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《前編》長身巨乳コンプレックス抱えた内気な控えめ巨乳JCが、年上チビ男子の下着漁り犯行現場を取り押さえて鬱憤を晴らし、男子を正しく見下せるようになる話《15,000文字》

 私とお兄さんとの関係に決定的な変化が訪れたのは、冬休みを翌日に控えた終業式の日のことでした。その日は体育館で先生の話を聞いたあと、学活と通知表の受け渡しだけで学校が終わったので、午後から親友の葵ちゃんと遊ぶ約束をしていました。ウィンドウショッピングやカラオケ、噂のカフェにも行ったり、そうやってひとしきり遊び回った私たちは一旦別れ、それからまた改めて葵ちゃんのお家にお邪魔する手はずになっていました。私は塾の冬期講習、葵ちゃんは毎日のように部活動があるので、冬休みに入ってからはむしろ日程を合わせることが難しくなります。なので、その日はお泊まりの予定まで立てていたのです。お泊まりセットを自宅に取りに帰ったところで、私は迷いました。実は当時の私には誰にも打ち明けられていない切実な悩みがあったのです。それというのは、中学にあがってから急激に成長してしまった自分の身体のことでした。もともと身長は高いほうだったのですが、入学時の身長測定から一年で一気に十数センチも伸びて今では178cm。とうとう男女混合の背の順でもいちばん後ろになってしまいました。全校集会を見てみても三年生の先輩の中にも、私くらい大きな人はいません。だけど私が本当に気にしているのは身長のことではないのです。上背が伸びるにつれて、同級生の子達よりもずっと早く女らしくなってしまった自分の体つき……特に、中●生らしからぬ大きな胸がコンプレックスでした。バストサイズは……105センチのHカップ。お母さんや下着屋さんのお姉さんは別に全然変じゃないって、羨ましいぐらいのスタイルだってフォローしてくれたけれど、そうじゃないんです。学校の中でほとんど交友関係が完結してしまう中学生にとって、みんなとちがうことで向けられる奇異の目はたまらなく恥ずかしいのです。クラスの男子どころか男の先生まで、セーラー服を内側から大きく押し上げる私の胸元をちらちら盗み見るいやらしい視線。私がこんな性格なのをいいことに、「飯塚のおっぱいでっけー……」とか「俺昨日も乳塚の乳揺れでシコったわw」とかって猥談の種にされてるのだって知ってるし。だから薄着にならなくっちゃいけない体育の時間なんかは、白い体操服に下着が透けちゃうから憂鬱でした。同級生の女の子たちみんながカップ付きのジュニアブラばかりの中で、私だけ本格的なランジェリーショップで買った、大人用の刺繍入りブラジャーなんてつけていったら、きっとすごく恥ずかしい思いをしちゃうもの。普段は飾り気の少ないスポーツ用のものをつけているのですが、でもやっぱり本格的なブラジャーのほうがすごく楽なんです。締め付けがきついわけでもないし、スポブラじゃなくっても揺れにくいし。それで午前授業だけのその日は、休日づかいにしている(比較的かわいいめな)ピンクのブラをこっそりつけて学校に行きました。一旦、お泊まりセットを取りに戻った際の迷いというのは、この大人用下着をいつものスポーツブラに着替え直して行こうかというもの。胸に関する悩みの中でもことさらに私は、自分の大きな胸を支えるために着けなければいけない、ブラジャーというものに恥ずかしさを拗らせていたのです。葵ちゃんはたぶん私の悩みを気づいていて、何度も相談に乗ってくれていました。……だから、この機会に初めてお母さん以外の人に大人ブラをつけてるところを見てもらおうって決心しました。もし「変じゃないよ」って言ってもらえたらちょっとだけ自信がつくような気がしたから。それでおもいきって、勇気を出したんです。  共働きの葵ちゃんのご両親は昔からお仕事の都合で平日はなかなかお家にいらっしゃいません。今回のお泊まり会もおふたりとも留守にしていて、お家にいるのは葵ちゃんと私と……それから、葵ちゃんのお兄さんだけでした。葵ちゃんには大学生のお兄さんがいます。私たちは保育園からの幼馴染みですから当然お兄さんとも面識があり、小学校の低学年まではよく一緒に遊んでもらっていました。その頃から引っ込み思案だった私は世話を焼いてくれる年上のお兄さんがすごく頼もしくって、とても嬉しかったのを覚えています。