SamSuka
病み時計
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【今、若い女の子たちの間で男尊女卑が大ブーム!】

 誰が見るでもなく点けられたリビングのテレビから、ふとそんな声が聞こえてきた。  思わず顔をしかめながら食卓についてトーストをかじる。  画面には男尊女卑ブームというのがどういうものかを女子アナの軽快な口調と派手なテロップが解説し、そして一般的な女子高生と銘打った学生二人のインタビューに移って行った。 「お二人は"男尊女卑"のブームについてご存知ですかぁ?」 「もちろんです! クラスの皆もやっぱり男の人にいいように使われたいって思っててぇ~」 「女に生まれちゃったから仕方ないよね~」 「「ねー!」」  二人は流行りのスイーツについてでも聞かれたかのように笑みを浮かべながら質問に答えて、自分たちの発言に少しの疑問や反発も浮かべていない。  期待通りの返答が聞けて満足したのか、インタビュアーも嬉しそうにブームの推移について解説を始めている。 「へぇ、今どきの子ってこんな感じなのねぇ。アンタもそうなの?」 「そんなわけないでしょ!? ごちそうさま!」  台所からかけられたお母さんののんきな声につい苛立ちを抑えられなくなり、返事が棘々しくなってしまった。  それでも謝る気にはならず食器を流しに置いて登校の支度をする。  認めたくない、本当に認めたくないけれど男尊女卑とやらがブームなのは確かな事実だった。  一体いつから始まったのか、誰が言い出したのかはよくわからないけれど私の身の回りでも強く感じてしまうことがある。  それは例えば清掃当番から男子を外して女子だけでするようになった時とか、提出物の回収みたいな雑用がさり気なく女子に押し付けられるようにもなった時もだ。  中には男子が一方的に言い始めたこともあるけれど、むしろほとんどが女子の方から「こうしたほうがいいんじゃない?」なんて自分から理不尽な提案をしてそして皆もなんとなくそれを受け入れてしまうことが多かった。  不快感や怒りを強く主張しているのは私くらいで、何度か意見してもまるで私が駄々をこねているみたいに扱われて優しく諭されるものだから何も言わなくなった。 「はぁ……なにがブームよ、くだらない…………」  憂鬱さとストレスを抱えながら学校までの道を歩いていると、不意にバサッという布がめくれる音、ついでパンツのあたりが風に晒されるような清涼感を感じた。  その直後、自分がスカートをめくられたことに気がついた私は急いで後ろを振り向く。  予想通りそこには犯人が悪びれる様子もなくニタニタと下卑た笑みを浮かべて私を見ていた。 「よー沙織、上品な黒パンティよく似合ってるぜ~」 「猿田、アンタねぇ……!」  そこにいたのは坊主頭のクラスメイト、猿田だった。  こいつは女子に対してヘラヘラとセクハラまがいのことをしてくる上に何回注意されても態度を改めない正真正銘のクソ野郎。  中学、高校との付き合いではあるものの私はこいつが嫌いだ。 「なんか言いたげだな沙織~ なんか文句でもあんのか? ん~?」 「ぐ……べ、別にないわよ……」 「おう! そんじゃ学校行こうぜ~」  猿田はそう言うと頼んでもないのに私の隣を歩き出し、挨拶とばかりにスカート越しに私のお尻をもにゅっ♡と軽く揉んできた。  たとえ布越しでもこいつなんかに体を触られるのは不快で仕方ないけれど、何も言えず私も歩き出す。  本当に、本当に腸が煮えくり返る。  私がこいつのセクハラを咎めることができないのもクラスで決めたルールのせいだ。 【男の子は性欲が溜まって大変だから少しくらいセクハラされても許してあげよう】  そんな理不尽な提案が女子主導でクラス会に挙げられ、さらには賛成多数で認められたときには目眩さえした。  誰も反対しないような空気感で私だけ異を唱えることもできず、そして一度ルールになってしまったからには無視するわけにもいかない。 「なあなあ、さっき揉んだときに思ったんだけど沙織ケツデカくなってね? 何センチよ?」 「……こないだ測ったときは102センチ」 「うおっ、マジかよ! どおりでデケーと思ったんだよなぁ。