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さらに白瀬咲耶のメスになる《10,000文字弱》

 咲耶お姉様は笑顔を絶やさない。それはたとえ、言いつけを守らず粗相をしてしまった妹を折檻する場合にも例外はない。王子様然とした立ち居振る舞いで黄色い感性を集める彼女は、メディアに映る姿そのものが自然体である。だからこそいつもより少し声が低くなっているだとか、笑っても瞳を細めきらなくなるだとか。そういったほんの些細な変化で、内に渦巻く激情が手に取るように分かってしまう。 「不用意に身体を触らせてしまうなんて、女の子としての自覚が足りないんじゃないかな。それとも……私を焚きつけていたのかい? ふふ。悪い子だね、お前は」  咲耶お姉様の低く優しい声で『お前』と乱暴に呼び掛けられると、背筋がゾクゾクと粟立ってしまう。人と人との繋がりに重きを置く彼女が、唯一私だけに用いる呼び方だ。その支配的な響きは特別扱いも相まってあまりに甘美で、脳がふるえあがってとろけるような気さえする。 「お姉様っ、私っそんな気はっ……❤︎ だって……っ❤︎」 「だって?」 「ひぅっ……❤︎」  私はずっとこの女っぽい顔立ちと、成人男性には似つかわしくないほど華奢な体躯とをコンプレックスに感じていた。お洒落で身を着飾るよりも女性に間違われないように忍んで生きてきたのだが、それが身も心も咲耶お姉様の『女』になって初めてこの容姿に心から感謝した。  身なりに気を遣えば遣うほど、鏡に映る自分の姿はどんどん見違えていった。アイドルたちがビジュアルレッスンで学ぶ髪の手入れやスキンケアをも実践し、女性嗜好のトレンドを追う。ふたりきりのファッションショーや、秘密のデートでお姉様は私の些細な変化にも気が付いて、たくさん愛でてくれて。意識は完全に女性のそれに寄っていき、公の場でもポーチやバッグが手放せなくなった。全ては咲耶お姉様のため、お姉様が喜んでくださるから。  己のコンプレックスと向き合うとはただの体のいい建前だったのだが、予想外なことにこの劇的ビフォーアフターが仕事で関わる女性の皆さんに大いにウケてしまった。女性への理解が単純な知識から実を伴ったものへ転じたことも認識の改めを手伝ったのだろう。今や顔見知りの現場スタッフに留まらず、お姉様が出演する番組の共演者の方さえ私に関心を持ってくることも。彼女たちの中で私の存在は性別の垣根を超えて『そちら側』に置かれてしまったらしい。しかし自分の意志とは無関係に親しまれたり距離を詰められたりすることは、必ずしも肯定的な効果ばかりを産むわけではなく、またこちらが気を付けてどうにかなる問題ではないことを私はてんで知らなかった。 「言い訳するんだ? ああ、そうだね。ゆりは何もしていないんだものね。ゆりは悪くない、愛らしいものに心奪われてしまうみんなが悪いんだね。それを見て、誰がどんな気持ちになろうと知ったことではないと」  声を荒げるわけでもなく、表情を曇らせることもなく。語りかけてくる咲耶お姉様が、だからこそおそろしい。言葉が詰まる、喉が鳴る。 「ひとつだけ聞かせてほしい。私の心を傷つけるのは、楽しかったかい」  決して他の人には放たない、抜き身の刀のような言葉。朗らかな微笑に真っ直ぐ射抜かれて私は怯んでしまう。咄嗟に上手く弁明を練り上げられなくて、反射的に首を横へ振った。芯の芯までか弱さを刷り込まれ、浸透してしまった女の子としての振る舞いだ。感情の高ぶりを抑えきれない。目頭に熱が込みあがって、胸の中が吐き出せない言葉たちでいっぱいになる。 (私がお姉様を裏切るようなことを、他の方にうつつを抜かす真似なんてするはずないのにっ。あらぬ誤解で大切な人に幻滅されてしまう。お姉様がいなくなったらどうすればいいのですかっ。そんなの、私っ、耐えきれないっ……捨てないでっ、お姉さまっ、嫌いにならないでぇっ……❤︎)  さながら恋人に別れ話を切り出された子がなんとかして相手を繋ぎとめようとするための台詞の数々だ。白瀬咲耶に新しい在り方を教わった自分にとって、お姉様こそが何より大切なかけがえのない存在。然して恋人同士の離別よりも、遥かに重い衝撃となって心が軋みゆく。  とうとう目の端から大粒の涙がこぼれ、嗚咽をかみ殺せなくなったとき、頬をすくい上げられた。大きくて優しい大好きな手のひら。反射的に瞳を閉じる。キスの合図は、こんなときだって身体が覚えている。 「ふふ、まだまだいじわるをするつもりだったのに。こんなに簡単に泣かれてしまうなんて、ね。ほら……れ、ちゅぅ……❤︎」  唇がねっとり擦れ合い、どちらからともなく互いの舌が絡んだ。幾度となく交わした愛情を確かめ合う接吻だとすぐに分かった。たちまち切なさが氷解して、安堵の熱が胸いっぱいを満たしていく。よかった、取り返しのつかない嫌われではなくて本当に良かった。これはただのいじわるだったのだ。ひどいいじわるをされた直後だというのに、私はキスの最中に涙の滴を指の背で拭ってもらえていることが既に今たまらなく嬉しい。 (ひどいっ❤︎ ひどいですっ❤︎ 私今っ本当に怖かったのにっ……❤︎)  せめて抗議の念を伝えようとして、接吻の延長をねだるために袖を引いたものの。そのまま後ろのベッドに押し倒されて、両手首をまとめて縫い留められてしまう。彼女の方が息はずっと長く続くし、体格差だって歴然だ。キスひとつとっても主導権は彼女にあり、私に選択権はない。 「んっ❤︎ ふっ、れぅえぅえぅ……❤︎ おねえひゃまぁ……❤︎ ぢゅぅ……❤︎」  酸欠に陥るまで繰り返しついばまれるうち、少女同然の泣き顔はやがて目尻がほつれた破廉恥なメス貌に。弱い部分に付け込まれてから優しくされると、好きな相手により一層心酔してたやすく心を明け渡してしまう。それがかよわい女の子の共通点なのだと教わった。全くもってその通り、本当に自分は御しやすいメスだと思う。 「ゆりの魅力が皆に認められるのは嬉しいけれど、自分の女にちょっかいをかけられるのは面白いものじゃない。マーキングし直したくて」  覆いかぶさられながら独占欲を囁かれ、ときめきで胸が苦しい。『マーキング』の言葉に数々の調教や折檻がフラッシュバックして、快楽の予感は寒気となり背筋を駆けた。骨の髄まで躾けられ、身体が犯される味を覚えてしまっているらしい。今日はいったいどんなふうに弄ばれてしまうのだろうか。恐ろしく感じながらも期待せずにはいられない。 「久々に巣に連れ込むことができたんだ。直接貴女のナカを掻きまわしたい」 「っ❤︎ ゆびっ……❤︎ して、してくださいっ……❤︎ 女の子にしてっ……❤︎」 「ふふっ、何を言っているんだい。もうお前は女の子だろう? とびきりのお姫様だよ。今は囚われの身だというのに、腰をくねらせてその気になって。乱暴にされるのがお好きですか、プリンセス」 「ちがいますっ、お姉様にされるなら、なんだってっ……❤︎」  ゆったりと余裕があるホテルのベッドもいいが、最愛の人の寝床はやはり特別で格別だ。シーツから咲耶お姉様の匂いがする。視界の端々にある調度品だって、みな彼女お気に入りの品。その中心にいるとまるで自分も選ばれたモノのひとつみたいで、下腹部のもっと深くの子宮の名残が疼いてじれったい。たまらず足の裏でシーツを蹴った。 