【5,670字】大卒新人女子が就職していきなり辺鄙な田舎に飛ばされたお話
Added 2021-01-21 18:00:00 +0000 UTC※このお話には残酷な表現はたぶんないはずです。ぽっぷなふんいきです。 [newpage] 「行ってらっしゃい、お姉ちゃん!えっと、タンシン、フニン…?頑張ってね!」 「…うん。長期休暇もらえたら絶対帰ってくるからねっ…!」 「はい、これ。あと、忘れ物はない?」 「もう何回も確認したから大丈夫だってば~!…でも、お弁当ありがと、ママ。行ってきますっ!」 ☆ ☆ ☆ 念願かなって天下の公務員サマになれるー!と狂喜乱舞したあの日からはや半年。 優しいセンパイに手取り足取り研修指導して頂き、いよいよ本格的にお仕事…がまさか地元じゃないなんて。 「はぁ…ワープ9で3日もかかるって…一体どこにあるのよ、私の赴任地ぃぃ…」 自動航行装置に座標をセットして簡素なベッドに横たわった私の第一声。 業務内容も勤務地の情報もすべて頭に叩き込んできたマジメな私にとって、これからの3日間はただただ暇な時間でしかない。 「…まぁ、いっか。私の特技は『いつでもどこででも寝られること』だし!着くまでダラダラしてますか~。」 一応は業務時間とはいえ給料制なので起きてても寝ててももらえるお金は一緒。 サクッと頭を切り替えて不労所得とシャレ込むぜぇ…ぐぅ。 ☆ ☆ ☆ 『報告。外部から本船へ向けて通信あり。回線を開きますか?』 「…んぅ…?あれ、もう着いたの…ごめん、今どこぉ?」 『現在座標はX21ー01-21T。現地名称、太陽系第三惑星『地球』の周回軌道上です。』 あっと言う間にぐうたらな本性を曝け出し惰眠を貪っていた私は、機械チックながらもスンと透き通った美声によって叩き起こされた。 意識を半分あっち側に置きっぱのまま投げかけた質問への返答によれば、どうやらお仕事の始まるお時間らしい。 「マジかぁ。」 『はい。マジです。』 「だよね。そうだよね。嘘つかないもんねー。で、ごめん。質問なんだっけ?」 『通信が入っていますが回線を開きますか?事前の情報から、相手は地球の代表者と推測。』 「ん、よろー。」 つい最近『惑星連盟』に加盟した星、地球。 今日から私は資源管理担当官としてこの星に赴任し、これから最低でも半年は愛する妹にハグすら出来ない寂しい生活を送ることになっている。 『ご機嫌麗しゅう、管理官様。到着をお待ちしておりました。』 「あ、いえいえ。ご丁寧にどうも。」 ママと同じか少し上くらいに見えるこのおば…お姉さんがどうやらチキュージンの代表らしい。 事前に調べた情報によれば彼らの種族は男性優位という前時代的な社会制度だったはずだけど…変わったのかな。 『…早速、管理官様の歓迎式典を執り行いのですが、実は…』 「あ、そーゆーの大丈夫なんでお気になさらず。服着たらすぐそっち下りますねー。」 『そうではなく!待ってくだっ…』 「…ん?切れちゃった。ま、いっか。」 もぞもぞとベッドから抜け出してクローゼットの前まで歩いてからひと悩み。 とはいえいつまでもこの格好で悩んでいては風邪をひいてしまいそうだけど。 「下着…は最低限着けるとして…服なぁ。初日だし一応スーツ着て行きますかぁ。」 いわゆる裸族である私としては、出来ればこのまま何も身に着けない開放感と共にお仕事に取り組みたいところ。 ここなら妹から『おねーちゃんのへんたーい!』なんて鳩尾にグーパンをもらうこともないんだし。 「うっ、寒っ…ふざけてないで服着よ…」 ☆ ☆ ☆ 『転送完了まで、3、2、…』 「いよいよ、だねっ…!」 脳内に直接鳴り響くカウントダウンがゼロになると同時に、私のそこそこ自慢できるお身体が再物質化されていく。 人生二度目の異星へ降り立つこの瞬間はやっぱり期待と不安でドキドキするみたいだ。 『転送無事完了しました。』 「…ふふ。思ってた以上に見晴らしが良いなぁ。」 私たちと同じく一定程度の知性を備え宇宙進出まで果たした種族、チキュージン。 だというのに、彼らはなんと私たちの10万分の1サイズしかないという超ビックリな極小生命体なのだった。 「座標的に…うん。間違いない。この辺、この星で有数の大都市なんだよね?」 未だ惑星内に複数の統治国家が存在する未発達な地球において、この辺に浮いてるいくつかの島のようなものは『二ホン』と呼ばれる一つの国らしい。 