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【6,179字】寝坊した巨大サンタ娘が日本中にクリスマスプレゼント(巨大娘)を配って回るお話

※このお話には残酷な表現はたぶんそんなに含まれていませんが、舞台は現実です。 [newpage]  2020年12月26日、もうすぐで15時になろうかという頃。  とある場所に存在する、とある寝室に、ベッドから勢いよく飛び起きた少女が居た。  「ね、ね、寝過ごしたぁぁあああ~~~!!!」  枕元の時計を見るなりそう叫んだ少女は白銀の長髪を振り乱しながらもこもこルームウェア姿でクローゼットへ駆け寄ると、大胆にポンポン脱ぎ捨てながら洋服を漁り始める。  かなり慌てているせいか次から次へと取り出された衣類たちは「これじゃない!」との一言とともに元の場所へ帰されることなく宙を舞う。  少女が新たな装いに変じて部屋を飛び出したのはその僅か5分後だったが、少女らしい可愛い部屋は見るも無残に散らかった状態のまま残されていた。 [newpage] 『え、えーっと…こほん。日本の皆さん、メリークリスマス~♪遅刻してごめんなさいっ!ちょっと寝過ごしちゃいまして…』  日本の首都、東京。  12月の25日から26日へと日付が変わった途端、あれほどまみれていたはずのクリスマスムードが一瞬で消え去り世間の意識が年越しへ傾いているこの国に、彼女はやってきた。 『それに、ちょっと慌ててたせいで、間違って元の大きさのまま来ちゃいました…でも!急いで配り終えたいのでちょうどいいかもって前向きに考えますっ!』  東京中の人間が唖然として見上げているのは、まるでアプリゲームの期間限定SSRのような際どく可愛らしいミニスカサンタ衣装の超巨大美少女だった。  冬真っ盛りだというのに上は半袖、下はミニスカート、胸元には大きく窓が開いていて魅惑的な谷間が覗いており、大変魅力的であると同時に見ているほうまで寒くなる。 『あ…浮遊用ブーツも履き忘れて来ちゃった……出来るだけ踏まないようにするので、ごめんなさい~!』  そう申し訳なさそうに言いながらも彼女が右足を持ち上げていくと、人間の1万倍という途方もないサイズの巨大な影が街並みを夜へと変えていく。  ようやく命の危機が迫っていることを理解し始めた付近の人間は慌てて逃げ始めるが、彼女の長さ2kmを超える素足は躊躇なく最初の第一歩として地表へ足跡を刻み付けた。 『ひゃっ…うぅ…やっぱり裸足だと冷たいよぅ…』  その姿からすればツッコミどころでしかないようなその呑気な発言とは裏腹に、踏み下ろされた羽田空港本島の中心部が一瞬で圧縮され彼女の足の下に消えていた。  不運にもそこに居た年末旅行で賑わう数万を超える人々は、各ターミナルビルや数十台もの航空機と共に彼女の足裏にへばりつくゴミと化し、もはや個々人の判別はおろか人間と残骸の区別すら出来ない状態になっている。 『って、そんなこと言ってられないよねっ!一軒目は、世田谷区の…』  再び歩き出した彼女は手元のスマホ画面と足元に伸びるほんの少しだけ太い道路を目印として見比べながら、真っ直ぐ北西方向へと歩みを進めていく。  通り道になった大田区は蒲田から田園調布に至るまで、まるでそこに何も存在しないかの如くぺたぺたと歩く彼女によって、一面に広がっていた住宅街は土踏まずの部分を残して綺麗な足型の更地へと変えられてしまう。 『えーっと、この辺かな?…わ、足跡残っちゃってる…恥ずかしいよぉ…』  身長16.5kmという超巨大生物の突然の襲来に避難を考える猶予さえ与えられなかった数百万もの人たちが眠っているその場所に、彼女が抱いた感想はといえば年頃の少女相応な可愛らしいものだった。  