くすぐり催眠学校、第二十二話 明日香を取り締まった後、校長室で仕事を終えた早乙女が校長室に鍵をしめようとした瞬間のことだった。 早乙女「何…!?」 突然催眠術にかけられ、催眠状態に入ってしまった。 明日香「何が“風紀委員は辛い思いをしてる”よ。私達だって風紀委員に目を付けられないようにビクビクしながらトレーニングして、成長が感じられなくてちょっと追い込んでトレーニングしただけで、催眠術が暴発してルール違反として罰を与えられる。そんな環境でトレーニングしている一般生徒の気持ちなんかあなた方はわからないでしょうね。」 明日香は催眠状態のままの早乙女を校長室な中に連れて行き、中から鍵をかける。 明日香「確か、校長室のどこかにくすぐり室っていう部屋があるって…、あ、あれね。」 明日香はくすぐり室を見つけると、再び早乙女を連れて行く。 明日香「なるほど…。これはすごい部屋ね。さて、どれにしようかしら?先生の弱点が分からないし、とりあえず全身をくすぐれるような拘束具を使わないと。」 明日香が目を付けたのは、仰向けにⅩ字に固定するであろう拘束具を見つけた。 明日香「これがいいわね。」 催眠状態の早乙女をⅩ字の拘束台に寝かせ、一つずつベルトを締めて固定していく。両方の手首、腕、もも、足首の計8ヶ所を固定する。 明日香「あとは、これね。このボタンを押せば。」 拘束台に取り付けられたボタンを押すと、台や天井からマジックハンドが現れ、拘束された早乙女の全身をくすぐり出した。だが、早乙女は催眠状態のため、何の反応も示さない。明日香はこの状態のまま早乙女の催眠状態を解除した。 早乙女「……ん、んひゃぁぁぁああああっははははははははははははははははははちょっとぉぉ!っはははははははははははははははははははは何よこれぇぇぇえええええっへへへへへへへへへへへへへ!!」 明日香「さっきはよくもやってくれたわね。」 早乙女「あなたぁぁあっはははははははははははははははは明日香さん!?きゃははははははははははははははは何でぇぇぇええ!!」 早乙女は自分の状況に焦り出した。くすぐったさに耐えきれず、拘束された手足をバタバタと動かし抵抗するが、当然びくともしない。 早乙女「あっははははははははははははははははははどうして、ひゃはははははははははははこんなこと、あ~っはははははははははははははははくすぐったぁぁぁあああい!!」 腋の下には小さいマジックハンドが群がり、細く小さい指でこちょこちょとくすぐられ、脇腹は大きいマジックハンドに揉むようにくすぐり、おなかやへそは一本指で上下になぞるように優しくくすぐる。太ももは優しく撫でるようにくすぐり、足の裏は引っ掻くようにくすぐる。複数の刺激にくすぐられ好きの早乙女でもかなり辛い状況だった。 早乙女「いやあああああっははははははははははははははははこれ、ダメぇぇぇええっへへへへへへへへへくすぐったすぎぃぃぃいいっひひひひひひひひひひひひひひ!!」 明日香「さ~て、弱点を探そうかしら?この機械、スタートボタンは大きいから何となくわかったけど、他のボタンは色が違うだけで大きさは同じね…。とりあえずテキトーに…」 明日香は、拘束台に取り付けられた複数あるボタンを1つ押した。すると、マジックハンドの動きが激しくなり、数も増えている。 早乙女「んひゃああああああっはははははははははははははははははははははだ、だめぇぇえええあああっははははははははははははくすぐぅぅっふふふふふふふふふぁあああっははははははははははははははははは!!(よりによってこんな強力なくすぐり台に拘束されるなんて…!くすぐったすぎて催眠術に集中できない…!!)」 明日香「くすぐったすぎてまともに話せないようね?じゃあ次はこのボタンを…」 次に押したボタンにより、マジックハンドはそれぞれ自分の担当部位を細かくくすぐっては、ほんの少し移動してまたくすぐるという行動を繰り返してる。