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絶対浮気防止策。自分の匂いをよ〜〜く覚えこませながら前立腺をこね回して堕としにかかる桑山千雪《12,000文字》

「普通にお聞きしてもきっとどれでも似合ってる、なんてはぐらかされちゃいますから❤︎ 『プロデューサーさんじゃないプロデューサーさん』はどの衣装がお気に召しましたか?」  ベッドシーツを埋め尽くすように広げられた、彩色煌びやかな衣装たち。そのいずれも男にはよく見覚えがある。花の意匠を象ったシフォンスカート、水の精をイメージしたドレス型キャミソールに、あるいはマリンブルーのビキニまで。全て自身が担当する、アイドル彼女桑山千雪が袖を通したもの。どれもプロデューサーとして、千雪こそがその衣装に世界一相応しい女の子だと太鼓判を押して企画を通したのだ。実際の衣装合わせでは毎回想像を超える着こなしを見せてくれるから、幾度となく言葉を失った。  桑山千雪を魅力的に飾り立てるためにこの世に生まれ落ちた、その一点ものの衣装たちへ。おそるおそる手の平を這わせるとコサージュは形が崩れ、フリルの衣装にくしゃりと皺が寄った。触れられない、触れてはいけないと思っていたアイドルの残滓に指をかけてしまったことで、男の動悸は激しさを増す。 「くすっ……❤︎ 普段なら、私の衣装を絶対にそんなふうに触れないのに❤︎ プロデューサーさんったら、アイドルの衣装を力任せに掴んじゃうぐらい、よっぽど溜まっちゃってたんですね……❤︎」  堪え難い劣情に歯止めをかけるための理性は、既に擦り切れてしまっていた。でなければ、いったい誰が担当アイドルの自室、そのベッドで生まれたままの姿になりながら、ひとつひとつが思い出の詰まった衣装に指をかけようか。それも自分勝手な浅ましい欲望が抑えきれなかったから、という最低の動機で。 「ふふっ……❤︎ そんなに息を荒げておちんちん硬くして。まるで私が押し倒されてるみたいな気分になっちゃいます……❤︎」  彼という責任感の強い熱心なプロデューサーは、アイドルの自室でアイドル衣装の数々に全裸で発情する、擁護できない変態の成れ果てと化してしまった。もはや言及するまでもないが、プロデューサーとしての彼にそう一線を超えさせるよう仕組んだのは千雪本人であるというのに。  衣装の数々は几帳面に畳まれている中で、どれも大きな山並みを描く箇所が一際目を引いてしまう。自己申告を大きく偽っていた千雪のバカでかい胸元。その凶悪な性の象徴は生物のメスとしてアピールポイントではあるが、会場の客全員を前かがみにさせてしまうわけにはいかない。なればこそ、パフォーマンス中にその巨乳がばるんばるんと弾まないよう支えて包むためには、フリフリやふわふわといった可愛らしい布地では役不足だ。 『その頃のブラなんて、とっくに入りませんよ〜もう❤︎』 『桑山千雪、96cmのIカップです❤︎』  プロフィール欄の数字を読み上げることにたじろいでいた自分を、ちょっぴりあざ笑うかのような台詞。あの耳打ちが思い起こされて頭のてっぺんまでゾクゾクと痺れがまわった。  ごくりと生唾を飲み、春の花を模したドレスの胸元に手を伸ばす。全体にフリルがあしらわれているというのに、あからさまに他の箇所とは触り心地が違う。爆乳を支えるための湾曲したデカ乳カップ。ずっしり重い中身を受け止めるべく拵えられた生地は分厚くて型崩れなど起こさない。男が上から体重をかけてもベッドのスプリングが衝撃を逃して埋まってゆくばかり。ならば掴み潰してやろうと指の股を目一杯広げても、ドーム状の盛り上がりは手のひらで覆いきれない。思うこと全て規格外の乳のサイズに翻弄されて空回りし、やり場を失った切なさに耐えかねて苦悶に喘いでしまう。  そんな一部始終を背後から観察していた千雪は、とうとう笑いを耐えられなくなって喉の奥をくすくすと鳴らした。 『プロデューサーさんのお手手、ちっちゃいんですねぇ……❤︎ はぁい、千雪のおっぱいの勝ち〜❤︎』  アイドル桑山千雪が決して言わないであろう低俗で挑発的な煽り。