紙一重の激運で踏み潰されずに一命を取り留めた僅かな人たちは、悪意や悦楽といった目的さえなく大殺戮を行った巨大美少女をもはや人知を超えた存在として無気力に見上げることしか出来ない。 『うん、お手紙くれた子はここで間違いなさそうかな?』 ”彼女が欲しいですが、以前親友に女同士なんて気持ち悪いと言われたショックが忘れられず次の一歩が踏み出せません。どうかサンタさん、私に勇気か、もしくは長身爆乳美女お姉様な彼女をください。” 『…くぅ~!私は、女の子同士の恋愛を全力で応援しちゃうからねぇっ!!』  改めて手紙の内容を読み直して感激したらしい彼女は、背負った白い袋に右手を突っ込んでガサゴソと何かを探し始める。  そうして数秒後、袋の中から出てきた彼女の右手には人形サイズの美しい女性が握り込まれていた。 『他の星の子なんだけど、条件にピッタリな子を連れてきたよ!はい、メリークリスマスっ♪』  屈託なく笑いながらそう告げた彼女は女性の右足に足輪のような物を取り付けると、今度は杭のようなものを取り出してとある住宅の隣へと強く突き刺した。  複数の一軒家を地中深くへ埋め込みながら入れ替わるように高さ数百mの塔が建ったその光景に、彼女は満足そうに微笑むと手の中の女性をそのすぐ傍へと下ろす。 『うん、良い感じ!それじゃ、これからはここの子の彼女としてよろしくね~!』  身長1.7kmの彼女は自身が置かれた状況をイマイチ理解できておらず、自分の周囲に広がるミニチュアのような街並みを唖然と見下ろしていた。  オフィスカジュアルな服装にヒールの高いパンプスとつい先ほどまで働いていた最中だった彼女は、お尻についていた瓦礫を払いながら立ち上がると帰りたい一心でサンタ娘とは逆方向の街並みへと走り出す。 『あはっ!さっそく楽しそうに走り回っちゃって、可愛い♪』  言うまでもなく人間の1,000倍という巨体を誇る彼女もまた人間にとっては脅威であり、250mほどもあるパンプスによる絨毯爆撃は一踏みごとに数十もの建物を消滅させる。  遠くにいる人間はパツパツに生地を押し上げている大きな胸がぶるんぶるんと暴れるように揺れ動く様子に意識を奪われていたものの、足元を逃げ惑う罪のない老若男女は巨人が踏み荒らす街並みと運命を共にするしかなかった。 『あ、あんまり遠くには行けないようにしてあるからね。彼女さんと仲良くするよーに!それじゃっ!』  そのほんの数秒後、足輪と杭の間に半透明の紐のようなものが光ったかと思えば、そこまで走っていた勢いが嘘のようにそれ以上は前に進めず盛大につんのめってしまう。  元の星ではごく一般的な女性だった彼女は体勢を整えられないまま前方へ向かって転倒し、その巨体が街並みを影で覆ったのも一瞬のこと、何もかもすべてを押し潰す勢いで地面に叩きつけられた。 『…うん、そうなっちゃうから気を付けてね。』  ☆ ☆ ☆ 『次は三鷹市で~、その後は杉並区と練馬区か~。ふんふん。』  その後、急いでいたことを思い出した彼女は再び住宅密集地をぺたぺたと踏み潰しながら目的の場所を巡り続けていた。  両方の素足だけで神の如き圧倒的な力を振る舞う彼女に対して人類は余りにも無力で、すでにこの国に刻まれた長さ2kmを超える足跡の総数は優に3桁を超えており、その一歩ごとに数千から数万という膨大な数の尊い人命が失われてしまっている。 『次の子はー…』 ”きょぬーおぱいに埋もれたいです!顔ごと!いやむしろ全身で!” 『なるほどなるほど。女の子だってそういう願望持ったっていいと思うよ!私が直接してあげても良かったんだけど、時間がないから代わりにこの子にお願いしてねっ?』  