「ッ、あ❤︎」 「ふふ、すごいね。鳥肌まみれだ」  お姉様の手のひらがカッターシャツの内側、キャミソールの中まで潜り込んできた。さっきのキスの最中に前を外されていたのだろう。口づけに夢中になっていて気づかなかった。大きな手のひらが這ったところから順に熱を帯びていく。敏感な脇腹を通り抜けられたので少し背を浮かすと、肩甲骨のあたりから金属が布を弾く音がした。  身体が悦んでいる。好きな人に触れられて、今から抱かれる気配を感じて。女性の装いは身体のラインを絞って締め付けるものが多い。ゆえにこそ、脱がされるという行為で高ぶってしまう。愛する人の手によって様々な枷を外され、美味しい部分を食べてもらう。『身体を許す』とはいい得て妙だ。 「あーあ。もうこんなに硬くして……❤︎」 「んぅっ❤︎ ぁ❤︎ あっ❤︎」  ブラをずらされて中身を指の腹で確かめられる。熱心な開発の甲斐あってもはや女性用下着なしでは暮らせなくなってしまった女性顔負けの敏感突起。先っぽを軽く擦り上げられただけであまったるい嬌声が漏れ出る性感帯の一つだ。小刻みに弾かれたり、くりくりと引っかかれたり。私の弱いリズム、好きな触り方を心得た動きだ。瞬く間に刺激が蓄積され、思考が鈍化していく。『しょうがない子だね……❤︎』という含みによって、手のかかるメスとしての自意識を植えつけられる。今男だと告白したら、いったい誰が信じてくれるだろう。 「肉づきもやわらかくなってきたし、少し膨らんできたみたいだ。いずれは胸全体で気持ちよくなれるといいね。そんなかわいいゆりが見たいな……❤︎」  お姉様はずるい。そんなふうに熱の篭った吐息をふきかけられては私がどうなるかどうするのか、それを知っていてわざと明言しないのだから。バストアップの努力をしてほしいと命令されれば、きっと私はにべもなく首を縦に振るだろう。けれど、過程まで含めてこその開発らしい。裁量権を与え、自発的に取り組ませることによって私の中の『女らしさ』を育てる。好きな人の好みにあわせて自らを歪め、献身的に尽くす精神を備えた理想のメスになるための、これはいわば花嫁修業なのだ。 「ワンサイズでも大きくできれば、一緒にナイトプールでもどうだい。美しいくびれも作ってくれたし、期待しているよ」  女らしい腰回りを手のひらで掴まれ、小さな悲鳴があがる。一度引き絞ってからその上であえて適量の脂肪をまとわせることで女性のそれをよく真似た。女の子らしい身体へと肉体を作り替えることはすなわち、触られて感じやすい敏感な弱点部位を増やすことに他ならない。筋肉という鎧を脱ぎ捨て、代わりに美しさとかわいらしさで彩る。幸せな変化だ、咲耶お姉様に触れられて気持ちいい箇所が全身に増えていくことは。いずれはお腹を撫でられると前立腺が引き締まって軽くアクメする『疑似子宮イキ癖』なんて機能を身につけたら、いっぱい辱めていっぱい褒めてもらえるかな。  そんなことを考えていたらいつの間にかジッパーが下ろされていて、スカートがはだけていた。自分で選んで買った薄桃色の愛らしいショーツがあらわにされる。いじわるにくすくすと笑われてしまう。 「こういうの、ゆりらしくてとてもよく似合っているね。かわいい女の子にぴったりな下着だ」  揶揄われているように思えてならない。というか、揶揄われている。身動きを殺されているためもじもじと尻を揺らすばかりで、フリルやリボンがたくさんついた女性用下着を隠すことができない。自分の嗜好やセンスまで相手に値踏みされているような気恥ずかしさ。世の女の子はすごいな、勇気があるなと素直に感心する。私は後天的なメスだからという羞恥心もあるが、しかし何度抱かれても羞恥心が色褪せる気配はない。  