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【F/F】リアル・パニッシュメント・ショー

リアル・パニッシュメント・ショー (F/F) 午前0時。私はその建物に入った。 眠らない町の裏通りの雑居ビル。その地下に、私にとっての楽園が待っている。 地下の入り口に女が立っていた。 「お待ちしておりました。あかり様」 女は冷たい声で言った。 肌は異様なほど生白く、背も高くて美麗だ。 街を歩けば大勢の人間に二度見されることは必須。 だがきっと、今のこの姿の彼女を二度見する者はいない。 この女は、真っ黒いボンデージ姿である。胸のほとんどを露出し、生脚や肩、お腹だって大胆に晒している。 この姿こそが、彼女である。この"ショーハウス"の支配人の彼女の本当の姿だ。 「今宵のメインイベントは、スパイと五つ星拷問官のショーです。依頼主からは既に殺害可の許可を頂いておりますから…盛り上がりますよ」 支配人はうっすらと口端を上げ、ドアを開けた。 会場の異様な熱気が私の肌を湿らせた。 客席を埋めるこの倶楽部の会員たちは、私と同じかそれ以上の階級を持つ女どもだ。 彼女らの昼の姿は様々であるが、共通しているのは全員が究極のサディスト、またはマゾヒストであること。 私も、彼女たちも求めている。 筋書きの無いリアルの拷問を目撃することを。 悪名高き女たちが絶望の末に崩壊する顔を目に焼き付けることを。 ここではそれが叶うのだ。 この"虐待倶楽部"では。 「こちら、二人のデータとなっております」 支配人は黒い爪をした白い指で、私に一枚の紙を渡した。 私はその興味深いデータに目を通した。 名前: 花蓮(本名不明) 身長: 173cm 職業:スパイ 表の職業: モデル ・某巨大企業に潜入し、その美貌を活かして重役に接近、極秘データを盗んだ疑い。 ・協力者の存在も仄めかしている。 名前: サナ(本名非公開) 身長: 171cm 職業: 拷問官(虐待倶楽部公認五つ星拷問官) ・闇動画サイトにて出回っているホンモノの拷問、処刑動画の常連。 ・とあるジャンルのガチ系拷問AVにも出演。女優たちを再起不能にしてきた。 読んでいるだけで私の嗜虐心がくすぐられるデータだった。 「良いね。それで?今回はどんな拷問なのかな」 「あかり様。実はですね──」 前を歩く支配人は立ち止まり、おほんと小さく咳払いをする。 そして言った。 ──くすぐりの刑です。 ◯ 客席に囲まれているステージの上──そこに、女が一人全裸で拘束されている。 顔は小さくて手足が長く、容姿も端麗。モデルでも十分にやっていけるようなルックスだ。 彼女を見てスパイであると断定できる者はおそらく、表の世界にはいない。 スパイ──花蓮は、マッサージ台のような拘束台の上に仰向けに寝かされ、両腕をバンザイの格好で固定され、さらに両脚も伸ばした状態でガッチリと縛られている。 使われている拘束具はどれも一級品。拘束するだけで、被拘束者を絶望させるような拘束強度を誇っている。 拘束台の傍に置かれた椅子に座っている黒ずくめの女。それがどうやら今回の"依頼人"だ。 つまり、スパイである花蓮から情報を聞き出したいと依頼してきた張本人であり、そして、処刑の許可を与えた人物でもある。 ステージにもう一人女が上がってきた。 背が高くて、ショートヘアの中性的な美女だ。口元はマスクで覆い隠されている。 あれが──五つ星拷問官の"サナ"だ。 拷問のプロであるサナが特に得意とするのが今回のくすぐりの刑らしいのだが、私からすればくすぐりなんぞが本当に拷問として成り立つのかどうか──そこが興味深い。 このショーの醍醐味は、 私を含めた観客たちのボルテージが上がるに従って、拷問もまた過激になっていく。 つまり、被拷問者であるあのスパイは拷問に耐えて観客たちをしらけさせないといけないのだ。 「そろそろ始めようか花蓮くん」 椅子に腰掛ける依頼人の女が言った。 客席が静まる。 「君は沢山の悪事を働いてきたね。だから君は、その罪を償わないといけない。花蓮としてだけではなく、普段の君としても。…生まれて授けられた名前を私たちに教えなさい」 依頼人の女は自らの太ももの上で指を組みながらそう言った。 