そんな印象が強く残っていたからでしょうか、久しぶりの再会を私はひそかに楽しみにしていたのです。だから実際に再会したお兄さんの姿にすごく驚いてしまいました。低学年の小学生のような体躯のその人があのお兄さんだって……いいえ、年上の男性だなんて一瞬、本当に分からなくって。だって……冷蔵庫の中身を取り出すのに、かかとを浮かせて背伸びをしていたから。もちろん私が大きく成長しすぎちゃったせいもあるとは思うんですけど、それでも私のクラスの男子よりも身体のパーツが全体的に小さくって、頭の位置は私の胸元ぐらい。必然的に上から見下ろすような形になっちゃって、それで思わず、(え、あれ……お兄さんって、え、私たちよりも、6つも年上だよね……)って失礼なことを考えちゃったんです。でもお兄さんのほうも、私があの『のぞみちゃん』だとはすぐに分からなかったみたいで、私を見上げて呆然としていました。その困惑するような視線を受けて、はっとします。私は自分自身が身体的なコンプレックスを煩っているのに、人のことをそんなふうに見ちゃうなんて、って。  それで焦ってしまったのだと思います。早く何か言わないと、気まずくなっちゃう。そうだ、昔みたいに親しみを込めてお兄ちゃんって呼びたいな。「お久しぶりです、お兄ちゃん」って笑顔で言うだけ。それだけで良かったんです。でも家族以外の男性に自分から話しかけるのなんて本当に久しぶりで……いざ声を出そうとした時に、年上の男性に上から話しかけるなんて失礼なんじゃないか、なんて変な不安が頭をよぎっちゃって。咄嗟に、私、膝を折って腰を曲げながらご挨拶をしてしまったんです。私よりも頭ひとつ以上低い位置にあるお兄さんの目線の高さに合わせて、まるで迷子の子どもに話しかけるみたいに。それがとてもまずい行動だったと気づいたのは、隣にいた葵ちゃんがお腹を抱えて笑い始めたからでした。葵ちゃんは私とはちがって、思ったことをズバズバと言っちゃうタイプの子。男の子には特にアタリが強く、その性格は身内に対しては余計に遠慮がありませんでした。「よかったじゃん、クソチビおにいちゃ~ん」なんてお兄さんを揶揄ったのです。その一言は二人の今の兄妹関係を物語っており、お兄さんは顔を真っ赤にして黙りこんでしまいました。失礼なことをしてしまったのだと察した私は、けれどわたわたと慌てふためいてしまって、そうしているうちに強引に葵ちゃんに連れられる形で、お部屋に通されてしまいました。「いいのいいの。今喧嘩中だったからスッキリした」なんて葵ちゃんはあっけらかんとしていましたが、私はきちんと謝るつもりではあったんです。でも女の子の縄張り意識みたいなアレ(自分とは仲が良い子の前では、その子が苦手な子に声をかけづらいあの空気感)を感じて、結局後回しにしてしまいました。臆病な私のいつもの悪い癖。次にふさわしい機会が来たら、ちゃんとしようって言い訳して先送り。お兄さんへの謝罪も……それから、葵ちゃんに下着姿を見てもらうことも、いつのまにか奮い立てたはずの勇気は萎れてしまっていました。  それから、キッチンを借りて一緒に料理をしている時も、ご飯を食べている時もお兄さんはリビングに出てきてくれませんでした。普段はできないお話がたくさんできて楽しさを感じつつも、葵ちゃんが席を外したりお風呂をいただいたり、ふとひとりになる瞬間にはお兄さんのことを考えずにいられませんでした。家族以外で唯一平気な男性……それも昔はとってもよくしてくれたお兄さんに失礼をはたらいてしまった罪悪感。その気持ちは時間が経つにつれて胸の奥で鉛のように重くなってきて、ここが人様のお家だってことにすら気を回せなくなるくらい、いつのまにか頭の中はそのことばかりでした。  だから失態に気づいたのは、落ち着いて物事を考えられるようになった就寝の間際でした。お風呂をいただいた時に、私はまるで自分の家でそうするみたいに自分の着替えを誤って洗濯機に入れてしまっていたのです。結局、葵ちゃんに下着は見せられていませんでしたから、明日の朝になって葵ちゃんがそれを見つけてしまう形で披露するような事態は避けなければならないと思いました。私はおしゃべりに疲れて一足先に眠ってしまった葵ちゃんを起こさないように、そうっと布団を抜け出します。そうしてスマホの明かりだけをたよりにお風呂場に向かうと、扉の隙間からは廊下に明かりが漏れていました。