まず幻聴には間違いない。かれこれ一週間もの期間精を溜め込まされ続けたせいで、オスの身体は怒りや悔しさといった感情が真っ先に睾丸へなだれ込むようになってしまっていた。  性欲にまかせて衣装を乱雑にまさぐっているうち、男はその下に埋もれて隠されていたものに気がついた。そう、当然ながら、実際の衣装の下には身体を覆うために着用しているものが存在する。 「あ〜ぁ、見つかっちゃった❤︎ それはブライダル雑誌の撮影で使った下着ですね……❤︎ ちゃんとドレスの下もお揃いにしてたんですから」  水色のロングドレスの中から出てきたのは、同系色のネグリジェである。息を呑みながら指先で擦り合わせてみると、触り心地が快い。デザインもドレスに意匠を合わせており、素肌が透けるほど薄い。他にもどれもこれも衣装の中には当時着用していたのであろう下着が仕込んであって、ベッドはたちまち桑山千雪の抜け殻でごった返してしまった。  ステージ衣装ほどではないが、撮影用の衣装も色落ちを防ぐため洗わずに着回すことが多い。そのためいくらこうして千雪が私物として買い取り、手入れをしたからといって、染み込んだものが簡単に抜けきるものではない。かき混ぜればかき混ぜるほど、むわりむわりと香り立つ。制汗剤の匂い、勝負日につける香水の匂い、千雪の髪の匂い、素肌の匂い、男の知らないくらくらする匂い。絶妙な塩梅で調合された彼女のフェロモンは、ただオスの心を拐かすための『嗅ぐ媚薬』となって機能する。 「ウエディングドレス用のブライダルインナーって二種類あるんです。ブラジャーでまぁるく成形して腰回りをニッパーで引き締めるタイプと……今プロデューサーさんが抱きしめていらっしゃる、それがもう一方のビスチェタイプ。両方試着してそっちにしたんです。ブラのほうが結構ボリューム出ちゃったから、担当さんもこれはやめておきましょうかって。あれでもアタッチメントのフックも使って、胸元の膨らみを抑えたほうなんですよ」  手元でローションを泡だてていた千雪がちらりと視線を寄越すと、男は完全に出来上がってしまっていた。腕の中に掴めるだけの衣装や下着をかき集めて、その中へ顔をうずめ込んでいる。短い間隔で激しく上下する肩。いかに切羽詰った深呼吸を繰り返しているかが背後からでもよくわかる。べちんべちんと腹を打つほど反り返る勃起が、今か今かと触られる瞬間を心待ちにしていた。 「だってブライダル雑誌をお手に取ってくださる方には結婚を考えているパートナーがいるのに、おちんちんに浮気を唆しちゃうような格好なんてしちゃいけませんから……❤︎ もしもーし、プロデューサーさ〜ん? 聞こえてますか〜❤︎ ……つつ〜〜っ❤︎」  びくびくびくッッ❤︎❤︎❤︎  剥き出しの内腿から鼠蹊部にかけてを千雪のしなやかな指がなぞりあげた瞬間、男の体はおもしろいぐらいに反応した。そして靄がかった頭の中にぼんやりと、自分の今の格好を思い出すことになる。身体を隠す布切れ一枚もない状態で千雪にお尻を向けながら発情する情けない姿。つい今しがたまで脳みその容量が性欲に占領されて人間らしい感情が入り込む余地などなかった。だが、一度自覚を得てしまうと、羞恥心がふつふつと止め処なく湧き上がってきた。  その恥ずかしさは自分の全てを桑山千雪に見られていることに対してではない。自我を喪失するほどの性欲に呑まれておきながら、自分の中には『桑山千雪を押し倒して、彼女を性欲の捌け口にする』という選択肢はなかった。身体の中からオスらしい荒々しさが完全に毒抜きされてしまっているのだ。それどころか千雪にお尻を向けて『いつもみたいに恥ずかしくて気持ちいい目に遭わせてもらうこと』を期待している。情けなさを噛み締めれば噛みしめるほどに発情してしまう身体が、男は恨めしくてたまらない。 「ふふっ、金玉さんおもたぁーい……❤︎ みちみちって音、聞こえてくるみたいです。お辛かったですよね? すぐに空っぽにしますからね」  でっぷりと肥えた金玉をアイドルに弄ばれて、嬌声を抑えられない。