【14,601字】縮小街が敷き詰められたヨガマットでヨガをするお姉さんのお話
Added 2021-02-04 14:30:43 +0000 UTC※このお話には残酷な表現が含まれています。 [newpage] 私の恋人は、少し変わっている。 「お邪魔しまーす!」 「あら、いらっしゃい。今日もお家デートかしら?」 「えへへー。そうなんですぅー。」 我が家にやってくるなり、一緒に出迎えたママの前で堂々と抱きついてくるのは、可愛いから良い。触れ合う部分はどこもかしこもむにっと柔らかいし、私も幸せだ。 でも… 「あ、リンカさん!これ、お土産っていうか、個人的プレゼントですっ!」 「もう。別に気にしなくていいって言ってるのに。」 「いえいえ!私があげたいだけなんで!ヨガがご趣味だって聞いたのでヨガマットです!」 「うーん、ちょうど欲しいと思ってはいたけど…高校生の、ましてや娘の彼女にこんなにもらうなんてねぇ。」 私の彼女は、うちのママに会うたびに何かしらプレゼントを持ってくる。 それはもう恋人である私に贈る以上に…これっておかしいよね? 「ぐすっ…もらって…くれないんですかぁ…?」 「…そんなことないわよ。ありがとう、これから早速使ってみるわね。」 演技100%なのがわかっていても可愛ければ何でも許される。 それを恥じることなくやれるのが私の自慢の恋人であり、かくいう私だって何度となく丸め込まれてきた。 血は争えないってこういうことを言うのかな? 「わぁい!リンカさん、これでもっともっと綺麗になってくださいねっ!」 「ふふ、頑張ってみるわ。」 確かにうちのママは実の娘から見ても35歳とは思えないほど若々しい美人だとは思う。 国民的美少女級の現役JKに褒めそやされて満更でもない気持ちが表情に駄々洩れだけど。 「…もういいでしょ。部屋いくよ。」 「あー。ヤキモチぃ?可愛いんだからぁ♪」 「はいはい。そーですよー。」 「あぁん。待ってよー。好きなだけハグハグさせたげるからぁー。」 うん。 私の今の顔も気持ちが駄々漏れに違いない。 ☆ ☆ ☆ 「で。今度はママに何あげたわけ?」 「え?だからヨガマットだってばー。」 部屋へ戻り、ベッドの上でひとしきり全身の柔らかさを堪能させてもらった後。 涙目上目遣いまでしてママに送りつけた”プレゼント”とやらが気にならないわけがない。 「より詳細に。市販品には備わっていない機能を述べよ。」 「気分が盛り上がるようにミニチュアの街並みが出てきます。」 やっぱりそうだよねって。 なんというか、聞くまでもなく答え知ってたやつだ。 「…はぁ。」 「どしたの何か悩み事かい?」 「え、この流れでそんな質問になります?」 「わたしぃ、そーゆーの、よくわかんなぁーい♪」 「嘘をつかないのこのマッドサイエンティストぉー!」 「ひゃんっ♪」 この子に使うの何度目だろうという横文字の意味が合っているかはさておいて。 目の前で嘘っぽく頭を押さえているからお仕置きはナシにしてあげるよ優しいなー私は! 「それって前回と同じだよね。あの足湯モドキ。」 「ん、細かな機能追加はしたけど基本はそうだよーん。」 「はぁ…そろそろ人間としての倫理観を取り戻しておくれよぅ。」 「てへ♪」 まったく… この可愛らしい天使のような微笑みは、紛れもなく悪魔の笑顔でしかないことを知っているのに。 「可愛く言えば許されると思ってー!」 「可愛いと綺麗は正義でしょ?」 「うっ…ブーメランがぶっ刺さってて何も言えない…」 なんせ、自分で言い放った言葉だもんね。 私と、この子と、そしてママも含めた共犯3人の、自己正当化のための素晴らしいお言葉。 「と、いうわけでぇ…早速見学に行こー!」 「もう…私とのお部屋デートと、ママのヨガ鑑賞。どっちが大事なの?」 答えなんて聞くまでもなくわかってるんだけど。 私だって彼女らしく、少しだけ可愛らしくいじけてみたい。 「もちろん、両方だよ!!」 「はぁ…知ってたけど。知ってたけどぉ…」 「部屋でゴロゴロするよりきっと楽しいよっ♪」 「…まぁね。」 なんだかんだで楽しんでいる私の方がおかしいのかもしれない。 ☆ ☆ ☆ 「はぁ…このサイズで見上げるリンカさん…最高っす…」 「私はあんたのその性癖だけは未だに理解できないよ…」 もはや飲みなれてしまったアヤシイオクスリ”スーパーX”さん。 その効果は縮小化、透明化、強靭化に加えて空まで飛べるスグレモノ! 曰く、性癖を現実のものとすべく3日も寝ずに頑張って作り出したらしい。天才かよ。 「ほら見てよ!あのヨガウェアから今にも零れ落ちてきそうな立派なお胸!はぁ…潰されたい…」 「じゃあ行ってくればいいじゃーん。」 「スーパーXさん飲んでるから無理なの知ってるでしょ!むぅ…やっぱり現実には死にたくないし、究極の選択だよね…!」 「いやホントわかんないから…」 私にだってあのママから受け継いだ立派なのが備わってるんですけど? こっちのにはたまにしか興味示さないくせに、ママのはそんな穴が開くほど見つめちゃって。 「終わっちゃう前にもっと近くで見ないと!」 「はいはい。仰せのままにー。」 「うむ。よろしい。んじゃ、今日はスカートを履いてくださっているということで…おみ足の側へ行きたいと思います…!」 「好きにしたらいいよっ!!」 もちろん、私には実の母親のスカートを覗きたいという気持ちは1ミリもない。そもそも恋人以外の女性をそーゆー目で見たことはないし… でも、この子は私とは違うらしく、本当にドキドキしているんだってことが繋いだままの手のひらからも分かりやすいほどに伝わって来る。 「ひゃぁぁぁ…足裏までお綺麗でらっしゃる…確か専業主婦じゃなくて働いてるんだよね?」 「うん。普段はいわゆるOLってやつだよ。最近はもっぱらお家に居るけど。」 「ああ、テレワークしてるなら良い会社に勤めてるんだねぇ。いかにも、お仕事できる!って感じだもん。」 「まぁ…あ、それパパの前では言わないでね。」 ママの稼ぎで食べてるってことは、パパにとっては耳の痛い話だからね。 もちろんその分パパは家事とかもやってくれるし私がすくすく良い子に育つくらいには愛情を注いでもらったので、家庭内は円満極まりないんだけど。 「ん、りょ。ってかそれよりも!お、お触りしても、よよ、よろしいでしょうかっ!」 「私が許可するものじゃないと思うんだけど…まぁ、ママなら許してくれるでしょ。というかそれ以前に危なくない?」 目の前で違うポーズを取るたびにリビングのフローリングが揺れるくらいドスーンと落ちてくるそのおみ足、およそ私たちの数十倍はあると思われ。 というか先っぽに生えてる足の指でさえ私たちと同じくらいあるもん。スーパーXさん飲んでなかったら今すぐ泣いて逃げるところだよ。 …いや、飲んでるから小さくなってるのか。何種類も混ざったせいでややこしいな。 「全体重かけられても死なないことは前回確認済みでしょ?ツヨクナールSさんで!」 「偶然ね!!私がお茶と間違って飲んでなかったら私はママのお尻の染みになってたよ!」 「まぁまぁ過ぎたことは置いといて?善は急げだよれっつごー♪」 「これ絶対善じゃなぁぁぁーーい!!」 ☆ ☆ ☆ ベタベタするし、蒸し暑い。 それが、ママの足裏に貼り付いた愛娘の率直な感想です。 「はぁ…天国…」 「おかしいなー。私とは真逆の感想を抱いておられる。」 「だって美魔女の汗ばんだ足裏だよっ!?大金積んででも貼り付きたいよ!」 「私にとっては母親のあしむぎゅっ!!?」 超が付くほどの天才なバカとバカバカしい話をしていると背中側にある足裏のお腹側にある足裏がぴとっとくっついた。 もちろん、そう可愛く表現したところで、全身を押し潰されそうだという状況にはなんら変わりはない。 『ほーらー。そこに居るんでしょ?わかってるわよー。』 「わかむっ!ってるなばっ!踏みつぶぅ!?」 「ひゃっ、あっ…んっ…♪」 透明化の効果があるので、同じ薬を飲んだもの同士しか姿は見えない。 でも、当然ながら実体はあるわけで… 小さいとはいえ足裏に小人が2匹もくっ付いてたら当然気付くに決まってる。 というかわかってるなら踏み潰さないでよママぁ!? やめてくれないと、やめてくれないと… 私の恋人がイっちゃいそうです!! 