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黛冬優子のマゾ調教グッズ紹介動画生配信《10,000文字》

「今日はですね、ふゆが今回タイアップさせていただいたアニゲインさんの『ヘリオペリン』をレビューします❤︎」  周りに他の人間がいない完全なプライベート空間であるにも関わらず、黛冬優子は屈託のない笑顔を浮かべていた。広いテーブルの向こう側には、収録機材。ノートパソコンのウィンドウには夥しい数のコメントが上へ上へと送られ続けている。企業案件の絡む生配信ともなれば、普段のチャンネル再生数よりいささか伸び悩むのが通例である。だが既に同時接続数は六桁を記録しており、つまりはそれだけの数の人間が冬優子の配信の内容に関心を寄せているのは明白だった。 「えへへ……❤︎ もうほっぺたが緩んじゃってるので、早速出しちゃいますね? これがいただいたばかりのサンプルになります……はいっ。わぁぁ……もう、何度見てもすっっっごくすてき〜❤︎ こちら、エネマグラ人気モデル『ヘリオペリン』の黛冬優子カスタムバージョンになります〜❤︎」  そう言ってアイドル黛冬優子が画角の外から取り出したのは、なだらかな曲線を形取るシリコン玩具。通称エネマグラと呼ばれる、男性の前立腺開発に使われる医療——否、調教器具である。 「みてください、こんな感じになってます〜❤︎」  カメラの前にずずいと差し出し、ゆっくりと回転させてエネマグラの全容を写す冬優子。ゆるふわ部屋着の萌え袖から伸びるアイドルの白くて長い指が、男性用調教器具をくるくると回してみせる。今をときめく清純派未成年アイドルがカメラの前で男性調教器具を手にしたことで、コメント欄は歓喜に沸き立った。 『ずっと待ってました。早く躾けられたいです』 『持ち手にふゆちゃんのサイン入ってる〜!!』 『予約しました♪ 奴隷に使うのは勿体無いので保管用にします〜!』  目視で追えない量の膨大な書き込みが右から左へと流れていく。視線を滑らせて上々の手応えをした冬優子は、早々に概要説明へと移行する。 「カラーリングはふゆの好きな二色を取り入れてもらっちゃいました。いつもよりちょっと濃いめの蛍光色なんです❤︎ それと、ここ……あ、もう気づいてらっしゃる方もいるんですね。えへへ、嬉しい〜❤︎ そう、ここのふゆのサイン、プリントじゃなくって彫刻なんですよ〜❤︎」    一般的なエネマグラは白か黒の一色で塗り潰されたシンプルなカラーリングが定石だが、手の中のそれは奇抜な色彩を放っていた。ショッキングピンクと蛍光グリーンのツートンカラー。ヘッドに向かって螺旋を描くように混じり合う二色はアイドルの黛冬優子をイメージした色使いだ。持ち手の部分はハート形の意匠が盛り込まれているばかりか、彼女が公式採用しているサインまでもが彫刻されており、本来の機能を損なわない範疇で様々なふゆテイストが施されている。  女性がマゾ奴隷を飼うことが当たり前の感性として浸透した当世において、奴隷はオーダーメイドの装飾具や拘束具を女王様から賜るのが常道である。その下賜品と引き換えにして、彼らは女王様に自らの人権を明け渡すのだ。  隷属を誓うがゆえにこそ、調教中の奴隷が他の女の子様にうつつを抜かすなどあってはならず、女王様側も調教に『他の女性の気配をほのめかす調教具』を利用することは滅多にない。そのため、今回の企画——アイドルが奴隷調教グッズの老舗メーカーとタイアップしてコラボ商品を打ち出す案件——は俗識へと一石を投じる、業界初の試みであった。 「新しい自分への挑戦をイメージしてるんです。ふゆもマゾ奴隷さんをちゃんと躾けられるようになりたくって❤︎」  花も恥じらう、いじらしい微笑み。隙のない清楚なイメージで塗り固められたアイドルの少女が、大人の女性への憧れを語る。その映像に多くの女性ファンは『ふゆちゃんの女王さまデビューに立ち会えて嬉しい』と感慨にふける一方で。