千雪の長くしなやかな指先が性感帯を滑る感覚は、この一週間毎日毎晩男が恋い焦がれたものだった。自分で性処理に及ぼうとするたび『また一週間後、楽しみにしててくださいね……❤︎』と終わり際の囁きを思い出した。呪いのように鼓膜の奥に付き纏い、幾度となく自慰行為を思い留まらせたのだ。 「じゃあ、触りますね〜❤︎」  平らかな容器から人肌に温めたローションをすくいあげる手つきに迷いはない。たっぷりの潤滑油をアイドルの指で塗布される幸福な部位は、海綿体が膨張しきったペニスでも、はたまたパンパンに精子を溜め込んで脂ぎった金玉でもない。排泄のために備わっている、不浄の穴。人間の身体の中でいちばん汚い場所と言い換えても構わない、きゅうきゅうとすぼまる尻の穴だ。  そこが彼の新しい性感帯だと証明するのは、触れた瞬間メス同然の喘ぎをあげて上半身を突っぷすその姿だけで十分であった。 「お尻の穴ちょんって触っただけなのに……❤︎ ふふっ、ひくついちゃってかわいいです。親指の先っぽあてがって……入り口をぬぽぬぽして柔らかくしますね……❤︎」  男の体の中でいちばん汚い場所に躊躇なく指をつけた千雪はそのままローションを塗り込みながら、きつく閉じた筋肉を丁寧に揉みほぐしていく。尻たぶを両手で掴んで割って開くと、無防備な肛門が露わになった。肛門が涼やかな外気に晒されて男は身震いする。何度も迎え入れたせいでこれからどんな目に遭わされてしまうのか、身体は具に覚えているからだ。 「おちんちんさんは遊んであげられなくってごめんね、また今度ね〜❤︎」  プロデューサーの股座で物欲しげに海綿体を漲らせるペニスは目もくれられない。竿の根元がもどかしさで収縮し、反り返って腹をべちんべちんと打ちながらカウパーを撒き散らす。自分も構って欲しいというおちんちんの懸命な意思表示は、今日とて千雪のくすくす笑いのタネにされただけであっさりとあしらわれてしまった。 「くにくに、くにくに……❤︎ わぁ、鳥肌すごいです❤︎ すぼまった穴の周りの筋肉を優しく揉み解されるの、大好きですもんね……❤︎ ふふっ、ちゅー❤︎ちゅー❤︎って指に吸い付いてきてますよ〜❤︎ お尻の穴まで、甘えんぼさ〜ん❤︎」  両手の親指がプロペラのように回転して、ゆる〜く指圧され続ける肛門。ローションが勝手に吸い込まれていくぐらい括約筋がやわらかくほぐれ、ちゅぽちゅぽと吸啜音が馴染むまで丹念なアナルほぐしは続く。ペニスをお預けさせ、尻穴をもどかしい刺激で嬲る時間が長ければ長いほど、男の抵抗心を削ぐことができる。愛らしいマゾの習性を千雪はよくよく心得ていた。 「はい、『あ~〜〜ん』❤︎❤︎」  長い長い下拵えで朧げになっていた男の意識は、尻穴の挿入感によって叩き起こされた。反射的に肛門をすぼめようとするものの、丹念に揉みほぐされたアナルにはろくに力が入らない。マッサージによって自らが排泄孔であることを忘れ、異物を従順に飲み込む淫乱な受け入れ穴と化す。 「わぁ、あっつあつ……❤︎ お尻がめくれかえるぐらい、指に吸い付いてますよ❤︎」  千雪の中指をすんなりと飲み込んでしまい、ちゅっぱ❤︎ちゅっぱ❤︎と物欲しそうにむしゃぶりつく穴の様子が実況される。男はなんとかして表情を隠そうとして、自分のアナルをご機嫌で弄ぶアイドル衣装に縋り付く。しかし哀れかな、その姿こそがなおのこと千雪の嗜虐心を焚きつけていると気づかない。 「もしかして、私の指を恋しく思っていただけたんですか……❤︎ ごめんなさい、プロデューサーさんのお尻の穴、こんなに甘えんぼに開発しちゃったせいでずぅ〜と寂しい思いさせちゃってましたよね❤︎」  尺取り虫を彷彿とさせるような緩慢な動きで、狭まった腸壁が押し広げられていく。体内で蠢いているものは中指たった一本だと言うのに、凄まじい圧迫感だ。背筋にぶわっと冷や汗が噴き出し、気を紛らわすために唸り声を絞りだす男。まるで破瓜の痛みに鳴く乙女になったみたいだと思った。こうして穴をほじられて喘ぐ自分は、本来女として生を受けるべきだったのではないかとさえ思ってしまう。