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未開の地にて#1

1. ミオ族の儀式 (F/M, FFFFF/M) その島は、荒波を超えた先の深い海の上にある。 その地は、狂気の笑みを好む女神がおさめている。 その森には、残忍なる女原住民どもが住んでいる。 ◯ 青年たちがその島──アルダミオ島に向かったのは夏のことだった。表向きの目的は未開の地の開発とその交渉を原住民と交わすことである。 だが、実際は違う。 青年たちは、アルダミオの原住民 ミオ族を喰らうために海を渡ったのだ。 男禁制で、歳をとっても美しい美貌を保ったままの非現実的な女たちだけが住むというその地に惹かれたのだ。 青年たちは、外界との交流を完全に断ち切っているこの島なら"どんなことをしても許される"気がしていたのだ。 欲望に溢れた青年たちにとっては、未開の地は楽園に思えたのだ。 だが、それは間違っていた。 この島は、男にとっては地獄そのものだったのだ。 ◯ "尾村ナツト"は湿気の多いジャングルの中を彷徨っていた。 触れるだけで何かの病気に感染しそうな気にさせるような極彩色の花々があちこちに咲いており、ナツトは出来るだけ、それに触れないように前に進んだ。 空を見上げても巨木の葉が邪魔をして青空など見えはしない。差し込んでいる日差しのおかげで今が昼間であることは分かる。 ナツトが一人でこの島──アルダミオ島を彷徨い始めてもう丸一日になる。 数日前。ナツトは、大学の気の合う仲間と共にこの島に向かった。表向きは、未開の地の調査および、開拓であったが、真の目的は一つ。この島の美女たちを貪るためだった。 ナツトたち一学生が船を使ってアルダミオ島にむかえたのは、仲間の一人が大きな財力を持っているためだった。 だが、船がアルダミオに近づいたその時、島から放たれた無数の矢が船を襲い、鉄の塊であるはずの船は矢の雨になす術もなく沈んだ。 30人はいたであろう乗組員たちの消息は不明。かろうじてナツトはこの島に流れ着き、ジャングルを彷徨っている。 荷物は食料の入った小さなバッグを残して全て海に飲まれてしまった。 こうなってしまっては仕方がない。ナツトは目的を放棄し、生きて帰ることを目指した。 あの矢の雨がこの島の女性原住民たちによるものならば、ナツトたちは間違いなく歓迎はされていないだろう。見つかればどうなるか分からない。しかしこのままではいずれ食糧も尽きて餓死してしまう。 ならば、原住民たちに助けてもらうしかない。 食い物にしようとしていた女たちに頭を下げるのは屈辱的だが、それしかなかった。 容姿端麗のナツトは大学内でも異性人気があり、いつも女を食い物にしてきた。飽きたら、捨てた。学内の女に飽きたら 次は外の女を狙った。見つけた女は仲間内──今回アルダミオへの旅に同行している現在行方不明の二人の親友──の中で回した。 やがてナツトたちはそれにも飽きて、さらに刺激を求め、この島に来たのだ。 それなのに。 それなのに。 「なんでこんな目に遭わなきゃならないんだっ!!」 ナツトは一人怒鳴った。 怒鳴り声は鬱蒼としたジャングルに吸い込まれる。 怒鳴り声が消えたのとほとんど同時に、じり、と何かが地を踏む音が聞こえた。 ナツトは音のする方へ目を向けた。 すると─── 「わっ!?」 目の前に現れたソレにナツトは思わず声を上げて腰を抜かした。 鬼。 鬼のような顔がそこには浮かんでいた。 鬼には手脚があって身体がついている。 無論、鬼であるわけがない。鬼のような顔は、面である。 突然現れた鬼が、鬼のような面をつけた女である。ということに気づいた時にはすでにナツトは情けなく尻餅をついていた。 ナツト「な、なんなんだ!?」 奇妙な面だ。 赤や緑や白といった派手な色をふんだんに使った材質も分からない面には、人毛なのかどうなのかも分からない長い毛がついている。 不気味で気持ち悪い。ナツトが抱いたのはそんな印象だった。 さらに、その面をつけている女はほとんど裸に近い衣装を身につけていた。隠れているのはギリギリ乳首と性器のみでそれ以外は大胆に露出されている。 所々、刺青が彫り込まれている全身の皮膚に何かが塗り込んであるのか、女の素肌はやけにヌメヌメてらてらと照り輝いていた。 その女と顔を合わせて数秒が経過した頃、ようやくナツトは冷静さを取り戻した。 そして理解した。 この女は、ミオ族だと。 ナツト「あぁ!良かった!