中からは衣擦れの音が聞こえてきます。今この家にいるのは私たちとお兄さんだけ。私が泊まりに来ているせいで気を遣わせてしまって、お兄さんはこんな時間にお風呂に入る羽目になっちゃったんだ。さらに申し訳ない気持ちが重なって、今すぐにでも謝りたい気持ちが強く再燃します。けれど季節は真冬、深夜の廊下は冷え込むものです。もしお兄さんがお風呂に入る前だとしたら、パジャマのまま待ち続けるのはつらすぎます。幸いにもまだ脱衣所にいる気配がしたので、僅かに空いた隙間からほんの少しだけ覗き見る形で中の様子を伺うことにしました。この後、声を圧し殺して驚愕する羽目になることも知らないで。  お兄さんが手にとっていたのは、あの葵ちゃんに見せるために勇気を出してつけてきた私のブラジャーでした。同性の親友に見せることすら恥じらっていた下着を、男性に触れられている。その光景に私はその場で叫んでしまいそうなほどの驚きと、それから羞恥心に襲われました。何かの間違いだと思い込みたかったけれど、流石にあれが妹の葵ちゃんのものだとは思わないだろうし、それに私は下着を洗濯用のミニネットごと洗濯機に入れてしまったはず。だからお兄さんはその見慣れないランジェリーが私のものだと理解したうえで、わざわざ洗濯ネットから取り出して手に取って観察しているに違いないのです。その場で固まってしまい、眺めていることしかできない私の耳に、お兄さんの独り言が届きます。「でっっっか、なんだよこのブラ……あれで葵と同級生ってっ……うそだろっ……○学生のくせにっ、こんな、ピンクと黒のてかてかドスケベブラっ……サイズ、は……105センチの、Hカップっっ……」 裏のバストサイズのタグまで読み上げられて、顔から火が出るような思いでした。またお兄さんの下着漁りが故意の犯行であったことを確信して、強い失望感が心の中を覆い尽くします。すぐにでもあれを取り返したい、と思いました。でもいくらこっちに尤もな理があっても年上の男性に強く出るのはやっぱり怖いです。そんなふうにグズグズしているうちにお兄さんの行為はエスカレートしていきます。私のブラを傍らのラックに置き、手のひらよりも大きなバストカップ部分を真正面から鷲掴み。そのままワイヤーの入った固いカップをまるで中身が詰まっているみたいに揉みしだきます。今日一日、私の重たい胸を支えてくれていた下着がぐにゅぐにゅと無造作に形を変えさせられている様子には「ひどい、やめて」「最近買い換えたばかりなのに」と叫びたくなりました。大人サイズのランジェリーは、ジュニア下着がかわいく思えてしまうくらい値段が張るのです。上下セットで5000円以上はざらで、デザインなどによっては平気で一着1万円以上します。両親は私に経済的な負担を心配させることはないのですが、それでも『自分の胸が大きなせいで他の子よりもお金がかかってしまっている』という引け目はずっとあったので。胸の大きな子の悩みなんて、男の子に分かるはずがありません。お兄さんは好き放題に下着をまさぐり、さらには鼻先を埋めるように押し付けて深呼吸をすると興奮に拍車がかかったようで、次第に独り言も乱暴なものになっていきました。「っ、あー、メスくさ、すぅぅー……あ゛ー……乳くっさぁ……こんなにでっかい爆乳ぶらさげてっ、生きてて恥ずかしくないのかよっ……」  今思い返せば、そのときのお兄さんはきっと日常的に実妹にからかわれるくらいの低身長を、久しぶりに再会した妹の友達にまで弄られたと思い込んでしまったのだと思います。怒りと悔しさがコンプレックスに火を点けてしまい、それで下着漁りの背徳感とまじって気が大きくなってしまった。そういう腹いせの意味も込められていたのでしょう。ですが私にとっても……その一言はとんでもない衝撃でした。図星だったんです。そんなに大きなブラをつけなくちゃいけないのも、毎日のように男子の猥談のネタにされるのも、少し身じろぎするだけで女らしい肉つきの部分がぶるんぶるん揺れちゃう身体のことも。「恥ずかしくないのか」なんて……そんなの、ぜんぶぜんぶ恥ずかしいに決まってるじゃないですかっ……。  ぶちんっ、って。耳の後ろで音がしたのはきっと聞き間違いなんかじゃありません。そのお兄さんの一言は、日頃の我慢や鬱憤が溜まりに溜まって限界まで張りつめていた私の忍耐の琴線を千切っちゃったんです。なんで私ばっかり恥ずかしい目に遭わなきゃいけないんだろうって。