だって、尻たぶを慈しむように撫でてくれるのが嬉しくて仕方がないのだから。 「無理そうだったらいつでも膝から崩れちゃって大丈夫ですからね? おちんちんさんが為すすべなく泣いちゃう場所を、今からい〜っぱいこねこねするんですから……❤︎」  千雪の言葉で、その場所を責められる感覚を想起した。想像しただけで呼吸が荒くなる。刹那的な射精の気持ちよさとは一線を画すほどのえもいわれぬ絶頂感。あれはドラッグの類と同じだ。桑山千雪好みのマゾに躾けられていく倒錯感も凄まじいものだが、そもそも絶頂へと押し上げられる快楽の総量が桁違いなのだ。あんなもの、一度でも身体に染み込んでしまえば二度と忘れるなど——。 「——くすっ❤︎ みぃつけた♪」  何の前触れもなく指が折り曲げられたその瞬間、男は自らの脳内で大切な神経のいくつかが火花を散らして焼き切れるような錯覚に襲われた。的確に射抜かれたその場所を起点にして弾けた快楽は、逃げ場を求めて体の中を暴れ回る。黒目はまぶたの裏側へと追いやられ、嗚咽のような汚い喘ぎ声が喉の奥でこんがらがった。唯一、体液になることができた快楽だけが、目に見える形として全身の汗腺から脂汗となって噴き出た。 「ほら、ここ❤︎ プロデューサーさんの大好きなところですよ〜❤︎ 軽く押しただけで沈み込むような弾力がありますね〜……って、あらら❤︎ どうしちゃったんですか、プロデューサーさ〜ん❤︎ おーい……❤︎」  己が意に反して無理やり絶頂まで押し上げられた男は、高いところから一気に突き落とされた。いくらもがいても自分の意思では絶対に浮かび上がってこられないアクメの底なし沼へ唐突に放り込まれ、浮上しようとじたばたと足掻く。呼吸すらままならないほど、全身が快楽の電撃に強ばった。身体の中に酸素が足りなくなると心のゆとりがからっきしになる。ここに至ってやっと、男は恋い焦がれるほどに求めてやまなかったはずのアクメが、一体どれほど凶悪な代物だったのかを思い出した。 「すっごくイキやすい、スイッチの入りやすい身体になりましたね〜❤︎」  明らかに前立腺の位置を避けて、焦らすような嬲り方。 ほんの少しでも当たりどころがずれればまたさっきの衝撃に撃ち抜かれることになる。その恐怖に男はすっかり怯え、身動きが完全に殺されてしまった。千雪の手には落雷を落とすスイッチが握られており、いつだっていい、彼女の望むタイミングで無理やり絶頂地獄へと追いやられてしまうのだ。 「くすっ、女の子のビキニの内側嗅ぐなんて本当はダメなんですよ……❤︎ 夏用スカートの蒸れちゃって汗が染み込みやすい腰ゴムの部分だとか、セーターの腋の毛玉ができちゃってるところとか。プロデューサーさんが顔を埋めてるところ、どこも匂いが濃ゆ〜く染み付いてる場所です」  腕いっぱいの千雪の抜け殻に顔を埋めていたことが裏目に出た。酸素を求めて深く呼吸すればするほど、衣装に馴染んだ千雪の匂いが鼻腔を満たして全身の隅々まで巡っていく。ステージの華に喩えられる憧れの存在であっても、彼女はアイドルである以前に齢23歳を数える女性だ。身体から発せられるフェロモンは『桑山千雪』という人間のメスの魅力を、ひと嗅ぎでオスに売り込む極上の宣伝材料としてはたらく。「私はこんなに繁殖に適したメスですよ〜❤︎」とオスの凶暴性をたきつけ、発情を煽る惚れ薬としての役割を果たすのだ。吸いこみ続ければ並みの女では満足できなくなってしまう、劇物に等しい。 「気持ちよすぎて怖くなってきちゃいました? お声がどんどんふるえてきてますよ。あま〜くとろけて、ビクビクふるえちゃってます。ふふっ。女の子がイクの一生懸命ガマンしてる時みたい……❤︎」  プロデューサーの脳裏には花がほころぶように微笑む桑山千雪が思い浮かんだ。この場における強弱関係は紛れもなく、彼女が上だ。はにかみながら笑顔を浮かべていたあの優しい女性は今や自分の身体を生かすも殺すも思い通りのご主人様。噛みしめるほどに男の肌は粟立ち、体の感性も心の感度も鋭敏に研ぎ澄まさていく。  もはや認めざるを得ない。いじめられたり、辱められたりして興奮するその性質は、逃れようもなくマゾのそれ。