なんだ全くびっくりしたじゃないか!」 ナツトは馴れ馴れしくミオ族の女に近寄った。 だが、女はまるで野生動物のような俊敏な動きでナツトから距離を取った。 ナツト「お、おいなんだよ」 「俺は遭難したんだ。助けてくれ」 ナツトは両手を広げてわざと困っているような顔をして見せた。 ナツト「俺だけじゃない。他に二人…遭難してる仲間がいるはずだ」 「探してくれないか?」 ナツトがじりじりと詰め寄ると、ミオ族の女は手に握っていた槍をナツトに向けた。 ナツト「おい!なんだよ!?」 「ったく…言葉が通じないのか?」 「お前が真に遭難した者であると示してみせろ」 女は勇ましくそう言って、面を取った。 鬼のような面とは真逆の麗しい顔が顕わになる。目元や口元には赤色のペイントが施されていた。 その時突然、ナツトの中の押さえられていた欲望が湧き上がってきた。 小麦色をした豊満なオッパイ。艶やかな肌。抜群のスタイル。長い手脚、指。この女は、まさしくナツトがここに来た目的の権化である。 ナツトはごくりと唾を飲んだ。 ──相手は槍を持っているぞ。 ナツトは自身に問いかけた。 ──それがなんだ。こっちは男だ。敵わないわけがない。 ──油断させて襲って、それから、助けてもらおう。拒まれたら、その時は力づくだ。 ナツトはむくむくと膨れ上がる股間と、湧き上がる欲望に身を任せるように女に襲いかかった。 「哀れな。やはりお前も罪深い男どもの仲間か」 女は冷静にそう言ってひらりとナツトをかわし、素早くナツトの背後に回った。 ナツト「んむっ!?」 ナツトは、背後から首に腕をつけられた。ぐっと身体を引き寄せられる。背後の、大きな柔らかい胸が背中に当たる。 ナツト「なにをっ!?」 ナツトがそのホールドから抜け出そうとした時、もう片方の手が──遠くで見るよりずっと大きくて長い指の揃った手──がナツトの鼻と口を容易く塞いだ。 ナツト「んんんっ!!?」 いきなり呼吸口を奪われたナツトは目を剥いて硬直する。 「二度と罪を犯さないよう…儀式にかけてやる」 女はナツトの耳元でそう囁き、鼻と口を抑えたまま、もう片方の手の指──人差し指をナツトの横っ腹のとあるポイントに突き立てた。 ナツト「んんっ!?」 指先が横っ腹の一点を抑えた途端、ちょっぴりくすぐったい刺激が走り、ナツトはわずかに腰をくねらせた。 「悔いろ」 女がそう囁いた次の瞬間。 横っ腹のくすぐったいポイントに押し当てられていた人差しがグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリ!!!っとねじ込まれた。 ナツト「ぐぉっっ!!?んぉぉぉおおおおおおおおおおおおほほほほほほほほほほほほほほほっっ!!?」 言葉にできない猛烈なくすぐったさ──灼けるようなくすぐったさが横っ腹に注ぎ込まれ、ナツトはその細い身体を思い切り暴れさせた。 体内からどんどん酸素が奪われていき、全身から冷や汗がぷつぷつと湧き出てくる。 それでもグリグリグリグリと横っ腹をほじくるようにして注ぎ込まれるくすぐったさの猛撃により、ナツトは気を失った。 ◯ 目が覚めたナツトはゆらりゆらりと揺られていた。 いや。 ナツトはまるで、狩猟で狩られた獲物の如く、縄で手脚を縛られており、その状態で竿に吊るされミオ族の女二人に担がれていた。 衣服は全て──下着に至るまで剥ぎ取られている。 声を上げようとしたが口に何かを咬まされており言葉を発することができない。 ここは。集落のようだった。およそ近代的なものとはかけ離れた原始的な家屋がいくつも並んでいる。 集落には、どれもこれも若く麗しい美女ばかりであった。全員、露出の多すぎる衣装に身を纏い、身体の至る所に色っぽい刺青を彫っている。 女たちは麗しく官能的であるが、ナツトは今それどころではない。ナツトにとってこの女たちはもはや獲物でも、助けを求める対象でもなく、敵である。 「貴様。さっき仲間がいると言っていたな」 正面で竿を担いでいる女──先ほどナツトを捉えた女が前を向いたまま口を開いた。 「あれを見ろ」 ナツトは、女が指差す方向を見た。 集落の中央──開けた場所に人だかりができている。 その中心部には、何やら不気味なものが飾ってあった。 手。そう、手だ。大きな手のような形をしたオブジェクトが堂々と祀るように飾られている。手のオブジェクトの周りには沢山のフルーツなんかが添えてあり、その下には─── ───まるでマッサージ台のような大きな台が設置されている。 