そうこうしているうちに指先がショーツの中にするりと侵入を果たす。思わず硬直する身体。やはりオスの残滓に接触が迫ると、緊張とともに恥じらいが加速度的に増してしまう。しかし、白魚のような指先は男の象徴に触れることはない。コツン、と鳴った硬質な音がその証だ。 「苦しくないかい?」  問いかけに小さくかぶりを振った。手のひらの中でカチャカチャと弄ばれる微弱な振動が、むず痒くって声を出させてくれない。貞操帯生活にも慣れたものだ。つけ始めの頃は性機能を女性に管理される事実が、日がな一日被虐心を嬲り尽くして、内側から己を蝕んでいくような感覚がたまらなく恐ろしかった。今ではそれなりにうまく付き合えていると思う。男性的な性欲との訣別のおかげで本当の女の子のように振舞うことができるようになった。拭いきれない男の意識はこういう情事の際に役にたつ。劣等感を糧にして性的興奮を煽る恥じらいを生んでくれるのだから。オスであることを捨てさせられた、お姉様専属の愛玩用マゾメス。要するに、私は、私の性感帯はそこではない。 「っ❤︎ ぅっ……❤︎ そ、そろそろっ……❤︎」 「うん?」 「そこ、じゃなくてぇっ……❤︎」 「言って」 「っ……❤︎ うしろっ……❤︎ うしろのあな、さわってっ……❤︎ お、おくまでっ、ほしい、ですっ……❤︎」 「ふふっ。かしこまりました。お姫様は相変わらずおねだりがはしたない……❤︎ 躾け直そうと思ったんだけどね、逆に躾けをねだられるなんて、困ったレディだ」 「ぅぅ……っ❤︎ も、もうしわけ―― 「今日は寝かさないからね」  ――ッ❤︎❤︎ は、はぃっ……❤︎」  視界の外へ手が伸び、粘液のプールをくぐって戻ってくる。そのままお尻の谷間を撫でつけられるように指を這わされると全身が快楽への予感で総毛立った。抱いてもらう日には余すところなくナカまで体を清めているが、それでもやはり畏れ多さは抜けきらない。トップアイドルの白瀬咲耶さまに出来損ないの身体を、ひいては不浄の穴を触っていただく背徳感がさらに感度を高める呼び水となる。  くちゅり、くちゅりと入り口で水音があそぶ。自分のおつゆではないとはいえ、穴が粘液をまとう音が聞こえる事実は、私は抱かれるメスの側なんだと深く陶酔させてくれる。 「ゆりのココはあっついね……❤︎ それに、ほら、もうほぐれてきてる。私の指に懐いてくれているのかな。やわらかくて、とろっとろだ❤︎ ふふっ❤︎ ね、おまんこちゃん……❤︎」 「っぁ……❤︎ ぁっ❤︎」  行為に差し掛かるとお姉さまはいつも私を『おまんこちゃん❤︎』と詰る。片手で私の両方の手首をまとめて、身動きが取れないようにして。耳をふさげないようにして、顔を背けられないようにして、穴を庇えないようにして。私が淫乱なマゾメスであることを丁寧に言い聞かせながら愛撫を施すのだ。お姉様にいただいた『ゆり』という名前を『メス穴』に上書きなんてされたいはずがないのに、乱雑に辱められる羞恥心が身体の内側に炎を灯す。 「女の子はね、誰しもが『おまんこちゃん』ではないんだよ。恥ずかしい思いをさせられるのが好きで、どれだけいじわるされてもメロメロな、心と子宮が深くつながっている子……❤︎ 抱かれるために生まれてきたほんの一握りの従順で健気で淫乱な愛されたがりのメス……❤︎ そう、ゆりのことだよ……❤︎ キミは生まれてくる時の性別を間違えてしまっただけなんだ❤︎ だからこんなにも愛らしい顔立ちや姿をしているし、愛するひとの身体の一部を体内に受け入れる事にドキドキしてしまう……❤︎ わかるかい、私の『おまんこちゃん』❤︎」  同性支持の厚い白瀬咲耶が語る女性論は、あまりに強固な説得力を伴う。