この関係に名前をつけるならばプレイでも性欲処理でもない——躾け、である。 「我慢しないでいいですよ、お尻の中をかき混ぜてる私の指に集中してください……❤︎ ほら、きもちい、きもちい……❤︎ お射精する瞬間にいつもぎゅ〜っ❤︎って縮み上がっちゃってる部分、こうして直接圧迫されると、わけわかんなくなっちゃうんですよね……❤︎」  きゅうきゅうと締め付けてうねる腸内で、千雪はゆったりと中指を泳がせる。爪を擦れないようにだけ留意しながら、前回の拡張を思い出させようと内側から念入りに押し広げてやる。アナル開発といえど、何も前立腺ばかりを刺激してやれば良い訳ではない。満足度の高いセックスには愛情たっぷりの前戯が不可欠とされているように、丁寧な愛撫を心がけるほど身体は無防備に弛緩する。  自分の受け持つ担当アイドルにお尻の穴をこねまわされて喘ぐ、そんな痴態を晒してしまうこと自体が大変な羞恥心を孕むのだ。ゆえにこそ、緩んでしまうのは身体だけではない。 「男性の前立腺って女性だった頃の子宮の名残なんだそうです。女の子が感情的な生き物だって言われてるのは、心が宿っている臓器は、脳や心臓じゃなくって。本当は子宮だなんて説もあるくらい」  心の状態は体の状態に強く影響を受ける。童貞のまま尻の穴で感じる変態性癖を開発されているまさにその最中こそ、男の劣等感は手がつけられないほど肥大化していた。  尻穴狂いのマゾなど、他のいかなる男性にも魅力で劣り、女性たちから見向きもされないだろう。だからこそ、自分をそんな存在へ堕としているのが他でもない彼女だとしても。他人からは得られない愛を感じられて、男の中で千雪の存在が膨張し続ける。 「もしこの話が本当だったら、私が今こうやってしてるのって……プロデューサーさんの心の中を直接指でかきまぜてることになりますよね? そうだったらいいなぁって、願っちゃダメですか……❤︎ プロデューサーさんじゃないプロデューサーさんにも、桑山千雪を好きになってほしいんです……❤︎ 私の匂いも、声も、指遣いも、何もかも。プロデューサーさんの深いところまで染み込んで取れなくなってほしいなぁ……なんて❤︎」  胸の内を吐露するしおらしい囁きは、生まれてこのかた愛を知らない脳みそを強烈に蝕んだ。健気でいじらしく聞こえるように出力を調整された『オスをときめかせるための告白もどき』である。千雪は『好き』という言葉をこれまで一度たりとも明言していない。身分不相応な拗らせ片想いこそが、オスの心を縛り上げる貞操帯にも等しいと知っているからだ。  独占欲をたっぷりまぶした甘言を囁きながら、千雪は前立腺に程近いポイントを押し上げ、偶然を装って巧みに彼を甘イキに追いやった。尻から背中にかけて鳥肌が綺麗に広がってゆく光景が千雪のお気に入りだった。 「こねこねされすぎて、本当の硬さを思い出せなくなっちゃった前立腺はきっと、プロデューサーさんの心そのものなんです。まるで体温に触れられたアイスクリームが、自分の形を忘れていっちゃうみたいに……えいっ❤︎」  小気味よい掛け声に合わせたタイミングで、くるみ大の器官が捕えられた。液体の詰まった水風船とて芯を突かれれば、圧に耐えかねて外皮が破裂することもある。腸内を隅々まで把握する千雪にとって、彼の前立腺を水風船のように扱うことなどあまりに容易い。先までの勿体つけた弄り方は前戯であり、手加減といっても差し支えない。だが、今からは違う。  ぐいっ❤︎と押し込まれた直後、ペニスの深い部分を基点に何かが音を立てて弾け、快感の濁流が脳へ通ずる神経へと濁流のように雪崩れ込んだ。  今度こそ必死に耐えようと歯を食いしばっていたなけなしの男の決意は、いとも呆気なく霧散する。深く突き刺さったまま前立腺を前後にこね始める動きは『擦り潰そうとしている』と言われた方がしっくりくる。 「溶けちゃえ……❤︎ 溶けちゃえ……❤︎」  尋常じゃないほどの発汗が起こり、目の前がチカチカと明滅した。彼女の衣装を力任せに手繰り寄せてひっ掴み、男は足でシーツを何度も蹴りつける。