歩いてたら前にケツデカい女いると思ってさぁ、近づいたら沙織だったってわけよ」  以前ならセクハラの一言で一蹴できた戯言も今ではまともに相手しないと私のほうが悪しざまに言われてしまう。  こいつの下心を隠そうとしない目つきも、品性の欠片もない話も死ぬほど嫌いなのにそれを聞いていないといけない状況に嫌気が差す。  ふと、視線を上げた先にある人物が見えたことをきっかけにほんの僅かに気分がよくなる。 「みこ……」 「おっ、美琴じゃーん! おはよー!」  私が先にかけようとした挨拶は猿田の脳天気な声にかき消されてしまい、木陰に立っていた美琴が驚いたように一瞬目を丸くした。 「猿田くん、おはよう~ 沙織ちゃんもおはよう」 「……おはよう」  猿田への挨拶のほうが先だったことにまた少し苛立ちを感じながらもグッと飲み込む。  平常心、平常心……そんなこと一々気にしてたらきりがない。  猿田は上機嫌で美琴に近づき、両手で美琴の胸をガシッ♡と掴んだ。私が呆気に取られているうちにそのまま何度も揉みしだき、美琴の胸がシャツ越しに形を変える。 「くぅ~! やっぱり美琴ちゃんのおっぱいは揉み心地さいっこうだなぁ~! ねえ何カップこれ?」 「あはは~ 最近Gカップになっちゃったんだ~」 「Gて! もうそれ聞いただけで抜けるわぁー」  遠慮も配慮も品性もないような揉み方に居ても立っても居られなくなりつつも、無理やり止めることはできないもどかしさでおかしくなりそうになる。  今すぐぶん殴ってやりたいのにそれができないなんて。 「ちょっと、いくらなんでも……!」 「だ、大丈夫だよ沙織ちゃん。ほら猿田くんもそろそろ行かないと遅刻しちゃうよ?」 「おお、そうだな。じゃ行こうぜ!」  結局それ以上咎めることはできず、私と美琴で猿田を挟む形で学校への道を歩く。美琴の隣が良かったのに……ほんっとうにこいつが邪魔で仕方ない。  そんな事を考えながら視線を隣に向けると、猿田越しに美琴と目が合った。  にへら、と笑みを浮かべながら手を降ってくる彼女の愛くるしさにこれまでのストレスが吹き飛ぶような感覚に襲われる。  ああ、本当にかわいい。可愛らしい。今すぐ抱きしめたい衝動を堪えながら私達は学校への道を急いだ。 *** 「ああ猿田のやつほんっとうに腹立つ……! 私はアイツの召使いじゃないっての!!」  多少雰囲気がおかしいとはいえそれでも学校生活という基本は変わらず、授業はあるしお腹も減る。  中庭に設けられたベンチに美琴と並んで座り、お弁当を食べていた。  こうして教室を離れるとつい男子に対する怒りがふつふつとこみあげてきてしまう。そんな私を美琴が苦笑いを浮かべてなだめてくれる。 「あはは、まあまあ……猿田くんも悪い子じゃないと思うんだけどなあ」 「あんなやつが悪くないわけないでしょ……美琴は優しすぎるのよ」  美琴は私よりも頭半分ほど小さく、ふんわりとウェーブのかかった茶髪もあって守ってあげたくなるような印象を受ける。  ぱっちりと開いた目はくりくりとしてて愛くるしいし、おにぎりの食べ方から笑った時口を手で抑える動作まで見てるだけで胸がトキめいてしまう。  髪の長さで言えば私も美琴も形くらいだけれど、私のは若干灰色がかった黒髪だし、目もツリ目がちだから受ける印象はだいぶ違う。  人は自分にないものを持っている人に惹かれるというけどそのとおりかもしれない。 「ね、美琴……」 「え? ちょ、ちょっと沙織ちゃん! 学校ではダメだよ!」  さり気なく顔を近づけて唇を重ねようとした私の目論見は美琴の小さな両手で防がれてしまった。  とても残念ではあるけれど、顔を真赤にして懸命に止めようとする美琴がかわいいので問題なし。  そう、私と美琴は付き合っている。  始まりは高校入学したときの私の一目惚れで、それ以降必死で距離を詰めて仲良くなり、なんとか恋人関係にまで持ち込んだ。  進級して同じクラスになれたのは本当に運が良かった。 「んー残念。じゃ、今週末ならいいでしょ?」 「うん、お母さんもオッケーって言ってくれたから!」  美琴の返事に内心ガッツポーズをする。  以前美琴から今度両親が外泊すると聞いたときに泊まりに行きたいと提案したのだけれど、こうも上手くいくなんて。  