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もんてすきゅー
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【2,974字】気に入らないパンケーキを叩き潰すワガママな女性のお話

※このお話には残酷な表現および不謹慎な表現が含まれています。 [newpage]  ある日、突然現れたかと思えばその圧倒的な力で瞬く間に世界を征服してしまった一人の美少女。  彼女は一人たりとも人間を殺さずに世界の支配者となった次の日、世界中に向けた放送の中でこう宣言した。 『私、おっぱいが大きい子が好きなの!だから、今日から世界中の女の子は、胸が大きいほど特別な存在になるの!』  こうして、世界に敷かれていた規律は根底から覆される。  それは、すべての男性と、胸の小さな女性たちにとって暗黒の時代の始まりだった。 [newpage]  ズシーンズシーンズシーン!  晴れやかな昼下がり、とあるオフィス街にとてつもない轟音が一定のリズムで響き渡る。その音の正体が何なのか、考えるまでもなく理解した人々は少しでも遠ざかろうとすべてを投げうって走り出した。 『今日はどれにしよっかなー。あ、パンケーキ専門店かな?映えそうだしこれにしよっ♪』  その轟音の発信源。それは、Iカップ級にカテゴライズされる一人の女性だった。人間の256倍という巨躯を誇る彼女は、その力の根源を見せつけるように大胆に胸元が開いたオフショルダーのトップスに際どすぎるほど短いミニスカートという視線を集める装いで人間の街に君臨している。 『サリの通り道にビル建てるとかマジないんだけどw壊されても文句ないよねww』  そう言って180m近くもある長い右脚を持ち上げた彼女は、悠々と跨ぎ越せるほど小さな30階ほどのビルの真上へとわざと踏み下ろした。真っ黒なピンヒールのロングブーツがその建物に触れた途端、靴底の形そのままにあっけなく沈み込んで内部のフロアをそこに居た大勢の人たちごとグシャグシャに踏み壊していく。 『ほらほら。チビはチビらしく頑張って逃げてみれば?無駄なんだけどさww』  彼女が人間の儚さを嘲笑うような言葉を吐きながら楽しそうに脚を踏み下ろすたび、その強大な力が足元を逃げ惑う虫ケラのような人々を蹂躙する。老若男女問わず慈悲さえ与えられないその一方的な殺戮は、人間の2~16倍、B~Eカップ級程度しかない”小さな”女性たちでさえ逃れられないものだった。 『って、お遊びはこれくらいにして、と。すいませーん、パンケーキ1つー。』  彼女が話しかけたパンケーキ専門店は、女性たちをメインターゲットに据えた新しいタイプの店だった。そのため、人間の32倍であるFカップ級までであれば対応可能だったものの、当然ながら256倍ともなると不可能に等しい。それでも、両隣のビルを踏み潰されて逃げ場がなくなったことで、精一杯ありったけのパンケーキを提供することしか出来なかった。 「お、お待たせしました…こちら、パンケーキになります…」  そう言ってオドオドしながら配膳してきたバイトの女性も人間の32倍、およそ50mという大巨人であるはずだった。しかし、履いている靴でさえ自分より遥かに大きい彼女の前では人間より少し大きい程度でしかなく、彼女の次の行動を恐る恐る見上げながら震えている。 『…サリが食べたいのはこれぢゃなーい。』  おどけたようにそう言った彼女は、つい今しがた提供されたばかりのパンケーキに向かって左手で作った握りこぶしを勢いよく振り下ろす。これまでの歩行時よりも遥かに大きな衝撃とともに地面に打ち付けられたその手の下では、パンケーキとともにすぐ傍で立ち尽くしていた店員までもがあっけなく叩き潰されてしまった。 『うわ、汚ねえwww』  ブチュリと周囲に飛び散った赤い肉片は厨房の奥で震えていたより小さな女性たちへと振りかかり、あまりに凄惨なものを見せつけられたショックで次々と気を失っていく。そんな女性たちに追い打ちをかけるように、ゴテゴテに彩られた長いネイルが伸びてくる。 『仕方ないから代わりにアンタらで我慢したげる。』  長い爪で乱雑に女性たちを挟んでは次々と摘まみ上げていくものの、小さめな女性はその圧力に耐え切れず運ばれる途中でブツブツと切断されてしまう。しかし、最初から食べる気などさらさらなかったのか、手足や胴体が千切れながら地面に打ち付けられ絶命していく女性たちをニヤニヤと悪い笑みで見下ろしていた。 『特警よ!!』 『そこの貴女!これ以上はやめなさい!』  そんな彼女の背後から、2人の女性が精一杯震えを隠した声でそう叫ぶ。同じ制服を纏ったGカップ級の彼女たちは、人間の64倍という途方もない大きさを活かして主に女性による犯罪への対処を担う特別警察官だった。 『やっと来たんだおまわりさん。もうだいぶ死んじゃってますけどー?ww』  そんな巨人でさえしゃがみ込んだ彼女の背丈よりも小さく、グオオーという音とともに立ち上がった彼女が作り出す影にすっぽりと隠されてしまう。4倍という体格差は2:1という戦力差を簡単に覆せてしまうほど大きく、物理的に制圧することは事実上不可能だった。 『さて、私は別に悪いことしてないので帰っていいですか?』 『なっ…!』 『この惨状を見てどの口が言う!!』  大巨人3人の周辺では無数のビルが倒壊し、靴跡だらけになっている道路には使い物にならなくなった自動車たちと逃げ道がなくなって茫然としている僅かな生存者たちで埋め尽くされている。たった一人の女性の些細な行動によって引き起こされた惨劇は、たった数分の間に数万を超える犠牲者を生み出していた。 『えーっとー。わざとじゃなかったんですぅ。ごめんなさぁい♪』 『そんな言い訳が通じっ…!がはっ…!』 『ほんとですよぉ?』  まるで人形のように2人の特警を掴み上げた彼女は少しずつ握り込む力を強めていく。頑丈なプロテクターがバキバキと凹む音が2人に死の恐怖をもたらし、かろうじて保たれていた正義の心は簡単に折れそうになっていた。 『この辺にはIカップ級はおろかHカップ級さえ居ないのは知ってるよ?』 『…!!』 『…そ、れ、とー…けーさつの方なら知ってますよねぇ?私たちに適用される特別法を。』  人間の100倍を超えるHカップ級以上の女性にとって、人間社会での通常生活は極めて困難なものとなる。些細な行動でさえ人的、経済的な損失を生み出してしまうことも日常茶飯事であり、それらの問題を回避するため『故意ではなく過失であれば相当程度までの罪を免除する』という、いわゆる巨人法が制定されていた。 『これは、明らかに、過失ではな…ッ!?』 『それについてはあっちでよーーーく話し合いましょうね♪』  そう言って未だ足元近くに居る人々を適当にブーツの靴底で撫でつけると、被害の小さかった方向に向かってズシンズシンと歩いていく。  大勢の悲鳴とたった一人の嗤い声が止んだのはそれから数十分後。2人の現職特警によって過失であると確かに認定された彼女は、10万を超える犠牲を出しながらもなんの罪にも問われることはなかった。 『あ、あとでさっき撮った動画SNSに上げよーっと。また大炎上してバズるなこれwww』 完


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