【3,231字】縮小奴隷少女が巨大ご主人様の足を綺麗にするお話
Added 2021-03-21 10:00:03 +0000 UTC※このお話には残酷な表現が含まれています。 [newpage] 「…失礼いたします。」 そう小さく呟くとともに目の前の部屋へと一歩踏み入れる。そこがあまりにも広大に見えるのはスケールが私の10倍サイズだからであって、本当はごく一般的なダイニングに過ぎない。無駄にしている時間はないので遠くに見えるテーブルの下まで一目散に駆けて行く。 (本当に…ただのおしゃべりでしかないのね…) そこに見えているのは慣れたように組まれた脚が2本ずつかける4人分。ご主人様とそのお友達方が和やかな平日の昼下がりにティータイムを過ごす優雅な時間。会話内容を極力意識しないように聞き流しつつ、最近ようやく見分けがつくようになったご主人様の足へと近寄った。 「…ッ!」 私に与えられた役割はご主人様の足を綺麗にすること。より具体的には足指の間と爪の隙間。そして私が呼ばれるのは決まってご主人様方が遊びに行って帰ってきたとき。私の、私たちの故郷をただの暇つぶしに踏み躙るという、身勝手極まりない遊び。 (こんなに、たくさん…) なぜ掃除が必要になるかといえば、そこにたくさんの”汚れ”が付いているからだ。それは、今の私から見ても小さすぎる、”かつて人だったもの”の一部。むしろそうやって名残が判別するほうが少なく圧倒的大多数はただの赤黒いシミとしてしか認識できない。一体どれほどの数の同胞がここに付着しているのだろう。 『次は大阪に行ってみない?今日よりは楽しめると思うわ。』 『そうねぇ。京都は意外と何もなかったもの。期待外れだったわ。』 『それは貴女が何も考えずに踏み潰しちゃうからでしょ。』 『どこもかしこもぺたんこなんだもの仕方ないじゃない。』 下品な笑い声とともに聞こえてくる屈辱的な会話に唇を噛みしめながら、目の前に鎮座する親指と人差し指の間に腕を突っ込む。私が生きながらえているのはご主人様にたまたま気に入られ掃除係として飼われているからに過ぎない。気まぐれに目の前の足指がのしかかってくるだけでいつでも人生が終わってしまうと思えば、汚れを落とすことだけを必死に頑張るよりほかなかった。 『んんっ…足がくすぐったいわね。』 『掃除してくれてる子たちじゃないの?』 『やだ忘れてたわ。』 その言葉を聞いて思わず他の足のほうを見てみれば、私と同じくらいの背格好の少女たちが巨大な足に追い回されていた。私たちの身体よりも二回りは大きいその足は少女たちに難なく追い付いて、触れる程度の接触で蹴り飛ばしてしまえば痛みや怪我であっけなく動かなくなる。そんな彼女たちの形を確かめるように足裏で床に押さえつけると、容赦なく体重をかけるように踏みつけていく。 「たっ…たすけ……てっ…!」 「…ッ!!」 まともに呼吸できないまま絞り出されたその声は擦れ具合からは不思議なほど私たちの耳によく届いた。それでも周囲にいる私たちには手を差し伸べるどころか恐怖から近寄ることさえできない。気まぐれに死をもたらす神の如き力を持つ巨大な素足の前ではあまりにも無力で、人間の身体がゆっくりと押し潰されていく嫌な音を聞きながら目の前の足へ奉仕し続けるしかなかった。 『あら?潰しちゃったかも。』 『もう。床が汚れちゃうじゃない。』 『後始末もさせればいいだけでしょ?』 いつの間にか床とぴったりくっついていたその足が踵を起点にしてもう一度持ち上がれば、ニチャアという音とともに赤黒い糸を引いて足裏から”新しい汚れ”がベチョリと落ちる。昨日までお互いに震える身体を寄せ合った可憐な少女たちの姿はどこにもなく、私たちの生殺与奪の権を握るお世辞にも綺麗とは言えない歳相応に傷んだ足だけがこの空間の支配者だった。 