何か手近なものに縋っていなければ、自分という人間の自我ごと押し潰されてしまうような気がしたのだ。 「溶けちゃえ❤︎ もっと溶けちゃえ……❤︎ あなたを溶かしていく女の子のこと、ぜ〜ったい忘れられなくなっちゃえ……❤︎」  男に周りの音を拾っている余裕がないのを確認すると、千雪は自分の願望をぽつりぽつりと音にし始めた。それはわざわざ彼に言い聞かせるためではない。オスの心とも思しき子宮の名残へと願いを刷り込むためのもの。  びくんっ、びくッ❤︎❤︎  とろぉ……❤︎ とろとろぉ……❤︎❤︎  汚い声で甲高く一鳴きしたのを期に、ペニスの先から粘っこい白濁を勢いなく漏れ出た。意味もなくおっ勃てていたペニスにやっと与えられた配役は、溜め込んだ精液を無様に垂れ流す蛇口の役。 「あーぁ、お精子さん出てきちゃった……❤︎ プロデューサーさん、本当にお優しいんですね。力強いお射精は女の子を怯ませちゃうからって、わざと『情けないおもらし』してくださるなんて……❤︎ 気を遣っていただいてありがとうございます。とぉ……ってもうれしいです❤︎」  ペニスの収縮によってではなく、内側より押し出されることによって誤って漏れ出した精液。それはまるでオスが自らの敗北を認め、生殖機能を手放して白旗を振ったのと同義だ。オスであることを放棄したマゾに射精特有の気持ちよさは与えられない。カウパーを垂れ流すような気安さで子種を廃棄させられ、男はイヤイヤと首を振って悶える。 「男性の方は普通、カチカチにしたおちんちんを女の子に突きつけて、舐めろ〜とか、挟め〜とかって命令なさるとか❤︎ でもプロデューサーさんがいつもするのは、命令じゃなくっておねだりですもんね? 昨日もかわいかったなぁ……❤︎」  劣等感をたっぷりと精液に溶かしこむため、千雪は度々デートと称して彼をラブホテルへ連れ出すことがあった。昨日はちょうど金曜。翌日の仕事や学業への憂いがなくなった人々がパートナーと愛の営みを楽しむためにごった返す週末のラブホテルの中がふたりの秘密のデートコースだった。無論部屋は借りるが、もちろん性行為に及ぶわけではない。衣服は脱がないし、身体を触らせることもなければ、イキり勃つペニスに触ってあげることもない。  全ての人間が各々思い思いにパートナーと愛の営みに励んでいる建物の中を、二人手を繋いでゆったり練り歩く。 「廊下にまで響いてくる、男の子の呻き声と女の子の喘ぎ声。お肉同士がリズミカルに跳ねる音。柔軟剤を含んで乾燥させたシーツの匂い。香水の残り香。行き場を失ってくゆる煙草のけむり。たくさんの愛の営みが廊下や壁一枚隔てた向こう側から伝わってきて、とってもドキドキしましたね。プロデューサーさんったら、ず〜っと私のお手手強く握って離してくれないんですもん❤︎ みんながきもちよ〜く女の子の中にびゅーびゅー❤︎してるのに、たった一人だけセックスもお射精もできなかったの、おつらい思いをさせちゃいましたよね。……でもプロデューサーさんは、お射精よりもっと気持ちよくって、もっと恥ずかしいこれがほしかったんですよね〜❤︎」  射精がしたくてたまらなかったのは事実だ。性行為をして一刻も早くこの童貞を捨ててしまいたいと願っているのもまた真実。ともにベッドへ腰掛けて耳元で男を揶揄い、小馬鹿にしていじわるばかり言う清純派お姉さんアイドルの肩を後ろに倒せば、どす黒い欲望を全て叶えられたはずだ。それなのに男は気が狂わんばかりに金玉を煮詰められることすら悪くないと感じ、『千雪好みの情けなくて弱くてオス失格の童貞マゾさん』に躾けられることを自ら選んでしまった。 「もどかしい気持ちがい〜っぱい流し込まれちゃった、劣等感まみれのどろどろ精液……❤︎ そうやって作った精液を普通にびゅー❤︎びゅー❤︎しちゃ勿体ないですもん。最後までとことん恥ずかしさを味わってもらった方が、ぜ〜ったい気持ちよくって……❤︎ ぜ〜ったい忘れられなくなっちゃうだろうな〜って……❤︎ うん、思いきっておすすめして大正解でした。