美琴の家で、二人きりのお泊り会……! 今からもう待ち切れない。 「あ、それとね。その日なんだけど……猿田くんも一緒でいい?」 「…………は?」  思ってもない名前と、想像すらしてない提案に頭がフリーズする。  え? 誰? 猿田? アイツと一緒? なんで? 「猿田くんって彼女がいないから女の子と接する機会がすくなくてかわいそうなの。今日のクラス会でも彼氏がいない女子は積極的にそういう男子と遊んであげようってルールができたでしょ?」 「いやいやいや! 確かにそうだけど、何も私達がしなくてもいいでしょ!? それにご両親がOK出さないと思うわ!」 「猿田くんがどうしても私がいいって言うから……お母さんは女の子だけより男の子もいた方が安心だって言ってたの」  最悪、なんてこと。美琴の誰にでも優しい性格がこんな形で仇になるなんて……!  もしここで過剰に抵抗すれば私だけでなく美琴までルールに反していると白い目を向けられるかもしれないし、最悪美琴と猿田の二人きりのお泊り会というケースもありうる。それだけは絶対に避けなければならない。 「……わかったわ。猿田も含めて三人でお泊りしましょう。もちろんアイツの性処理は私もするから」 「わぁ、ありがとう沙織ちゃん! えへへ、楽しみだなァ……」  不愉快さを飲み込みかろうじて笑みを作る私とは対象的に、美琴は心底嬉しそうに微笑んだ。  そこにはただ私と(猿田と)一緒に泊まれることへの喜びしかなく、猿田が泊まりにくることや、彼の性処理を行うことへの嫌悪感は欠片も含まれてないように見える。  好きでもない男の性処理なんてしたくないと思う私のほうが心が狭いのだろうか……?  そんなことはないと断言したいところだが、私がマイノリティなのは否定できない現実だった。 *** 「へぇ~ここが美琴の家かぁ~! デっけぇなぁ~」 「あはは、自分の家だと思ってゆっくりしてね?」 「言われなくてもそのつもりだぜ!」  金曜日の放課後、授業を終えた私、美琴、猿田の三人はそのまま美琴の家へとたどり着いた。  一泊して次の日に帰るだけの簡単な日程だけれど、クラスメイトの家に泊まるというのはなかなか特別感がある。  猿田もさすがに遠慮してくれないかという微かな期待は『マジ!?行く行く!』という鼻息荒い返答によって打ち砕かれた。  美琴に促されるまま家の中に入り、階段を上がって彼女の部屋へと入る。 「ここが私の部屋でーす……ちょっと恥ずかしいなぁ」  入ってすぐに柔らかな心地よい香りが鼻腔を通り過ぎていく。  芳香剤でもあるのか単に好きな人の部屋だからそう思うのかはわからないが、ほっと安心するような香りだ。  ベージュの壁紙に薄桃色のカーペット、シックなデザインの丸椅子と標準的な勉強机に本棚、そしてベッド。そんな中にちょこちょこ置かれた動物のぬいぐるみがとにかく美琴の部屋らしさを際立てている。殺風景な私の部屋とは大違いだ。 「うおお! 女子の部屋ー!!」  猿田はそう言うと了解も得ずに勢いよくベッドにダイブし、枕に顔をうずめて深呼吸を始める。  怒りのあまり止めようとしたが美琴に止められて辞めた。ほんっとうにこいつ……!  しばらくそうしていた猿田だったが、唐突に顔を上げてベッドの上で腕を組んで真剣な顔をしだした。 「……なあ、一晩とはいえ共同生活を送るうえでリーダーが必要だと思うんだ。というわけで俺がリーダーになるが異論ないよな?」  真面目な顔で何を言い出すかと思えば……握りこぶしを作りながらも深呼吸。ここで取り乱してはいけない。 「あのねぇっ、家主である美琴を差し置いて何を勝手なこと……!」 「私はいいと思うよ~」 「はっ!?」 「よし、多数決で決まりだな。ここに泊まっている間は俺の言うことに従うように!」  困惑しているうちにすべてが決まってしまい抵抗の余地がなくなってしまった。  まさかの展開ではあるが一度決定した以上これに反対するのは相応の根拠がないとできない。私にはこの理不尽な現実を受け入れるしかなかった。 「ぐ……わ、わかりました……」 「よーし、じゃあさっそくだが二人共服を脱いでくれ」 「はぁっ!?!? なんでそんなことしなきゃいけないのよ! ……いけないんですか」 「なんでって、これは女子と接点が少ない俺のためのお泊り会だろ? なら少しくらい俺の要望を叶えてくれたっていいだろ」 「そ、そんな馬鹿げた話が……」 「まったく、沙織は文句ばっかりだよなぁ。