しかし、女スパイ花蓮はむすっとしている。 依頼人に、拷問官サナに、そしてそれらを見物している私たち観客に──軽蔑の眼差しを向ける。 反抗的な眼差しを受け取った依頼人は、黙ったままサナに目で合図を送る。 五つ星拷問官のサナが動いた。 長い腕がにゅうと、無防備な花蓮の胴体に伸び、長い爪でさわっと腹のあたりを撫で上げる。 「んっ」 むすっとしていた花蓮の顔が僅か歪み、腹筋に力が入る。 「大丈夫。大丈夫」 サナはマスクに覆われた口元を動かし、妙に優しく囁いた。 細くて長い指が、滑らかにこちょこちょと踊って爪の先で表皮を掻く。 「んんっ!!んんっ…ふーっ!!ふーっ…!」 花蓮は忙しなく瞬きを繰り返し、眉間に皺を寄せてぷるぷると身体を震わせた。 どうやら、こしょこしょには弱いらしい。 「大丈夫。最初は優しくしてあげるから」 五つ星拷問官は子をあやすように言いながら、お腹周り、横っ腹、腋の下の近くに爪を這わせる。 優しく、愛でるように。 「んんんっ!!んんんんんっ!!んーっ!!んんんんっ!!」 花蓮の長い指がぎゅうっと丸まって、拳を作る。 「んんぅっ!!んんんんんんっ!!!」 「吐き出した方が楽になるよ。花蓮くん。サナによると…くすぐったさは、蓄積するらしいから」 依頼人の女がクスクスと笑う。 嫌らしく皮膚を撫でる長い指と爪。それに翻弄され腰をひくひく振る花蓮。 その悶え様に、私たちは興奮する。 ボルテージを示すメーターが、ゆっくりと上昇していく。 「少し上がったよ」 メーターを見たサナは小声で言うと、すぅっと音も立てずに両手を花蓮のお腹に移動させた。 蜘蛛のような長い爪が、とんと腹部に着地する。 「ん"っ!?」 花蓮の顔が引き攣り、全身の筋肉に緊張が走る。 「こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ…」 歌うような囁きと共に、長い指が踊り出す。 こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ…! 「ぶっ!!?くっ!?ふぅっ!?ぶくくくくくくくくっっ!!?」 サナを睨みつけていた目がカッと見開いて、顔がぐんと赤く染まっていく。 握り拳は手のひらに爪が食い込むほど強く、握られている。 「我慢できて偉い偉い」 サナは目を細め、花蓮の腹部を指と爪で"愛でる"。 その触り方はやはり普通では無い。 これは、くすぐり拷問なのだ。 サナはメーターをチラリ見て、再び花蓮の悶え顔に視線を戻した。 「じゃあそろそろ…爆笑しようね」 サナはふうとため息をついてそう言うと、腹部にガッと爪を突き立て、細かく素早くこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょー!!っとガチくすぐりを執行した。 「ぶっ!!?ぷっ!?はっ!?あははっ!?あははははっ!!あははははっ!!!あはっ!?あはははははははははははははは!!?」 硬く結ばれていた口元が力なく弛み、口角が吊り上がる。 花蓮の顔が、悔しさの滲む笑い顔に変形した。 ガタガタと拘束具が鳴る。 ボルテージメーターがぐんぐん上昇していく。 「ほら我慢しないとどんどんキツくなってくよ。 こんなふうに…こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ!!」 サナの触手みたいに長い指が、お腹だけでなく横っ腹、そして腋の下の近くまで素早くくすぐり這い回った。 くすぐったそうな爪どもが、それぞれの部位の敏感な神経を貪る。 「あっ!?ぎゃっ!?あっ!?あはははははははははははははははははははははははは!!ちょっ!?っっははははははははははははははは!!」 花蓮の抜群のスタイルを誇るボディが波打つように暴れる。 花蓮の笑顔には、あの長い爪に対する嫌悪感や、それらが注いでくるこそばゆさに対する憎悪が滲んでいる。 「ほらほらほらほらこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ」 サナは素早くこちょこちょと歌いながら長い指を器用に操り、スベスベの腹部を掻きむしる。 