中でもその首都である『トーキョー』周辺は人口数千万を抱えるこの星有数の大都市圏…だった。 「いきなり踏んじゃってごめんねー?私は、今日からこの星の資源管理担当官として赴任してきた…あ、現地語名とかあったほうが良いかな?じゃ…『アリサ』で。よろしくぅ!」 この星の単位に置き換えれば、身長160kmの私が履いているパンプスのサイズは22kmくらい。 で、今そのパンプスは両足とも『トーキョー』のど真ん中にあるから…つまりはそーゆーことだ。 「さてさて、みんなと同じ視点で私の麗しい御姿を拝見…って、デカっ!?」 林立している高層ビル群でさえ比較の対象にならず、私の全身はおろか真っ黒でドデカい”何か”しか見えない。 その何か、つまり新社会人向けまとめ売りセールで買ったリーズナブルなパンプスは、数百万のチキュージンが暮らす”街並み”を”ただの足元のゴミ”へと変えてしまうだけの存在感があった。 「チキュージン…までは小さすぎて見えないけど。頑張って逃げたりしてるのかな?ま、言うまでもなく無駄だからね~。」 とりあえずお試し感覚で左足を足の横幅分くらいだけズザザーとゆっくり滑らせてみる。 そうすると当然ながら何の抵抗も感じさせないまま街並みが靴底の下へと飲み込まれていって、『区』とかいう行政単位のいくつかが私の足の下で更地へと変わり果てた。 「想像してた以上にあっけないなぁ。私、チキュージンに生まれなくて良かったよー。」 そこまで口走って、彼らにも私やママ、そして妹のような子まで居るのかなと考えてほんのちょっぴり罪悪感。 ただの微生物じゃなくて知性を持っていてしかも見た目までソックリなんだから、気を緩めると感情移入しちゃいそうなのは気を付けないとだね。 「ん-、まだ1,000万くらいしか減ってないから…もうちょい減らすねー。」 手っ取り早く数を減らすには、たくさん集まっている場所から掃除する。 単純明快な方法で手早くお仕事を進めたい私は、おろしたて新品パンプスの靴底を擦り付けるように動かして『トーキョー』をサクッと蹂躙していく。 「あはっ。減ってる減ってるぅ。」 地面の薄黄色が茶色くなっていく様子を見たところで、数千万規模で大虐殺しちゃってる実感なんて沸くわけないけどね。 左手首の情報端末が空中に浮かび上がらせてくれる数字と映像がなければ、この足元の模様の中に知的生命体が存在することさえ気付けないに違いない。 『通信が入っています。』 「えー。どうせさっきのおばちゃんでしょー?後で折り返すって伝えといてー。」 『了解。』 この星の人には私の仕事内容をキッチリとは伝えてなかったわけだから、たぶん苦情とか抗議とか中止要請とかそんなんでしょ。 一応は一つの星を支配している種族としては、まさか自分たちの存在そのものが管理される”資源”だなんて思ってなかったんだろう。 「ん、こんなもんでいっか。めもめも。『二ホン』の首都『トーキョー』を壊滅させ、約2,500万ほど削減…っと。」 私みたいな一介の小娘が歩き回ることすらなくササッと足を動かしただけで、星有数の大都市圏が無くなっちゃうなんてねー。 チキュージン30世代分くらいの歴史があったらしいその模様も、今では所々にポツポツと踏み残しが存在する程度しか残っていない。 「さて、サンプル採取範囲はこの辺で…ねね、個体数の概算を教えてー。」 『およそ3万と推測。ただし、いずれも生体反応はかなり微弱。今なお減少中。』 「あらら。まぁちょっと少ないけどいいよね。回収回収っと。」 10万くらいは残ってると思ったのに意外と減っちゃってたみたい。 次はもう少し慎重に減らさないとねーと明日への反省を脳内メモに刻みつつ、研究サンプルとしてチキュージンを船内の管理ボックスへ転送していく。 「こんなに小っちゃいのにどうして知性を持ってるのか。それに宇宙にまで出られたのか。みんな気になってるらしーよー。」 私たちの文明がファーストコンタクトを果たした数百種を超える異星人のうち、チキュージンはダントツで小っちゃい。 そんなに重要な研究対象の星に私みたいな下っ端送らなくても…と不満がないわけではないけど楽だしいっかと思い直す。 「ふぅ。今日のところはこれくらいにしとこっかな?まだ初日だしね。それじゃ、また明日っ!」 ☆ ☆ ☆ 「さーて。今日の管理対象はどの国になるかな?どっちもがんばぇ~。」 