少しは美琴を見習えよ」  そう言われて美琴に視線を向けると、頬を僅かに赤らめながらもシャツをすでに脱いでおり、白色の質素なデザインのブラジャーを外そうとしているところだった。  制服越しじゃない彼女の胸は思わず息を呑んでしまうほどの迫力があり、そのあまりのサイズに視線を奪われて言おうとしていた言葉を失ってしまう。  私(と猿田)の視線に気づいた美琴は一層頬を赤らめながら照れくさそうに笑みを浮かべる。 「あはは、見られてると恥ずかしいよ~」 「み、美琴いくらなんでもこんなこと……」 「ダメだよ沙織ちゃん、リーダーのいうことは守らないと。ね?」  まるで聞き分けのない子供を諭すかのような美琴の言い方に言葉が詰まって何も言えなくなる。彼女にしてみれば一度決まったことに駄々をこねている私のほうが一方的な欲望を押し付けてくる猿田よりも注意すべき相手ということだ。  別に弱みを握られているわけでも、体が自由に動かせないわけでもないけれど猿田の言う通りにしなければならない空気がすでにできあがっていた。 「わかったわよ……」  仕方無しにスカートのホックを外してそのまま床に落とし、シャツのボタンを一つずつ外していく。  お泊り会のために前もって買っておいた黒のショーツをから足を抜き、後ろ手にブラホックを外して手放す。  おまけとばかりに靴下まで脱ぎ捨てると、私は正真正銘一糸まとわぬ姿になっていた。 「おほぉ~♡ 全裸の女が並んでるなんて最高だぜ! あ、手で隠すのも禁止な!」  裸で気をつけの姿勢を取らされた私達は、胸やお腹、お尻まで体の全てを猿田の舐るような視線に晒されている。  本来であれば服の下に隠して好きな人以外には決して見せないであろう箇所であっても性欲まみれのこいつには一切の情や遠慮がない。 「ぶはっ! 沙織お前いくらなんでもケツデカすぎるだろ~ こんな肉が詰まった尻見たことねぇぜ」 「い、いいでしょ別に……」 「美琴の乳も負けないくらいデケぇな~ ブラ外すとちょっと垂れちまってるし、乳輪もデケぇ! CDくらいあるんじゃねえの?」 「変だよね、あはは~」  お尻が大きいとかよくも人が一番気にしてることを……!  人の身体に対するコンプレックスなんてまったく気にせず、猿田は自分の性欲だけで私と美琴の体を物色する。  私もさり気なく視線を隣の美琴に向けるけれど、たしかに彼女の胸は大きい。服越しではここまでずっしりとしてるとは思っても見なかった。普段の可愛げな印象とはかけ離れた、その、ほんの少し下品なおっぱい……なんでこれを猿田なんかが見ているのかと思うと歯噛みしたくなる。 「よしっ、じゃあ俺も脱ごっかな~ もう我慢の限界だぜ!」 「はっ、これで小さかったら散々笑ってやるから覚悟し……なさ…………」  カチャカチャという音とともにベルトが外され、猿田が履いていたズボンがパンツごとズリ下ろされる。  同時に今まで隠されていた"それ"が私達の前に曝け出された。  男の人の股間についているそれが男性器だということは当然知っていた。  保健体育の授業で習ったし、今日のためにえっちなビデオで軽く予習もした。  けれどこれが本当に自分が知るアレと同じものなのかと疑ってしまうほど、猿田のそれは凄まじかった。 「どーだ俺のちんぽは? クラスでも一番なんだぜ~」  足の付根からぶら下がるそれはまさしく肉の棒という表現がピッタリで、ペットボトルほどの太さに加えて長さはそれを上回っている。  浅黒い色の肌には生命力をほとばしる図太い血管が脈打ち、臭気とも熱気ともつかない湯気のようなものさえ見えた。  これが、"雄"……今まで猿田に抱いていたイメージまでひっくり返ってしまいそうになる。 「おいおい沙織見すぎだろ~ よだれ垂れてんぞ、ハハッ!」 「えっ!? ぁ……ちょ、ちょっと驚いただけよ……」  猿田に言われて初めて自分の口元が濡れていることに気がついた。慌てて拭うも、視線はこいつの男性期から外せないでいる。  今からこれの相手をするかと思うと、お腹の下あたりが感じたことのない感覚に襲われた。  