中々イラスト制作が上手くできないので本作は小説ベースでお届けします!
時間ができたら挿絵とか追加するかもです…
前回の事務所対抗戦↓
国民アイドル時間無制限バーリトゥードルール一本勝負
リング中央で向き合う両者。
「ここは記者も撮影カメラもないし、冬優子の本性を知ってるファンしかいない。可愛子ぶってないで本気でかかってきてよ。」
加蓮は冬優子へ顔を近づけて挑発する。
「えー…そんなことふゆには出来ないよ…加蓮ちゃん細いし…」
冬優子も額と額が当たるくらい近づくと
「…また無様に負けに来たみただけど、今日は失神程度じゃ済まないわよ…」
「それはこっちのセリフだから。ギブも失神KOも認めない。気が済むまでやるから。楽に終わると思わないでよね。」
バチバチに煽り合うと、もう言葉は不要だと言わんばかりに2人は拳を構えた。試合の興奮とアドレナリンで熱った身体には汗が滲んでいる。
試合はスタートのゴングを待たずに幕を開けた。
試合開始と同時に北条加蓮が踏み込んだ。
加蓮の武器は速さと身体の柔らかさ。女豹のようにしなやかな動きで相手を翻弄する。
(まずは右!)
(…ッ!当たらなければどうってことないのよ!)
冬優子は攻撃的なスタイルのファイターである。相手の攻撃に動じることなくカウンターを狙い続ける。
ヒットアンドアウェイを信条とする加蓮と、一撃必殺を狙う冬優子。
2人の戦い方は真逆であった。
「…ッ!」
「!!」
冬優子が鋭いジャブを放つ。加蓮はそれを回避すると、素早く左フックを繰り出した。
(ちっ!)
冬優子も体勢を崩しながらも回避し、そのまま体を回転させながら加蓮の顔面に拳を力任せに叩きつける。
「ぶっ…!!舐めないでっ!」
攻撃直後の一瞬の隙を突いて冬優子の懐に入る加蓮。
「はぁぁっ!!」
加蓮がお返しと言わんばかりに思いっきり冬優子の顔面を殴りつける。
(っ!!)
細腕からは想像できない威力のパンチに顔を歪ませる冬優子。しかしそれも想定内。すかさず反撃に出る。
「はぁーーっ!!」
冬優子の鋭い右ストレート。加蓮は腕を胸の前で組み、ガードで防ぐとカウンターとばかりにフックを繰り出す。だが冬優子はその攻撃を冷静に見切り回避すると、再び加蓮の顔面に強烈な一撃を叩き込んだ。
「がっ……!」
加蓮はよろめきながら距離を取る。その隙を逃さず冬優子は攻め立てる。
「まだまだ行くわよ!北条加蓮!!」
(一発一発が重すぎ…!)
加蓮は冬優子の猛攻を防ぎつつ、反撃の隙を狙っていた。だがそれに集中するあまり防御が疎かになってしまう。
(っ!?しまった!)
一瞬の油断。それが命取りとなる。
冬優子の助走をつけた膝蹴りがガードを突き抜け加蓮の胸を貫いた。
「はぁぁっ!!」
(ぐっ!?)
体制が崩れたその隙を逃さず冬優子はサッカーボールキックを加蓮へ打ち込んだ。
加蓮の体が衝撃で一瞬宙を舞い、そのままリングに倒れる。しかし冬優子は攻撃の手を緩めるない。
(やば……っ!)
慌てて体を起こそうとするがもう遅い。冬優子が加蓮の細い身体に跨りマウントを取る。
「このぉっ!!」
加蓮は無理やり体を捻ってマウント状態からの脱出を試みるが抜け出せない。
まるで蛇のように絡みつく冬優子の腕や足が加蓮の動きを封じる。
(マズイな……っ!)
「返せないでしょ?もう終わり?」
「そんなワケないでしょっ!」
加蓮は冬優子の腹部を殴りつけたが、冬優子は怯むことなく、加蓮の首を掴み締め上げる。
(ぐっ……こ、このぉ……!)
