SamSuka
Kara
Kara

fanbox


地獄のくすぐり発電施設その実態その1

1 追跡者と捕縛 (F/M) 濃紺の空に浮かぶ月明かりだけが、この世界"シンダ"の自然照明の全てだった。 星も見えない、太陽も昇らない、街頭やビル街から漏れる灯りなどの冷たい色の人工照明のみが、この世界を照らす。 見上げるだけで鬱々としそうになる空に浮かぶのは、巨大なサーチライトで街を照らす大型の飛行船。この船は探しているのだ。"男たち"を。 この世界を打ち倒そうとする勇気ある男たちを。 はぁ、はぁ、はぁ…! シンダのとある路地裏。尋ね人の貼り紙やいつの時代のものかも分からない広告が貼っつけてある汚い通りを、一人の男が駆けていた。 男の年齢はだいたい20代を少し過ぎたくらいだろう、引き締まった肉体をしており、非常に走るのが速いが、走っている彼の顔に余裕はない。 全身の毛穴からは嫌な汗がジワジワ滲み出ていて、その目は落ち着きなくぎょろぎょろ動いている。次、どの角を曲がればいい?どのフェンスを乗り越えようか、行き止まりになったらどうする?様々な不安が男の脳裏をよぎっていた。 男の後方から迫るは、スラリと異様にスレンダーなシルエットの女。ポニーテールで、妖しい銀色に光る特殊な全身タイツを身に纏っており、キリッとした目つきで男を睨みつけている。 男は逃げていたのだ。自分たちを捕らえようとする"女"たちから。 「はぁ!はぁ!はぁ!!」 「こちらX-56。まもなく捕獲する。」 男を追っている銀色タイツの女が耳に指を当て、インカムで何者かに連絡をいれる。 「了解。必要ならば無力化措置を。」 無線の向こう側で冷たい女の声がそう言った。 「了解」 銀タイツの女が無愛想にそう返し、地面を蹴って高く高く飛び上がった。女は宙でくるりと一回転し、そのまま下にいる男めがけてダイブした。 ダイブする直前、女はそのムッチリした太ももで男の首を挟み込み、キュッと体を捻って男の体の向きを変えた。これにより、男は仰向けに倒れ、女に馬乗りになられた状態となってしまった。 「ぐぁっ!?」 男はすぐさま抵抗し、抜け出そうとするが、女は馬乗りになったまま太ももと膝で男を挟み込むようにし、それから指先をピトッと男の肋にあてた。 バチバチバチッ!! 女の指先からほとばしった電撃が、男を襲う。 男は呻き声を上げ、悶える。痛みというよりは、無理やり力を抜き取られる奇妙な感覚…暴力的なこそばゆさが男に浴びせられる。 指先から放たれた特殊な電撃は数秒間も流され続け、男はビクビクと痙攣し、抵抗を止めた。性格には、やめざるをえなくなった。体の自由が奪われたのだから。 「少しお喋りしようか。」 女が言う。手首に装着されている腕時計型の装置をいじりながら。 「話すことなんか…ない…」 「どこへ帰ろうとしていた?」 男の答えを無視し、女が尋ねる。 「そうか。答えないんだな。なら…」 女が自分の手首の装置をピッピッと操作する。すると、女の手がまるで水銀のようなものに覆い尽くされ、それからまた元の肌色に戻ったかと思うと、女のネイルが銀色に変わっていた。 「バージョン7。対腋の下無限くすぐりアタッチメント装着完了」 目の前にいる女の声ではない、女の機械音声がそう言った。 「これの怖さは知ってるな?」 女がこれ見よがしに、銀ネイルを纏ったその細長い指をくねらせる。 「うぅっっ!?」 男が青ざめる。その体つきからして相当な鍛錬を積んできたであろう男が…ブルブル震え出したのだ。 「もう一度聞くぞ?どこへ…帰ろうとしていた?」 男はクネクネワキワキと蠢くその不気味な指を悍ましい表情で見つめながらも、目を閉じ、口を閉じた。 黙秘しようというのだ。 それを確認した女は苛立ったような表情を浮かべ、動くことが許されていない男の腋の下へ指を突っ込み、コチョコチョ掻き回した。 コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!! 「あぁっ!?あぁっ!?ぁははははははははははははははははははははははははは!!クソっ!!あっはははははははははははははははははははははははははははは!!よせ!!やめぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!うわはははははははははははははははははははははははははは!!」 鍛え上げ、筋肉質な腋の下を這う女のしなやかな指。這い回る度に襲うくすぐったいと言う刺激に男は苦しみの笑い声を搾り上げる。 対腋の下無限くすぐりアタッチメントと呼ばれる銀ネイルの指さばきはどう見ても人間技ではない。コチョコチョコチョコチョと動いてはいるものの、その指のスピードを目視で追うには難しいほど素早いのだ。それだけでなく、的確にくすぐったさを与え、なおかつそのスピードを常に維持している。 コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!! 「あっひゃははははははははははははははははははははははははははははははは!!やべぇっろおぉぉぉお!!っへへへへはははははははははははははははははははははははは!!ぶはっ!!っははははははははははははははははははははははははは!!息っっがっっ!!っははははははははははははははははははははははははは!!?」 まだくすぐられ始めてたったの数秒…それなのに、もう男は瀕死と呼んでもおかしくないくらいの有様に陥っていた。目はギョロギョロと異様に動き回り、鼻水は垂れ流しで、痛々しいくらいに涙も流しっぱなしだ。 この男が特別くすぐりに弱かったのか? そうではない…むしろ彼は強い方だった。 女のくすぐりテクニックと、対腋の下無限くすぐりアタッチメントと呼ばれる、くすぐる専用の疲れ知らずの魔の指によって、屈強な彼が数秒で壊されたのだ。 コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョー!! 「あぐぅぅぁあああああああああああああああああああああああああああああははははははははははははははははははははははは!!死っっっ!!死っっぬぅぅぅぅぁぁぁあああああああああああああああははははははははははははははははははははははははははははははは!!誰っっ!!誰かぁぁぁぁああああ!!助けてぐれぇぇぇぇぇぇ!!!」 男の悲痛な叫び声が響く。大の大人が、女にねじ伏せられて腋の下をコチョコチョくすぐられているだけなのに、それだけで男は子供みたいに悶え、苦しんでいる。 女はそんな様子を見ても特に表情を変えず、冷たい顔のまま恐怖の指で腋の下をコチョコチョくすぐり続ける。 「話す気になったら教えてくれるか?それまでは…ここをこうやって…くすぐり続けてやる。」 女は指の構え方を僅かに変え、今度はガシガシと腋を掴むような指使いでこそばし出した。 ゴチョゴチョ!! コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!! 「あっ!!!うっっ!?っっっははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!俺はっっ!!げほっ!!俺は何もっっ!!っはははははははははははははははははは!!知らないぃぃぃぃぃぃぃぃぃひひひひひひひははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」 腋の下を襲う、爪と指先が神経に食い込むことで発生するくすぐったさはとてつもなく辛い。コチョコチョされるたびに、頭がぶっ飛んでしまいそうになるほどに。 それでも男は決して口を割ろうとはしない。 ゴチョゴチョゴチョゴチョ!! ワシワシワシワシワシワシ!! コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!! 「んぎゃっっはははははははははははははははははははははははははははははははは!!知らない知らない知らないぃぃぃぃぃひひひひひひひははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!知らないんだぁぁぁぁぁあああああああはははははははははははは!!」 男は腋の下を激しくこそばされるたびに、いちいち大暴れし、駄々をこねる子供みたいに手脚をバタつかせる。 「知らなかったとしても…男であるお前が施設外を歩いているのは罪だ。」 「わかるな?」 女がさらに体重をかけてきて、男の耳元で囁く。それから指を肋の方へするりと滑らせ、ほぐすようにゴチョゴチョくすぐった。 ワシワシ… ゴチョゴチョ… コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!! 「んんっ!?ぶっははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!ひゃーっはははははははははははははははははははははははははははは!!はぁ!!はぁ!!息がっ!!息がぁぁぁぁあああああああああああああははははははははははははははははははは!!」 今度は、肋全体を柔らかく解されるようなそんなくすぐり方。それは、体中の力という力が無理やり抜き取られてしまうようなそんなゾクゾクするくすぐったさを男に与えた。 コリコリ… ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!! 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああはははははははははははははははははははははははは!!!うわぁぁぁぁははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ!!わがっだ!!もうわがっだがらぁぁぁぁあああああああああああああああああああ!!」 肋くすぐりも勿論ノンストップ。疲れ知らずのくすぐり専用指が猛スピードで肋をほぐしこそばしまくる。 「話す気になったか?ん?」 コリコリ!コリコリ! ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!! 「あぎぃぃぃ!!けほっ!!けほっ!!っっっっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!ははははははははははははははははははははははははははははははははは!!きつぃぃぃ!!!きつっっっひひひははははははははははははははははははは!!」 「話す気になったかのか、と聞いてるんだ。」 女はさらに指を食い込ませ、コリコリ…コリコリ…コチョコチョとほぐしまくる。 ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!! 「ぎゃぁぁぁぁあああああはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!げほっ!!っはははははははは!!知らない!!なにも!!知らないぃぃぃぃぃははははははははははははははははははははははは!!!」 肋が、その神経がおかしくなりそうなくらいのくすぐったさだった。コリコリされるたびに、体の中の何かが無理やり吸い上げられるような感覚が絶え間なく襲う。 男が激しく体を暴れさせながら悶えていると、 男の視界に別の女の姿が目に入った。スタイル抜群のショートヘアの女だ。 「…マーズ。何用かな?」 あばらゴチョゴチョを続けている女がショートヘア女に尋ねた。 「たまたま通りがっただけ。ていうか、さっきも一人捕まえて…拷問してたらやりすぎで狂っちゃって。」 マーズと呼ばれた背の高いショートヘア女は、なぜか自分の親指をチラチラ見ながら残念そうに言った。 それからすぐ、男は女のコチョコチョにより気絶した。 ぺしっぺしっ。 頬を叩かれ目が覚めた。 男が目覚めると、同じようさっきの女に馬乗りになられているだけでなく、あのショートヘア女が男の顔を覗き込んでいた。 「な、なんだ!?なんなんだお前…!?」 「とぼけないの。"抵抗軍"なら…私のこと知ってるでしょ?勿論…私の指の怖さも…」 ショートヘア女が、自分のその長い親指を曲げたり伸ばしたりしながら不気味に笑う。 男の脳裏に、ある名前が浮かぶ…「揉み殺しのマーズ」…そうだコイツだ。異様に発達した綺麗な親指で相手を指圧するように揉みくすぐり、狂うほど悶絶させるという。 死の親指を持つ女…抵抗軍の中ではそう呼ばれていた。 マーズ「さぁて…洗いざらい話してもらおうか…もちろん、ボスのヒューズのこともねぇ。」 マーズは不敵な笑みを浮かべ、親指をグッと突き立て、その指先をスーッと男の脇腹に押し当てた。 「な、なにを…!?」 マーズ「素直になっちゃう拷問…かな。」 グニュッ!!ギュムゥゥゥッ!!!! 「はがぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああ!?」 マーズの親指が脇腹のくすぐったいところにねじ込まれ、衝撃的なくすぐったさが走った。 「ちょっ!?あっ!?あっ!?かはっ!!く、く、く、くすぐっっ…」 マーズ「ぜーんぶ話してくれる…よね?」 マーズは脇腹に食い込ませた親指をグニュグニュと激しく動かし出した。 グニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュ!! 「うぎゃぁぁぁぁぁああああああああはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!げほっ!!がはっ!!っはははははははははははははははははははははは!!なんだこれぇぇぇへへへへへへへへへへへはははははははははははははは!!」 男を襲った刺激…それは、脳を痺れさせるような恐ろしいまでのくすぐったさだった。男は激しく身を捩り、涙を滝のように流し、絶叫する。 それでもマーズの親指はギュムゥゥゥッと脇腹に食い込んでいき、脇腹の奥にあるツボを指の先で揉みこそばす。 グニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュ!!! 「あっ!あっ!!あっ!!!あっはははははははははははははははははははははは!!ぎゃぁぁぁぁあああああははははははははははははははははははははははははははは!!やばいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!おがじぐなるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 脇腹に絶え間なく送り込まれる猛烈なくすぐったさに目の前がチカチカし、喉を震わすほどの笑い声が止まらない。暴れても暴れても、指は脇腹から抜かれず、ねじ込まれたままマッサージするかのようにグニュグニュ動き続けている。 マーズ「ほぉら。グニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュぅ。」 「んぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああ!!!なんでもっ!!なんでもぉぉぉ!!!な、なんでも話しますぅぅぅぅぅ!!!ぅぅぅぅぁぁぁあああああああああああははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」 男はついに、悶絶を顔に刻んだような悲惨な顔つきで屈服を示した。男が自白を選んでもなお、マーズはしばらく脇腹への指圧くすぐりを続け、男が泡を吹いて倒れるとようやく指を脇腹から抜いた。 マーズ「あーあー。またやりすぎた。」 「構わない。向こうで拷問だ。連れて行くぞ。こいつも…発電に使う。」 男はポニーテール女とマーズに抱えられ、地獄の場所へと連れて行かれた。 翌夜。 シンダ帝国抵抗軍のアジトでは、未だに任務から帰らないメンバーについての会議が行われていた。会議を取りまとめるのはボスである男…ヒューズ。まだ20代半ばだが鍛え上げられた健康的で屈強な体格と精悍な顔立ちはボスの威厳を感じさせる。 ヒューズ「昨夜からボーダーと連絡が取れない。」 「彼はシンダ帝国のタワー潜入の任務に向かっていたのに。」 「…捕まった可能性が高いな。」 「彼が拷問を受けた場合、この場所が割れる可能性も非常に高い。」 「全員、備えろ。」 ヒューズが狭い会議室に集う、よりすぐりの幹部たちに指令を下す。幹部たちは声を揃えて返事をし、会議室をあとにした。 誰もいなくなった会議室で、ヒューズは一人…憎きシンダ帝国について考えを巡らせていた。 シンダ帝国…それは、数百年間続く"女だけ"の帝国。はるか昔、女と男は争い合い、その結果女が帝国を築いた。女たちは帝国を維持するための電力を、男の笑い声から搾取するという技術を生み出した。この技術の発展により、シンダ帝国の女たちは男を次々捕獲。 そして、特別な措置…くすぐりによって男から無理やり笑い声を絞り出し、エネルギーに変換していた。 男たちもやられているばかりではなく、身をひそめ、そして一致団結して抵抗軍として反旗を翻した。そのボスがヒューズだ。 ヒューズは生まれ持って身体能力が非常に高く、周囲から超人と呼ばれ帝国軍からも目をつけられている。 抵抗軍からすれば、ヒューズはまさにスーパーヒーローのような存在だった。 抵抗軍のアジトはレーダーでも探知不能な地下にある。そんな地下で、日々暮らしていては頭がおかしくなり、判断力が鈍るので抵抗軍のメンバーは皆、1週間に一度は危険を冒してでも外の空気を吸うことをルールにしていた。 その夜。ヒューズはそのルールに則って地上に出て、外の空気を吸っていた。目立たぬよう、警備は配置していない。見上げる限り、真っ青な夜空。いったいいつになれば朝が来るというのか。 「こんな場所で一人とは…ずいぶんと危機管理能力がないのだな?」 冷たい女の声がして、ヒューズが咄嗟に振り返った。心臓がバクンと大きくなり、そして体中の皮膚がブワァッと逆立つように震え上がる。 ヒューズの視界に映ったもの、それは、銀色の女。水銀のように美しく妖しく輝く女体。そいつは、"多分"不敵に笑って、ヒューズに蹴りを入れた。 ヒューズの体がふわりと宙に浮き、吹っ飛ぶ。 ヒューズ(まずい…!!) 完璧な状況把握よりもなによりも、まずい、というそれだけが頭でいっぱいになる。おそらく今の敵の蹴りは並みの人間が受ければ一発ノックダウン。だが、超人ヒューズは平気だ。 ヒューズ「やはり…きたか…!!」 ヒューズは拳を握りしめて、水銀女に飛びかかる。しかし次の瞬間、水銀女がどろぉっと溶けたかと思うと、そのまま大きく膨れ上がり、その銀のドロドロでヒューズを包み込んだ。 ヒューズ「!?」 ヒューズを包み込む銀の液体は、ピチッとヒューズの肉体にフィットした。 これにより、ヒューズは呼吸を奪われ、そしてなぜだか全身の力も入らなくなった。 ヒューズは悔いた。真っ先に、ゲートに戻って仲間をかけ集めなかったことを。己の能力を過信し、一人で立ち向かってしまったことを。 「抵抗軍のボスさま一名…施設へごあんな〜い!」 水銀女が嫌らしくそう言ったのが聞こえた。 そして、ヒューズは暗い眠りの底へと落ちていった。


More Creators