むず痒いような、もどかしさ。もしかして体がこいつのモノを求めてしまっている……? ありえない! 「そんじゃまずは二人で舐めてくれよ。俺ここ座ってるからさ」  猿田はそう言うと裸のまま全くの遠慮もなしに美琴のベッドにドカッと腰掛けた。汚いお尻を直接乗せやがって……という不満は唾液と共に飲み込み、美琴と並んで猿田の前に膝をつく。  ズイッと斜め上に向けてそびえ立つ男性器はちょうど私と美琴の顔の高さにあり、さあ舐めろと言わんばかりの威圧感を放っている。  こんな汚らしいものに口をつけることへの逡巡は、私よりも先に男性器に口をつけていた美琴の姿を見たせいでどこかへ行ってしまった。 「ちゅっ、ちゅぷっ♡ 舐めるって、こんな感じですかぁ~? れろぉ~♡」 「おぉっ! めっちゃイイ! そうそう!」  ついばむように何度も口をつけたかと思えば舌を出してつぅ、と這わせたり、またキスするように唇をつける美琴の姿に呆気にとられてしまう。  沙織ちゃんはしないの?とでも言いたげな美琴の視線に負け、私も美琴と反対側から猿田の男性器に顔を近づけた。 「ぅ、うぅ……あぁ……れろぉ、りぇろ、ちゅぷっ、れりょぉ…………」 「れろぉ~……♡ ちゅっ♡ ぴちゅっ♡ ちゅぷぅ~っ……♡」  私と美琴は猿田の性器を両側から唇を、舌を、唾液を存分に使って入念に舐め回す。  この間の邪魔な肉棒さえなければ私達の口同士で行われていたであろう営みが、こいつを悦ばせるためのご奉仕に取って代わられているこの屈辱は言葉では言い表しきれない。  頭ではなぜこんなことをしているのか疑問に思うものの、そうしなきゃいけないという場の空気が私の体を自由にしてくれない。  舌に伝わるぬるいしょっぱさも、鼻から入ってくる汗臭さも、排泄用の肉棒を必死に舐め回している自分も全部嫌いだ。 「おら撮るぞ目線こっちー!」 「んぅっ!? ちょ……」 「ん? ふふっ」  白い光とシャッター音が熱の籠もった室内に響く。  いつの間にか猿田がスマホを構えていたとはまったく気付けなかった。満足気に向けられた画面には全裸で猿田の肉棒を挟んで顔を寄せている私達が克明に映し出されている。  こうして客観的に見ると必死で舌を突き出す私の様子は真剣そのもので、とても自分の姿だとは思えない。というより思いたくない。 「……ねえ、撮るのはもういいけど他の人に見せないでよね!?」 「え、もうクラスの男子グループに送っちまったぜ」 「はぁぁぁ!? アンタ、本当に……!」 「んー沙織、"待て"!!!」  まだ不満が言い足りなかったけれど、待てと言われた途端つい反射的に黙り込んでしまった。  口を開いても上手く言葉が思いつかずつい言いなりになってしまう。 「お前さーリーダーの言うことに従うってルール作ったのに全然守んねぇじゃん」 「だからそれは、ルールが理不尽だから……!」 「言い訳すんなよ。美琴は文句も言わずにまだフェラ続けてるぜ?」  う、と言葉に詰まる。確かに美琴はまだ猿田の肉棒への奉仕を続けており、むしろ反抗を続ける私を怪訝そうな目で見ている。  言ってやりたい反論は思い浮かぶものの沙織がこうして素直に従っているとどうにも分が悪い。 「ほら沙織"起立"! とりあえず美琴に一発抜いてもらうからさ、お前はそこに立ってマンズリでもしながら見とけよ」 「は、はい……」  悔しさで歯を食いしばりながらも立ち上がり、二人の邪魔にならないよう壁際に立つ。  マンズリが何を指すかくらい私にもわかる。勿論立ちながらやったことなんてないけれど……  味わったことのない屈辱を感じながら股を開き、股間に右手の人差し指と中指を挿れると、ニチャ……という粘着感が指に伝わってくる。見ればそれは私の股間から溢れる透明な汁が糸を引いているせいであり、いつの間にか太ももの付け根がしっとりと湿っていた。  私、こんなに興奮してた……!? そんな、アイツなんかのせいで……? 「うっし美琴ォ、舐めるのはいいから咥えてくれよ。とびっきり下品に頼むな?」 「はーい! 出そうになったらいつでも出しちゃってね~」  美琴は猿田の前に膝立ちし、いつもと変わらない優しい笑みを浮かべながらまっすぐに猿田の男性器を咥えた。  