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【掌編小説】ねぼすけ坊ちゃんを えげつない屁で 叩き起こすメイド・シフォンちゃん。

朝の陽ざしが、緩やかに豪奢な屋敷のカーテン越しに差し込んでいた。


静寂をやぶるように声が響く。



「ぼっちゃーん、

朝ですよ〜♡」


元気な掛け声と共に

部屋に入ってきたメイドの名はシフォン。坊ちゃんのお世話をしている。

ふわふわおっとりとしている

可憐な少女だ。


その声とともに、寝台の傍まで軽やかに駆け寄る。


「早く起きないと

遅れちゃいますよ〜!」


そう言いながら、もふもふの布団の上に、ためらいなく――いや、楽しげに――乗り上げる。


「よいしょっ!」


どすん!


「えへへ、、、

お顔に座っちゃいました♡」


ふわふわとした見た目とは裏腹に、坊ちゃんの顔面めがけて容赦なくヒップドロップを決めたシフォンは、いたずらっぽく微笑んだ。


「ぼっちゃーんおきて〜!」


だが、肝心の坊ちゃんはというと、微動だにしない。くすぐってもダメ、耳元で叫んでもダメ。これはなかなかの強敵だ。



「って、、、全然起きないなぁ、、、」


 肩を落としつつも、シフォンの頬がふっと緩む。どうやら次の手を思いついたようだ


「、、、しょうがないですね〜♡

そんなねぼすけさんには、、、」


「こうです♡」


くすくすと笑いながら身体をくねらせる。

 そして、ほんの少しだけ腰を浮かせて――


「んっ♡」


ぷぅ〜〜〜♡


部屋の中に、あまりにも可愛らしい――しかし明確に“それ”とわかる音が響いた。


「……!?」


 それは、まさに顔面直撃。

 寝ていた坊ちゃんの鼻先に向けて、ピンポイントで放たれた一撃だった。


「うふふっ♡ おはようございます、坊ちゃん♡」


 シフォンは、まるで朝の挨拶でもするかのように、満面の笑みを浮かべてぺこりとお辞儀した。


 そして――


「……っっっ!? ゴホッ、ゴホゴホォッ!!! くっさ!?!?」


 ついに、坊ちゃんの身体がビクンと跳ね起きる。


 涙目で顔をしかめながら、むせ返るようにして咳き込んだ。


「えへへ♡ 全然起きないから、シフォン……オナラしちゃいました〜♡」


 小首をかしげて、悪びれもなくそう告げるシフォン。


「どうですか? 一気に目覚めちゃうニオイでしょ?♡」


音は可愛いが、

臭いは全く可愛くない。

とてもこの少女が放ったとは

思えない強烈な匂いが

顔の周りに充満する。


(うぉえええ……くっさ……

 あと、重っ……!?)


 意識がぼんやりと浮上し始めた坊ちゃんの脳裏に、まず走ったのはその二語だった。


「ほら〜! 早くシフォンを跳ね除けて、起きてくださ〜い!」


 朝の日差しのように明るく響く声。

 しかし、その無邪気な響きとは裏腹に、彼の顔面には“朝日”どころか巨大な質量がのしかかっていた。


 シフォンがその小柄な身体に秘めた、想像を遥かに超える尻の重圧。

 ふわふわのスカート越しでも伝わる肉厚な圧力は、冗談抜きに寝起きの脳へクリーンヒットしていた。


 体を揺らされるたびに、むにゅ、むにゅ、と弾む感触。

 彼女は完全に無自覚な顔で、坊ちゃんの顔面を揉みしだいていた。


「……跳ね除けて、って言ってるのに〜、全然動かないんですもん♡」


 いや、動けるわけがない。

 自称“軽やかメイド”の巨尻は、もはや布団より重い。


「ん〜、ぐったりしてる……? いまいち効いてないみたいですねぇ」


 シフォンはちょっとだけ首をかしげると――


「仕方ないです♡ もう一発、いっちゃいますね〜?」


「! し……シフォン、やめ……っ……」


 だが彼の声は、柔らかな尻肉の壁に吸い込まれて、シフォンの耳には届かない。


 そして、音もなく、それは放たれた。


 しゅぅぅぅぅぅ……っ。


「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!???」


 無音の暴力。

 だがその“静寂”は、数秒後に訪れた衝撃臭と共に、部屋中を完全に支配した。


「は〜い♡ シフォンのかわいい透かしっぺですよ〜♡」


 ふわっと笑うその顔は、まるで焼きたてパンを薦めるパン屋の娘のようだ。

 だが、鼻をつく香りはパンどころか、兵器級である。


「しっかり嗅いで、おきてくださいね〜」


「くっ……くさすぎ……ぐふっ……」


「……あらら? 坊ちゃん、またぐったりして……?」


 シフォンは眉を下げて、ほんの少し心配そうに見下ろす。


「も〜う。二度寝はダメですよ〜♡」


 再び腰を浮かせる。そして――


「えいっ♡」


 どぶぅぅぅぅ〜〜〜〜〜っ!!!


 乾いた爆音。

 それはもう、音が可愛いとかいう次元ではなかった。


「…………。」


 静寂。

 まるで全てが終わったかのように、坊ちゃんはぴくりとも動かない。


「えへへ♡ すごいの、出ちゃいました♡」


 満足げに微笑むシフォン。

 そして、坊ちゃんの顔を覗き込む。


「どうですか〜? 坊ちゃん……って、あれ?」


 眠ったように動かない顔に、ふっと表情を曇らせたあと――


「……寝ちゃった? あらら〜……」


 だが、すぐにポジティブに切り替える。


「いい匂いすぎて、リラックスしちゃったのかな〜♡」


 そして、またも背筋をしゃんと伸ばし、くるりと笑みを浮かべた。


「よ〜しっ、じゃあっ……また最初から、やりなおしですね♡」


【掌編小説】ねぼすけ坊ちゃんを えげつない屁で 叩き起こすメイド・シフォンちゃん。

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