「くはは!?ははははははははははははははははははははははは!!こっっこんなっ!!こんなっっ手でっ!!っっははははははははははは!!!」 花蓮は息を乱しながら憎しみいっぱいの言葉を吐く。しかしどの言葉も震えている。 くすぐりは執拗だ。 普通のくすぐり遊びならもうとっくに終わっているというのに、花蓮が息を切らしていても、苦しそうにもがいていても… サナの指は止まらない。 「うあはははは!!あはははははははははははは!!っっはははははははははははははははは!!!かはっ!!」 サナの10の指がピタリと同時に止まる。 「はぁはぁはぁっ!!けほっ!!」 花蓮は咳き込み、再び済ました顔をする──が、顔は赤く、腹は大きく膨らんでは凹んで…を繰り返していた。 「うふふ。どうかな花蓮くん。ちょっとはこちょこちょの怖さ…分かった?」 依頼人が首を傾げて花蓮を見る。 「はぁはぁっ…」 花蓮は再び沈黙に入った。 黙ってはいるが、呼吸はまだ乱れていて、細い腹が大きく動いている。 「勿論こんなのはまだまだ序の口なわけだけど… 名前を教えないなら次の段階に移行することになるよ?これを使って…」 依頼人がボトルを取り出し、振った。中に入っているのは透明の"オイル"だった。 「次はこれを塗ってこちょこちょ地獄だ。オイルなんかで何が変わるって顔してるね?でも…すぐに分かる」 依頼人がオイル入りのボトルを五つ星拷問官に渡した。 サナは親指で蓋を弾き、その大きな手のひらにとろとろとオイルを垂らす。 オイリーな両手が、花蓮の長い脚のその太ももにぺたんと触れる。 「んっ」 花蓮の顔に不快感が浮き上がる。 サナは、まるで本当にオイルマッサージをするような手つきでオイルを塗り込んでいく。 ものの数秒で花蓮の美麗な太ももは、ぬるぬるテカテカに仕上げられた。 オイルを塗られている間、花蓮はもじもじと腰を僅かに動かしていた。おそらく、こそばゆかったのだ。 サワッ。 「ひゃっ!!?」 花蓮の甲高い悲鳴が、会場に響き渡った。金属音のようなそれは、天井の四隅にゆっくりと消えていく。 花蓮の顔が引き攣っていた。 彼女は今、ただ爪でサワリと撫でられただけに過ぎない。 それなのに、悲鳴を上げるほどのくすぐったさを感じたのだ。 「分かったかな花蓮くん。オイルは指や爪の滑りを良くする。つまり、くすぐる側の能力が引き上げられるアイテムだ」 依頼人が解説している中、サナがぬるぬるの太ももにつぅーっと爪を這わせた。 「ひぎぃぃぃっ!!?くっ!!くぅぅぅぅっ!!?」 陶器のようにツルツルとした太ももにくすぐったそうな長さの爪が滑り、花蓮は苦悶の表情を浮かべる。 花蓮の長い指が、ぴくぴく痙攣する。 太ももというのは本来、悶えるほどこそばゆい所ではないと私は思う。 けれど、違うのだろう。 あのオイルと、あの女の手指爪にかかれば──違うのだろう。 「こちょこちょこちょこちょこちょこちょ…」 サナが唇を尖らせこちょこちょと歌い始める。 指の動きが、それに釣られるように滑らかになる。 「ぷくっ!?くくくくくふふふひひひひっ!!?う、うるさぃっっ!!っっひひひ!!」 花蓮は、こちょこちょボイスが鬱陶しいのだろう、ぎろりとサナを睨みつける。 「こちょこちょ…。こちょこちょこちょこちょ…こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ…」 サナは緩急をつけてこちょこちょと歌いながら、つるつるの太ももに指先や爪をこちょこちょ這わせ、指を散歩させていく。 「ぎひひひひひ!!ひひひひひひふふふっっ!?んんんんっ!!んんんんっっふふふふふふっ!!!」 蜘蛛が這うような指先の散歩に、花蓮の神経は擦り減らされていく。 だらだらと冷や汗が吹き出し始める。 業火で一気に焼かれるのではなく、じっくりと弱火でとろとろ炙られているような──そんな苦しみが花蓮を蝕んでいく。 「んんんんっ!!っっふふふふふふ!!!ふふふひひひひひひひひっ!!!こっっこんなのっっ!!!」 花蓮が歯を食いしばり大きな目で己の太ももを這う指の蜘蛛を睨め付けた時だった。 