男性ファンは軒並み、黛冬優子のマゾ奴隷として飼われる妄想に胸を熱くさせている滑稽な様子が、かくも対照的に映っている。  とかくヒトのオスとは愚かな生き物だ。自分を躾けてくださる女王様をいただき、男からマゾ奴隷へと叩き落されてようやくその身の程を理解することができる。つまりは未だマゾ奴隷に迎えられていない、独り身の時期こそがいちばんの生意気盛り。 『やばいかわいすぎる……俺ふゆちゃんの奴隷になら、なってもいいかもw』 『ふゆちゃん優しすぎるから厳しくするのすっごい苦手そう』 『わかる。おねだりしたら簡単に射精許してくれそう』 『ふゆちゃんと一緒にえっちなお勉強したい……』  女性に負かされて興奮する劣等性癖マゾヒズムを受け入れられず、プライドや見栄に固執する、思い上がった男たち。コメント欄に散見される、そんなマゾ奴隷予備軍どもはもはや現代では見慣れた社会悪だ。  アイドルの放送と言えども、好き放題喧しく騒ぎ立てる類の層は一定数存在する。けれども冬優子はいちいちそれを取り上げて指摘したり、わざわざ火種を起こしたりなどはしない。小型犬が怒りではなく、怯えのせいで歯を剥き出しにして唸るように。彼らは心の底では女の子様にボコボコにされて屈辱的な敗北を与えられることを恐れている。だからこそ、生意気にキャンキャンと吠え散らかすのだ。マゾに堕とされることを密かに期待している自分の本性から目を逸らして。 「え〜? 皆さんどうしていじわるばっかり言うんですかぁ、もうっ……❤︎」  そんな浅ましい本性を包み隠した体裁の薄皮を、黛冬優子が見抜けぬはずがなかった。清楚純白可憐なゆるふわアイドルに群がる、マゾにすらなりきれていない有象無象のオスたち。中途半端な自尊心から女性様にへり下ることもできず、無害そうな女の子に向かってマウントを取ることで、格好をつけた気になっている彼ら。しかし、奴らが画面の向こうでは、理想の偶像アイドルふゆに下卑た妄想を膨らませ、股間にテントを張ってこの配信映像にかじりついている。その浅ましいオスの本性というやつが、幼い頃から冬優子には透けて見えていた。 「それでですね。実はまだお話してなかった、特別な機能もこの子には備わってまして〜……❤︎ エネマグラって普通、お尻の筋肉の動きでちょうど良いところに当たる形になってる……んですよね? えへへ、ふゆ、お勉強したんですよ〜❤︎」  明言してはいないが、今回の商品、冬優子がターゲットに見据えたのは彼らだった。一方的に画面の向こうの女性を観測できることで、自分たちが優位で安全な場所にいると信じきっている、哀れなマゾ奴隷予備軍たち。ふゆより年上のくせして未だご主人様に見初められず、勘違いしたまま自尊心だけ肥やした大人童貞のオタクども。  何度か心当たりがあった。少し甘えた声を出して小動物風に振る舞うだけで、すぐにいい気になってつけあがる底の浅さ。こちらが無害そうな純白可憐な女の子と見るやいなや、鼻の下を伸ばす間抜け面。胸元の膨らみや太ももに下卑た視線を寄越しながら股間を膨らませる様は、実に滑稽で不愉快極まりない。体裁上、気づかないふりをしてやってきたが、心底見るに耐えないと冬優子は常々感じていた。  ゆえにこそ、今回舞い込んできたタイアップの話は、まさに冬優子が待ち焦がれていた企画そのもの。思い上がったオスどもを一斉粛清するまさに千載一遇の機会に、二つ返事を返したのは当然といえる。  それに男を虜にするなら、既にマゾを自覚した奴隷を落としてもつまらない。人の手垢がついたお下がりのマゾ奴隷を横取りするのも、アイドルのふゆが不興を買ってしまうだろうし、気分が乗らない。やはり奴隷に落とすならワンオーナー品に限る。 「でもやっぱり、ふゆが初めてこういう調教グッズの色々を知ったみたいに、初めて使う方もいて、そういう方は不安だろうなぁって思ったんです……❤︎」  エネマグラの凹凸を指先で撫でながら、冬優子は困り眉を作った。オスマゾ予備軍どもが好む大人しくていじらしい女の子の表情を見せながら、媚びっ媚びの甘ったるい声を録音機器に吹き込む。