【8,373字】巨大異星人の暇つぶしのために蹂躙されてしまうお話
Added 2020-12-07 17:27:40 +0000 UTC※このお話には残酷な表現が含まれています。 [newpage] 「やっほー。地球人のみんな。この辺の街はついさっき私が買い取ったから、みんなは私の所有物だよ☆」 チビで下等な生物しか住んでないド田舎惑星、地球。 私たちJKのお小遣いでさえ手軽に買えちゃうこの街には、なんと数十万匹もの人間がいるらしい。 「出られないようにしてあるから逃げても無駄なんだけど…そのほうが楽しいから頑張って逃げてね~。」 優しい私はいつものように一通り伝えるべきことを言い終わってからゆっくりと右足を持ち上げる。 学校の制服には少しだけ似合わないかなと思いながらもついつい履いてきちゃうハイヒールの靴底からは薄べったい板状に変化した乗り物が剥がれ落ちていく。 「とりあえず人間が多そうなこの箱を…えいっ♪」 大して力を込めたわけでもない右足が20階建てくらいのビルの天井に触れた瞬間、何の反発もくれないままあっけなくその中身をぐしゃぐしゃに押し潰した。 まるで私が重いからだと言われたようで腹いせに足を揺すってみれば、やっぱり柔らかい内部の構造物がふくらはぎに押し倒される形で外側へ向かって倒れてしまう。 「んー、これでも一応3,000匹くらいは減ったんだね。全然わかんないけど。」 空中に表示されている半透明の数字が自分の行為がもたらした結果を客観的に教えてくれるけど、あまりにも実感がなさすぎてピンと来ない。 そう思った私は箱の中に詰まっている方ではなく足元を埋め尽くしているほうを狙うことにした。 「あはっ!逃げてる逃げてる。私と追いかけっこしようねー♪」 うじゃうじゃと蠢くそれを少しだけ気持ち悪いなぁと思いつつも足の幅くらいしかないその道を小幅にぺたぺたしながら追いかける。 足の小指ほどもない彼らを踏んだ感触なんて全然わからないけど、通り過ぎたところを振り返ってみれば長細い三角と小さな丸の形に赤い跡が残っていた。 「あらら。私が足を下ろした場所が真っ赤になっちゃった!私はただ歩いただけなんだけどね~♪」 ただの一女子高生の気まぐれで命と尊厳を奪われていくなんてどんな気分なんだろう。 私がそんなことをぼーっと考えながら道なき道を踏みしだいていくことで、本来は死ななくていいはずだった人間たちがその短い生涯を終わらせていく。 「はぁ、なんか飽きちゃった。手応えなさすぎてあんまりイジメてる感ないな~。」 大きめのビルを蹴り倒してドミノ倒しみたいにしてみたり適当に走り回って二次被害っぽくしてみても、どこか子供の遊びのような感覚にしかならなくてイマイチ盛り上がりに欠ける。 もちろん人間からしてみればお年寄りから赤ちゃんまで数万もの命が無差別に奪われているわけで、自分たちの命に何の価値もないんだよなんて感想は受け入れられないだろうけど。 「もっと私を楽しませてよー。じゃないと全滅させちゃうぞー。」 そうしていよいよ犠牲者数カウンターが6桁に達した頃、ついに私は虫ケラ相手に自発的なサービス提供を要求するに致る。 もちろん何をされたところで楽しめるとは思っていないので一種の言葉責めみたいなものでしかない。 「ま、大した反応をくれない相手に言ってもツマラナイんだけどねぇ。」 物理にしても精神にしても責めなんてのは反応があってこそ快感になるわけであって、ただの数字以下の価値しかない人間さんを責めたところで虚しいだけだった。 こんなことなら友達とカラオケにでも行ったほうが良かったかもと思い始めた頃、私の母船が何やら聞いたことのない音を発している。 「はいはい、なんですかーっと。んー…?未確認、飛行物体…?」 戻ろうかと振り返れば意外にもその音は遠く、瓦礫と足跡だらけの道の先に小さく見えるだけだった。 代わりにポケットから端末を取り出して呼び出し内容を確認してみればこれまで見たこともない注意事項が表示されている。 「どっかの宇宙船かな?ま、私は自分が買ったエリアからは出てないはずだし大丈夫だよ…ね…?」 そう呑気に考えていると遥か空の上からとんでもなく巨大な宇宙船が音もなくすーっと下りてきていた。 