「ふゆの方が強いって認める?」
そう言うと冬優子は加蓮の首をさらに強く締め上げる。首を掴んだ手に徐々に力が込められていく。加蓮の顔が苦痛に歪み始めたその時─────
「がはっ…!」
突如冬優子の体がくの字に曲がった。抜け出そうと無我夢中で殴りまくった加蓮の一撃が冬優子の鳩尾を捉えたのだ。
たまらず冬優子は上から転がり落ち、加蓮を解放してしまう。
「げほっ!げほっ!」
(コイツ……!)
冬優子は咳き込むと、加蓮を睨む。その顔は怒りに満ちていた。
「アタシだって……黙ってやられてるワケないでしょ……!」
加蓮と冬優子の本当に相手を殺してしまうのではないかと言う殺気に会場に緊張が走る。
「ッ…!!」
2人同時に前に出た。
パァンッ……!
打撃が交差し、お互いの肉体を傷つける度に、歓声が上がる。
普段のライブや撮影の為、ケアしてきた健康的な身体には無数の痣ができていた。
その痣の上で滝のような汗が流れる。
それでも休むことなく激しい殴り合いの攻防を続ける。その姿は正に獣。
ッ……!!
同時に前に出た。
共に最速の一撃─────クロスカウンターを狙ったのだ。
しかし冬優子は見切っていた。加蓮の拳を難なくガードすると、加蓮の顎に強烈な一撃を叩き込む。
(がっ……!)
(これで終わりよ!!)
加蓮をダウンさせた冬優子はそのままラッシュを仕掛ける。加蓮は何とか立ち上がろうとするが、意識が朦朧としていて上手く体が動かないようだ。
そして遂に勝負が決まった。
「これで終わりっ!!」
冬優子の渾身の蹴りが加蓮の腹を抉った。
「っ──────」
(……やった!)
冬優子は勝利を確信し、思わず拳を握りしめた。しかし─────
(……あれ?)
明らかな違和感。攻撃は確かに当たったはずだ。それなのに、目の前の女は倒れていないではない。一体どうして……??
「なん……で……」
グルン…ドタンッ…
気づけば冬優子の視界には天井が映っていた。
(なんでふゆが天井を見上げてるわけ……!?)
冬優子は混乱していた。何が起きているのか理解できなかったのだ。なぜ自分が倒れているのか、どうして体が動かないのか、なぜ自分の視界に天井が映っているのか─────全てがわからなかった。
「え……?なんで……」
「ほら言ったじゃん?今日は楽に終われると思わないでって」
その言葉を聞いた瞬間、冬優子の背筋は凍った。
────── まさか……
冬優子は恐る恐る声が聞こえた方へ顔を向ける。そこには、笑みを浮かべた加蓮がいた。
「っ──────!」
加蓮はわざと隙を作り、冬優子が渾身の一撃を打ち込む瞬間を狙っていたのである─────彼女の予想を遥かに超えたカウンターをお見舞いする瞬間を。
(ヤバ……)
「ま、待っ……」
「待たない」
加蓮はそう言うと、無情にも拳を振り抜いた。「ぶっ!」
加蓮の拳が冬優子の顔面へと叩き込まれる。
(……終わった)
冬優子は悟った。
自分の敗北の悔しさのあまり、冬優子は涙を流した。だが、そんな感情はお構いなしに加蓮の攻撃は続く。彼女は倒れている冬優子に対して容赦なくパンチや蹴りを叩き込み続けた。
「っ──────」
強烈な連撃で、もはや呼吸すらままならない。
(…やめて……)
加蓮は情け容赦の無いラッシュで冬優子自慢の顔や身体蹂躙し続ける。
それはまさに地獄絵図だった。美しい顔が崩壊するほどの猛攻を受け続け、これ以上、これ以上はアイドルとしても再起不能になってしまう…
(誰か……助けて……)
助けを求める声は届かない。
「っ────────」
そして、とうとう限界が訪れた。
「あれ、もうダウン?まだ満足してないんだけど」
加蓮はそう言うと、倒れている冬優子の髪を掴み無理やり立たせてまた殴る。
「ほら、立ちなよ」
冬優子は力なく抵抗するが振り解けない。
「やめ……て……お願い……降参…」
涙を浮かべながら懇願するも、加蓮には届かない。再び強烈な一撃が冬優子の顔を襲う。
(もうダメ……っ!!)
そして──────── 冬優子は加蓮の気が済むまで弄ばれた。
◯北条加蓮VS黛冬優子●