ひくつく尻穴を撫でつけながら諭されると、一言一句が胸の中へ世の絶対的な理としてすとんと落ちてしまうのだ。切なさに耐えかねて、何度も頷くさまは聞き分けのいい妹そのものだろう。 「ほしいかい、これ」 「っ……❤︎ お、おねえさまのゆびっ❤︎ ながくてぇっ、おくまでとどいちゃうゆびぃっ……❤︎」  性感帯と化した入り口に沿うように擦られて、背中から後頭部にかけて鳥肌が走った。自分でも気づかないうちにベッドから腰は浮き、腿からつま先までがぴんと張る。脊髄に幾度となく調教の痕跡が残されているせいで、こうして然るべきタイミングになるとスイッチが入ってしまう。誘い受けの才能があるとなじられるわけだ、お情けをねだる姿はあまりに浅ましい。  挿れてっ❤︎ 挿れてっ❤︎ とせがむ愚妹の願いをお姉様は無碍になさらない。素直な良い子にはご褒美を。ただし譲歩してもらうのだから、これから言い渡される条件はいい子で呑まなければならない。 「この拘束はもう必要ないね。抵抗する気はあるかい」 「あ、ありませんっ❤︎ でもっ……❤︎」 「不自由に縛られながら、のほうが燃えるんだね。知ってる。でも、ダメ。お前を愛してあげられる私の手はふたつしかないんだ。自分の胸は自分で慰めてあげること……できるね? 一緒にこの身体をもっと開発しようじゃないか❤︎」 「う、っ……❤︎ ぁ❤︎」 「上手にできたら、おさがりのブラをあげるね」  ッ――❤︎ こくんっ❤︎  押さえつけられながら迎えるアクメには凄まじい中毒性がある。この場における絶対上位者であることを噛みしめながらのオーガズムは、咲耶様に支配されて幸せな気持ちで頭の中が埋め尽くされるからだ。しかし、大好きなお姉様の言いつけとあっては疎かにするわけにもいかないし、何よりおさがりをくださるというその甘言は魅力的すぎた。  縫い留められていた手首が自由になると、どうしようもなく寂しい気持ちに苛まれた。滅多にない機会だ。普段は手首をまとめられているか、肩を抱かれているか、乗り上げられているかのどれかだったから。自由を奪われ支配されながらイク、マゾメスの依存癖がついてしまっていたらしい。両胸の突起へそれぞれ人差し指の腹を持ってきて、おそるおそる擦ってみる。声が出そうになって、下唇を噛んだ。 「いい子だ、続けて」 「ふ、ぅぅ……❤︎ ぁ、う……❤︎」  愛撫の触り方を思い出しながら優しくこねまわす。押しつぶさないように慎重に。先端は小刻みにひっかいてたまにつねってみる。お姉様にされる時みたいな電流が駆けるような衝撃ではないものの、かえって甘くもどかしいそれが指の動きを加速させる。みるみるうちに思考がまとまらなくなってきた。だらしなく半開きになった口から、甲高い悲鳴が勝手に漏れ出ていく。 「上手だね。そのまま、力を抜いて……ん、先っぽが入った。上手に飲み込めてえらいね」  つぷっ❤︎ 「は、ぁ、ぁ❤︎ ぁぁぁぁ……っ❤︎」  甘っちょろい快楽で絆された縦割れアナルはあっけなく人差し指を受け入れていく。わざわざこじあけられなくても、私の穴は押し込まれれば従順に飲み込んでしまう。外部からの侵入を拒む機能が削ぎ落された、都合のいい穴はきっと快楽を貪るためについているのだろう。初めはまったく慣れなかった、この脂汗が滲むような悪寒にももう嫌な感じはしない。自分の中身が他人に占領されていくはずの『犯される』行為がこんなにも心地いいなんて、お姉様に出会うまで知らなかった。己の中にいる女性を意識すればするほど、目と鼻の先にある優しくてちょっぴりいじわるな微笑みが愛おしくてたまらなくなる。 