「こちょこちょ…」 太ももを歩いていたサナの長い指がぴたりと止まり、ワシッと指関節を折り曲げて爪の先がしっかりと太ももの──裏に突き立てられた。 「こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょぉ!!」 サナのこちょこちょソングと共に、爪の先が裏モモの神経を貪った。 「ふにゃっ!?にゃっ!?にゃははははははははははははは!?くふっ!くふふふふふふひひひひひひひひひひひ!!!」 花蓮は目を大きく開いてガタガタと脚を震わせる。 随分と小刻みな動きだが、あれが彼女に許された精一杯の抵抗なのだ。 「裏モモの筋肉…ハムストリングスはくすぐったいよねぇ。花蓮くん」 裏モモの筋肉を筋肉を弄ぶように、サナは爪で細かくこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょとくすぐっている。 「ぐふふふふひひっ!!?ぐひぃぃぃひひひひひひひひっ!!?ひひっ!?ひひひひひひひっ!!?ひははははははははははははは!!」 異様な光景だった。 太ももという大悶絶のイメージのない部位をくすぐられ、彼女は間違いなく、大悶絶している。 目には涙がジワジワ滲んでいる。 鼻は繰り返し啜り上げられ、鼻水が垂れている。 裏モモを弄んだサナの長い指が、つるつると皮膚を滑って、花蓮の腋の下の近くの表皮を撫で回した。 「はぎぃっ!?いぃっひひひひひひひひ!?いひひひひひひ!!?はぁっはぁっ!!うはははははははははははははは!!」 花蓮は悍ましげに、縁を描くようにこちょこちょ動いている指を見ている。 まるで何かを──気にするように。 「このまま腋の下をオイルくすぐりされたら…壊れてしまうのではないかな?」 依頼人の恐ろしい発言に 花蓮の顔が引き攣る。 花蓮は嫌なのだ。 腋の下をオイルくすぐりをされるのが。 「大丈夫だよ。避ける道はある。名前を…教えれば良い」 依頼人が黒いリップの塗られた艶々の唇を曲げて笑った。 「そ、それはっっ!!あははははははははははははははははは!!うふふっ!!うふふふふはははははははははははははは!!」 「そう。じゃあ…」 依頼人の親指と中指が擦り合わされ、ぱちんっと乾いた音が鳴った。 "やれ"の合図だ。 「ごめんね」 それを受けたサナはニコリと邪悪に微笑み、オイルまみれの両手をずるりと腋の下に滑らせた。 長い指と爪の先は、素早く腋の下に張り巡らされた神経を捉える。 「い"ぁっ!!?ちょっ…」 花蓮の二の腕にびきっとスジが浮き上がる。 そして。 「こぉちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょー!!」 サナの五つ星の指が、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ!!!っと激しく暴力的に腋の下を掻き回した。 「ぎゃっっ!!?ぎゃっっはははははははははははははははははは!!!うわっ!?うわっはははははははははははははははははははは!!!?わきっ!!ワキはぁぁぁっ!!」 拘束具をやかましく鳴らし、唸り声の混じった笑い声を絞り上げる花蓮。 無防備な彼女のつるすべの腋の下には、獰猛な拷問指と爪が這い回っている。 見ているだけで、ゾクゾクとする。 「ああ。くすぐったいね。こそばゆいね。こちょばいねぇ」 サナは目を細めて幼児をあやすように言いながら、ぬるぬるの腋の下をぬるんぬるんの爪でこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょと貪っていく。 「ぐぁはははははははははははははははは!!あははは!?あはははははははははははははは!!?ちょっ!?ああはははははははははははは!!!」 花蓮は何度も腕を下ろそうとしたが、拘束具がそれを許さない。 彼女はただひたすらに、 爪の先から送り込まれるくすぐったさを受け入れ続けないといけない。 あの、サナの指先と、爪のツルツルさをくすぐったさと共に浴び続けなければならないのだ。 私なら気が狂うな。そう思った。 「うああははははははははははははははははははははははははははは!!!花野!!