止める暇すらない行動に思わず声が漏れたけれど、美琴はお構いなしに肉棒に吸い付く。  鈴が跳ねるような可愛らしい声を出すその口が竿に奉仕するためにすぼめられ、見ているだけでその激しさが伝わってくる。 「おっほォ、すげぇ吸い付き……おい沙織! 手止まってんぞ!」 「あ……は、はい!」  反射的に素直な返事をしてしまったことを悔いるももう遅い。  急いで濡れそぼった穴に指を入れて中を引っ掻くと、痺れのような感覚が体に走った。   「ぅっ……!? ぁっ、なに、これ……ぁっ、んっ」  これまでしてきたオナニーとは比べ物にならないほど強く、激しい快感。  ここが美琴の部屋だとか、すぐそこに猿田がいるだとか、そんなことが気にならなくなるほどの刺激を求めて勝手に指が動いてしまう。  股間の水音は次第に大きくなり、カーペットに飛び跳ねシミを作った。  視線の先では猿田の性器が美琴のすぼめた口を激しく出入りし、卑猥な音を立てていた。 「ぐぽっ♡ ぐっぽ♡ じゅっぽ♡ じゅるるぅっ、ぐぷっ♡」 「うほぉ~ 美琴の口ん中マジでたまんねぇ! も、もう出ちまうっ!」  猿田の筋肉質な手が美琴の頭を両側からガッシリと掴み、彼女の鼻先を股間にまで押し付けた。  あんな太くて長いものを口に押し込まれて……絶対苦しいに違いない。  止めなきゃ、助けなきゃとは思うものの、今の私はオナニーをしていなきゃいけない。ルール、これはルールだから。  私がガニ股立ちでおマンコをほじくり、もう片方の手でおっぱいを揉みしだいているのは仕方ないことだ。  猿田の体がビクッと震えたかと思うと、美琴が衝撃に耐えるように体をこわばらせる。  これまで嗅いだことのない……言葉にしにくい臭いが部屋に広がり、今美琴の口に射精されたのだとわかった。 「んっ、げふっ……ぇふっ、すごい量……んっ……」  少し黄ばんだ粘っこい液体が美琴の口からこぼれていき、それを美琴は手で受け止めながら必死で飲み込んでいく。  彼女の小さく可愛らしい口が猿田にマーキングされていくようで、いますぐ駆け寄って止めたいのに股間を弄る手ばかり動いてしまう。そうやって私が必死でマンズリしているうちに美琴がごくん、と喉を鳴らした。 「ぅ、ん……すっごい濃かったぁ……」 「うおぉ、美琴マジで全部飲んだのかよ! 初めてだろ? スゲーなァ……って沙織よだれ垂らしてんじゃん、そんな俺の精液欲しかったのか?」 「はっ、はぁっ!? そ、そんなわけないでしょ……」  そう言われて初めて自分の口が空いていたことに気づき、片手で口元を拭うと透明な液体がねとぉ……と糸を引いた。  こんな……美琴が猿田の性器を咥えさせられるのを見てよだれを垂らすなんて、まるで変態じゃない……  クソッ、クソッ!  いら立ちがマンコをほじる手を加速させて、体が熱を帯びていく。悔しいのに甘い刺激を求めてしまうのが止められない。 「ったくしょうがねえなぁ~ おい美琴、沙織に残りカスだけでも分けてやれよ。口移しでさ」 「はーい。ほら、沙織ちゃんお口開けて?」  返事をする間もなく美琴の顔が近づいてくる。美琴とのキス、それは嬉しい。けど……  彼女の口元にはさっきついたと思しきちぢれた黒い毛や、精液がついている。さっきまで猿田のアレを舐めて、咥えていたところと口を重ねるのはさすがに抵抗が…… 「ちょっ、待っ……ぅんっ!?」  拒絶する暇もなく彼女の口がぐっと私の口に押し付けられ、ねじ込むように舌が入ってきて私の舌に絡められる。  みっ、美琴とのベロチュぅっ……!?  念願のキスなのに、美琴の舌から独特な苦いようなしょっぱいようなエグ味や粘っこい何かが押し付けられてきてそれどころではない。  確かに美琴と舌を絡めているのに彼女の口を通して私まで猿田の性器を舐めているような気分になってしまう。  快感と不快感、好意と嫌悪がない交ぜになって頭がぐちゃぐちゃになる中股間を弄る手は止まらず、ついに──────────── 「お˝っ˝っ˝っ˝♡♡ う˝っ˝っ˝♡♡♡♡」  ひときわ強い電流が体を貫くような感覚がほとばしり、猛烈な脱力感に襲われた私の股間からはプシッと透明な液体が勢いよく噴出した。 「うはっ、沙織イキ潮噴いてんじゃん。