この星が回っている1つしかない恒星からもたらされていた明るい光はそのほとんどが遮られ、私が所有するエリアだけでなくその周囲までもが一瞬で真っ暗闇へと変化する。 「ちょっ、いきなり人の場所の真上に来るなんて、マナーがなってないんじゃないのっ!」 それでもまだ動くことなく空に向かって怒りをぶつけていた私は状況を正しく理解できていなかったと言える。 所詮は世間知らずの女子高生でしかない私に現実の厳しさを突きつけたのは、あまりにもスケールが違いすぎる巨大なハッチが開くと同時に身を乗り出してきた存在だった。 『反応はこの辺りだったけど…』 「なっ…に、よ…あれ……」 見た目だけなら私のお母さんと同じかもう少し上くらいの、綺麗めではあるけれど至って普通のおばさんだった。 まるでスーパーに買い物にでも行くような格好と、いくら見上げても全身が視界に収まりきらない巨体というミスマッチささえなければ、だけど。 『こんな何もない星にどうしてワープ反応があるのかしら。』 「はっ!私の母船…!」 彼女の発した言葉に思わず自分が乗ってきた船の方を見てみるも、いくつかのビルを押し潰す形で人間の街の真ん中に停泊しているそれの真上へとあまりにも巨大な足がゆっくりと下りてきている。 私自身がこの星では巨人であることを忘れてしまうくらいの圧倒的な脅威が、今まさに私の帰宅手段を奪おうとしていた。 「だめぇええええ!!!」 『んしょっ…と。』 「きゃあっ!!」 足指だけでさえ私の何倍も大きいその巨大な素足の下に、私が破壊した範囲が可愛く思えるほど広大な街並みが一瞬で消えてしまう。 見上げなければならないほど大きな親指は私の母船を一瞬で踏み潰しただけでなく、圧縮した大気の圧力によって私の身体をまるでゴミのように吹き飛ばした。 『あら。反応が消えちゃったわね。』 「そ、そんな…やだ、殺され…るっ…!」 遥か遠くに踏み下ろされたもう一つの足でも同じように天変地異級の大破壊をあっけなくやってのけた彼女は、しゃがみ込んで足元をキョロキョロと見回し始める。 次の1歩が踏み出されなかったことによってなんとか命をながらえた私は、周囲を覆い隠す巨体によってもたらされる生まれて初めての死の恐怖というものを嫌というほど味わっていた。 『うーん。周りも少し白っぽい地面があるだけよねぇ。』 「ひぃぃぃ!?」 私が走る左斜め前方に突然ビルのような人差し指が突き立てられたかと思えば、ズガガガガという巨大な音を立てながらこちらに向かって猛スピードで接近してくる。 その巨大な指は彼女からは見えていないであろう街並みや人間たちを挽き潰しながらすぐ目の前を横切っていっていき、彼女が少しでも手前に指を動かしていただけでミンチのように磨り潰されていたかと思えば恐怖に腰が抜けて立ち上がることさえ出来ない。 『…何かの間違いだったのかしら。時間を無駄にしたわね。』 そう言って立ち上がっていく彼女を足元から見上げてみれば、以前気まぐれに地球人視点で撮影した私なんかよりも遥かに大きく見える。 そんな巨神を前にして茫然自失な状態で何も出来ない私の頭上に、ほんの僅かな時間で500万を超える人間を消し去った巨大な足の裏が翳された。 『適当に散歩でもして帰りましょ。』 「やだ、死にたくない、助けて!!」 もちろん砂粒の如き大きさの私の声が聞こえるはずもなく、彼女の素足は私に向かって真っすぐに踏み下ろされた。 にも関わらず、周囲を一瞬で平らにした足裏の窪み、所謂土踏まずのおかげで地面と同化することを免れた私は、またしても砂埃のように吹き飛ばされて両足の間へと放り出される。 「けほっ、げほっ…な、なんとか、助かっ…」 『ふふ、可愛い子、見ぃつけたっ♪』 「!!!」 束の間の安息さえもたらされることもないまま、私を見下ろす巨大な瞳と目が合ってしまい背筋が凍るような錯覚に陥る。 ニタニタとイジワルそうに微笑んでいるその顔は年齢よりも幾分幼く見え、それがまた得も知れない恐怖となって私を追いつめた。 『こんなところでどうしたの?迷子かしら。』 「え、っと、その、遊んで、てっ…」 『そうなの。一人でも帰れる?』 