名前ぇっ!!名前はぁぁぁっ!!あはははははははは!!花野莉奈ぁぁぁっ!!」 花蓮が溺れそうになりながら濁った声で名前を叫んだ。何度も。何度も。 その様子に、ボルテージゲージは一気に上昇した。 「嘘はついてない?大丈夫?」 サナが、腋の下の特にこちょばぁい窪みのところに爪をこちょこちょ這わせながら問いかけた。 「ぐふふふふはははははははははははははははははははははは!!本当っっ!!本当だからぁぁぁっっ!!!ははははははははははははは!!!」 花蓮はぎゅうと目を閉じ顔をくしゃくしゃにしながら何度も頷いた。 その後もしばらく、サナは腋の下の窪みの神経を爪の先で細かくくすぐり嬲った。 その度に、花蓮は泣き喚いた。さっきまでとは別人である。よほど、腋の下延々こちょこちょが効いたのだろう。 5分ほどしてようやく、依頼人がサナを止めた。 「花野 莉奈ね。そんな名前の人間がいるのかどうか確認を取るよ。もし嘘だったら…お仕置きだ。確認する間に…他の情報も吐いてもらおうか」 依頼人が冷たい視線を花蓮に向けると、花蓮はごくりと唾を飲んだ。 「はぁはぁっ!!そう…続けて…なんでも…聞き出せると…」 すっかり乱れた前髪を唇にへばりつかせながら花蓮は言った。 「続けて話したほうが得だということを…教えてあげないとねぇサナ」 依頼人はサナに小瓶を渡した。 真っピンク色の液体の入った小瓶だった。 「これは"指定禁止敏感薬"──いわゆる媚薬だ。経口で飲ませることで…対象者の感度を致死レベルにまで引き上げられる」 依頼人の説明が終わると、サナは媚薬を口に含み。頬を膨らませたまま口元をゆっくりと花蓮の唇に近づけていく。 「はぁはぁっ!そんなものっ…」 飲むものかと花蓮は口を閉ざす。 しかし。 サナは両手で、花蓮のウィークポイントである腋の下を素早くこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ!!っとくすぐった。 「ぶっ!?あっ!?あはははははははははは!?あっ!?しまっっ──んぶっ!?んぉぉぉぉっ!?ごほっ!!ぉほっ!?」 花蓮が口を開けた瞬間、サナが唇をぶちゅりとくっつけ、舌を捩じ込んで──媚薬を注入した。 「あはっ!!かはっ!!?最悪っ!!けほっ!!」 むせ返り、吐き出そうとする花蓮だが、もう遅い。 彼女の身体には、とっておきの媚薬が染み込んでいる。 あの媚薬の恐ろしさなら私も知っている。それこそ以前、このステージであの薬を飲まされた者の末路を見届けたことがあった。 その女は、1000回連続でイキ狂わされたのちに──快楽で殺された。 殺したのは、女のツボを知り尽くした女の拷問官だった。 前回は快楽地獄での使用だったが…今回のくすぐりの刑では一体どんな効果を見せるのか。 媚薬を飲まされて1分ほどが経過した頃、サナが花蓮の耳元にふっと吐息を吹きかけた。 「ぎひゃっ!!?」 花蓮の細い身体が震え上がり、びくんっと腰が浮いたまま硬直した。 硬直が解け、弛んだ身体のその股間から…ちょろっと尿が出る。 「はぁはぁっ!?な、なんなの…これっ…」 花蓮の顔色が土気色に変色する。 恐怖に慄いている。 その顔がまた、私たちの血をたぎらせる。 サナがカツカツと足音を立てて花蓮の無力な両足の裏の前に移動した。 高身長に見合った大きな足で、爪にはブルーのペディキュアが塗られている。 サナが大きな足裏に、オイルをべしゃっと塗り込む。 「はぅぅっ!!?」 オイルを塗られるそれだけで、花蓮の足指がきゅうっと丸くなる。 足裏に皺が寄って、血色が良くなっていく。 「ふーっ!!ふーっ!!ふーっ!!」 花蓮は唇を変形させて奇妙な呼吸を始めた。顔は既に、汗とか唾液とか鼻水でぐちょぐちょだ。 「ふふふ。相当キツそうだね花蓮くん。どうかな…今話せばその弱そうな足の裏は見逃してやっても良いけど…?」 依頼人が微笑む。 しかし花蓮は首を縦にも横にも振らない。 「そうか。じゃあサナ。花蓮くんの足裏を殺してあげて」 依頼人の一言で、サナが動いた。 長い指がすうと伸びて、爪の先っちょが土踏まずに触れる。 「うううううううう"っ!!?」 花蓮は歯を軋ませ獣のように唸った。 