ウン百万する録音機材は息遣いひとつまであざとい冬優子の囁きを、視聴者の耳元へ忠実に再現する。 『確かにそうかも。結構不安』 『マジで優しいなぁ、ふゆちゃんほんと好きだ……』 『俺はエネマ入れられたくないかな。初めては指がいい』 『それな。だからマゾ奴隷になりたくないんだよね』  ふゆのいじらしさにまんまと絆され、生意気なコメントが分かりやすく綻びを見せ始める。本当は一刻も早くご主人様に見初められたいクセに、素直になれないオスマゾどもが上から目線でキャンキャン鳴いて批評家気取り。 (……ふっ。分かりやすく色目使ってあげたら、ふゆの擁護に回り始めた。どうせ机の下でムクムク勃起させながらキーボード叩いてるんでしょうね。鼻の下伸ばして年下アイドルの配信にかじりついてるの、バレてないとでも思った? 丸見えよマゾども) 「そうですよね、誰でも初めては不安でいっぱいですよね……❤︎ できれば、ふゆが皆さんのお尻の穴をとろっとろになるまで、揉みほぐして差し上げられれば、良かったんですけど……」  清楚可憐な未成年アイドルが、アナルをやわらかくなるまで解きほぐし、マゾの入り口を優しくこじ開けてくれる。夢のような光景を本人の口から仄めかされて、視聴者の男たちは妄想を膨らませずにはいられない。  白く長い指がためらいなく不浄の穴へと挿入され、『痛くないですか?』『ふゆ、気持ちよくできていますか?』と思いやりに溢れる言葉を投げかけられながら、女の子の味を教え込まれるのだ。まさに理想のマゾ入門シチュエーション。ふゆに優しくマゾを諭されるならば、彼らは即座に自身の被虐性癖を認め、奴隷として膝を折ることを選ぶだろう。  だが、実際に現実は無情だ。この世で最も幸せで優しいマゾ堕ちを体験できるのはふゆに見初められたほんの一握りだと、誰もがそう諦めていた。  そうなることを諦めていなかったのは彼らではなく、冬優子だけ。そしてまさに今、機は熟した。小動物めいた残念そうな顔がふわりと妖艶に花開く。 「くすっ❤︎ でもそんなふゆのわがままな要望を、アニゲインさんはこうして形にしてくださったんです❤︎ えへへ……❤︎ じゃーん、こちらの機能は今日が初公開ですよ〜❤︎」  右手に握られていたのは、何かのリモコン。それが左手のエネマグラと同じ、ピンクとグリーンのツートンを基調としていることから、それが一体何を動かすためのリモコンなのかは一目瞭然である。 「スイッチ、おーん❤︎」  軽快な掛け声とともに冬優子がダイヤルを回す。すると、左手の中にあるエネマグラが波打つようにうねり始めた。前立腺を内側から捉えるために大きく膨らんだ分厚い樹脂の部分が、さながら入り込んだ穴の中をやわらかく解きほぐす意思を宿した触手のように、絶えず形を変えて蠢いている。 「人間の……ううん、ふゆの指の動きをモデリングしてもらったんです❤︎ これが優しくこねこねモードで……えっと、こっちが……しつこくトントンモード❤︎」  再びダイヤルをひねる。すると今度は心電図の波形を描くように、ビクンッビクンッとエネマグラの突起部分が跳ね上がっては凪いでをひたすら繰り返す動きへと移り変わった。 「お尻の穴ってとってもデリケートな場所ですから、開発にはたっぷりの根気と時間と手間が必要なんですって。何時間も丁寧にほぐし続けるなんて、なかなかできないと思うんです。でも、その点、この子は一回の充電で6時間の連続稼働が可能なんですよ〜❤︎ 動きの基本パターンは5種類にアトランダムを加えた、6種類のモードを搭載。全てモデルテストでトレスした、ふゆの指の動きを完全再現したものになってます❤︎」  話しながら冬優子は時折ダイアルを回し、次々とエネマグラに内蔵されたえげつない動き方を披露してゆく。男の泣き所である前立腺を激しく揺さぶり、しつこくこね回し、とことんすり潰す、どれもこれもがオスを蹂躙するための容赦のなさを備えていた。