その台の上には、一人の全裸の青年が寝かされていた。 その青年の顔を見た時、ナツトは息を飲んだ。 あれは─── ───セイゴだ。三ツ橋セイゴ。ナツトの仲間の一人であり、甘いマスクに似合わないかなりの武闘派で、いつも女を回しあっていた親友である。 そのセイゴが全裸に剥かれ、台の上に仰向けに縛り付けられている。 「離せ!!くそ!こんなことしてっっ許されると思ってるのか!」 細く引き締まったアスリートボディのセイゴが喚きながら暴れている。 だが、セイゴの手首足首は台の四隅に設けられた脚部にしっかりと括り付けられており、いくら暴れても拘束はビクともしない。 そこへ、一際背の高い、グラマラスな体型をした女が現れた。その女が現れると周囲の女たちは道を開け、セイゴの縛られている台に通した。 淡い色の長い髪は腰のあたりまで伸び、目元には炎のような模様のペイントが施されている。胸は──とてつもなく大きい。首には動物の骨であしらったような首飾りが下げられている。 小麦色の肌をしたその女は周囲の女から"士長ミオーネ"と呼ばれていた。 ミオーネはセイゴを見下ろして優しく見つめた。 「旅の人。一人の男が我々の仲間を犯したといいます。仲間は保護しましたが男の罪は許されないこと。男を探すのに協力してはもらえませんか?」 丁寧な口調だった。妙な母性の溢れる女のルックスにピッタリであった。 セイゴ「誰のことだ?俺はなにも…」 セイゴはとぼける。 それを遠くで見せられているナツトは、その女を犯した男というのがナツトとセイゴの親友の一人である"田浦イズル"だと言う可能性が高いことを察知していた。 当然、セイゴもそれを分かっているはずだった。 イズルもまた、ナツトたちに負けないほど性欲の強い青年なのだ。 ミオーネ「いいえ。そんなことはないはずです」 「あなたは嘘をついている」 「良いですか?」 「我々ミオ族は、名前を知ればその者がこの島のどこにいるのか瞬時に察知することができます。ですから、その男の名前を、私たちに教えてくださいませんか?」 セイゴ「ははっ!」 セイゴは突然、鼻で笑った。 セイゴ「知らないって言ってんだろ?」 「だいたいなんだ?人の前を聞いたら居場所がわかる?ふざけるな!」 「いいから早く解放して、"俺たち"をこの汚い島から出してくれよ」 セイゴはミオーネを睨み、怒鳴った。 ミオーネ「そうですか」 ミオーネはなおも落ち着いた口調でそう言うと俯いて、ふぅ、とため息をつく。 ミオーネ「それでは」 ミオーネが顔を上げる。 その目はぎょろりと剥かれ、しっかりとセイゴを捉えていた。 ミオーネ「話したくなるように…して差し上げましょう」 「くすぐり地獄の刑で」 ミオーネは冷徹な声でそんな馬鹿げたことを言った。 セイゴ「くすぐり?は?何言って…」 案の定、セイゴはバカにしたような顔を浮かべた。 セイゴ「ひゃっっ!!?」 突然、セイゴの細く引き締まった身体がビクンと台の上で跳ねた。 ミオーネのしなやかで長い指がさわりとセイゴの横っ腹を撫でたのだ。 それによってセイゴは、くすぐったさを感じて跳ねた… ミオーネ「動けなくされた状態で身体をこう…コチョコチョとくすぐられたご経験はございますか?」 ミオーネはくすくすと笑う。 セイゴ「それがなんだ?」 「そんなもんで俺が…」 ミオーネ「吐きますよ。あなたは」 「それだけじゃない。ごめんなさいと懇願することになる」 セイゴ「ば、バカにするなよ?」 「誰がそんなもんで───あっ!!?」 セイゴが威勢よくそう言いかけたその時、セイゴの顔がくしゃりと歪み、身体がビクンと痙攣した。 見れば、セイゴの腹筋ばきばきの腹部に小麦色の手が添えられていた。 手を添えていたのは、セイゴを取り囲む女たちのうちの一人だ。 妙にツヤツヤぬるぬるとした油塗りの肌を持つその女は、軽蔑するような冷徹な目でセイゴを見ている。 セイゴ「や、やれるもんならやってみろよ」 「その…馬鹿げた方法で俺をやってみろ!」 セイゴは眉間にシワを寄せその甘いマスクに似合わない怒声をあげた。 ミオーネ「ではお望み通り…」 「笑わせてさしあげなさい」 ミオーネはそう言ってくるりと背を向け、人差し指をピンと突き立てた。 それを合図に、腹部に添えられていた指の指関節がワシッと折り曲げられる。 セイゴ「ぐむぅっ!?」 明らかにセイゴの顔の筋肉に緊張が走った。 硬く艶やかな女の爪の先が腹部に張り巡らされているのであろう神経をみっちりと捉えているのだ。 