『もう…そこまでしておばさんのヨガ覗いても仕方ないでしょ。』 「ひぅ、ひゃぁん…♪」 とか言いながらやっぱり嬉しそう。 それだけ魅力的だって言われてるようなものだし。 でもこの喜び方は他に理由、というか期待があるからかも。 『…で、このヨガマット。どうせ普通のじゃないんでしょ?』 「ひょ…わぁ…♪」 いやいや、もはやそんなにふみふみもされてないよ!? そこまでなの!? 『好きに見学させてあげるから。使わせてもらえるかしら?』 「ひゃい…」 なんだか文字化し辛い蕩けた声で楽しんでる恋人の姿を見せつけられるのはあまり気分が良くないけど… ポケットから何か機会を取り出して操作してるからいよいよ始まるのかなって気分を入れ替える。 そうやってママ共々待つこと数秒。 『あら…素敵。』 案の定、私たちよりも少しだけスケールの小さな街並みがヨガマット一面に現れた。 普通の人間であるママ基準でサイズ比を考えるなら、私たちが50分の1で、この街が1,000分の1って感じかな? 『ふふっ。私、この街知ってるわよ。昔行ったことがあるの。』 見た感じ、外国の街っぽいそこ。 もしかしたら新婚旅行とかなのかな。 そんな大切な場所…いいのかな。 『ふぅ…それじゃ、せっかくの思い出の街だもの。潰しちゃわないように頑張らなきゃね。』 そう言って私たちを足裏から解放したママは、ヨガマットを跨ぐように立つと四つん這いの姿勢になってそのオシャレな街並みに覆いかぶさるように身体を下ろしていく。 そうしてサラサラと首元から流れ落ちていった綺麗なブロンドヘアーがいくつかの高層ビルを薙ぎ倒していく光景をクスクスと微笑んで見つめている。 「っ…!リンカさん…♪」 「ママ…」 そう。 ママはこの街が”本物”だということを知らない。 『ふふっ。まるで巨人になった気分。潰しちゃわないように体勢をキープして…』 右肘を床について左腕を背中に回したママはその姿勢のまま身体をゆっくり下ろしていく。 もはやそれヨガじゃなくて体幹筋トレだよね?って感じだけど引き締まった美しいボディの維持にはどちらも重要なのかもしれない。 『んん…』 「わ、凄い!すれすれだー!」 「…うん。床基準ではそうだけど、もう完全に着いちゃってるよね。」 おっぱいが。 例えば、元が100mの高層ビルならこの縮尺になってもまだ10cmはある計算になる。 床上数cmというギリギリまで身体を下ろしてキープしてるママには流石としか言いようがないけど、バインと突き出してるおっぱいがいくつかのビルをてっぺんの方からグシャっと押し潰していく瞬間はバッチリ目撃してしまいましたよっと。 もちろん、瓦礫と砂埃に飲み込まれていく周辺の人々まで、ね。 『ん、ん……あぁん、もうダメ。』 「ふぎゃっ!」 力尽きたらしいママがぺたん…というかドスン?と身体をおろしちゃったせいで、風圧で吹き飛ばされちゃう私たち。惨めです。 もっとかわいそうなのはそこに広がっていた街並みで…うん。完全にママの巨体の下敷きになっちゃってますね。 『もう少し耐えられるようにならないといけないわねぇ。ん…』 「ほわぁぁぁぁ…!」 「いやホント興奮するポイントわかんない…」 両脚をピタリと揃えた状態でうつ伏せになってたママがそのまま右脚だけ大きく開脚するように折り曲げていく。 20代にしか見えないハリと艶を保っている綺麗な生足が街の右半分を根こそぎ押し流していく光景を見て、我が恋人様は歓喜の雄叫びをあげている。ちょっと引く。 「最ッ高ですリンカさん…いえ、リンカ様!」 「…まだね、あのせくしーぱんてぃを見て興奮するのならわかるよ?」 「ん?ああ、大人っぽくて素敵だよね。私たちにはまだ似合わない大人の色気って感じ。」 ヨガマットの外側、足のほうに居る私たちからは、大きく開脚したことでスカートの中が丸見え。 つまり、ママのオトナ下着も丸見え。で、そこに興奮するのならまだわかる。私はもちろんしないけどさ。 「でも、興奮してるのはそっちじゃないんでしょ?」 「うん!圧倒的に巨大な女体の一部が街並みを蹂躙する光景に興奮してるの!」 