身体のそれぞれの部位にある弱点を探しているようだった。腋の下はくぼんでいる部分、脇腹は腰の骨のあたり、腹部はへその少し下、太ももは内側の部分、足の裏は土踏まず、それぞれの部位の弱点を見つけたマジックハンドはその部分をくすぐり出す。 早乙女「ひゃああっははははははははははははははははははははははははははは無理やああっはははははははははははははははたぁああっはははははははははははははは助けてぁはははははははははははははははははははははは!!」 明日香「これはすごいわね!これで放置されたらどうなるかしら?」 早乙女「きゃはははははははははははははははははははは嫌ぁあああああああははははははははははははははははははやだぁぁぁああっははははははははははははははははははははははははは無理ぃぃぃ~っひひひひひひひひひひひひひひひひひひゃぁぁああああはははははははははははははははははははは!!」 明日香は、先ほど早乙女にされたように、そのままくすぐられている早乙女を放置し、その場を立ち去った。 早乙女「きゃははははははははははははははははははははははははははははは待ってぁあああっはははははははははははははははちょぉぉっほほほほほほほほほほほほほほほほ!!待ってぇぇぇええへへへへへへへへへへへぁぁあああははははははははははははははははははははははははは!!助けぇぇええっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 明日香「風紀委員もくすぐりを受けているからとか、そういう問題じゃないわよ!権力に押しつぶされる恐怖心ってものが一般生徒にはあるのよ!」 明日香がブツブツと文句を言っていると、遠くの方から笑い声が聞こえてきた。 明日香「また一般生徒が罰を受けているんだわ…!相変わらずね…!」 風紀委員に怒りを覚えながらその現場まで行くと、そこでは意外な人物が十字に拘束されて腋の下をくすぐられていた。 聡美「きゃはははははははははははははごめんなさぁああっははははははははははははははは!!もうやめてぇぇぇえええっへへへへへへへへへへへへへへくすぐったいですってぇぇぇえええ!!」 明日香(あれ、確か風紀委員二年生の北原聡美よね?確か優秀な成績で風紀委員になったはずよね?どういうこと…?) 明日香は不信に思い、近づくとくすぐっているのは見かけない顔の生徒だった。制服のラインは一本だったので、一年生だとわかった。 明日香(あ~書類を申請してくすぐらせてもらってるんだわ。でも何で誤ってるのかしら?) 疑問を抱きながらさらに近づくと、別の生徒も近くにいた。その生徒は良く知っている人物。同じ学年の風紀委員としても良く知る紀子だった。紀子は何故か自分の催眠人形の足の裏をくすぐっていた。あまりにも不思議な光景に思わず紀子に声をかけていた。 明日香「紀子さん?何やってるの?」 紀子「あれ~明日香?こんな時間まで学校にいるんだね~。」 時刻は夕方の六時。校舎は六時半まで使用できるが、そんなギリギリまで校舎にいる生徒は少ない。 明日香「いや、えっと…、私が質問してるんだけど…?」 紀子「そうだったね~!聡美ちゃんが催眠術を暴発させちゃって、近くでトレーニングしてた一年生に迷惑かけちゃったから~、その一年生とお仕置きしてるんだよ~!」 一年生「そうなんですよ!他のルール違反者を取り締まろうと催眠術を使ったらしいんですけど、私までそれに巻き込まれちゃったんですよ!」 聡美「きゃはははははははははははははははははホントっはははははははははははごめんなさぁぁああい!!ひゃああああっはははははははははははははもう許してぇぇぇぇえええ!!」 紀子「だめだよ~?風紀委員なんだから、一番辛~い罰を受けなきゃ~!」 