女は細長い指を素早く曲げ伸ばしし、爪の先と指の先とでワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワシュ!!っと素早く、掻くように腹部をくすぐり始めた。 セイゴ「ぶっっっ!!?」 セイゴの顔が歪む。全身に緊張が走り、筋肉とそのスジが浮き立つ。 拘束台が軋む音がする。 女の細く長い指の動きは異様に滑らかで、まるで──蟲が這っているかのようだった。 セイゴ「ぶふふっっ!!?くくくくくっっっ!!?」 ぷるぷると四肢が震えている。 セイゴは顔を真っ赤に紅潮させ、必死に、必死に堪えている。 あれだけ強がっていたにも関わらず、セイゴはいま防戦一方である。 それも当然だった。腹を這う女の指の動きは見ているだけでもムズムズしてしまうほどくすぐったそうなのだから。 「我慢など…させるものか」 腹部をくすぐり掻いている女が片手の人差し指を横っ腹に滑らせ、横っ腹をつんっと突いた。 セイゴ「ぶひゃっっっ!!?」 不意打ちの突っつきにより、セイゴの口が無様に開く。 女はその隙を逃さず、爪をしっかりと突き立て、さっきとは比べ物にならないほどの勢いと指さばきで腹筋を削ぐようにゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!!っと腹筋部をくすぐり毟り始めた。 セイゴ「がはっっ!!?あっっっ!!?っっっ!!?ぅぁぁぁぁぁああああああああああああああははははははははははははははははははははははは!!?かはっ!!?ちょっっ!!?これっっ!!?うあああああああはははははははははははははははははははははは!!?」 セイゴは咳き込むように息を吐き出したのち、濁流の如き笑い声を溢れ出させた。 まるで生命の危機でも感じているかのようにセイゴの四肢は激しく暴れ、台を揺らす。 女の指の動きはやはり普通では無い。 じゃれあいのくすぐりとは真逆の、人を笑い苦しませるためだけの動きをしている。 ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!! セイゴ「くぁっ!!?かはっ!!!はっ!!?ぐるじっっ!!くそっっ!!くっっっ!!!くぁぁぁぁああああははははははははははははははははははははははははははははははははは!!?うへへ!?うへへへへへはははははははははははははははははははははは!!!?やめっっっ!!やめろぉぉぉほほほほはははははは!!」 女の程よく伸ばされたツルツルの爪の先がセイゴのよく鍛えられた腹筋の表面をゴチョゴチョ掻く。 女の指先はまた腹筋同士の間にあるミゾにも達し、そこに潜むくすぐったい神経もしっかりとこちょばしていく。 女あくまで作業的に冷徹な顔で指を悍ましく操りくすぐっている。 ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!! セイゴ「はっ!!?はっっ!!!やめっっっ!!っっっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!離せっっ!!くそっ!?くそっ!!いっっひひひひははははははははははははははははははははははははははははは!!?」 くすぐり地獄の刑とやらが始まってまだ一分にも満たないがセイゴの息は異様に乱れており、顔もやつれている。さらには筋肉の疲弊も著しく、相当なエネルギーを奪われているようだった。 そんなセイゴの様子から、女の指十本によってコチョコチョされるこの尋問の恐ろしさは十分にナツトにも伝わっていた。 ミオーネ「それでは…教えてくださいますか?」 「彼の名前を」 腕組みをしながらくすぐり地獄の刑という名の尋問の様子を眺めていたミオーネが問いかけた。 その間ももちろん、セイゴは腹筋を女の指と爪によってゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョされている。 セイゴ「ぐひゃひゃひゃひゃひゃっっ!!?ふっっふざけんっっっなっ!!っっにゃっっははははははははははははははははははははははははははははははははは!!誰がそんなことをっっ!!っっひはははははははははははははははははははははは!!!」 言っていること自体は勇ましいが、笑い声は非常に無様である。 セイゴは三人の中で最も体育会系だ。だから、負けず嫌いで、非常に義理堅い。今はそれらの特徴が裏目に出ている。 