私の足元で懸命に戦っているのは、チキュージンにしては大きめな美女2人。 『ロシア』代表と『チューゴク』代表として本来の10万倍くらいに大きくなっている2人は、祖国の運命を賭けた真剣勝負の真っ最中だった。 「うんうん。いいよいいよ~。そのまま私のお仕事減らして~。」 2人が戦っている場所は、隣国同士である2国間の国境地帯…ではなく、間に挟まれている別の国。 身長170kmの巨大全裸美女がくんずほぐれつしているその国は、長い手足やらご立派なお胸やらそれはもう全身の至る所で押し潰されていて、哀れにもみるみるとその人口を減らしているのだった。 「あ、なんかもうその辺誰も居ないっぽいから…次はこの辺でよろ~。」 元の10倍である今の私にとってはちょうどいいお人形サイズの2人をひょいっと摘まみ上げて、気まぐれに『チューゴク』側にあった大きそうな街の上にポトッと落としてみる。 自分の巨体で何十万もの同胞を押し潰してしまった『チューゴク』代表の彼女は当然ながら自国を戦いの場としないように逃げようとするものの、背を見せてしまったのが失敗したのか『ロシア』代表の美女に捕まって地面へ引っ張り倒されてしまう。 「はぁ…美女同士の濃厚な絡み良いなぁ…ほらほら。もっとがんばれがんばれっ♪」 2人を煽りたてるように両国の市街地の上をピンヒールで適当になぞってみれば、この星の地層ごと抉り取るように街並みが消えていくとともに管理対象の資源がグングン減少する。 人口密度の違いからか両国間で数の違いがなかなか激しいけれど、2人にとって数の多寡は関係なさそうだった。 「ほらぁ。早く相手を倒さないと祖国が滅びちゃうよ~?もちろん、最初に言った倒し方のルールは守るようにー。」 2人が行っているのは、殺し合いではなくイカせ合いなのだー! 無駄な殺生をさせず、2人も気持ち良くなれて私も眼福…これは最高の方法でしょ! 「お、いいよいいよー。使えるものは何でも使っていこう!ま、使えないと思うけどね。」 完全にマウントを取った『ロシア』美女は組み伏せた相手のお胸に噛みつきながら、周囲にあるビルやら何やらを無造作に掻き集めてはナカへと乱暴に押し込んでいる。 一握り10万を超えるチキュージンの大半は入れる前には既に握り潰されて絶命しているようだけど、同胞を自分のナカで押し潰していると錯覚している『チューゴク』美女は心なしか息が荒くなってきた。 「あらら。これはもう時間の問題かにゃ?んでは、援護してあげよ~。ん…んぇー…」 お口をもごもごして絞り出したトロッとした唾液を2人の上にトッピング♪ 全身をヌルヌルのテカテカにさせた2人はついにどちらからともなく全身を擦り合わせ始めて… 「…はい、勝負あり~。2人ともお疲れ様、そこで休んでてね。で、負けたこっちには…これをプレゼントしよう。」 見ているこっちまでドキドキしてしっとり汗ばんだストッキングをズルズルと脱ぎ取ると、びろーんと広げて『チューゴク』の真ん中らへんに適当に落としてみる。 そうして『トーキョー』の10倍以上の長い歴史があるらしいこの国の大半は、私の脱ぎたてホカホカストッキングに押し潰されてお洗濯のゴミと化したのでした~。 「さて、2人はご褒美として私の夜のオモチャに…おっと、愛しの妹さまからだ。なんだろ。」 性的なベクトルに大きく傾いていた私ののーみそは、通信端末に表示された妹の天使のような笑顔に浄化されてまっさらになる。 それでも夜のお供は大切だよねと片手間に2人を転送しながら内容を読んでみれば、思ってもみなかった朗報に今すぐ飛び跳ねて危うくユーラシア大陸一帯を壊滅させそうになった。 「…ふふ、なんと。なんとなんと!うちの可愛い妹ちゃんが遊びに来てくれるんだって!やったー!」 もちろん子供一人で来るわけもなく保護者たるママも一緒なわけで、この星は数日後から少しの間私たち一家専用みたいなものだ。 そう考えると今からママの絶品手料理と寝るときの妹抱き枕が待ち遠しくて仕方ない。 「あ~!楽しみだなぁ!美人なママと美少女な妹が増えてみんなも3倍美味しいねっ!」 現役管理官であるママにはお仕事を教えてもらうって建前で手伝ってもらえるし、妹さまは頼むまでもなく北アメリカ大陸くらいははしゃいでメチャメチャにしてくれるに違いない。 まさか2人が訪れる数日後が、地球最後の日になるとはこのとき思いもしなかったのだった…なんてね? 完