明日香「風紀委員が暴発なんてするの?」 紀子「まあ完璧な人なんていないしね~!でも風紀委員として取り締まる立場の人がルール違反しちゃったら他の生徒が安心してトレーニングできないからね~!でも、罰を与えすぎちゃうと、それに怯えてトレーニングできなくなっちゃうから~、そういう時に風紀委員を相手に練習できるようになってるんだよ~?そういう時に暴発しちゃった場合は罰も特別に受けなくて済むしね~!」 明日香「………」 紀子「まあ、故意に暴発させたら話は別だけどね~」 明日香「北原さん。」 聡美「はいぃぃぃいやあああっははははははははははははははは何ですかぁぁあああっははははははははははははは!!」 明日香「今どんな気持ち?」 聡美「何ですかそれぇぇえええっへへへへへへへへへへへへへ!?きゃははははははははははははくすぐったいですぅぅ!!」 明日香「こんな思いして、催眠術を使うのが怖くはならない?」 聡美「きゃはははははははははははははそれはないぃぃぃっやあああっははははははははははははは無いですぅうぅぅうう!!ひゃ~っはははははははははははははははは大事にならなくてあはははははははははははははよかったと思って、っはははははははははははははははははは!!」 紀子と一年生は明日香の真剣な問いかけに対し、思わずくすぐる指を止める。 聡美「はあ…、はあ…、はあ、はあ…」 明日香「もしまた暴発してしまったらって思わない?」 聡美「はあ…、いいえ、その時は、また…っはあ…、罰を受け、同じ過ちをしないと…、一年の子、くすぐる手が止まってるよ。紀子先輩も。」 紀子「じゃあ、腋の下だけ軽くくすぐっててあげて?」 一年生「は~い!」 一年生は聡美の半開きの腋の下を人差し指でなぞるようにくすぐる。 聡美「んひぃぃ!?っははは…!!きっひひ、何度も…っふふ!暴発して、ふふふしまったらぁあっは!もっと、くくくくくく…トレーニングします…!」 明日香「そのトレーニングが怖くはならない?」 聡美「きっしししししし…!風紀委員として、はははは!!それは許されませんんんん…っふふ!そうなったらぁあっははは!先輩に頭を下げぇえっへへ!練習を…っふふ、お願ぁあっはは!お願い、いっひひして、くっふふふふ克服、します…!」 明日香「そう、良い意見が聞けたわ。ありがとう。」 紀子「じゃあ再開しましょうか~!今度は足の裏を思いっきりくすぐってあげて~!私もこの催眠人形を使って同時に攻めるとすごいんだよ~?」 一年生「はい!わかりました!!」 聡美「嫌ぁぁぁぁぁぁああああああああっはははははははははははははははははそれダメですってばあああああああっははははははははははははははははは!!死んじゃいますぅぅぅあああっははははははははははははははははははははは!!」 明日香「こんな風紀委員だったら…な…」 紀子「明日香~?」 明日香は薫に理不尽な試合を申し込み攻めたこと、早乙女に仕返しをしていることに罪悪感を感じ、急いでくすぐり室に戻った。 明日香「校長先生!」 くすぐり室に到着すると、すぐさま校長のもとへ駆け寄り停止ボタンを押した。それにより早乙女はくすぐりから解放された。 早乙女「きゃああああっはははははははははははははははは!!っはあ…、はあ…、はあ…」 明日香「申し訳、ありませんでした…」 早乙女「はあ…、何か…っはあ…よほど、はあ…、風紀委員を、恨むことがあったの…?」 明日香「一年の時です。私は直接罰せられたことはないですけど、私の友人は頑張って強い催眠術師になって風紀委員になるんだとトレーニングをしていて、トレーニングのし過ぎが原因で催眠術を暴発させてしまいました。そしてその時受けた罰がトラウマになってしまい、思うようにトレーニング出来なくなってしまいました。