ミオーネ「残念です」 「では───」 ミオーネが腹部をこしょぐり回している女に目で合図を送ると、女は頷き、腹部をくすぐり貪っていた指をずるるるっと滑らせ、腋の下に差し込んだ。 セイゴ「ぐぁっ!!?ひゃっ!!?」 セイゴはしゃっくりのような短い叫び声を上げ、腰を浮かせる。 ミオーネ「もう少し…笑わせてあげましょう」 ミオーネがそう言うと、 女は腋の下──無理やりに開かれたままの腋の下に爪を立て、思い切りコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!!っとリズミカルにくすぐり回し始めた。 セイゴ「うひゃっっ!!?ちょっ!?わきっっ!!?腋ぃぃ!!?そこはっっ!!そこはぁぁぁぁああああああはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!ぁぁぁぁああああああははははははははははははははは!!?」 セイゴの身体はさっきよりも激しくのたうった。 その悶えっぷりは、息苦しさよりもくすぐったさそのものが凌駕しているしているようなそんな様子だった。 ミオーネ「腋の下は人類の急所の一つ」 「ここをコチョコチョくすぐられて耐えられる人類はおりますまい」 ミオーネはしっとりとそう言って、ミオ族の女の異様な指さばきによってコチョコチョ笑い地獄を味わわされているセイゴに目を向ける。 コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!! セイゴ「あへへへへ!!?うへははははははははははは!!?ぐひひひひひひ!!?わきっ!!腋の下はっっ!!うはははははははははははははははははははははははははははは!!?いああああ ああああはははははははははははははははははははははははは!!?」 よほど腋の下へのくすぐり責めが効いているのだろう、セイゴはセイゴ自身でも顔面の筋肉の統率が取れていない。口角は思い切り吊り上がり、顔は無理やりに笑顔を作らされている。 ミオーネ「くすぐったがることは恥ずかしいことではありませんよ」 「当然のことですから」 「ですが、あまり味わいすぎると脳に支障をきたします。ですからそろそろお名前を教えていただいた方がよろしいかと」 ミオーネは、近くにいた女から、木製の器のようなものを受け取った。器は透明の液体で満たされている。 セイゴ「あっっっひゃははははははははははははははははははははははははははははは!!!いひひひひひ!!!う、うるさぃっっ!!いっそっっ他の方法でも試してみればいいだろっっ!!っっひははははは!!くすぐりなんかで口を割るかっっ!!っっひゃはははははははははははは!!」 ミオーネ「他の方法…ですか。ちょうどそれをしようとしていたところですよ」 ミオーネは器を、腋をこしょぐっている女に向けて差し出した。女は深くお辞儀をし、器の液体に両手を浸し、すぐに引き上げた。 そして、ハンドクリームでも塗り込むような仕草で液体を両手の指の間にまで塗り広げた。 女の手指は指先、爪の先に至るまでヌルヌルに仕上がっていた。 セイゴ「はぁはぁはぁ!!な、なにを…」 ミオーネ「他の方法…ですよ」 女が再び近づいてくる。 手をセイゴの既にヘロヘロになっている腋の下に向け、指の関節を曲げ伸ばしし、ワキワキと準備運動のような動きをする。 ミオーネ「もう一度聞きましょうか」 「お名前を───」 セイゴ「だ、黙れっ!はぁはぁ…!言わないって──」 セイゴがそう言い切るよりも早く、ミオーネがぱちんと指を鳴らした。 それを合図に、女のヌルヌルの指がセイゴの腋の下に滑り込み、素早く爪の先と指の先で神経を捉え、ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!!っと激しく暴力的に暴れ出した。 セイゴの目がカッと開き、勇ましかった顔は瞬時に笑顔に歪む。 セイゴ「ぐぎっっ!!?ぃぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああ!!?あはははは!?あはは!?あははははははははは!!?やめっっ!!たすげっっっ!!?いああああああはははははははは!!?わがっだ!!わがっだ!!言う!!言う!!!"尾村ナツト"とっっっ!!!"田浦イズル"だぁぁぁぁぁあ!!!」 あっけない。 驚くほどにあっけない崩壊だった。 だが、閉じることを許されない腋の下を這い回る油まみれの長い指のその悍ましいコチョコチョ運動を見れば、その崩壊もやむなしと思えた。 