口では強がってもメスだなぁ~やっぱ(笑)」 「いやっ、違う、これはその……」 「うふふ。沙織ちゃんも気持ちよかったら我慢しなくていいんだよ?」  感じたことがないほどの強い快感への戸惑いと、人の部屋で尿?潮?を出してしまったことへの羞恥で思考がまとまらない。  さっきの……普段オナニーしたときに感じる絶頂とは全然違った。とりあえずイったんだしこれで終わりに……   「じゃあいよいよ本番いくかァ~ どっちも捨てがたいけど……まずは沙織から使おうかな。おら布団に寝ろよ」 「へっ……? も、もう終わりじゃ……」 「おいおい、そんなわけねえだろ! まだまだ出したりないっての!」  見れば猿田の性器はさっきあれだけの精液を出したばかりとは思えないほど力強く勃起しており、精液や美琴の唾液に濡れてぬらぬらと薄暗い部屋の中で淡い光を帯びている。  本番が何を指すか、私でもわかる。アレが、私の中に?  これだけ仕上がってしまった体にそんなことをされたら……背筋に冷たいものが走った。 「いやっ、私、やっぱり帰っ……」 「はぁ~……いいから! "ベッドでまんぐり返し!"」 「っ……はっ、はい!」  咄嗟に返事をしてしまった瞬間、軽い絶頂と共に小さく潮が噴き出した。  ……命令されてしまった、返事をしてしまった。これで私は少しも抵抗してはいけない。  無防備な裸のまま美琴のベッドに寝そべり、震える両足を頭まで上げて股間を広げる。そこは自分でも引くほど濡れて糸を引いた。  まんぐり返し……猿田のせいで知ったこんな恥ずかしい格好を自分ですることになるなんて。 「うっほぉ~沙織の処女マンコ使えるなんてたまんねぇ~ 沙織は"抵抗せず受け入れろ"よ? 美琴は沙織のこと押さえとけ!」 「は、はい……」 「はーい、わかりましたぁ」  美琴が私の頭の後ろに座り、彼女の華奢な両手が私の足を掴む。これではもがいたところで抜け出すことはできないだろう。  いや、それ以前に抜け出そうとすることすらできないのだ。  猿田の命令に従わなきゃ、言われたとおりにしなきゃという脅迫めいた使命感が私の身体を縛り付けていて、これから自分がされることを察していながらただ待つことしかする気にならない。 「ぷっ、沙織のマンコぐちょ濡れじゃんかよ~ お前期待しすぎだろ(笑)」 「あっ、あはは、は……」  確かに猿田の言うとおり私のおマンコはしっとりと濡れてしまい、寝そべって天井を向いているせいで蜜で湿った壺のようにさえ見える。  つられて自嘲じみた乾いた笑みがこぼれてしまったが、それも猿田の肉棒がズシッと私の体に置かれたときに消え失せた。  美琴のフェラを見ていたときとは迫力がまるで違う。  触れ合う肌越しに伝わってくる熱も、スリスリとこすられるときに伝わる触感も、自分がこれから目の前のオスに"使われる"という現実を否応なしに突き付けてくる。 「んじゃ早速……」 「ちょっ、ちょっと待って! 深呼吸! 深呼吸だけさせて!」 「なんだよもう~ ちょっとだけだぞ?」  よ、よかった。猿田がお願いを聞いてくれて。  今のうちに少しでも心を落ち着かせておかないとパニックになってしまう。 「わ、わかってる……! すぅ……はぁ…………ぁ?」  あ、あれ……? 見間違いかしら?  まだ深呼吸の途中なのに目の前で私のおマンコに猿田のちんぽが入っていっているよう……な??? 「なっ!? ぁっ! ちょっ、ぉ……お…………?」 「な? ゆっくり挿れれば意外と平気なんだって。んじゃ残り半分挿れるぞ~」  私が止める間もなく猿田は宣言通りに自分の腰を突き出し、長い長い肉棒を根元まで押し込んだ。  それはつまり私の恥部の肉をかき分け、大事なところまで侵入しきったことを指していて。 「お˝、ぉ˝……ぅお˝ぉ˝…………ぅぐぅ……?」 「ぷははっ、沙織の顔すげぇことになってんぞ! 美琴も見て見ろよ!」 「え~? あはは、本当だぁ~ 沙織ちゃんお猿さんみたいだよ?」  感じたことのない圧迫感と苦しさ、そして確実に間近に迫っている絶頂を少しでも遠ざけようとする私の努力は当然のように笑い飛ばされてしまった。  確かに自分でもひどい顔をしているのだろうと思う。けどそれでも耐えなくてはならないという強い予感が私をそうさせていた。  