「言語化されると余計に変態っぽいなぁ…」 「えへへー。」 褒めてないからね? それは口に出さずに飲み込んだ。 なぜなら可愛いから。恋人があまりにも可愛いから!! たったそれだけの理由で、一瞬で茶色い更地と化したそこに居たであろう数千人の命を見殺しにした私もとっくに共犯なのだった。 「頭で理解するようなものじゃないんだろうけど…一応聞いてあげるから。」 そんなに語りたそうにフンスフンスしちゃって。 自分の好きなものを好きな人にも好きになって欲しい。その気持ちはまぁわかるから。 「リンカさんは今、ただヨガをやってるだけだよね?」 「うん。ママの日課だからね。」 「で、それなのに、そのただのヨガに巻き込まれちゃって困ってる人がたくさん居るの!」 「困ってるっていうか死んでるからね。レベルが違うから。」 「そーなの!!これってすっごく酷いことだよね!?」 「お、おう…」 自分がやっといてよく言う…と思わなくはないけど。 利己的な目的のために自分のぶっ飛んだ科学知識を惜しみなく使う辺りはやはりマッドサイエンティストか。 「平和に過ごしてきた何の罪もない人たちがある日突然、一方的に人生を奪い去られてしまう…それも、天災や戦争なんていう規模の大きな話じゃなく、たった一人の女性の日課で。この不条理さ、なかなかのものだと思わない?」 「極まりないね。真相を知ったら呪われちゃうよきっと。」 当の殺戮者本人たるママには命を奪ってる自覚さえないのだから、言ってみれば殺され損なわけだし。 ママが昔新体操をやってなければ死なずに済んだであろう、右半分の腰から上辺りに目を向けながらそう思う。 「リンカさん柔らかいねぇ…えっちだ。」 「…」 「あ、違う違う!私はリンカさんをそーゆー目では見てないからねっ!?」 「…はぁ。むしろその方が安心できるんだよねぇ…で、その不条理さにキュンキュンするって理解でいい?」 「たぶん!自分でもよくわかんない!」 「そう…」 MなのかSなのか。そーゆー単純な話でもないのだろうか。 恋人としては、理解するよりも受け入れてあげることのほうが大事だろう。 「まぁ、うん。そっか。なんにせよ幸せそうで私も嬉しいよ。」 「えへへ。それじゃ、幸せついでにやりたいことがあるの!」 「ほぇ?」 ☆ ☆ ☆ 「きゃぁー♪」 「そんな可愛い声出してる余裕なくないっ!?」 絶賛、逃げ回り中なのですから。 何からって、ママの脚。 さっきと反対側。 左脚大開脚に、追われています。 『2人とも見えないのだけれど…潰れちゃってないわよね?』 とかいかにも心配そうなセリフなのに、声が弾んでるのバレバレだからね? 太ももの下敷きになったくらいじゃ大丈夫なことはママも知ってるので、追い立ててくるスピードはけっこう容赦がない。 「ちゃんと真っ直ぐ走らないからだよー。」 「真っ直ぐだと踏んじゃうじゃんー!色々とさー!」 ママからみて(見えないけど)小人たる私たちも、ヨガマットの上に来てみればぷち巨人なわけで。 私たちの足元では8cmくらいしかないもっと小っちゃなたくさんの小人さんたちが頑張って逃げてるのがバッチリ視界に入ってる。 「私たちが避けたところリンカさんの太ももが全部磨り潰していくだけだと思うけどなー。」 「そーかもしんないけどー!自分で直接踏むのはやなのー!」 ママみたいに高層ビルを無視できるほど大きいわけでもない私たちは小人さんたちと同じく大きめの道路をズシンズシン。 自分の家に居る私たちも当然裸足なわけで、これくらいの大きさで、しかも何人もまとめてとなると踏み潰した感触は十分すぎるほど伝わって来る。 「うぅ…グチャッネチョッって…気持ち悪いよぅ…」 「あはは。命を奪った感想がそれとは素質あるよー?」 「そ、そーゆーんじゃないもーん!」 実際、この小人さんたちを自分と同じ人間だと思うのは難しいかもしれない。 虫…とまではいかないけど、むしろ食べ物でも潰しちゃってるような… あ、そう考えたほうが罪悪感ある…不思議ぃ。 『触れた感じもしないしもう少し速くても大丈夫かしら。』 「あぁ…リンカさん…本当は潰されたい…でも必死に逃げ回るのも小人側の醍醐味…」 「もー!