申し訳なさそうな顔で彼女が袋から取り出したのはまたしても人間の1,000倍ほどの女性の巨人だった。  その後も同じように手と足に輪っかを付けて杭を刺すと、上半身の衣服を乱雑に破り取って下着姿を露わにさせる。 『おお、なかなかの大きさ…優しく包み込んであげてね。メリークリスマスっ♪』  そのまま女性をとあるマンションのすぐ傍まで持っていくと、その谷間で周囲の建物ごと挟み込むような位置へとゆっくり近付ける。  片方だけでも直径200m近いその柔らかな双子山は、ブラによる締め付けの力だけで既にいくつものマンションをグシャグシャと挟み潰し始めていた。 『あんまり動くとたぶん壊れちゃうから慎重に…って、ああー!言ったそばからぁー!』  両手足を拘束されろくに身動きが取れない彼女がせめてもの抵抗として身体を揺さぶった途端、ぶるんたぷんと別々に揺れ動いた両胸がむにゅりとぶつかりあって形を変える。  その間に存在していたいくつかの建物は中に居た人たちごと圧倒的な乳圧によって一瞬でぺしゃんこに押し潰され、今では少し汗ばんでいる彼女の胸の表面にゴミとして貼り付いていた。 『私、サンタさんだから。言うこと聞かない悪い子には厳しいんだからね?』  そう言って少しムッとした表情に変わったサンタ娘は未だに動けないまま藻掻いていた彼女の上に右足を乗せるとゆっくり体重をかけ始める。  身長1.6kmという巨体と持ち前の豊満な胸で人々を押し潰していた彼女でさえサンタ娘の足よりも小さく、その圧倒的な重圧によって肺の中の空気がすべて押し出され身体中からミシミシという悲鳴が上がり始めていた。 『みんなにプレゼントを届けるっていうこのお仕事、私は大好きなの。だから、邪魔されると怒っちゃうよ?』  新しく空気も吸わせてもらえず徐々に弱っていく彼女に対して、サンタ娘は踏む力を弱めるどころかそのまま足を上下左右に滑らせていく。  抵抗する力など残っていない彼女は成すすべなくまるで雑巾のように扱われ、その巨体の至る部位によって未だ無事だった三鷹市の市街地を建物や避難民ごと津波のように押し流してしまう。 『ぎゅっぎゅっ♪…ふぅ、これくらいで許してあげる。そこで大人しく反省しててね?』  そうしてようやくサンタ娘の足から解放された彼女は満身創痍で最後のダメ押しによりいくつかの骨が折れるほどの重傷を負っていたものの、命に別状はなく少したりとも動けない状態だった。  そんな彼女をそのまま放置したサンタ娘は次の目的地へ向かって再び市街地の蹂躙を再開する。  ☆ ☆ ☆ 『”巨大娘に会ってみたいです。できればJK希望。”んー、既に私で達成してるような気もしなくもないけどJKではないしねぇ。ってことで、一応JK置いとくね。』  と、巨大女子高生を置いて行ったり。 『”巨大っ!娘っ!のっ!百合っ!ハーレムっ!ものっ!!”…うわぁ。なんというか、凄い圧だね。でも、うん、気持ちはわからないでもないよ?』  と、少し微妙な顔をしながらも10人近い巨大女の子軍団を放ったり。 『”いっそサンタさんが巨大娘として来てください。ネタ被り?いえ、定番と言って欲しいですねっ!”…おっと、読んでなかったけどその通りになっちゃった!でも、私はあげられないから…これで許してね。ちゅっ♪』  と、投げキッスだけで終わらせ珍しくそこまで大きな被害を出さなかったり。 『うんうん。良い感じに配れたんじゃないかな?…まぁ、ちょーーーーーーっとだけ、東京が足跡だらけになっちゃったけど…えへへ。』  東京都内の23区を中心にぐるりと反時計回りにプレゼントとして巨大娘ばかりを配りまわった彼女は、現在地点の江戸川区から西を振り返ってつい零れてしまった感想を笑って誤魔化す。  