私は悪いことなんてしてないのにこんな思いにさせられて、なのにこっそり悪いことをしてるお兄さんは私を傷つけて気持ちよくなってる。そんなの絶対おかしいって、全身がわなわな震えるような生まれて初めての強い気持ちが沸きあがってきました。本当はずっと私だって、葵ちゃんみたいに言い返したかったんです。でも男の子は性欲が旺盛になるのが普通だってみんな言うし、学校の男子や先生からは何か直接嫌がらせを受けているわけではないし。でも目の前のその人は違います。年下の女の子のデリカシーを性欲で踏みにじって台無しにしちゃう卑怯ものの男の人が相手なら、やり返してもいいはずです。むしろ私と同じぐらい……ううん、それ以上に恥ずかしい目に遭わなきゃ不公平です。この時私は、今まで自分が感じさせられてきた性的なコンプレックスを男の子に思いきりぶつけていい大義名分と、その矛先を向けるべき絶好の相手が目の前に同時に現れたことに……ぞくぞくと背筋がふるえました。  男の子……いえ、年上の男性に反抗する意思を決心すると、心臓の鼓動はばくばくと煩い一方で、「逆襲を許さないように勝つ」ための思考がクリアーに冴え渡っていきます。まずは言い逃れのできない決定的な証拠を確保するべきだと考えた私は、明かり代わりに使っていたスマートフォンで動画撮影を立ち上げました。撮影開始時には電子音がなってしまうので、寝間着でスピーカーを押さえながら細心の注意を払って起動し、私のブラジャーを夢中で抱き締めているお兄さんの後ろ姿をこっそり動画に収めます。すると犯行の証拠を押さえられたことで精神的なゆとりが生じたからでしょうか、あるいはレンズを通して見たことで冷静になれたからでしょうか。下着を漁られることに対しての、羞恥一辺倒だった気持ちに変化が生じました。おにいさんは必死に触ってみたり臭いを嗅いだりと、自らを興奮させるような行動をとっているのに、その責任を転嫁して○学生のブラジャーにぷんぷん怒って腹を立てている。その姿がなんだかすごく変というか、ちぐはぐでおかしいというか……ともすれば滑稽なものに感じられたのです。年齢不相応な体つきを自覚させられてしまうから、私はあのブラがまるで自分の分身でありコンプレックスの一部のように考えていました。学校の男子も先生も、あの三連ホックと二重ストラップのフルカップブラに包まれた、105センチのHカップを性の捌け口にしたいんだろうなって。女の肉体そのものを付け狙う彼らには下着はむしろとっとと剥ぎ取ってしまいたい邪魔なものだろうな、と。ところが、どうでしょう。それが今や『卑怯ものの男の子を誘き出す絶好の餌』として機能しているではありませんか。まさに目から鱗が落ちる思いでした。確かにああして見られて触られて好き放題にされていることは絶対に許せないくらい恥ずかしいことではあるのですが、そうして年下の女の子の『おっぱいの脱け殻』なんかに発情して苛立ちをぶつけているなんて、私の羞恥心なんか比べ物にならないくらい恥ずかしいことなのかもしれない。私本人に手を出せないから、面と向かって私に性欲の苛立ちをぶつけられないから、こそこそ隠れて欲望を晴らしているんだ……。そう考えると、どんどん怖くなくなっていきました。それでとうとうお兄さんがズボンを寛がせてオナニーの準備し始めた時には、「やった」って喜んじゃったくらい。男の子がどんどん恥ずかしい姿になっていくって。  これまで男性から向けられる性欲とは、まるで靄のような存在でした。私を取り巻く視線やヒソヒソ話に交じり、姿形の実体があるわけでもないから振り払えず、ねっとりと居心地の悪いものがまとわりついてくる感じ。だからお兄さんが取り出したペニスを目の当たりにして、怯えていたものの正体を知ったとき、私のなかにあった苦手意識はあっけなく霧散してしまいました。だってその姿は男女別々で行われた保健体育の性の話で『望まぬ妊娠をしないために』と銘打って説明を受けた際に、形成された固定観念ーー女の子に無理矢理迫ってきて性欲のままに赤ちゃんを産ませようとしてくる乱暴で軽薄な男性像ーーとはかけ離れた姿だったから。  小さな身体に似つかわしい、私の人差し指くらいしかない生殖器。ピンピンに反り返らせたその真っ白な蕾を取り出すと、お兄さんは大きすぎるブラを片手で持てないので、腕全体でむぎゅぅっと抱きしめる形を取りながら、勢いよく上下に扱き始めました。