なんでそんなに余裕あるのー!」 頭が良いうえに運動まで出来るなんて。 おまけに美少女で?好き放題実験できるくらいにお金まであって? なにそのチート? 異世界転生者か何かですか?? 「しょうがないなー。ほら、手引っ張ってあげるから。」 「…うん。」 そんな彼女の恋人である私が一番の勝ち組です。 ドヤァ。 「って、そんな状況じゃない!」 「わっ!?急にどーしたの!」 「急じゃないし!ママに潰されたくないのー!」 いくら死ななくてもそれなりに苦しいし、あのママのことだから追い付いたら色々理由を付けて弄んでくるに決まってる。 そう決意を固めた私は足裏でジャムを作ることへの抵抗を諦めたのだった。 「踏ん、でっ!ごめん、ねっ!」 「おぉ…巨大娘に目覚めていくJK…これはこれで…良いっ!」 「恋人に発情されるタイミングが嬉しくなぁーい!!」 私がそう叫んだところで彼女はニヤニヤ顔を崩さない。 やっぱり可愛い。 …と、思っていたら、急に神妙な表情へと変わる。 え、やだ、カッコ良い。 「…やば。」 「え、何が?」 「…クスリの効果。切れちゃった、かも?」 「…ぇ。」 かも?とか可愛く言われても困ります。 今私たちのすぐ後ろには何倍もおっきな太ももが街を飲み込みながら迫ってるんですけど? 「切れたって、まだ小さいままだし…あ、ミエナクナールIだけ、とかだよね?」 「…最初に切れるのは、ツヨクナールS…かな?」 「ちょっ!?」 それ、私たちの生命線ですよね!? 一転して命の危機が大ピンチなのでは!? 「わ、わた、私たち、死なな、ななな…」 「…リンカさんが手加減してくれたら、たぶんけっこう痛いだけで済むはず?」 「全然大丈夫じゃなかったー!!」 ママは手加減してくれるわけないし、ママは手加減してくれるわけない(重要)。 つまり…やっぱり命の危機じゃん!! 『んんっ…ゆっくり動かすのって、意外とキツいのよねぇ。』 「ちょっ、ママ待ってぇー!?」 ま、聞こえないんですよね。どーしよー。 私の腕をググっと引っ張ってくれるこの子が居なければパニックになってたかもしれない。 「いい?転んだら終わりだから足元に一層注意して。スピード上げるよ。」 「…うんっ!」 カッコ良いモードの恋人に内心キュンキュンしながらも、手をより強く握りなおして更に速く走る。 後ろで物凄い音を立ててるママの太もものことは忘れて、考えない。 「なんて無理ぃー!?」 「あはは。余裕あるのかないのかどっちなの。」 余裕は、ないです。 だって、目の前の視界もママで一杯なんだもん。 なぜなら真っ直ぐ走っていた私たちの進路が大きく右側へ曲がったから。 「どうして、こっち、なのっ!?潰されちゃう、よっ!」 「ん-。もう真っ直ぐ走ってリンカさんの頭の方へ抜けるには間に合わないからね。」 「わーん!さらっと言わないでぇ!」 つまり、折りたたまれていくママの左脚と身体の間に出来るであろう空間が私たちの逃げ場ということ? ママ完璧主義だからなぁ…ピタッむにゅっとくっつけちゃいそう… むにゅっとか言ったら殺されるな。 『んっ…』 「わぁー!つーぶーさーれーるーぅー!」 「…大丈夫!あそこへ!!」 わんっ! 後ろからぶつかってきた柔らかい何かに吹き飛ばされた私たちは、そんな声とともに真っ暗な場所へと叩きこまれた。 「いたた…ここは…?」 「…リンカさんの身体の下…かな?」 「え。」 下ってなに、下って。 そんなの私たち潰れて…ないよね? 「ほら、想像してみて?片脚だけならともかく、両脚をぐいーんって真上まで折り曲げたら…」 「…あ。それはもう、前屈…かも?」 つまり…ここは、前屈みになったママの…浮き上がった身体の下。 言い換えれば、両太ももの間の空間? 「そっか…それなら助かっ…てないよね?」 「…まぁ、危険地帯には変わりないかも。」 私たちから見た小人さんよりも、ママからみた(見えない)私たちの方がもっと小さい。 ママの些細な動作でぷっちゅりされちゃうのは簡単に想像できてしまう。 「チイサクナールSの効果はいつまで…?」 