「やわらかくて狭くて、すごく熱いね。中指もすんなりと咥え込んでしまっている。もう途中で止めないから、苦しかったら言うんだよ」  私は首を縦に振る。気遣いを帯びたたった一言で目頭がじんと再沸する。人差し指と中指を中ごろまで飲み込んでしまっているため、既に圧迫感は感じているが好きな人の手ずから与えられるものを嫌に思うはずがない。乳首を抓り上げながら、中をかき回す指に集中しながらその時を待つ。心の臓があぶつき呼吸が乱れていく私をご機嫌に眺めているうちに、指先は屈伸を繰り返してその場所にたどり着いた。中指の平らな部分で、腸壁越しに撫でられるだけで肌が粟立つ。尿道の周りを取り囲むように位置している、メスだった頃の残滓、子宮の名残。その場所を指の腹でぐいっ❤︎と押し上げられと、私のような開発済みのメスはひとたまりもない。脊髄に電撃が走って、瞬間的に意識が飛ぶ。瞼の裏がフラッシュして反り返った背中がベッドから浮き上がった。 「ッ❤︎❤︎ く、ぁ❤︎❤︎」 「ふふ、まずは一回目❤︎  れ、ぢゅぅ……❤︎」  射精とは全く違う類の快楽がこんなにもあっけなく引き起こされる。それはひとえに普段からの開発と躾けの賜物だ。『女の子だってたとえ直接子宮を愛撫されたとしても、きっとこんなにみっともなくイキ狂わないだろうね』とはお姉様の弁。絶頂に追いやられるたび自分が『おまんこちゃん❤︎』であることを色濃く刷り込まれ、誰のものなのか、誰のために誂えられた身体なのかを本能レベルで叩き込まれる。クルミ大のサイズの疑似子宮とも呼ぶべき性感帯は、もはやただのメスイキスイッチと化していた。 「すぅぅ……❤︎ ぢゅ、れぅ……❤︎」 「ひ、ぁ❤︎ あっ❤︎」  前立腺オーガズムに溺れている間。首元に端正な鼻先を埋められた。熱い吐息を吹きかけられ、唇が這う。太い血管が剥き出しになっている箇所は生物としての急所だ。生死を脅かされることで生じる耐えがたいくすぐったさがアクメに上乗せされると、もう何がなんだかわけがわからない。乳首を愛撫するはずの指は完全に固まってしまっていた。 「ぢゅッ、ぢゅぅぅぅ❤︎」  静脈や鎖骨に伝播した咲耶お姉様のリップ音は耳で聞くより肌で聞くほうが頭の中によく反響する。薄い皮膚に痕を刻むこの吸啜こそがマーキングだ。お姉様は私が一回アクメするたび、身体に吸い付いてアクメのしるしである鬱血をひとつ残す。だから今日みたいなお泊りの日には翌日素肌を晒せないくらいに痕だらけにされてしまうのがいつものことである。胸元や、お腹、体位によっては背中や内腿なんて場所にまで満遍なく。けれど最近は特に首ばかりだ。タートルネックで自然に隠せる季節だからなのかな、と安直に考えていたが真実はもっと甘くて恐ろしいものだった。 「ぢゅ、れぅ、ぢゅぅぅ❤︎❤︎」 「はーーッ❤︎ ふぅぅッ❤︎ フ―ーッ❤︎」  ようやく絶頂の波が収まって痺れが取れてきた私の身体は、徐々に脱力してやがて背中がベッドに着地した。伴ってマーキングもゆるやかに収束していく。ちゅぽ❤︎と小気味よい音を立てて離れたお姉様は焦点が定まらない妹を慮って窘める。 「だめじゃないか、ちゃんと弄ってあげなきゃ❤︎ 一生懸命アピールしているのに、仲間外れなんてかわいそうじゃないか❤︎ じゃあ、もう一回❤︎」  ぐいッ❤︎❤︎ ぎゅぅぅぅ❤︎ ぐにぐにぐに❤︎❤︎ 「っ、く、はぅッ❤︎❤︎❤︎」 「ほら、優しくでいいから……って、ふふ❤︎ ああ、そんなに強くしては弱点がさらに大きくなってしまうよ……❤︎ ぢゅぅ……❤︎ れぇ、ぅ❤︎」 「だ、っ、めぇ……❤︎ イクっ……❤︎ またイクっ……❤︎❤︎」  頭の中が真っ白になるほどの絶頂中に手加減などできるはずもなく、私は胸の突起を親指と人差し指で思いきりつねりあげてしまう。