既に粘液で濡れそぼっていた先っぽの包皮がずりゅっと剥けて、中から真っピンクの亀頭がちらり。けれど全部は露になることはなく、半ばまで皮が剥けると再び先っぽまで覆い隠すように被せて、これをくちゅくちゅと素早く繰り返しています。お兄さんは大学生。6つも年上の男性なんて、私たちからしてみればまごうことなく大人です。そんな大人の男性がセックスではなく、オナニーのためにおちんちんを使っている。自分の手のひらを女性の膣に見立てて、生殖のためではなく快楽を満たすためだけに扱く。「くそっ、くそっ……おっぱいでっか」なんて囁きながら、自分の意思とは無関係に固くなってしまった勃起をおさめるための、八つ当たりの自慰行為。そんなところを見てしまった……いえ、見ることができたおかげで、男性に対して抱いていた恐れが、実は全然たいしたものじゃなかったことを知りました。性欲に抗えずおちんちんの勃起にふりまわされてしまう恥ずかしい生態を女の子に悟られないように、下卑た振る舞いで虚勢を張って格好をつけて生きている、それが男の子の正体だったんですね。  初めはまるで物陰から猛獣の補食現場を伺っている気分でしたが、その実態が愛玩動物の繁殖ごっこであることを知った私は、一刻も早くそれを捕まえたくなってしまったんです。いつも思いきった行動を取る際にしていた心の準備、勇気を振り絞るなんて決心も、もう要らないみたい。全然怖くないどころか、やっと男の子にやり返せるんだって胸の高鳴りが強く響きます。  動画撮影を辞めるつもりはありませんでした。下着漁りする決定的な証拠は抑えられたけれど、現場を暴かれてお兄さんが恥ずかしい思いをするのはこれからです。スマートフォンをパジャマの胸ポケットに差し込んだ私は、頃合いを見計らって勢いよく引き戸をスライドさせました。するとお兄さんは飛び上がるように驚いて、俊敏な動きでズボンをずりあげてこちらに向き直りました。もう片方の手は何かを隠すように背中にやっています。「あっ、今っ、お風呂入るっところだったからっ」 顔を真っ赤にしたお兄さんはあたふたとその場を取り繕おうとしました。ズボンの中ではおちんちんが屹立しているシルエットが浮かび上がっているし、口の回りは涎でてらてら光っているし、背中には隠しきれてないブラの肩紐がぷらぷら揺れちゃってるし、もう言い逃れなんかできないのに、一縷の望みにかけて誤魔化せないかと必死で、すごく往生際が悪いです。もしも第一声で、ごめんなさいと謝ってくれればそれで許してあげる気にもなったかもしれませんが……あ、いえ、嘘です。やっぱり絶対に許さなかったと思います。ともかく反省の色の見えない小狡さが見えて、むしろ嬉しくなりました。やり返していいと心の底から思える卑怯者が相手だったら、何の気兼ねもなく辱しめていいってことですもんね。  まんまと誤魔化されてあげる一芝居をうって油断を誘いたかったものの、私自身はやっぱり他人と面と向かって話をするのが苦手なんです。特に人の目を見てお話する、なんて苦手で。それでちゃんと自分の言葉を吐きつけられる位置を確保することにしました。早口で捲し立てて言い訳するお兄さんのほうへずずいっと近づき、そのまま壁際で覆い被さったんです。あんなに思いきった行動が咄嗟にできたのは、焦っていたせいもあると思います。あの深夜の静寂の中で物音はよく響いてしまうから、興奮ぎみに声が大きくなるお兄さんの口を閉ざさなきゃって。だって葵ちゃんが起きてきちゃったら、せっかくの仕返しの機会がなくなっちゃうかもしれないし。私の目的はとうにお兄さんを警察に突き出したりだとか、葵ちゃんやご家族に打ち明けたりだとかではなくって、私が感じていたよりも恥ずかしい思いを卑怯ものの男性に味わわせることが第一になっていたのです。  頭ひとつ分以上の身長差なのですから、体格差に還元すれば言わずもがな。体裁を取り繕うことに自棄だったお兄さんはまさか6つも年下の女の子が力任せに取り押さえてくるなんて夢にも思わなかったようで、油断したまま壁に押し付けられて拘束される形となりました。苦悶の声を漏らすお兄さんにもう少し静かにするよう適切な声のボリュームを伝える意味も込めて、ぽしょぽしょと耳のうぶ毛を揺らすぐらいの吐息で囁きます。「嘘つき。全部見てたんですからね」 私が言葉少なく問い質すと、その小さな体躯がぶるりとふるえあがりました。