「えーっと…オオキクナールBを飲むまで…」 「そのオクスリはどちらに?」 「…部屋に置いてきました。」 詰んでるじゃん!! こうなったらママと意思疎通を図るしか… 「え、ちょっと何してるの。」 「何って、ママに気付いてもらって元に…」 「ダメ!こーゆーのは気付かれると太ももでぺちーんとされちゃうんだから!」 「え…なんで?」 「そーゆーお約束だから!!」 いやいや、ここでそんな特定界隈的な知識出されましても… ママは別にそーゆーフェチの人じゃないし、大丈夫でしょ。 言っても自分の母親なんだし。 信じてますよー。ぺたぺた。 『ぁ…んっ…』 「むにょーっ!?」 ママの悩まし気な声に少しだけドキッとした次の瞬間には、前後から迫ってきた温かい何かに全身を包まれていました。 うーん、サヨナラ私の意識…バタリ。 ☆ ☆ ☆ 「う、うーん…痛っ…全身がそこはかとなく痛い…」 なんでこんなに痛いんだ…と記憶を遡ること数秒。 ママの太ももにぺちーんとされた所までは覚えていて、つまりこれは生きていることを喜ぶべきなんだという所まで理解した。 『ようやく起きたわね。もう、ママを心配させないの。』 「ママ…ごめんなさい。」 心配そうに覗き込んでいたママの顔は…大きいままだ。 身内ながらこの距離で見ても隙がない美貌はやっぱり凄いよねぇ… 『近くで見るのは構わないけど。もう少し大きな、安全なサイズにしなさい。』 「はぁい。っていうか、私は見たいわけじゃなくて…」 『恋人なんだから2人まとめてです。良い訳しないの。』 「…はい。」 不条理なような、ちょっと嬉しいような。 複雑な気持ちをどう整理しようかと悩んでいたら、私の目の前にコツンと大きな瓶が置かれる。 『これが要るんでしょ?』 「わぁ!オオキクナールB!ありがとママ!」 「ありがとうございます。リンカさん!」 「あ、起きた。」 まったく、怒られるときだけ都合良く寝たふりしちゃって。 なんにせよ、これで元の大きさに戻ってお部屋デートのやり直しを…って、あれれ? 「えーっと…ママ?何してるんデスカ?」 瓶の中から目の前の床にぶちまけられた錠剤たちがママの足裏へと消えていく。 いつの間にやら街並みとともに足裏のゴミは綺麗サッパリ消えているようで、瓦礫やら小人の残骸やらと混ざることの心配は大丈夫みたいだけど… 『何って、貴女たちの大きさに合わせて粉末状に…ここに書いてある通りだけど?』 「…あー。」 察し。 隣で今にもはぁはぁ言い出しそうなこの子は、こういう展開にまで備えていたのかと一周まわって感心する。 私たちとそう変わらない大きさの粒々がママの足にグシャグシャと踏み潰され粉々になっていく光景のどこにどう興奮するのだろうか。 私にはただただ恐怖しかないよ? 『ふぅ…これくらいでいいかしら。案外力を込めなくてもよく潰れたわね。』 「ありがとうございますっ!リンカさんでも潰しやすいように柔らかく作っておきました!」 確かに、普通の錠剤って踏んだくらいじゃ潰れないよね… どこまでも欲望に忠実だなぁ。 『まぁ、上手なんだから。それじゃ、私は足洗ってくるわね。』 「あ、待ってください!それは困ります!」 『あら、そうなの?』 うーん。 私のほうこそ困りますぅ。 だって、次に言うこと大体わかっちゃうんだもん。 「今、リンカさんの足裏に残ってる分まで舐め取らないと元の大きさに戻れないかも!床には…あんまり残ってないので。」 そりゃーね。 ヨガやって足裏に汗かいてる人に粉を踏み潰させてもほとんどくっ付いちゃうのは当たり前だよね。 『それは困るわねぇ…どうしようかしら。』 「大丈夫です!お綺麗なので舐め取らせていただきます!」 『…そう?』 やっぱりなぁー。 今にも飛びつきそうなほど喜んでる恋人と、女子高生に足を舐めさせることについて満更でもない表情のママ。 私だけ置いてけぼりだよ!! あれ絶対嘘だと思うんだけどなぁ…でも、戻れないほうが嫌だし仕方ない。 『それじゃ…はい。』 ママはヨガマットに座り込んで開脚すると、膝から下を90度に折り曲げて両方の足裏を粉末まみれになっている床の辺りに持って来てくれた。 