ふふっ、えらいぞ千雪〜♪」  『桑山千雪を好きになってくれる人たち』が増えた今、彼らと直接顔を合わせて声を聞く機会も殆どなくなった。仮に今、デビュー当時と同じようにCDに握手会の応募券などつけるならば、店頭から該当商品が軒並み姿を消すだろう。たった数秒千雪の顔を見て手を握る権利を勝ち取るためだけに、オリコンチャートを塗り替えるほどの女になった。  そんな、皆が触れたくて握りたくて仕方がないアイドルの手はたった一匹のオスマゾを虜にするためだけに、不浄な穴を進んでかき回し、剥き出しの尻たぶを愛おしんで撫で付けている。 「たとえ私に操を立ててくださっていても、男性が女性に惹かれてしまうのは仕方がないですよね。童貞さんなんですし。色んな女性に目移りしちゃうのは、仕方ないことだと思いますよ、ほんとです」  童貞を優しくなじられて鳴き、射精をお預けされていても好きな女を押し倒すことすらできず、挙句男らしさを捨てて尻穴で喘ぐ。擁護できないほどマゾを拗らせているために、彼女から与えられる特別扱いや快楽こそが男の唯一の救いであり、唯一の支えとなる。  それこそが彼女が望んだもの。桑山千雪は貞操帯をペニスにではなく、心にかけてしまいたかったのだ。目に見えず、形も持たない。鍵も錠前も必要ない。それは裏を返せば、外そうと思って外せるものではない堅牢な檻であり、彼の恋心を永遠に千雪が独占するという証でもある。  半勃ちのペニスからだらだらと垂れ流しになった白濁が股下の衣装の上で水溜りを拡大し続ける様は、彼が延々とドライオーガズムの中に囚われていることを指し示す。撫でるだけに徹していた片手は、尻たぶを離れて金玉を優しく揉みほぐしている。精液袋としての役割を労う意図が半分、もう半分は彼に逃走を許さないためである。 「女性スタッフさんとか、共演者さんや、アイドルの子たち。そういった方々と親しくなるのを咎める権利は私にはありませんから。ただ、それは『プロデューサーさん』としてのお話です。……ね、私、『プロデューサーさんじゃないプロデューサーさん』に桑山千雪を好きになってもらいたいって、お伝えしましたよね? だからこの前立腺ミルキングは、吐き出してもらうためなんです❤︎ 精液だけじゃありませんよ、貴方の意識の中に入ってきた他の女性の存在を、ぜ〜んぶ吐き出して捨てさせるためにしてるんですから❤︎」  人語を解さないドライアクメ狂いのオスマゾに対しても、千雪は変わらず優しい口調で躾けの言い分を説く。指遣いの方は全く優しさとは無縁だ。腸壁の向こう側にある肉の袋をすり潰さんとする動きはまるで容赦がない。それは睡眠時であろうと失神していようと、人間の耳は外部の音を拾うからだ。ふたりきりの時間を一週間で一番色濃いイベントとして彼の記憶に刷り込みたいという乙女心がなんともいじらしい。 「男の子の子宮を、優しく、丹念に……❤︎ とってもしつこく、容赦なく……❤︎ 他の女の子のこと全部上から塗りつぶしちゃうぐらいに、桑山千雪が世界でいちばん貴方を気持ちよくしてくれる女の子だぞ〜❤︎って、身体で覚えていただけるようにいっぱいいっぱい揉みほぐすんです❤︎ いつか、私の匂いを嗅ぐだけでお尻の穴きゅんきゅんしちゃうような変態さんになってほしいなぁ、なんて❤︎ ふふっ❤︎ さすがに冗談、かも、です♪」  冗談めかして笑ってみせるが、それまでの行動は到底冗談だと思っていない人間のやりようである。  きっと彼が人間らしさを取り戻す頃にはいつも通り、千雪の匂いが潜在意識の下にまで浸透し、他の女への好感度もリセットが完了していることだろう。 「他の女の子のこと、みぃんな忘れちゃえ……❤︎ 他の女の子が振り向かないくらい、ダメな子になっちゃえ❤︎」 『私の匂いを嗅ぎながら乳首をカリカリされたら、触ってもいないおちんちんから精液を漏らしてしまうようなプロデューサーさん……❤︎ あぁ、今度はそんなお姿も見てみたいかも……❤︎』などと、あれこれ新たな躾けの展望に胸を膨らませる千雪は指一本で失神するまで精液を垂れ流させ続け、その最低の痴態を愛おしげに見守るのだった。 《終》