「あ、ぁ、ぁっ……」なんて狼狽し始めちゃって、さっきまで下着相手に強い言葉を吐いていた人とは思えません。たとえ優位をとったとしても心配性の私は、完全に主導権を握ってしまおうと思い畳み掛けました。「私の下着こそこそ漁ってましたよね」「好き勝手に揉んだり顔埋めたりしてるとこ、ずぅっと見てました」「○学生のブラに当たり散らしてオナニーなんて、ずいぶんとご立派なんですね」 心臓がドキドキ高鳴るのとは裏腹に、冴えきった思考が変態さんを責め立てる言葉を矢継ぎ早に紡いでいきます。胸のなかでモヤモヤ燻らせていた男の子への鬱憤を、ネチネチと悪態を突くような感じで。その内緒話のこしょこしょ声がどうにもくすぐったいようで首を引っ込めたり抵抗の声をあげたりとジタバタ足掻くお兄さん。言いたいことは山ほどあるので、逃がすわけにはいきません。その華奢な身体を力ずくで押さえ込み、足の間に膝を割って入らせます。そのまま身長差を利用して股下を膝で押し上げると、股間を浮かされる形でお兄さんがつま先立ちになりました。あんなに怖かったはずの男の子を押さえ込めてしまったことには正直拍子抜けでした。しかも「ひ、あっ、やめっ」なんて切羽詰まった、弱々しい声を上げて。  他人のコンプレックスを踏みにじる物言いにまだ抵抗があったから最初のうちこそもって回った言い方をしていたものの、私が時折口にする強い言葉にびくびくと反応を示す姿を見るとその枷はだんだんと緩んでいきました。「ブラジャーって女の子の胸の形に合うように作られているデリケートなものなんです」「それをあんなに好き勝手に乱暴して……最低です」 ややきつめの語気を使ってみると、面白いくらい狼狽えるんだもん。「ごめ、んなさっ。弁償しますっ、弁償する、からっ……!」 年上の男性に罪を認めさせ、謝らせた。お兄さんが自然とこぼした言葉に、私はえもいわれぬ充足感を感じました。それは塾の模試で1番良い成績を取った時よりも気持ちいい、まさしく胸がすくような思いでした。けれどそれはそれとして、その物言いとお兄さんの甘すぎる認識については看過できません。「弁償するからっ……!」の後に省略された内容にはきっと「弁償するから許して。誰にも言わないで、このことはどうか内密にしてほしい」といったところ。知らなかったとはいえ年下女子の巨乳コンプレックスを自分の性欲の餌としたのに、謝れば許してもらえるぐらいの軽いやらかし程度にしか考えていないようなら、あまりに厚かましすぎます。 「新しいの、買ってくれるってことです?」私の質問にコクコクと頷くお兄さん。「ずっと?」 そう付け加えると、案の定固まってしまいました。私は続けます。「あんなに強い言葉で、まるで胸が大きなことが悪いことみたいにあげつらって罵りましたよね。そう思うなら、責任を取ってくれるんですよね。私がつけるブラジャー……ううん、上下セット合わせての下着、そのお金をこれからずっとお兄さんが出してくれるってことですよね?」 身体の成長が著しく、すぐにサイズが合わなくなってしまうために下着選びには悩まされてきました。家族に度々新しい下着がほしいと切り出すのは、なかなか勇気がいるし、何より経済的な負担が心苦しいです。なら下着の代金はそれだけのことをした相手に払ってもらえば万事解決ではありませんか。「一着一万円。一ヶ月くらいでサイズ合わなくなっちゃうので買い換えなきゃなんです。実はそれもちょっときつくなり始めてますから、ひとまず新しいのが三セット程度ほしくって」 気兼ねすることなく口にしていいと思うと気持ちがとても晴れやかになって、つい口が弾んでしまいます。一方、年下の女の子の下着用お財布にされる方向で勝手に話を進められたお兄さんはしばらく置いてけぼりを喰らったように呆然としていましたが、ふと我にかえって不満の声をあげました。まって冗談でしょ、とか。おかしい、だとか。辻褄が合わない、だとか確かそんな感じで。あたかも取引の対称性を説き、不平等を主張しようとしていたのです。……ご自分の立場を理解されていない物わかりの悪さに、私はため息をつきそうになりました。中○生からしてみれば、大学生なんて大人同然。なのにそれだけ成熟してもおちんちんが膨らめば、まともに物事を考えられなくなる。おちんちんがついてるって、むしろハンデだったことを知りました。  私はすっかり思考力が落ちてしまっているお兄さんに耳打ちします。