「そ、それは、もち…」 子供扱いしないでくださいよと、そこまで言いかけて帰る手段を失ってしまっていることに気付く。 このまま放っておいてもらうべきか、甘えてもいいものか、箱入り娘として育ってきた私が選んだ選択は孤独を避けた後者だった。 「えっと…母船、壊れちゃって…」 『あら。って、もしかして私が踏んじゃった?』 「…言ってしまうと、そうですね。」 『そうなの、気付かなくてごめんなさいね。それならなおさら送ってあげないとじゃない。』 「出来れば、お願いしたいです…」 『うふふ。いいわよ。』 初対面の人に甘えるのは少しばかり気が乗らなかったものの、身体が大きいことも相まってある意味で本当のお母さん以上の母性を感じてしまったのかもしれない。 優しく丁寧に摘まみ上げてもらって彼女の宇宙船に乗り込むと、他だと危ないからねと案内された場所はまさかの胸の谷間だった。 「え、あの、さすがにここは…」 『恥ずかしがらなくていいのよ。さて、お家はどこかしら。座標を教えてもらえる?』 「…はい。アンドロメダ銀河の…」 知らないおばさんの胸の谷間にお邪魔することになるとは思わず少しばかりむずがゆいけど、思いのほか悪くない居心地に滑らかになった口が母星の座標を紡いでいく。 そうして私から聞き出した情報をナビゲーターに入力して星の情報を軽く読み取った彼女はニヤりと歪んだ笑みをこぼした。 『…へぇ。人口100億近いの。立派な星なのね。』 「はい…一応、宇宙進出もしてます…」 『そうなのね。これまで会ったことがなかったから知らなかったわ。教えてくれてありがとね。』 「い、いえ。それは送ってもらうこちらのセリフで…」 『…ふふ。ここは楽しめそうね。』 「え?」 彼女の言葉の意味がわからず疑問が言葉となってそのまま漏れ出すも、彼女は意に介さなかったのか誰かと通信を始める。 私たちの星には存在しないほど巨大なモニターに映し出されたのは彼女と同じような年代のおばさんの姿だった。 『ねぇ、暇つぶしによさそうな星を見つけたんだけどこれから一緒にどうかしら。』 『あら、そうなの。ちょうど暇してたのよねぇ。拾ってもらえる?』 『わかったわ。また後でね。』 「え、なにが、え、どういう…」 あっという間に終わってしまった会話の中に聞き捨てならない単語が入っていたような気がするものの、あまりの状況に頭が混乱して追い付かない。 ただ一つだけ確かなことは、この女性は私にとって、私たちにとって脅威でしかないということだった。 『ふふふ。送り届けてあげるついでに少しだけ観光させてもらうわね?』 「そんな、ダメ、です、よ、こんな、大きな…」 『あら、女性に大きいなんて言っちゃダメじゃない。でも、貴女は小さくて可愛いわよ。』 「待っ、やだ、お願い、ですからっ…!」 ほんの数分前まで地球で繰り広げられていた巨人による一方的で不条理で無慈悲な殺戮が、今度は私の故郷で行われようとしている。 脳裏に次々と思い浮かぶ家族や友達の顔が、さっき見せつけられた巨大な足裏に上書きされていく。 『ふふふ…心配しなくてもすぐお家に帰れるわよ。』 「いや、いやぁあああああ!!」 喉が枯れ果てるほどに叫んだその声も、彼女の可笑しそうなクスクスという笑い声に簡単にかき消されてしまう。 こうして小さすぎるがゆえに彼女に認識さえされなかったこの星の人たちは、いくつも刻み込まれた10万倍サイズの足跡と数百万という膨大な犠牲と引き換えにして星そのものの安寧を得たのだった。 ☆ ☆ ☆ 『うふふ。よくこんな良い星見つけたわね。』 『でしょ?名前も忘れちゃったけど田舎の星でたまたまこの星の子を見つけて教えてもらったの。ツイてたわぁ。』 私の頭上で交わされる彼女たちの下卑た笑い声がキツく塞いだ耳を無視して直接脳内へと叩きつけられる。 ドスンドスンと振動が伝わってくるたびに私を閉じ込めている胸の谷間が弾むように揺れ動き、ポケットにしまい込んだままのケータイからは非常事態を知らせるけたたましい音が止まることなく鳴り響いていた。 『でも、そこそこ大きい方とはいえ所詮1,000分の1サイズだと踏んだ感触もないわね。』 『あら、そう?