『確か娘さんは同じくらいの年頃じゃないの?』 『そうねぇ。去年まで日本に留学してたから1つ違ったら危なかったわ。』 『母親の汚い足のお世話なんて嫌でしょうね。』 『汚いは余計よ。』 掃除係として新しく補充されてきた少女たちが嗚咽をもらしながら彼女の足裏を綺麗にしている光景は何度見ても慣れることはなく心が抉られる。それでも迅速に行動しなければ罰と称して無差別な殺戮が始まることは明白で、私たちに出来ることはただ生きながらえるために彼女たちのご機嫌を取りながら”足”という主人に仕えるだけ。それでも、彼女たちは一時の楽しみのためだけに私たちの命を平気で弄ぶ。 『ねぇ、思いついたんだけど。この子たちを摘まむ練習すれば良い足の運動になるんじゃないかしら。』 『良いわね。どうせなら誰が一番早く潰さずに摘まみ上げられるか競争しましょ。』 『利き足1本だけね。反対側は使っちゃダメよ?』 そうして思い付きから始まったお遊びは私たちにとっては生きるか死ぬかという恐ろしいデスゲーム。それも、自分たちの努力なんてものはほとんど意味をなさず、決めるのは圧倒的な力を持つ彼女たちの気分とほんのわずかにあるかもしれない私たちの運だけ。 『どこかしら…あ、居た。』 『ちょっと。どさくさに紛れて蹴ってない?』 『うーん。見つけても倒れちゃうと案外摘まむのが難しいわねぇ。』 4人掛けテーブルの下という大して広くもないその空間は4本の足が動くには余りも狭すぎた。低空を動き回る巨大な物体は時おり恐ろしい衝突音をあげてぶつかり合っていて、間に挟まれた場合の末路を思えば恐ろしくて床にひれ伏すしかない。そんな私たちを床から引き剥がそうと差し込まれる足の爪はあっけなく四肢を切断してしまうだけの威力を持っていた。 『あーもー!全然摘まめないじゃない!』 何人もの少女が手足や胴体をバラバラにされて動かなくなっていくなか、1本の足が地団駄を踏むように周辺一帯を踏み荒らし始める。まだ息がある子たちも既に物言わぬ物体も区別はなく、巨大な素足の下敷きになると同時にベチャッと赤い液体を撒き散らして弾け飛ぶ。ただの死地と化したそこに私たちが生き延びる希望はなく、私は一縷の望みを賭けようとその凄惨な光景に背を向け走り出した。 『だからって踏み潰したらゲームにならないでしょ。』 『そうよ。こういうのは熟練の足テクで…ん?』 『どうしたの?』 『なんだか…あっちから飛び込んできたような感触が。』 私が縋ったのはご主人様のおみ足。助かる希望があるとすればこの遊びの勝者に貢献することだけで、その可能性に賭けるべく親指と人差し指の間に開いた僅かな隙間へと、自分の身体を精一杯捻じ込むように挟まりに行く。人生で一番力を入れてさえビクともしなかったその両指は、私の存在を感知したことでゆっくりと開きながら私の身体を挟みなおした。 『ん…摘まめた…んじゃないかしら。』 『うそ!』 『ちょっと写真撮りたいからそのままこっちに!』 『え、ええ…』 私を挟むその両指は力を入れてるどころかむしろ意識して力を抜いてるようなのに、私の身体は前後から物凄い力で圧迫され満足に呼吸もできない。イスの上に座りながらくるりと回ったことでちょうどビルのような姿見とご対面することとなり、そこに映り込む足を込んだご主人様の全身像を始めて見ることとなった。 (彼女たちは女神様でもなんでもない…ただの……ただの、普通のおばさんでしかないのに…) 自分の母親と見た目も年齢も大して変わらない彼女たちによって、毎日のように街が一つずつ踏み荒らされて消滅し、膨大な数の尊い人命が失われていく。そんな非情な日々を思えばこうして惨めな姿を晒される程度はまだ運が良い方と断言できた。 『良いわよそのまま動かないで…』 『ちょっと待って、鼻がむず痒く…っくしゅん!……あ。』 完