さすがにじっとただ舐めさせるのは抵抗があるのか、私はヨガでもしてるから…という建前なんだろうけど。 チラチラとこっちを見てる視線がモロバレですよー。 「し、失礼しまーっす!」 「もう…こうなりゃヤケだよーぅ。」 床に残ってる粉になんて目もくれずに恋人が右足へと走っていくので、私も仕方なく左足へと走る。 床を舐めるかママの足裏を舐めるか、元に戻るにはどちらかを… なにこの二択? 「ぺろぺろぺろぺろ。ん-♪おいしー!」 『ん…そ、そう?…しょっぱくなってたりしない?』 「はい!とっても美味しいです!」 「…はぁ。」 私は知っています。 このオクスリ自体に味はついていないことを。 そう思いながらママの足裏にそろーっと下を這わせてみれば… 「…れろ。」 『んっ…』 うん。 やっぱりしょっぱいだけだ。 元の大きさに戻るためとはいえ、実の母親の足裏の汗を舐め取らせられるってどんな仕打ちだよぉ。 「…ん、ご馳走様でしたぁ。」 『はぁい。ふふっ、こんなに綺麗にしてくれたのね。』 「え?嘘でしょ…」 チラリと後ろを振り返ってみれば、彼女が担当?したママの右足の裏にはほとんど粉が残っていない。 もちろん付着していたのは全体ではなく前の方5分の1程度とはいえ、それでもベッドくらいの広さはあったはず… 体力がゆえか性癖がゆえか… どっちにしろ私には敵いそうにない。 というか、ママの指に撫でられてクシャクシャに喜んでいる横顔、私が良い子良い子してあげてるときよりデレデレなんですけど? 「むぅ。」 「…あ、リンカさん。注意書きのやつ、お願いしてもいいですか?」 『そうねぇ…確かに言う通りかも。』 「ほぇ?注意書きってな…」 『えいっ。』 「ふぎゃっ!!」 今まで横倒しになっていたママの左脚が急に立てられたかと思えば、その私の部屋よりも広い足裏が押し倒すように圧し掛かってきた。 もちろん踏み潰されるような強さではない…けど、動けない程度には圧力がかかっていて普通に苦しい。 「ちょっ、ママ、やめっ、くるしっ…」 『ほーら。ちゃんと舐めないと戻れないのよ?今のままは嫌でしょ。』 「それは、そう、だけ、どっ…」 『わかったらちゃんと舐める。』 「むぎゅっ!!」 ママに片足だけで床に這いつくばらされたうえに足裏まで舐めさせられるって、どんな特殊シチュプレイなんですかっ!? とか言いたいけど言ったらもっと酷いことになるのは目に見えているので大人しく舐めますぺろぺろ… 『んっ…そう…良い子ね…』 なんでちょっとえっちな声出してるのこの人ー!? 私は娘だよー!? というか、そこの隙間から覗き見している恋人は私に興奮してるのかそれとも… 「…羨ましい。」 「やっぱりそっちかよっ!!」 『…マジメにやりなさい。』 「ふんべっ!!」 そろそろ骨の1本くらい折れちゃいませんかこれ…? そんな恐怖心に駆られた私はようやく全力でぺろぺろ。 「…」 『そう、良い感じ…』 …こんなに綺麗な足裏なのに、ここまで硬くなるまで働いてくれてるんだなぁ…なんて。 足裏にできちゃってるヒールだこに舌を這わせながら、少しだけしんみりしちゃう私なのでした。 肝心のママ本人はあんまり気にしてなさそうだけどね。 『こら、ぼーっとしない。それから出された料理は全部食べる。休みの日もお昼まで寝ない。』 「うぇぇぇ!?それ今関係なくない!?」 『…ふふっ。』 「え、怖っ。痛っ!?いたたたたっ!?」 これは体罰というやつではないですかー!? 恐ろしいほど素敵な笑顔(たぶん)のママに踏み踏みされ床に押し付けられる私。 お仕置きという表現がピッタリ似合うようなその行為で、今にも私の中身がぷちゅりと飛び出してしまいそう。 ママ怖いママ怖いママ怖いよー。 そう唱えながら少しだけ耐えていると、覚えのある熱さが身体の中に広がっていく。 「リンカさん。来そうです。」 『…あら、そうなの。』 「はぁっ…はぁっ…なんで、ちょっと、残念そう…なの…?」 『そんなことないわよ?さて、私は少し離れてるわね。』 ようやく解放される… そう信じていた私の視線はドンドン高くなっていき、普段見上げているママの頭も超えて…え? 