その全てが黛冬優子の指の動きを吹き込まれたものだという厳然な事実は、画面の前の自称非マゾオスどもの心を逃がす間も無く鷲掴みにした。  その証拠にコメント欄は女性ファンのきゃいきゃいとした持て囃しと、躾けの行き届いたマゾ奴隷諸兄のふゆ様賛美で埋め尽くされている。あれほど姦しかった生意気盛りの発言はぱったりと鳴りを潜め、まるきり見当たらない。 「これなら皆さんひとりひとりに、じっくりマゾの手ほどきをして差し上げられますね。キャッチフレーズは『ふゆの手仕込みエネマグラ❤︎』です。 えへへ……❤︎ まだご主人様のいないマゾさんたちは、特にくれぐれも気をつけてくださいね。油断してると……ふゆの虜にしちゃうんですから❤︎」  普段ならば『ふゆにはできないよ〜w マゾいじめ手加減しちゃいそうだしな〜w』『は? それがいーんだろ、ふゆちゃんのこと呼び捨てにすんな新参』などと見るに耐えない諍いが勃発する場面であるものの、今やこの場においてふゆを軽んずる意見はひとつとして存在しない。  彼らは液晶画面の向こう側にいるふゆから直接『貴方のことを言ってるんですよ、マゾ❤︎』と見据えられたに等しかった。優しい眼光に真っ直ぐ射抜かれ、ようやく悟る。これはふゆが生意気で身の程知らずなオス——つまりは自分たち——を標的にした、降伏勧告なのだと。  冷水を浴びせられたように心臓がぎゅぅっと収縮し、張りぼてのプライドがぺりぺりと剥がれていく。恥ずべき性癖を女性から見下されることへの羞恥や恐れが汗となって噴き出している。しかし、恐れ以上に期待という名の甘い毒に既に蝕まれていることも明白であった。 「発売日が来週の土曜日なんですけど、実はアニゲインさんから公認をいただいて、日曜日の夜にふゆの生放送枠取ってます。 『新作エネマグラ『ヘリオペリン』発売記念コラボ ふゆの前立腺こねこね生配信』ってタイトルの……ふふっ❤︎ この子を使ったオナ指示配信をする予定なんです❤︎ 今からとっても楽しみ〜❤︎」  年下の清純アイドルふゆに優しくマゾ堕ちさせられる妄想。思い描いていた妄想のシチュエーションが手が届く場所にある。自分が当事者になれる。そう理解したオスどもの反応は早かった。  この生放送を視聴している数万人規模のマゾ奴隷予備軍は皆一様に別タブを開き公式の通販ページから、震える手で登録フォームをカタカタと入力し始めていた。机の下ではズボンの膨らみが水気を帯び、口は半開きで息を荒げている様は彼らが見下していたマゾ奴隷そのもの。  ヘッドフォンから流れこんでくる、ふゆの甘ったるい語りとふゆの指を真似たというエネマグラの駆動音に彼らの思考はすっかり支配されていた。妖艶な調べがまるで催眠音声のように獲物たちを誘い、まんまとマゾの沼へ引きずりこんでいく。 「ふゆ、ずぅっと……カメラのほう見てますね……❤︎ 『次はこねこねモード入れてください❤︎』とか、『たっぷり三十分かけて、お尻の穴とろっとろにしようね❤︎』とか、『がんばれ、がんばれ……❤︎ お目目そらさないで?』とか。ずぅっと貴方のオナニーを応援し続けますね。配信枠は三時間です❤︎」  二十年だか三十年だかの人生で、頑なに自らをマゾだと認めなかった思い上がった生意気なオスたち。それが未成年ゆるふわアイドルのたった十数分かそこらの生配信によって、マゾヒズムをまんまと呼び起こされ、自らマゾになることを選ばされた。    冬優子は直接手を下していない。オスどもひとりひとりの姿を視界に収めてすらいない。それでもこの生放送中に受注予約数が莫大に膨らんだのは、冬優子の見立てが間違っていなかったことの証左である。彼女は画面向こうの惨めな勘違い男たちのプライドにヒビをいれて、矯正の糸口をつけてやったのだ。あとは放っておけば勝手に、女の子様に負けて興奮するマゾ奴隷ができあがるだろう。 (どいつもこいつも、ふゆの専属にしてやる気なんてさらさらないけどね。