい手で口を塞がれてさらに手足も抑えられて抵抗できなくされて、あっという間に今に至る。 うわぁ。最悪。これってもしかして臓器とか取り出されて売られる感じ?それとも人身売買的に生きたまま売り飛ばされる?そっちの方がまだマシかも。 そんな事を考えているうちに、トラックが停まって、また無理やり立たされて、今度は担がれながらどこかへ運び出された。 階段らしきところを降って、たぶんエレベーターにも乗せられて、さらに運ばれて、ピタッと移動が止まった。インターフォンのような音がして、女達がボソボソ何か話すと、プシュッ!!と空気が抜けるようなでっかい音と共にま ドアか何かが開くような音がする。 それからまた移動させられ、ボンッ!!と私の体は放り投げられ、台のようなものの上に乗せられた。仰向け、しかも拘束衣付きで。解剖されるとかそんなのじゃないよね?それならそう言って欲しいし、その前になんとか自死してやる。 「頼んでたミスティクからのブツだ。」 多分、私を運んでいたうちの背の高い女が低めの声で誰かに言った。 「お!サンキュー!助かるよ。今日中には来ないかと思ってたから。」 妙にさっぱりした声色の女がそう言って、私の体を拘束衣の上からペタペタ触る。それから、ビッ!!っと刃物か何かで私の拘束衣の一部…足を包んでいた部分を引き裂き、べりっとめくって私の素足をあらわにした。 それからどういうわけか靴を放り捨てやがり、さらに靴下を引っ張って流した。そこに晒された私の素足をその女はペンペンと手で叩いたり、爪でチョンチョン突いたりしてくる。 足裏なんて敏感なところ、そんなふうに触られたらやっぱりなんか気持ち悪いし、私は思わずビクビクと跳ねた。 「ミスティクが言うにはなかなかの上物だと。」 「だろうな。綺麗な足だ。生意気そうに動く足指も大したもんだ!」 「今回のはあまり早く壊さないように。あと、料金の方は月末までに振り込んで。」 「了解。まぁ、壊すも壊さないも私次第じゃないからな。」 「よし。ちょっと味見してみるか。」 味見?なにを?私は恐ろしくてキュッと足指を丸め、全身に力を込めて極力体を丸めようとする。 女の足音が遠さがり、奥の方から冷たい音…何かが擦れるような音がして、それからまた女がやってきた。 ベチャッ!! 「いっ!?」 私は久しぶりに声を出した。それと同時に足裏がキュッと丸まり、体がまた跳ね上がる。 足裏に何かを塗られた。生暖かくてヌメリのある液体…オイル…オイルだ。女はオイルをエステティシャンみたいに慣れた手つきでべっちゃべっちゃと足裏に塗ったくる。 「!?」 肌に何か張り付いたような違和感はすぐになくなり、足裏全体がスースーしたような妙な感覚に襲われる。多分、私の足裏は照明に照らされて怪しくてらてらと光っているに違いない。 「よっと。それじゃあ、ちょっと見させてもらうぞ。」 女が何か言って、硬くて細かい無数の何かがヌルヌルの足裏に当てられたかと思ったその時、 カシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュ!!! 「ぎっ!?あ"っ!?あ"っ!?ぁぁぁぁぁあああああああはははははははははははははははははははははははははははははは!?なっ!?えっ!?くすぐっだ!?へっ!?うわぁぁはははははははははははははははははははは!!」 突如、謎の物体により足裏が凄まじい勢いで擦り上げられた。ブラシだ。ブラシ。ヘアブラシか何かでオイルまみれの足裏を思い切り擦り上げられてるのだ。 なんで!?とにかく、これは堪らない。体がぶっ飛びそうだし、頭がパンクしそうなくすぐったさに笑いが止まらない。 「うん。うん。」 何が良かったのかわからないが、女はそう言いながらまたさらにブラシで足裏を擦り上げる。 ズリズリ… カシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュ!! 「ぁぁぁぁぁぁああああああああああはははははははははははははははははははははは!!ちょっ!?ちょっ!?ちょっ!?止めっっっ!!止めっっでぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!無理!!くすぐったいのっっ!!無理っっ!!!」 「おっと、今はまだ無駄に喚くな。」 女がまたもさっぱりした口調でそう言うと、私の足の親指に指を絡ませてギュッと捕まえ、足裏を暴れさせないようにすると、またブラシを足裏に擦り当てた。 ゴシゴシ!! カシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュ!! 「ちょっど!?ねぇ!!ねぇ!!っへへへへへへへへへへへへへへははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!ぐるじぃ!!ヤバい!!やばいっ!!っひひひはははははははははははははははははははは!!」 足裏なんて、ちょこっと触られたらそれだけでくすぐったくて引っ込めてしまうような所だ。 それ以外くすぐられることなんてない。 でも、今は違う。拘束衣なんて着せられて、さらに足裏にヌルヌルのオイルも塗られ、さらにさらに足指を掴まれて固定されて、ブラシで延々と擦られる…こんなの地獄以外の何でもない。 カシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュ!!! 「ほひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっっ!?ぎひひ!?ぎひ!?ぎぃひひひひははははははははははははははははははははははははは!!やっっばぃ!!死ぬ!!死ぬぅぅぅ!!!」 「いやいやこんなので死なないよ。」 カシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュカシュ!!! 「げほっ!?いやっ!?いやっ!?嫌ぁぁぁぁははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!止めで止めで止めで止めでぇぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!ねぇ!?ねぇってば!!お願いだってばぁぁぁぁぁぁ!!」 かつて、人にこれだけお願いをしたことがあっただろうか?無い。絶対にない。 私はプライドが高いから。 そんな私を簡単に破壊するほど、足裏へのブラシ擦り上げ刑は凄まじかった。 「いいぞいいぞ。」 カシュカシュ!! ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ!!! 「ひぇっ!?うげぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!?きっっ!!きっっっひひひひははははははははは!!うわぁぁぁぁあああああ!!!」 擦り方が変わった。ブラシが変わった。 今度は毛束タイプのブラシで激しく汚れを落とすような擦り方だ。 さっきのとは違う、鋭く神経を突き刺すようなくすぐったさがとてつもなくて、私は喉が潰れるのも厭わず、叫び、暴れた。 ゴシゴシ!! ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ!!! 「ふぎゃぁぁぁぁああああああああはははははははははははははははははははは!!!擦るな擦るな擦るなぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!!ぶひゃはははははははははははははははははは!!」 「おいおい、言葉遣いはちゃんとしろ。それでお客にキレられたらお前…一発で廃人にされるぞ?」 「本番じゃなくて良かったな?でも、お仕置きだ。」 一瞬ブラシでの擦り上げが止まり、カランッゴトッと何かが置かれる音がした。その隙に私が必死に息を取り込んでいると… ガシガシガシガシ!! コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!! 「ぶはっ!?ぶはぁぁぁぁはははははははははははははははははははははははははは!?指ぃ!?爪っ!?爪ぇぇぇぇへへへへへはははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!指と爪のコチョコチョやばぁぁぁぁぁあああああああ!!!」 目は見えていなかったがわかった。ブラシじゃなく、今はヌルヌル足裏を女の硬い爪と指が襲っていると。器用に動く指先から送り込まれてくる異常なくすぐったさはブラシとは違い、激しくも重いくすぐったさだ。 「よぉく反省しろよ?」 ガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシ!!! ツルンツルンの爪で足裏の表面を掻くようにこそばし、さらにそこからコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!っと指先を使って足裏全体をこちょばし回す。 「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁああああああはははははははははははははははははははははははははははははははははは!!わがったわがっだ!!わがっだ!!!わがっだがら止めでぇぇへへへへへへへへへへへへへははははははははははははははは!!」 ブラシもやばかったが、やはり生の指と爪で子そらされるのは堪らない。どっちも苦手だがどっちがヤバいかを選べと言われたら間違いなく生の指と爪だ。激しくも繊細に動き回ってこちょばいポイントを突いてくるのだから。 「わかった…じゃない。わかりました、だ。」 ガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシ!! コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!! 「ぎぃぃひひひひひひははははははははははははははははははははははは!!わがりっっ!!わがっっ!!わがりっっ!!まじだっっっ!!あっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ!?っひひひはははははははははははははははははははは!!」 