もしされるがまま絶頂を迎えれば二度と戻ってこられなくなる、そんな予感だ。  私が、私らしくあるためにも耐えなければ…… 「沙織のマンコキッツいなぁ~ じゃあ今から動くからよ、沙織は"イクの我慢するの禁止"な?」 「へ? …………ん˝お˝っっっ♡♡♡」  猿田が私に思いっきり腰を打ち付けるのと、私が情けない声をあげて白目を剥いたのはほぼ同時だった。  体がビクッと大きく震えて、それから少し遅れて頭が絶頂したことを理解する。そうしている間も猿田は何度も何度も腰を打ち付けて、私は絶頂する。  歯を食いしばって堪え……てはいけない。私はイクのを我慢してはいけないんだから。そうすると私はあと何回イケばいいの?  妙に冷静な思考とは裏腹に、口からは鳴き声にも似た獣のような喘ぎ声が飛び出し、何回目かの潮を吹いた。  どれくらいそうしていたのかわからない。数十分だったのか、それとも数時間か。  気づけば私の中には猿田の精液が数回分出されていて、何度もイった疲労と気だるさで起き上がることもできず、涙や唾液まみれの顔もそのままに天井を見ていた。 *** *** 「沙織ちゃ~ん、ごめんね、待った?」 「いいえ、私もさっき来たところだから平気よ」  放課後。昇降口で待ち合わせた私と沙織はどちらからともなく手を繋ぎ、並んで歩きだした。  美琴の家でのお泊り会からはや一か月……色々と衝撃的だったことは確かだけれど、私たちの仲が進展したのも事実。  ふと目が合い、今ならイケるかもと顔を近づけ──────── 「おーすっ! 今日もアツいねぇお二人さん!」  ─────後ろから割り込んできた猿田さんに止められた。  彼は器用に両手を私と美琴の肩に回して胸を鷲掴みにし、体を思いきりもたれかけて筋肉質な肉体を密着させてくる。  この遠慮の欠片も感じさせない情熱的の一言ではごまかしきれないスキンシップ、以前の私なら思いきり睨みつけていたかもしれない。  が、今は違う。 「あら、猿田さん。放課後なのにお元気ねぇ」 「もー猿田さんいきなりだとビックリしちゃいますよ~」  彼の力強い腕が制服越しに自分の胸を掴む感覚にも、湿った吐息が鼻にかかる感触も不快ではない。むしろ男性的で好ましささえ感じる。 「いや~ 沙織も随分丸くなったよなぁ、前まであんなにツンツンしてたのに今では敬語まで使ってさ」 「別に……私はルールに従ってるだけですので」 「そんなこといって、沙織ちゃんが提案したのにね~」  そう言って笑う美琴の言には言い返さず、少しバツが悪くなって視線を逸らす。  あの日のお泊り会での体験を経ていかに"男"という存在が偉大か思い知らされた私はそれまでの態度を反省し、率先して男性を敬うようになった。  クラスで【女子が男子と話すときは後輩や同級生相手でも敬語を使うようにしよう】というルールを提案したのもその一つ。  さすがに困惑する子もいたけど結局賛成多数で可決され、今では皆学校どころか放課後や休みの日でも守っている。ほかのクラスでも参考にして取り入れようという声が上がっているらしい。もちろん女子から。  そして、私が提案して決まったルールはもう一つある。 「なぁ~俺昨日からめちゃくちゃムラムラしてんだよぉ~ 抜いてくんね? な?」 「えぇ~ 私たち今からクレープ食べに行くところだったのにぃ~」 「ダメよ美琴、ルールなんだから」  そのルールとは【女子は男子の性欲処理を手伝ってあげよう】というもの。  それはもちろん、手でも、口でも、胸でも、あるいは……女の子の体ならどこでも。  頼まれたならよろこんでOKして、全身を使って誠心誠意ご奉仕しましょうという実に慈愛に満ちたルールだ。これも今では反対する女子はいない。 「クレープ食べるよりよっぽど良い気分にさせてやっからさ! な?」 「そんなに何度も言わなくたって私たちに拒否権はないんだからいいんですよ。行きましょ」 「んー……ま、仕方ないか。沙織ちゃんとどっちがたくさん使ってもらえるか勝負しようかな~」  三人で談笑しながら帰路に着く。ブームに乗せられるのも悪くないと、初めて思った。


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