『…あらあら。』 「え、ちょ、これ、おかしくない?」 「…やっちゃった、かも…?」 「お前ぇぇーーー!!」 私は今日、初めて恋人に手をあげました。 ツッコミチョップだけど。 ☆ ☆ ☆ 「…何か言うことは?」 「寒いね!」 「…はぁ。」 清々しいほどに開けた視界に映り込むのは、見覚えのある…いや、見覚えなんてない街並み。 そりゃそーだよ。こんな視点で見たことないもん。 「…現状報告。」 「はい!今の私たちのサイズは、だいたい元の100倍ちょっとです!」 「…それで?」 「服着てないから寒いね!」 「そーじゃないだろー!」 「ひゃんっ♪」 私が少し強めにべしーんとはたいたことで、彼女は大袈裟なリアクションを取って後ろの方へ倒れ込んだ。 音で言うなら、ズゴシャーン!!って感じ? あーあ。 そんなに建物潰しちゃって、私はもう知らないよ。 「はぁ…よく知らないけどさ。これもお約束ってオチ?」 「ん-、昔のギャグマンガならそうかも?」 「そっか…」 もはや何も言うまい。 私の下敷きになってるお隣さんちとか、もうひとつお隣さんちとか、きっと誰も居なかったよねうん。 「それよりリンカさんは大丈夫?」 「それよりって…ママなら…ほら、ここ。」 「わーお。おっぱい大きいと便利だねぇ。」 大体は不便だけどね。 まぁそれを言うとじとーっと睨まれるので黙っておく。 そもそもこの胸を一番堪能してるのは他ならぬ恋人の…ってそうじゃなくて。 ママ譲りのおっきなお胸の谷間には、なんとか避難させたママンが挟まっているのです。 「うへへー。ママきゃわゆ。さっきの仕返し、しちゃおっかなー。」 『あらあら。遅れてきた反抗期かしら?』 「むぅ。もう少し慌ててよぅ。」 とか良いながら自分のおぱいをもみもみ。 もちろんただの人間たるママを潰さないようにめちゃくちゃ優しく、ね。 さっきまであんなに大きくて強かったママも、今では私のお胸の先っぽと同じくらい。 …我ながらえっちな例えしちゃった。 「だ、だめっ!リンカさんイジメるなら私を倒してからにしろーっ!」 「えええ!?普通恋人の味方じゃにゃっ!!」 セリフの途中で押し倒すのやめて? というか倒れた拍子におっぱいがたっぷんたっぷんなってるし、ママが潰れちゃったらどーするのさ! 「ママっ!?大丈夫!?」 『私なら平気。というか、いつもやってるみたいに激しくしても大丈夫よ。』 「へ?い、いつもって何の、ひゃぅ!!」 「それはもちろんこーゆーののことだよー。」 「んんっ…」 押し倒すだけで飽き足らず私の胸をいつものように…2人だけの夜みたいに激しく揉みまわされる。 谷間に居るはずのママの感触があんまりわからなくなって不安なのに、色々なものを想起させる手つきに私の思考は一瞬で染め上げられてしまう。 「やっ…だめっ…ママ、がっ…」 「大丈夫だよ。ほら。」 「ほぇ…?あ、ママ。」 パカッと開かれた私のお胸の間から、小さくても綺麗な人がそのままの形で現れる。 安心した私は一気に冷静になって胸に置かれたままの両手をどけさせると、少しだけ残念そうな顔をされた。可愛い。 「ママ…ヨガって凄いんだね…」 『…ぷっ。ヨガやってただけでこうなるわけないでしょ。』 「え?あれ、じゃあなんで潰れてな…」 『ツヨクナールS。あなたに引っ掴まれる前に飲んでたのよ。』 「…あー。」 チラリともう一度その顔を見てみると、今度は120点のドヤ顔。やっぱり可愛い。 こういう状況も想定して渡しておいたってことね… 『ひとまず、また引っ越しして職探しね。』 「あっ…」 「えへへー…ごめんなさいっ!!」 ごめんで済んだら警察は要らないんだけど、実際私たちが警察にお世話になることはない。 その裏に何があるのかは私が知る由もないけれど、ごめんで済ませているわけではないことくらいわかってる。 「…で。」 「で?」 「今度はどうやって戻るんだよー!」 「オオキクナールBは1時間で戻るから大丈夫♪」 「チイサクナールSもそうしとけー!!」 べしっ。 実はチイサクナールSも時間で切れることを知らされたのは、そのすぐ後のことでした。 おしまいっ