私は言われた通りに言う。プライドも何もかもかなぐり捨てて、このコチョコチョ女に従う。それしかないのだ。これ以上やられたら頭がおかしくなって足裏は死んでしまう。 「もう一回言ってみな?」 ソイツの顔をまだ見ていないけど、多分すごくサディスティックな笑みを浮かべていると思う。 ガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシ!! コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!! 「ぶへへへへへへへへへへへへへ!?ぶへっ!?ぶっっへへへへへへへははははははははははははははははははははははははは!!わがりぃぃぃぃ!!!わがりまじだぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」 私がそう叫ぶと、ピタッ…とコチョコチョが止まった。やっと足裏へのくすぐりが終わったのに、私はしばらく意味なく足や体を震わせていた。まだジンジンと足裏がむず痒い。もう素足で歩けないのではないか?と思うほどに。 ビッ!! 目隠しが剥がされた。 照明が眩しくて思わず目を瞑ってしまう。でも、思ってたよりソコは明るくなく、ボロっちい照明だったおかげでそこまで目はダメージを受けなかった。 「お疲れ。」 私を覗き込んだのは、女だった。ボサボサ金髪を後ろにギュッと括り、汚れた作業着を羽織って、その服の下には明らかに私よりデッカいオッパイをサラシで巻いているのが見える。 サラシの下の腹筋は見事に割れており、所々古傷っぽいものもある。その女の手だけはまぁ綺麗なもので、手も大きくて指も長く、おまけに爪もツルツルのピカピカに磨いてあり、ハンドモデルとか手タレとかいけそうなくらいだ。 でも今は、オイルでヌルヌルのぬちゃぬちゃでとても清潔そうには見えない。 その女からだだ漏れる、異様な雰囲気…別世界の人間感と言えばいいのかな、そういうのが、すぐに文句を言ってやろうと思っていた私を黙らせた。 「私はウルハシだ。こう…漢字で書くと閏橋って。」 ウルハシは指で宙に漢字を書いたが、あいにく、勉強のできない私には伝わらない。それに、その指の動きすらくすぐったそうに見えた。 ウルハシ「私は今日からお前の上司。お前は私の商売道具になる。いいな?」 「は、はぁ…?」 私はまだ息を切らしながらウルハシなる意味不明の金髪女の話に首を傾げる。 ウルハシ「ここは、ザ・ストア。裏世界の仕事人達が料理を楽しみにやってくる店さ。私はその店主。」 ウルハシがデッカいハサミでジョキジョキと私の拘束衣を切り裂き、慣れた手つきでベルトを解いていく。 自由になったものの、私はまだ台の上でじっとしていた。恐る恐るあたりを見渡せば、そこには病院とかで見る器械台に沢山のカラフルな液体が入ったボトルがあったり、棚の上には真っ白い粉が山積みにされていたり、壁にはブラシが沢山かけられていた。 ウルハシ「早速、明日からお前は商品として働いてもらう。」 「ここにくる客はとんでもないのばっかりだから…その辺はまぁ後で教えるとして。」 「まずは仕込みをしないとな。」 「し、仕込み…?」 ウルハシ「あぁ。言っただろ?明日から働いてもらうって。つまり、料理としてお前を出す仕込みをするんだ。」 「ちょっ!?捌かれるってこと!?」 ウルハシ「今の言葉遣いは多めに見てやる。」 「次タメ口使ったら、水中に沈めたままこそばし地獄の刑だからな?」 ウルハシは人としての温もりを感じない冷たい目で私を見た。本気だ。本気で言っている。 ウルハシ「いいか?お前を捌かないし、料理もしない。でも、お前は客にとったら料理なんだ。」 「客は、お前を指や道具でこそばして味わう。」 「へっ?」 ウルハシ「早い話、客にくすぐられるためだけにお前はここで働くことになる。」 「わかったな?注文が入れば、お前は客のところへ運ばれ、味わわれる。」 「お前は大抵、くすぐりで半殺しにされて、それで客は満足して帰る。」 「いぃっ!?」 ウルハシ「大丈夫。大抵は命を落としたりしない。」 「一応、私が見張ってるからな。厨房から。」 「厨房って…。」 ウルハシ「ここでは、ちゃんとした料理も出すことになってるんだよ。」 「わかったか?あと、お前みたいなのがこの店には何人もいるけど…仲良くしろよ?」 「三日連続でオーダーがひとつも入らなかった奴は私が処分する事になってるけど、そこはまぁビジネスだしお金無駄にかかるのが嫌だから許してくれ。」 「しょ、処分って…!?」 ウルハシ「質問が多いな?まぁいい。」 「処分は処分だ。まぁ、言わせないでくれ。」 「あと!ここから逃げようとか、そういうのはするな。絶対に逃げられないし、私が捕まえて…死ぬより辛いコチョコチョのお仕置きをする事になる。」 「それか場合によっては…加減を知らないヤバい客にタダで遊んでもらう、とかな。」 「あー…いや。加減を知らないってのは…大抵の客がそうか。」 「とにかく、まぁ頑張れ。」 「じゃあ早速…仕込みに入ろうか。」


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