まあせいぜい、あんたたちのマゾを開花させてくれた年下のアイドルを女王様と仰いで、一生実らない片想い奴隷患い拗らせてなさいな)    一度でも女王様と見初めてしまった相手が、もうその奴隷の目に『ただの女の子』として映ることはない。それは裏を返せば、ふゆを女王様として信奉する輩はふゆをただのアイドルと見做せなくなっていることを意味する。  ならばそんな奴らは、ファンなどではない。ふゆへの歓声は応援ではなく賛美であり、ふゆにお金を落とすのはお布施ではなくお貢ぎだ。  ファンと呼ぶのは烏滸がましいし、奴隷と呼ぶのも納得がいかない。適切な表現を捻出するならば——家畜、が妥当だろうか。 「リリースに合わせて、ツイスタのキャンペーンも実施予定です。ハッシュタグ『ふゆのマゾ躾け』をつけて、ところてんお射精やエネマオナニーの様子を投稿してくださいね。抽選で3名の方にこちらの、サイン入り貞操帯をプレゼントしちゃいます。……みんながふゆの指と声に合わせて、身悶えするところ、いっぱい見たいなぁ……❤︎」 (家畜の吐精シーンなんて、これっぽっちもふゆの養分にはならないけど。でもふゆの気をひくために自分を自分で開発してんのは健気って言えなくもな——や、それはないか)  家畜に想いを馳せることをばっさりと辞めたふゆは、配信の最後まで愛らしい笑みを絶やすことはなかった。 ーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーー  類を見ない盛況を見せた生配信を終えて、冬優子はテーブルに肘をついた。『クッション』の上で重心を前に傾け、すぐさまスマホでネットの反応を確認し始めている。生放送のアーカイブには数多くの意見が寄せられており、目につく感想が好感触とくれば機嫌も良くなるものだ。  鼻歌なぞ歌いながら画面をスクロールしていると、『クッション』が身じろぎを始めた。冬優子はスマホから目を逸らさず、まるでなんでもないことのように足元の『ペダル』を強く踏み込む。 「んむぅッ!?」 「うるさい、クッションが動くな」 「ん、んむっ、むぅふぅぅッ!?!?」 「黙れ」 「っぐ、ぅッ……❤︎」  尻下からは謝罪を口にしようとしたのだろう。しかし、その場で体重をかけやすい姿勢に座り直されたことで、彼の悲鳴は冬優子の尻の中へ吸い込まれるようにして潰えていった。 「生放送中、身じろぎひとつしなかったことは褒めてあげるわ。してたら踏み潰すって忠告が効いたのかしら」 「っむぅ、むぅぅ……❤︎」 「ふゆ、マゾ語わかんないんだけど」  言いながら白いニーソックスに包まれたおみ足で、金玉をぺたぺたとストンピングする冬優子。圧をかけるような強い刺激ではないものの、たった今しがた『踏み潰す』という言葉が聞こえてきたばかりのマゾはびくびくとその大きな図体を震え上がらせた。視界は闇に包まれ、呼吸さえ満足に行えない。そんな状態で局部を嬲られては、いくら躾けの行き届いた奴隷と言えども、反射的に身体が反応を示す。そのわずかな身動きを生放送中、彼はひたすらに噛み殺し続けたのだ。  ふゆ女王様が不特定多数に愛らしい笑顔と甘い声色で惜しみない愛想を振りまいていた、その間。机の下では彼のペニスはつま先で蹴られ、足の指で金玉を引っ張られ、戯れに両足の裏でこねまわされていた。  男性器すら間近で見たことがないようないかにも無垢な愛嬌を振りまくアイドルふゆ様が、自分にだけ見せてくださっている完成された女王様としての本性。その倒錯的な背徳感と粗相を犯したら生放送で去勢されてしまう恐ろしさとが互いに食い合って、生放送中の彼は限界近くまで追い込まれまるで生きた心地がしなかったという。 「射精しなかったのね、えらいじゃない」  冬優子は足裏をペニスから離すと、踵で腹をトントンと蹴ってみせた。すると先まで死に物狂いで痙攣を押しとどめいた奴隷の身体が、面白いぐらいに跳ねる。 「前立腺、潰れてんのわかる? あんたにはあんな生ぬるいのじゃ物足りないでしょ」  今回のエネマグラはマゾを自覚しないでいる家畜をマゾの入り口に導くツール。