裸足だとけっこう気持ち良いわよ。ほら、この辺りなんて色々と建物が集まってるし踏んでみたら?』 『そうね、それじゃ試しに…』 「そ、そこは…やめてぇえええ!!」 もちろん私の叫び声が届くはずもなく目の前のオバサンは安物っぽいサンダルを適当に脱ぎ捨てると、その巨大な2つの裸足でいまだ無事だった足元の街並みの上をぺたぺたと歩き始めた。 学業地区だったそこからはおそらくたくさんの生徒たちを逃がそうとして何台もの飛行バスが飛び立とうとしていたものの、十分な高度に到達する暇も与えられないまま一方的に行われる蹂躙の巻き添えとなってその足裏に消えていく。 『ホントね。クシャクシャって感じがして気持ち良いわぁ。』 『あらあら。ちなみにその辺り、学校ばっかりだったらしいわよ?酷いことするわねぇ。』 『ふふ、ごめんなさいね?こんなオバサンに殺されちゃうなんて、次はもっと大きく産んでもらうのよ~。』 数万を超える子供たちの命を奪ったというのに一切悪びれる様子もないところを見て、この人たちとは根本的に価値観が異なるのだという現実を突きつけられる。 私は自分の命惜しさに、大切な故郷へとんでもない化け物を招き入れてしまった。 『そう言えば今日、うちの子から聞かされたんだけど。もうすぐ受験なんですって?』 『そうよぉ。娘2人ともピリピリしちゃって大変なんだから。』 『大変ねぇ。うちも来年はそうなるのかしら。』 「…っ!」 なんでもない日常の一幕のように井戸端会議を始めた彼女たちの足元では、今この瞬間も多くの罪のない人たちが生きながらえようと懸命に藻掻き、足掻き、そしてそれが何の意味もなさないほどあっけなく一方的に踏み躙られている。 彼女たちにとって爪垢ほどの大きさしかない私たちの存在なんて、数万と集まってようやく踏み潰した感触をもたらすことが出来るかどうか程度でしかないんだろう。 『映画で思い出したけど、この子たちから見れば私たちが外宇宙からの侵略者ってことになるのよね。』 『そうねぇ。でもこんな映画大コケよきっと。』 『一切の希望がないものねぇ。』 数百年の歴史を持つ古き良き街並みも、ここ数年で目まぐるしい進歩を遂げた大都会も、彼女たちの足裏の元では何もかもが平等だった。 怪獣ごっこと称してわざとらしく蠢いている数本の足指はただそれだけでそのあたりの高層ビルよりも大きくて、ケタケタと笑う持ち主の意向に沿って少しずつ前進していくその怪物は地上のあらゆる乗り物が逃げきれないほどの速度で数多の避難民を飲み込んでいく。 『あー可笑しい。暇つぶしにはちょうどいいわね。』 『これ以上ないほど最低な侵略者ね私たち。』 『この星に生まれなくて良かったわぁ。』 「…!!」 彼女たちにとってはただの暇つぶしの道具でしかなくても私にとってはかけがえのない故郷だったのに。 私を包み込んでいるこの温かく柔らかい肌から伝わって来る笑い声に反発するように拳をぶつけてみたところで、僅かな凹みを作ることさえさせてもらえずに圧倒的な弾力でもって易々と跳ね返される。 『そうそう、貴女のこと忘れてたわ。ねぇ、お家はどこかしら?送って行ってあげるわよ。』 「…嫌です。誰がそんなこと…!」 そんな私のささやかな抵抗に気付いたのかどうかはわからないけど、予想外にもたらされた聞こえのいいお誘いに当然ながら断固拒否の姿勢を示す。 すでに数百万を超えて犠牲になってしまった人たちには悪いと思いながらも、せめて家族だけは守らなければならないから。 『そう。最期のときは家族で過ごすほうが幸せだと思うけれど。本当にいいのかしら?』 「なっ…」 『どちらにしろこの星はあと数日しか持たないでしょうね。人生の先輩からの優しさは素直に受け取っておきなさい。』 「!!!」 私にとっての地球がそうだったように、彼女たちにとっても少し遊んで帰ってくれるものと勝手に思い込んでいた。 でも、この人たちは私とは違って星中を蹂躙し尽くして私たちを皆殺しにすることさえ厭わないらしい。 『あの子たちから返事来たわよー。もうすぐ着くらしいわ。』 『仕事のはずなのにこういったことには反応が早いんだから。結局何人で来るって?』 『んー、合計で23人ね。私たち込みなら25人。』 