Comments

>りんむーしゃんさん 先月のアンケ素案転用した、桑山千雪の躾け集オムニバスで叩き込むのもありかな!!と考えてます!

おはこ

>mattoさん 桑山のコミュはどれも彼女が抱える世界への愛おしさに溢れているので、書き手としてあの感性を損なわない桑山を書くことに必死です……😇 「好き、っていうのはね」やG.R.A.D編を経た千雪さんはプロデューサーが抱えている最大の御法度にも、綺麗な折り目のつけ方を探しているんです……という限界オタクのエゴが作品に入りすぎてしまったかもしれません。 えっちでなかったらごめんなさいね。 や〜〜〜〜、にしても甘えんぼ抱っこ持ち出してくるの、お人が悪いですね☺️すき✨✨ いつか筆を取る時がきたら、ぜひともお見届けください。

おはこ

>ぷっちんぷでんぐさん うわ〜〜〜〜い!!!めちゃめちゃお気に召していただいたようでこちらこそとっても嬉しいかぎりです〜〜☺️☺️雨あられ〜〜🍭🎉 そうなんです!!!!! 見え見えの恋愛感情を拗らせているプロデューサーから、もどかしい思いをさせられ続けた桑山の末路なんですこれは……。 「いつか、プロデューサーさんに本当に頼ってもらえるようになりたいなって……」なんて言ってたいじらしい女の子が、「プロデューサーさん、早く告白してくださらないかなぁ……」なんて毎晩毎晩悶々と焦れに焦れてしまった結果こうなる。という強めの幻覚でした。 お付き合いくださいまして、ありがとうございました!!!

おはこ

次は乳首編かー

りんむーしゃん

ロー・ポジション凛世の同時PUは千雪さんでしたね…… 『プロデューサーさんじゃないプロデューサーさん』をたびたび強調するのはもしかして……と思ってしまいました。 前回からの流れを踏まえると明らかにそうなってはいけないことではあるのですが、このカップルでも「甘えん坊抱っこ」がいつか見たいなとも。 最後に、心に掛ける貞操帯、の箇所は思わず感心してしまいました。すごい。

matto

ラブホ練り歩きとかどうやったら思いつくんですか…天才? 身体を介して心を支配する手管に長けた、23歳清楚お姉さん系アイドル強すぎる! 『女の子に指一本で』これが!この圧倒的力量差が大好きなのでうれしい!!それでいて千雪の方が執着してくれてるのが良い。Sの方が依存強いの好き… 原作における千雪の、控えめに見えて我が道を突き進む強さが、Pへの独占欲として顕れればこうなるのかと。キャラクターの掘り下げ・描写、毎度ながら感服します。 素敵な千雪をありがとうございました!!!!

ぷっちんぷでんぐ


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