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もんてすきゅー
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【2,629字】巨大ヒロインなのに怪獣ではなく戦隊モノに出てくる悪の秘密結社と戦うお話

※このお話には残酷な表現が含まれていません! [newpage]  日本が世界に誇る首都、大都市東京。  たくさんの人でごった返す日曜日の朝、今日も見慣れた光景が広がっていた。 「オーッホホホホホ!!この街は我らワルーイ団が占拠させてもらいましたわ!!」  どこからともなく現れた、露出度の高い格好をした高飛車な女性と、彼女の手足として働く無数の下っ端戦闘員。  戦う力を持たない無数の一般市民たちは、哀れにも彼らに捕らわれその人質になっていた。 「さあ!この国の一番エラい人間に伝えなさい!人質たちを返して欲しければ、『この国を上げます』と言いなさい、とね!!」 「きゃー!」 「たすけてー!」  下っ端とはいえ、戦闘員たちの身体能力は人間を遥かに凌駕しており、数も膨大とあっては警察の対処能力を超えている。  そうして打つ手のない警察と悪の秘密結社の睨み合いが続いていると、人々の助けを求める声に呼応するかのように、空から眩い光が降り注ぐ。 「あ、あれは!!」 「ウルトラヒロイン様よ!」 「私たちを助けに来てくれたんだわ!」 「なんですってぇ!?」  悪の女幹部が悔しそうに歯噛みしながら見上げた先、高層ビル群の間からにゅーっと伸びるように、巨大でありながらも可憐な顔が飛び出してくる。  天に向かって片手を伸ばし、グングンと大きくなりゆく彼女の身体は、その豊満なスタイルもあってかビルとビルとの間に収まりきっていない。 「警部!!ビルがまるでドミノ倒しのように次々と崩壊していきます!!」 「くっ!!住民の避難を優先させるんだ!!」 「きぃぃ!あの小娘!どこまで大きくなるつもりなのよ!?」  その身長が付近のどの建物よりも高い160mを超えてなお巨大化が留まる気配はなく、彼女の胸にぶつかって押し倒されたビルの倒壊が周辺のビルにまで波及する。  さらに彼女の履いているハイヒールは片側2車線の道路を大きくはみ出し、広がり続けるつま先がスーパーマーケットへのしかかると、その靴底があらゆる存在をなだらかにすり潰していく。 「っ!全員でアイツを倒すのよ!やっておしまい!」 「「キィ!!」」  群衆がウルトラヒロインから必死に離れようと走っていくなか、悪の戦闘員たちは女幹部の命令でその流れに逆らうかのように彼女の両足に群がり始める。  そのまま数百人もの戦闘員たちが剥き出しとなっている彼女の素足に飛びかかるものの、そのパンチやキックは何のダメージも与えられなかった。 「っく、なんなのよ!なんなのよもう!!そんなに大きくなるなんて卑怯よ!?」  女幹部の負け惜しみのような叫びを嘲笑うかのように、ウルトラヒロインの巨大化はまだまだ止まることはない。  ただそこに立っているだけにも関わらず、その靴だけで数十を超える建物を倒壊させ、数千を超える市民が巻き添えとなってしまっていた。 「キィ!!」 「キィィイ!!」  もはやその高いヒールの上にある素足にすら届かなくなったのか、ハイヒールの側面を攻撃していた戦闘員たちが、巨大化に飲み込まれ靴底へと消えていく。  遂にはその身長は数千mを超え、女幹部が居たあたりは彼女のヒールがおりなすアーチの真下へと、スッポリ覆い隠されてしまう。 「くっ、何が23なのよ!!23mでも物足りないって!?冗談じゃないわ!!」  真っ赤な靴底に印字されている消えかかったサイズ表記を見上げ、まるで力の差を突きつけられているようで女幹部は激昂する。  その間も新幹線よりも速く広がり続ける靴底は東京の街並みを次々と飲み込んでいき、建物も乗り物も人もその区別なく瞬く間に靴底で圧縮される運命だった。 『ん…やっと止まったぁ…まぁた前より大きくなっちゃってるかもぉ…』  そうしてその身長が150kmほどに達した頃、彼女の巨大化はようやく停止する。  しかし、その時には彼女のハイヒールは23kmという途方もないサイズへとなっており、数十万という命が跡形もなく消え去った後だった。 『…ん。ワルーイ団のひとー!悪いことする悪い人は、正義の味方であるこのわたしがやっつけちゃうんですからねー!』 「貴女より悪いことしてる人間なんてこの世に居ないわよ!?」  女幹部がそう真っ当なツッコミを入れたところで、遥か天上に位置する彼女の耳に届くはずもない。  それどころか、正義の味方として振る舞う彼女は、戦うべき敵を倒すべく必殺技の構えに入る。 『いっくよー!みんなの想いをひとつに乗せて!』 「ま、待って!待ちなさい!!降参!降参するから!!」  もちろん、その声も聞こえることはなく、彼女の巨大な右足がズオオと轟音を立てながら天へとのぼっていく。  無数の瓦礫を撒き散らし、膨大な大気を連れ去ったことで地上はもはや壊滅状態だったが、皮肉なことに人間よりも遥かに強靭な女幹部だけは、その様子をまざまざと見せつけられるしかなかった。 『スーパーミラクルウルトラハッピーキューティー…ストンピーング!!』 「いやあああああ!!!」  冗長な名称とともに放たれた必殺技もとい体重を乗せた踏みつけは、その凄まじい衝撃により半径数百kmに渡って一瞬で壊滅させてしまう。  そのまま関東全域に震度9相当の揺れを引き起こしながら、直撃を受けた一帯は地盤そのものが沈下していく。 『ふぅ。たぶん倒したかな?これに懲りたらもう二度と悪いことはしないでね!それじゃ、とぅ!!』  満足げに微笑んだ彼女は見当たらない敵にそう告げると、勢いよく飛び上がって宇宙へと消えてしまう。  わずか30分にも満たない時間で、日本は数千万という人命とともに国土の一部さえをも消失してしまったのだった。 [newpage]  その翌週、同じように日曜日の朝。  たった1週間でまるでなんの被害もなかったかのごとく完全に復興した東京に、再び悪の組織が現れた。 「オーッホホホホホ!!今日こそはこの国を我らのものといたしますわ!!」 「「キィ!!」」 「きゃー!」 「たすけてー!」  懲りない女幹部と無限に存在する戦闘員に手を焼かされる人々を、彼女は必ず助けにくる。  それこそが、彼女の正義の味方たるゆえんそのものだった。 「見て!!ウルトラヒロインよ!!」 「いやだから大きすぎるわよ!!??」 完


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