ぶるぶると膝が震えている。 「こっちょ…こちょ…こちょ…」 サナは嫌らしくゆったりこちょこちょと歌いながら指に力を加えていく。 いつ動く? いつ本気で暴れ出す? いつ、媚薬でおかしくなっている足の裏がくすぐり殺される? 私は待ちきれない。その時を。 「や、やるなら早くっっ──」 花蓮が威勢良くそう言いかけた時だった。 ゾリゾリゾリゾリ!! こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ!!っと爪の先が土踏まずを猛烈に引っ掻き嬲った。 「はっ!?わっ!?ぎゃっ!?あっ!!?あああああああああああああああああああああああっ!!?あああああああああああああああああ!!?」 花蓮の地獄のような悲鳴が轟く。 笑い声──というよりは、絶叫に近いその声が私たちの鼓膜を心地よく揺らす。 サナの爪は、くすぐったい土踏まずを掘るようにこちょこちょと、削るようにゾリゾリと蠢く。 「ぎぃぁぁああああははははははははははははははははは!!だめっ!!これっ!!うわぁぁぁぁぁぁあはははははははははははははははは!?」 花蓮は無意味にも手の指を思い切り伸ばしたり、目を見開いたりしている。 足の裏がみるみるうちに妙な赤色に変色していく。 「大変そうだね。どうかな…気持ちは変わった?」 依頼人は、サナの指と爪の餌食となっている哀れな足裏を見つめて問うた。 ゾリゾリこちょこちょと神経の削れる音がする。 「それはっっ!!それはぁぁぁっ!!ああああああああああああはははははははははははははははははははははは!!?はあははははははははは!!!」 金切り声を混ぜながら、花蓮は叫び続ける。狂わぬように。決して、狂わぬように。 母指球のところを爪の先で細かくこちょこちょしたり、指と指の間をほじくったり──サナは多彩な術で花蓮の足裏を味わっていく。 こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ!! 「ん"ぅぅぅぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああっ!!!あっ!!?あっっ!!?あはは!?あはははははははっ───」 遠目でもわかるほどに、花蓮の目が濁った。 意識が途絶える。 その直前に、サナは親指の爪を土踏まずとカカトの間に押し当て、ガリガリガリガリッと引っ掻いた。 「ぎゃっ!!?うぎゃぁぁぁああああああっ!!?」 花蓮の目に再び色が宿り、彼女は無理やりにくすぐり地獄に引き戻された。 「おかえり。花蓮ちゃん」 サナは甘く囁くと、気絶しようとした罰だと言わんばかりに強制的に覚醒させるほどの威力を誇った土踏まずとカカトの境界点を親指の爪でほじくった。 ガリガリッ!!ガリガリッ!! こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ!! 「ああああああああああああああああああああああああ"っ!?わかっだ!!わかっだからっっ!!話すからっ!!!全部話すからぁぁぁぁぁっっ!!!」 散々足の裏を破壊し尽くされ、花蓮はついに口を割ることを選んだ。 もちろん、すぐに足裏こちょこちょは終わらなかった。 花蓮が口を割ると決断して5分ほどは…サナにたっぷり足裏を可愛がられていた。 そして彼女は、洗いざらい話した。何もかもを。 そして一つの事実が明らかになった…彼女には、花野莉奈ではなく別の本名があったということだ。 「この愚かな花蓮くんは嘘をついたらしいよ。これは約束通り…お仕置きしないとね」 依頼人がサディスティックに微笑んだ。 「はぁはぁっ!!お、お仕置きってぇっ…」 ずるずると鼻水を啜りながら、花蓮が不安げにする。 彼女はもうすっかりスパイとしての誇りを砕かれ、ふにゃとろにされている。 「せっかくのショーなんだ。お客様の多数決で決めよう。この…哀れな花蓮くんを解放してあげるか…それとも…プロの拷問官数人係でたーっぷりこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ 処刑するか」 「はぁはぁっ!!