目的地の特性上、住宅街巡りがメインだったこともあり進路にならなかった都内中心部の千代田区を含めたいくつかの区は幸運にも極めて小さな被害で済んでいたため、ドーナツ状に被害を受けた周囲の区からは生存者が殺到していた。 『流石に東京は多かったなぁ。私の担当する子って相対的にはかなり少ないはずなのに…それになんだか、毎年増えてきてるような…?』  「担当エリア:地球の日本全域」「対象者:女の子が好きな女の子(サンタに手紙を出した子のみ)」。  それが、数多いるサンタ娘の中でも彼女に割り当てられているお願いを聞き届けてあげる対象者の属性だった。 『さて、後は北は北海道から南は鹿児島までだけど、それを全部合計しても東京よりも少ないんだよね。しかもその3分の1は神奈川とか埼玉とかだし…相変わらず凄い偏り。さて、後は時間もないし走って…わわっ!?』  そう呟いた彼女が千葉方面へ向けて振り返ろうとした瞬間、空の遥か上空から圧倒的に巨大な存在が轟音とともにゆっくりと舞い降りてくる。  それは、浮遊ブーツを履いていることと髪の色がゴールドであること、そして彼女よりもさらに大きいことを除けば見た目がソックリなもう一人のサンタ娘だった。 『こーら。いつまでかかってるの。そんなことなら27日になっちゃうわよ?』 『お、お姉ちゃんっ!?どうして私の担当区に…?お姉ちゃんの担当は…』 『貴女と違ってアメリカにはちゃんと昨日のうちに配り終えてるわよ。あっちはもっと多くて大変なんだから。貴女がいつまでもかかってるから手伝いに来てあげたの。』 『そ、そうだよね…ありがと、お姉ちゃんっ!』  北アメリカ大陸担当である彼女の頼れる姉は、もちろん現地時間のクリスマスイヴ当日に通常サイズで即座に仕事を済ませていたため騒ぎになどなっていなかった。  それでも妹が東京中をメチャクチャに踏み荒らし700万人近い犠牲を生み出したあたりで見ていられなくなり、さっさと仕事を終わらせるべく人間の10万倍という本来より大きな大きさでやってきている。 『ほら、右手に乗って。座標近くまで運んであげるからプレゼントはぽいぽいっしちゃいなさい。』 『う、うん。でも、投げちゃったらみんなに危なくないかな…?』 『(今さらそれを気にするの…?我が妹ながら可愛い過ぎるでしょ…)大丈夫よ。ちょっとくらい減っちゃっても人間はすぐに増えるから。』 『そ、そっか。お姉ちゃんが言うなら、そうするねっ!』  日本の上空をふわりと舞う10万倍のサンタ娘の、そのさらに手のひらの上に居る1万倍のサンタ娘から、1,000倍サイズの巨大娘たちが次々と”クリスマスプレゼント”として投下されていく。  東京以外の地域は2km超の素足による直接的な蹂躙を免れたことと引き換えに、2km弱の巨大娘が雨のように降って来るというより甚大な被害を被ることとなった。 『メリークリスマス~♪メリークリスマス~♪えへへ、お姉ちゃんと一緒だと楽しいねっ♪』 『ええ、私も楽しいわよ。(ああ、でも。枷もしてないし、自由になったあの子たちに踏み荒らされて日本は…もしかしたら地球は終わっちゃうかもしれないわね。ふふっ♪)』  それから十数分と経たずして、日本中にプレゼントを配り終えた彼女たちは霧のように姿を消した。  こうして、日本には100人を超える1,000倍サイズの巨大娘たちが取り残されていたが、家に帰って姉妹仲睦まじく身体を重ねていた彼女たちにとってはもはや何の関係もないことだった。 完


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