『…だそうよ?思ったより時間はないんじゃないかしら。』 「…」 たった一人でさえこの星を滅ぼせてしまえそうな巨大な女性がこれから20人以上もやってくるなんて。 数万年の歴史を作り上げて宇宙へも進出し繁栄を極めていた私たちの種族は、どこの誰とも知らないオバサンたちの息抜きなんかのために本当に滅ぼされてしまうんだろう。 「…ずっと、ずーっとあっち、です。」 ☆ ☆ ☆ 『じゃあね。短い時間だけど大切にね。』 私を実家がある隣国まで送り届けてくれた彼女はその途上で数百万にのぼる尊い犠牲を生み出しながらも、私と家族には手を出さずに元来た道を帰っていく。 器用にもうちの家だけを避けるように踏み下ろされた右足の下、周囲に並んでいたはずの他の民家はすべて大きすぎる足指の下で平らな瓦礫へと変わっていた。 「…ただいま。それと…ごめんなさい…」 「いいのよ…とりあえず、中に入りなさい。」 すべてを察したような顔で私を受け入れてくれたお母さんの顔を見た私は、堰き止めていた思いが涙と一緒に溢れかえってきてたまらずお母さんに抱きついた。 私を守るためという理由で見渡す範囲から一切の建物という建物が踏み潰されて消えていく光景をお母さんはどんな気持ちで眺めていたんだろう。 「私、がっ、私が、あの人、たち、をっ…」 「どうしようもなかった、そうでしょ?自分を責めないでいいの。」 私たちの後ろにあるテレビは世界中に巨神が降臨しなすすべもなく蹂躙されていく街や国の状況を伝え続けている。 見た目はただのオバサンでしかないにも関わらず、政府軍による反物質兵器を用いた迎撃作戦さえなんの効果も得られないまま私たちの世界の形はただ一方的に書き換えられていく。 「でもっ…こんなの、酷いよ…」 「そうね…地球の人たちも、そう思ってたのかしら。」 「あっ…」 テレビの中、逃げ惑う大群衆を追い立てるように巨大な素足を滑らせて無数の命を刈り取りながら笑い合っている彼女たちの姿は、もしかすれば私たちが数十年後に他の星で行っていたことなのかもしれない。 この状況も私たちのおごりが招いたものなのかもしれないと少し思案に耽っていると、再び大きな揺れが近づいて来て思わず窓から外を見上げた。 『この辺まで綺麗だと思ったらあっちは手つかずじゃない。次はどうやって遊ぼうかしら。』 「お母さん!こっちに巨人が!」 「えっ…そ…」 一瞬でやってきた暗闇がもたらした終焉のせいでお母さんの動転した声は最後まで聞くことはできず、私の目に映った最後の景色はタコだらけの白ばんだ足裏で。 来世では歳を取っても足のケアは念入りにしなきゃ、なんて思いながらそこで意識は途絶えたのだった。 完
Comments
ありがとうございます。 コメントはいつ頂いても嬉しいのでお気になさらず~。 私も大勢描きたかったのですが、なかなか表現が難しくてですね…精進します><。
もんてすきゅー
2020-12-28 12:31:47 +0000 UTC遅いコメント、申し訳ありません。ストーリーについての突っ込んだコメントはありませんが、とても良かったです。異世界を蹂躙する巨大おばさんのことを書いてくれるのは、いつもいいですよね。地球規模の大虐殺をするよりも、仲間と一緒に歩いているような印象を与えるので、彼らが多いとさらに良いです。お疲れ様でした!
2020-12-27 16:48:28 +0000 UTCありがとうございます。 まとめられるほど書いては…いたかもですね(*ノェノ) おばさんみがあるかは置いといて、なんとなくマイブームなのでまた書くかもしれません~
もんてすきゅー
2020-12-09 12:10:37 +0000 UTCもんてすきゅーさんのおばさんに侵略される系のお話めっちゃ好きです!
2020-12-09 09:01:33 +0000 UTCありがとうございます。 なぜだか上手く説明できないですけど何か良いんですねぇ…!
もんてすきゅー
2020-12-08 15:23:24 +0000 UTC普通のおばさんが超巨大なのめちゃくちゃエロくて好きです…!
寺田落子
2020-12-08 02:20:39 +0000 UTC