そんなっ…」 結果は──当然、花蓮を笑い死にさせることに決まった。 私もそちらに投票した。 「ふざけるなっ!!恨んでやるっ!恨んでやるっ!あんたたち全員っ!!」 花蓮は、私たち観客を睨んで怒鳴り散らした。その声は震えていて、堪らなく愛おしかった。 女たち数名が入ってくる。全員、口元を覆い隠し、黒ずくめである。 「ひっ!?」 花蓮がぶるっと震え上がる。 現れたのは、このショー常連の"星持ち"の女拷問官たちだ。 拷問官たちはぐるりと花蓮を取り囲み、手に持ったボトルを逆さまにし、花蓮の裸体にたっぷりとじゃぶじゃぶにオイルをぶっかけ、さらに媚薬まで塗り込んだ。 花蓮はその間、もちろんぎゃあぎゃあ喚いて悶えていたがお構いなしに隅々までオイルと媚薬は塗り込まれた。 彼女らは本当に──花蓮をくすぐり殺すつもりなのだ。 「やだっ!!やだっ!!助けてっ!!誰かっ!!ごめんなさいっ!!もうしないっ!!真っ当に生きるからぁっ!」 花蓮は泣き腫らした目を私たちに向ける。 オイリーなボディに、オイリーな五十の指と爪が向けられる。 ヌルヌルテカテカの指が、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょと宙でうねり始める。 見ているだけで悶えてしまいそうになる動きだ。 「い、いやっ!!嫌っ!!嫌ぁぁぁぁっ!!嫌ぁっ!!嫌!!」 花蓮は壊れたように叫び始めた。 「さぁ…笑わせておやり」 依頼人の女が手を叩く。 五十の地獄のこちょこちょ指が一斉に花蓮のヌルヌルのボディに喰らいつく。 「あ"っ!!?」 無数の指先が、爪の先が皮膚に食らいつき、神経を捉え、花蓮の顔が絶望に染まる。 ごちょごちょごちょごちょごちょごちょごちょごちょごちょごちょごちょごちょごちょごちょごちょごちょ!!! 指どもは一斉に、花蓮を処した。 「あ"っ!!?ぐぁぁぁぁああああああああああ"っ!?あああああああああああ!!あああああああはははははははははははは!!?死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅぅぅぅ!!!!」 花蓮の身体が、激しく波打つ。 指が、爪が、花蓮の命を削り、殺していく。 健康的だが疲弊し切った肉体から、生命力が削られていくあの様子が堪らない。 笑い過ぎて顔の筋肉が言うことを聞かなくなって、変形していく様が、堪らない。 ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!! 「う"ぁぁぁぁああああああああああああああ!?あはは!?あはははははははははははは!!やだっ!?あっ!?ごめんなさいごめんなさぃぃっ!!っっひひひ!!?もうやめでぇっ!!こちょこちょやめでぇぇぇっ!!」 花蓮が目をぎょろりと剥いたまま失神しかけると、拷問官の一人が花蓮の顔にスプレーを噴霧して無理やり覚醒させた。 鬼である。 覚醒させた花蓮を待っているのは勿論、こちょこちょのお仕置きだ。 乳首を爪でこちょこちょ。 肋骨の隙間を指の腹でコリコリ。 骨盤のツボをグリグリ。 腹筋を爪でワシャワシャ。 太ももの裏を爪の先でこしょこしょ。 足の裏を猛烈なゴチョゴチョ。 ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!! 「あああああああはははははははははははは!!助けてっっ!!助けて誰かっっ!!!あははははははははは!!もうしないっ!!もうしないからぁぁぁぁぁぁあああああ!!っっははははははは!?あへへへへ!?あへへへへへへ!!?」 おしっこを撒き散らし、ミルクをぶちまけ、唾液を垂れ流しながら花蓮は苦しみの限り悶え続けた。 失神も許されない中、花蓮はプロフェッショナルのくすぐったさをひたすらに注がれ、捩じ込まれ、刻み込まれ続ける。 無数の指と爪が、花蓮という一人の女スパイをくすぐり、貪り、殺していく。 これは、じっくりとろとろ対象を殺す恐ろしい業火だ。 花蓮にとって地獄の時間が、私たちにとっては天国の時間が、その日は夜通し続いた。


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