事を内密にしてほしいなら、私の言うことには首を縦に振るしかないこと。今のお話に筋が通っているかなんて関係ない、だってそれは提案でも交渉でもなくって、お兄さんが報いなきゃいけない当然の償いなんだもん。そういうことを淡々と教えて差し上げました。なのに……なのに、ですよ? お兄さんったら、義務教育真っ只中な女子に社会的な生殺与奪を握られてしまったのを受け入れられないのか、まだ「っ、ぁ、でもっ、や、だってぇっ……」なんてぐずるんです。大人の男性の面目丸潰れな上ずった呻き声。それで私、もう焦れったい気持ちが我慢できなくなって……自分の言葉でお兄さんの心をへし折ることに決めました。  男の子への逆襲の第一歩。今までたくさんの理不尽を押し付けられてきた鬱憤ものせて、今度はこちらから理不尽を思いっきりぶつけてやる番です。上から見下してもいい相手なんだって思ったら、自然と敬語もいらないかなって。まるでガキ大将が固めた拳に息を吹き掛けるように、まず耳の穴へ熱い吐息をゆっくりふきかけました。私のことを気弱そうな○学生と侮ってまだ丸め込めるつもりでいるんですもん。そんな甘い見立ては許しておけません。  「こそこそ中○生のブラ漁る卑怯ものの変態が口応えするんだ?」  その物言いは罵声と呼ぶには随分とかわいいものだったかもしれませんが、興奮で全身の毛がぶわっと逆立ったことを今でも記憶しています。男の子を卑怯ものと罵った。下着漁りする変態行為を摘発した。年上にため口を利いた。それらが渾然一体のえもいわれぬ歓喜の電流となって、頭のてっぺんから足の先までを駆け巡ったのです。私が初めての悦を噛み締める一方で、同時にお兄さんの体にも痙攣が起こっていました。現象は同じでも、理由はきっと全くの正反対。6つも年下の女の子から変態呼ばわりされて糾弾されたことで、事の重大さに気づかされたのでしょう。罵った瞬間の私は知る由もありませんでしたが、お兄さんは大人の男性らしからぬ身長に強い劣等感を拗らせてしまい、女の子に臆病になっていた童貞さん。その低身長を自覚させられる形で詰め寄られ、抱き締め合ってるくらいの近さから女の子に見下されるなんて相当堪えちゃったみたいですね。お兄さんったら、ぱくぱくとお口を開閉するばかりで声が出せなくなっていました。  私がそうだったので、コンプレックスが琴線に触れちゃった時の雰囲気ってなんとなく分かるんです。(へぇぇ……身長がちっちゃいの、すっごく気にしてるんだ……) 人が気にしていることをあげつらってからかう、なんて遊び半分にしちゃいけません。弄る側はほんの軽い一言のつもりでも、弄られた側は忘れられない記憶として焼き付いちゃうから。でも詰られた分を詰り返すぶんには、構いませんよね。 「『そんなにおっぱいでっかくて、恥ずかしくないのか』だったっけ? じゃあ、私からも言わせてもらうけど……あなたはそんなに身体ちっちゃくって恥ずかしくないの?」 コンプレックスの心根をクリティカルに抉る問い質しに、お兄さんは余程ショックを受けたみたいでした。「あぁぁぁぁ……っっっ」魂が吸い上げられていくような上擦った声を漏らして、ただでさえ小さな体躯がぎゅぎゅうっと縮み上がります。身体を悶えさせるほどの羞恥心を抱かせたーーやっと叶えた仕返しは、まるで頭の奥で火花がはぜたような、予想を遥かに凌ぐ倒錯的な快感を与えてくれました。けれど火花が瞬くのは刹那のあいだだけ。すぐさま、更なる辱しめをしてやりたくなりました。  「お兄さんこそ、悔しくって恥ずかしい思いいっぱいしてきたんじゃない? 似合うお洋服がなかったり、女の子からはろくに相手してもらえなかったりとか」 私自身が抱えていた早熟な身体の悩みを真逆に反転させて囁くと、まんまと図星を射抜けたようでした。私服が大人びたものになってしまう私とは対照的に、お兄さんは逆に大人っぽい服が似合わないのでしょう。それが幼い見た目に拍車をかけて、同年代の方からは恋愛対象に見てもらえない。面子に固執する男性にはきっとつらいのだと思います。そこまで考えて、私ははっとしました。もしかするとお兄さんは、私の身体の早熟具合が羨ましかったのかなって。だから余計に劣等感を刺激されて、下着相手に必死にオラついちゃってたのかなって。するとこの中●生らしからぬ体つきが、急激に頼もしいものに感じられたのです。