指の動きとふゆの甘ったるい配信とで、つまらないプライドをゆっくりゆっくりすり潰していくためにある。  既に躾けが完了している奴隷の尻にはもはや無用の品。家畜には家畜を堕とす調教器具があるように、奴隷には奴隷のための調教器具が存在する。彼が冬優子の尻の下に敷かれぺたんと尻もちをついているのは、そう強いられているからだ。 「入れるだけならなんとか慣れたみたいだけど、揺すってやるとてんでダメね。ほら、お腹に力入れなさい」 「んぅッ!? んぅぅぅ〜〜〜ッッ❤︎❤︎」  彼の腸内は床から生えた極太のディルドによって、みちみちに押し広げられていた。全長18cmを超える黒いマラは突き刺さっていると形容したほうが、尻穴を目一杯おし拡げる凄まじい圧迫に相応しい表現である。彼が冬優子の尻の下で微動だにしなかったのは、しなかったのではなくできなかったのだ。腰を反らせることで剛直が食い込むポイントをほんの少しずらして、なんとか致命傷を避けていたに過ぎない。冬優子のかかとがトントンと下腹部に衝撃を伝えるだけで、前立腺がぺしゃんこにされるような錯覚がもたらされる。呼吸すらままならない冬優子様の蒸れた尻の中で、声もなく悶絶する男。 「あ、ツイスタ、トレンド入りしてる……♪ 『ふゆに優しくマゾ落ちさせられたい』『ふゆ様のマゾ奴隷になりたいです』『もうふゆって呼べない。ふゆちゃん様だ』って……え〜、ふゆちゃん様ぁ……? んー、まぁ家畜に好きに呼ばせるぶんにはいっか……」  奴隷のペニスに被せられたコンドームには、竿から染み出したカウパーで鼻ちょうちんができている。無論、これは性行為のためにつけさせられているわけではない。汚いオス汁をふゆのプライベート空間に持ち込ませないための施策である。身の程を弁えない無礼無作法を冬優子は決して許さないからだ。 「……そういえば、あんた、ふゆの指でイかせてやったことなかったわよね?」  足裏でぐりぐりとペニスを踏みしめているのは、ほとんど無意識で癖のようなもの。スマホを指でスクロールしながら、そのうちの意識の一割程度を割いて冬優子は語りかけた。  奴隷は歓喜に打ちふるえる。女王様の片手間の躾けによってもたらされる射精は凄まじい劣等感に苛まれる幸せな屈辱ではあるものの、それでもやはりご主人様から賜るご寵愛は格別。自分はアイドルのふゆではなく、冬優子様に躾けていただいている特別な専属奴隷なのだと、ある種の矜持によく似た思い上がりが彼には芽生えてしまっていた。  冬優子は身の程を弁えぬ無礼無作法を許さない。この度家畜にマゾを自覚させる企画に踏み切ったのはその精神性が根底にあったからで、そしてそれは当然ながら、適応範囲に例外はない。 「まさか、ご褒美を期待してるんじゃないでしょうね? むしろその逆よ」  底冷えするような声に、奴隷の脈拍がドクンっと高ぶる。鼓膜を愛撫されるようなふゆの時と全く毛色の違う、冬優子女王様の声色。情景反射で全身が総毛立つも、既に狙いを定められた家畜ども同様、彼もまた手遅れである。 「……なんか、勘違いしてるみたいだけど。足で十分なのに、指なんか使ってあげるわけないでしょ。家畜どもですらお金出せば味わえるふゆの指、あんたはオアズケだから」  冬優子様の本性を見せていただいている数少ない存在であるという専属奴隷の自負ですら、彼女は容赦なく踏み砕いて。 「言ってる意味わかる? あんたは、家畜どもより下」  オスの象徴たるペニスを無造作に足の下で踏みつけにし、意思表示の手段すら尻の下に敷いて彼から一切の尊厳を奪いとりながら。 「マゾのくせに優越感に浸ってるんじゃないわよ。あんたはふゆの下で一生負けてなさい。 わかったか、奴隷」 びゅるるるるっっっ❤︎❤︎❤︎ びゅるっっ❤︎❤︎ ぶぴゅるるっ❤︎❤︎ びゅーーーっ❤︎ びゅーーーっ❤︎❤︎ 「きったな……」  冬優子は息も絶え絶えに射精する奴隷を、意識の外へ追い出した。びちゃびちゃと迸る射精音は床に溢れていなくても不愉快だ。金玉目掛けて、踵を振り下ろすことにした。 《終》