女の子にしては致命的に品がない、というか自虐的な乳首オナニーだ。じんじんして痛いはずなのに、前立腺を押し上げられる衝撃に後押しされてその感覚が一緒くたに快楽へと昇華される。本来つながってはいけない者同士にパスが通されるようなもの、とでも形容するのが正しいだろうか。ともかく、オスを辞めてしまったマゾメスの無様なイキざまであることには違いない。 「れぇ、ぢゅぅぅ……❤︎❤︎ っ、ぷ、ぁ……❤︎ かわいいね、ゆり……❤︎ 貴女にお似合いのアクメだよ❤︎ 何度も何度も条件付け……ううん、躾けてあげようじゃないか❤︎ 妹の愛らしい姿を見たいと願うのは当然だろう? 想像してごらん❤︎ 乳首を擦られる刺激や首元に吸い付かれる刺激が前立腺の疼きと結びついて、それだけでオーガズムを迎えられるようになるアナタ……❤︎ とっても素敵じゃないか❤︎」 「あっ……❤︎❤︎ あぁぁ……っ❤︎❤︎」 「ね?」 「っ、ぁ、ぁ……❤︎ は、はいっ……❤︎❤︎」 「ゆくゆくは足腰なんかも、撫でられただけで膝が砕けてしまうようになるといいね❤︎ 性感帯が全身にある、年中鬱血痕まみれの女の子……❤︎ 簡単な愛撫ですぐに絶頂してしまうせいで、他人に身体を触らせられない全身おまんこちゃん……❤︎」  咲耶お姉様は自分のものを他人に触れさせないために身持ちを固くさせるのではなく、私の肉体をとことん脆弱で敏感な淫乱ボディに加工することを選んだらしい。どこを触られてもイク、都合のいいラブドールのようなマゾメス。お洋服が擦れただけで発情してしまう肉体は生きるにつらいだろう、いつでもどこでもお情けを欲しがってお姉様に依存して生きるなど、そんなの。 「あっ、あ、ぁ……❤︎ し、しあわせっ……❤︎❤︎ しあわせです、わたしっ……❤︎❤︎」 「ああ、私も本当に嬉しいよ❤︎ ゆりも同じ気持ちだったらいいなってずっと考えていたんだ。ありがとう、しあわせにするからね……❤︎ ふふ、今夜は忘れられない特別な夜になりそうだ❤︎ 本当は壊れるまで愛してしまうのが少し不安だったんだけど、どれだけ弱くしてしまってもいいなら……許してくれるね、ゆり❤︎」 「も、もちろんですっ……❤︎ ゆりのこと、お姉様好みのかよわい愛玩用おまんこちゃんにしてくださいっ……❤︎」 「ええ畏まりました。どこまでも、どこまでもお供いたしますよ、お姫様……❤︎」 《終》

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めちゃくちゃ良かったです!独占欲剥き出しでPに攻め寄る一方、Pへの確かな愛や気遣いも感じさせる咲耶さんの描写が最高ですね。貞操帯を強制されたりくびれを作らされたり等、咲耶お姉様の所有物として体を加工され、内面・外面共にどんどん淫らに女らしくなっていくPの可憐さや健気さも激萌えで、ものすごくエロかったです!自身の容姿にコンプレックスを抱いていたというPの内面的な部分や、Pの仕事相手との関係や対外的な評価のような設定が知れたのもとても良かったです。 大好きなシリーズなので、またいつか気が向いた時に続編を書いてくださったらとても嬉しいです。どんどんえっちな女の子になっていくPを是非見てみたいですし、咲耶さんとの馴れ初めや、事務所の他のアイドルとの関係性なども気になりますね。今回も素晴らしい文章をありがとうございました!

sakuma


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