見ているだけで、くすぐったくなるような指の動きなのだ。実際にくすぐられたら堪らないに決まっている。 ミオーネ「それは、本当、ですね?」 ミオーネは、セイゴを見下ろして問うた。 セイゴの腋はいまだに油の指によってくすぐり嬲られている。 ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!! セイゴ「ぎゃっっっへはははははははははははははははははははは!!ほんとうっっ!!本当だからぁぁぁぁあああああはははははははははははははははははははははははははははははははは!!?いひはははははははははははははははははははははははは!!本当にっ!!本当っ!!本当なんだぁぁぁあああああはははははははははははは!!?」 もはや壊れたおもちゃである。 よほどくすぐりがヤバいのだろう。セイゴは狂ったように同じ言葉を繰り返していた。 ミオーネ「正直なのは良いことです。嘘つきは、本当に罪深いですから」 ミオーネが手を叩くと、腋の下で暴れているオイリーな指はピタリと止まった。 セイゴ「うがぁぁぁっ!!?っっは!!はっ!!はっ!!はぁ!はぁ!!はぁ!!」 くすぐりから解放されたセイゴはぶるるるるっと身震いした。太ももの筋肉が痙攣している。 腋をくすぐっていた女が下がり、代わりに、若い娘たちがわらわらとセイゴに群がってきた。 女たちは無言のまま、両手をセイゴに向け、宙をくすぐるようにその長い指をうねうねとうねらせた。 セイゴ「は、はぁはぁ…な、なんだ…!?」 ミオーネ「なにか?」 「尋問は終わりましたが、あとは…あなたへ罰を与えないといけません」 「この地に踏み込み、それのみならず踏み荒らした罰を」 ミオーネが微笑む。 セイゴを取り囲む女たちはまだヌメリの残る腋の下や、お腹や、脇腹などと言った上半身に向かって手を伸ばしている。 蠢くその指は、青年をくすぐり貪るのをいまかいまかと待ち侘びているようだった。 セイゴ「こ、こんなのおかしいだろ!!」 「素直に喋ったんだぞ!?」 ミオーネ「ですからこれは」 「罰だと言ったはずですよ」 女たちの指───いかにも器用そうな長い指が触手のようにうねって近づいてくる。 セイゴ「ふ、ふざけるな!!」 「こんなっっ…」 セイゴは迫り来る無数の指に怯えながら首をふるふると横に振る。 ミオーネ「笑わせて差し上げなさい」 ミオーネが冷徹にそう言い放つと、待機していた無数の指々は一斉に──まるで獰猛な獣の如く勢いで──セイゴの腋の下や脇腹や腹部に喰らい付き、ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!!っとくすぐりまくり始めた。 セイゴ「ぎょぇぇぇぇええええええ!!?あっ!!?無理っ!!死ぬっっ!!!だめだっっ!!それはっっ!!!ぁぁぁぁあああああああああああははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!?ああああああああああああああはははははははははは!!?」 既にくすぐりの恐怖を神経に擦り込まれ、くすぐりによって疲弊し切っている身体に群がる指。指。指。指。 それらがコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョと暴れてくすぐり嬲るその光景があまりに惨いので、ナツトは思わず目を逸らした。 コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ… 一人の青年が女たちに寄ってたかってくすぐられている悍ましい光景からは、本当にそんな音が聞こえるような気がした。 セイゴ「ぶひゃっっ!!?ひゃっっ!!?うひゃっっっひゃひゃはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!?がっっ!!?ひぬっ!!?じぬっっ!!?ぅぅぅぁぁぁぁああああああああああああああ!!!」 一人の上半身をくすぐるには多すぎる指が容赦なく青年の神経をくすぐりぶち壊す。 周囲には汗が飛び散っている。 ぎしぎしぎしと台が軋んでいる。 耳を塞ぎたくなるような悲痛な笑い声は、いつまでもナツトの耳にこびりついて決して離れることはなかった。


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