Comments

>to ぷっちんぷでんぐ わかる……。わかりますとも、性癖の同志よ……。 ふゆちゃんの二面性にどっぷり浸かりたいものの、それはそれとして彼女の特別になれたなんて思い上がりを正されたいという願望の産物でした。 素のクールな冬優子ちゃん様の「あんた」って呼びかけの響き私めもホント好きです。 日中の誰に聞かれるかもしれない事務所であれなら、自宅の完全にふたりきりの状況で呼びかけられる「あんた」は一体どんな響きなのか、と。 その魅力を一部であっても表現できていたと感じてくださるなら、これに勝る喜びはありませぬ……🙇‍♂️ ありがとうございました☺️

おはこ

>doumo 自分以外の他人にだけ見せる優しい顔と、自分にだけ見せる厳しい顔。 でもそんな二面性すらも、冬優子ちゃんの魅力の一部でしかなかったのです。 とまぁ、そんな感じでした。 世界で唯一の特別扱い受けたいですよね、たとえオスの中で最底辺に置かれたとしても……。 お粗末さまでございました!

おはこ

>to ららら やったー!! ありがとうございます!! らららさんも相変わらず性癖手広くていらっしゃいますね……(毎度お馴染み) ふゆちゃんと、冬優子の二面性に振り回されてズブズブにバグりたい奴隷根性滲み出てしまいました。 お付き合いいただき、ありがとうございます☺️

おはこ

ふゆ様のたった一人の、最も最低の扱いをされる奴隷かぁ。なりた過ぎる… ふゆ様、原作ではコミカルな面が強いですが、声がとてもクールできれいなんですよね。容赦のないマゾ躾けセリフが似合う似合う。脳内再生して底冷えするような被虐感に打ち震えてしまいました。

ぷっちんぷでんぐ

ふゆちゃんの二面性とても興奮しました… 調教されたい…

d

おはこ先生が描く冬優子ほんと好きです… めちゃくちゃえっちでした 今月もお疲れ様でした!2本とも最高でした…

ららら


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