お兄さんは最初に挨拶をし損ねてしまったきり、ついぞ今まで私の前に出てきてくれませんでした。それはひょっとするとひとりお部屋の中に閉じ籠り、年下の私に身長合わせの膝折なんかされたことにずっと悶々としていたのかも。怒って出てこなかったのではなく、恥ずかしくって姿を見せられなかった。私が葵ちゃんと楽しく談笑している時、私の与かり知らぬところでお兄さんは悶々とコンプレックスを疼かせていたことになります。それは……なんて、なんて素敵なことなんでしょうね。『会えない時間こそ、愛を育む』という恋愛の格言に通ずるものがある気がします。『女の子が見ていないところで、男の子の劣等感は肥大化する』……みたいな。考えてみれば、教室で私をオナニーのオカズにしたことを話していた男子たちも、私が知らないところで必死におちんちんをくちゅくちゅ擦って生殖液を無駄遣いする、世界でいちばん非生産的な行為に勤しんでいたわけですから、憐れみこそすれ、私が恥じらいを覚える必要なんてないんですよね。その時はお兄さんに恥をかかせたい気持ちでいっぱいでしたから、もし今その場に戻れたら、改めてちゃんとお礼を言いたいと思います。『ありがとうございます、お兄さん。あなたの劣等感を糧にして、私、男の子に優越感を感じられるようになりました』って……あ、敬語使っちゃダメなんでした。 「恋愛対象として見てもらえないから、下着相手にイキり散らかして……ほんとに姑息。おちんちんまかせに八つ当たりするの気持ちよかった?」  男子に対する認識が大いに改まったことで、おちんちんに対しても抵抗感はなくなってしまいました。だって赤ちゃんを生ませるために使われない男性器なんて取るに足りませんよね。お兄さんの股下を膝でぐぐぅっと押し上げてあげると、ズボン越しのシルエットがみるみる浮かび上がってきます。先程のオナニーの名残か、はたまた私に追い詰められているせいか、硬い芯が宿ったまま。たぶん私の人差し指と同じくらいのそれに、男の子の弱点が集約されているなんて、ちょっぴり可哀想です。だって私が少し膝を持ち上げるだけでお兄さんは大慌て。身長差にものを言わせたつま先立ちを強いられ、圧迫感からおちんちんを守ろうと私の身体にすがりついての前屈み。文字通り足蹴にされているんだっていうのに、押し上げた膝には熱くいきり勃つ感覚が伝わってきます。お兄さんがあんまり「や、やめっ、う、あ、やめてっ、ゆるしてっ」なんてほざきますが、今さら聞き入れてあげるつもりは毛頭ありません。むしろまだ大した仕打ちをしていないのにそんなことをのたまうなんて反省の色が全然見えません。舐めた態度が透けて見えるタメ口か、皮肉交じりにチクチク蝕む敬語か、悩みあぐねた私は色々と試しておちんちんの膨張を検証してみることにしました。 「気持ちよかった? 気持ちよかったからこんなになってるんでしょ? ほら、オナニー気持ちよかったですって言ってよ」 「それともお手々じゃ掴みきれないくらいのおっきなブラにびっくりしちゃったの? うんうん、勝手におちんちん固くなっちゃったんだよね~」 「JCの深い大人ブラに『や~い、チビ』ってバカにされてる気分になって、おちんちんイライラ~…… くっそぉ、ぼくのおちんちんゴシゴシでびびらせてやる~」 「ふぅぅぅ~~~っ…………なっさけな……はぁぁぁぁ~~~っ……最低…………かっこわる……だから、男として見てもらえないんですよ?」  もとより私は細々と地道な分析が好きなのです。思い付く限りの辱しめ台詞のレパートリーを試していくと、その中でも殊更に反応が良かったお兄さんのウィークポイントが判明しました。 「“かやだ”ちっちゃいのぉ、恥じゅかちぃ恥じゅかちぃだもんね~❤︎ ○学生が年上の“おねえたん”に見えちゃうのもちょーがないでちゅよね~❤︎」  舌ったらずな喋りと赤ちゃん言葉。それをシロップのようにとびっきり甘い声色でコーティングしてお耳に流し込んであげると、その小さな体躯が殊更びくんびくんと跳ね回らせます。台詞を口にするこちらも恥ずかしくなってしまうぐらいのべったべたな幼児語ですが、お兄さんが私以上に悶絶してくれるおかげで、私はその様子を冷静に観察して優越感の肥やしにしつつ、よりいっそうの辱しめを与えるための工夫を凝らすことができました。 《続く》


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