それでどんどん実力が出せなくなり、最終的には成績が悪くて退学処分になりました。そんな理不尽で権力のある風紀委員が許せませんでした。」 早乙女「その生徒の事なら覚えてるわ。その生徒は確かに気の毒だったけど、もし催眠術を暴発させたのが公共の場だったら大変なことになっていた。わざとではないとはいえ、学校で催眠術を暴発させてしまった生徒に罰を与えるのは、催眠術は慣れているものでも慎重に、気を抜かずに使用するっていう基本を忘れさせないためなのよ。」 明日香「はい。それはわかりました…。でも、どうしても許せなくて…!権力が嫌いで…!」 早乙女「でも、その子も他の風紀委員や、教師に相談して、練習台になってもらうこともできたはずよ。」 明日香「先生に相談したら自分が悪いとあしらわれたそうです…」 早乙女「そんな…!?」 明日香「すいませんでした!もうその先生も風紀委員もいないのに、どうしても許せなくてこんなこと…」 早乙女「いいえ。知らなかったこととはいえ、校長としてその責任は取らなければならないわね…」 明日香「いえ、もういいんです。それより、私に罰を与えて下さい…」 早乙女「いいえ。今回の事は良い教訓になったわ。もう時間も遅いし、帰りましょう?」 明日香は、早乙女の拘束具を全て外し、早乙女に連れられ下校した。 次の日、早乙女は風紀委員全員を風紀委員室集め、今回の件を話した。 紀子「そんなことがあったんですか~…」 玲「明日香が、まさかそんなこと思ってたなんて…」 早乙女「実は薫さんが明日香さんのくすぐりを受けていた時、私や智恵さんがすぐに催眠術を使って明日香さんを止めなかったのは…」 薫「そういう思いをしている生徒に圧力をかけないため…ですか?」 智恵「正解。だけど、他にも理由があって、うちらは普段厳しくしている以上、そういう生徒に恨まれるのは仕方がない。だから、うちらは、そういう生徒の恨みを晴らさせてあげなければならない。だからあの時うちは薫を助けなかったんだけど、薫もよく耐えたね!」 薫「恨んでるのはわかったんで、すぐ取り締まったら根本的な解決にはならないんじゃないかって思って…!」 真唯「さすがだ親友!!」 沙紀「まああなたじゃそんなこと考えなかったでしょうね…?」 真唯「何を言う!!そもそもあたしはくすぐられてたら催眠解除ぐらいしかできん!!」 香里奈「やっぱり、真唯さんはくすぐられ専門って感じね…」 早乙女「とにかく、昨日の事件は私たちにとって良い教訓だと思ってこれからも頑張ってね!」 一同「はい!」 理絵「お!皆集まってるわね!!」 智恵「あれ!?理絵さん!いつ来てたんですか?」 理絵「昨日よ。それより、皆に話があってね?」 早乙女「例の件のこと?」 美雪「例の件?」 理絵「ええ。実はね、急遽風紀委員に、各学年1人ずつ、計3人の新メンバーが入ることになったのよ。」 智恵「新メンバー?」 真唯「ってか、3人も!?」 理絵「今年の秋、つまり夏休み明けから始まる合同イベントっていうのがあってね?」 玲「合同?どこと合同でやるイベントですか?」 早乙女「胡蝶女子高等学校よ。」 美雪「胡蝶女子って…あの…?」 真唯「…どの?」 薫「真唯知らないの!?催眠術を教える女子高で1番って言われてる名門校だよ!?」 真唯「ひえ~、そりゃすごいなぁ~」 沙紀「ですが、そのようなところとどうして、うちの様な学校と?」 香里奈「それに、そんな名門校とどんなイベントをやるんですか!?」 理絵「落ち着きなさい。実は胡蝶女子の校長が私たちの知り合いでね?普段校内でしか勉強していない生徒達に、他の生徒の催眠術を見て学び、お互いに技術を高め合うっていう目的なのよ。イベントの内容は合同授業や、催眠バトルが主ね。」 聡美「それで、風紀委員のメンバー補充と何の関係が?」 早乙女「まあ単純に、イベント中に事件が増える可能性ね。向こうにも公安委員っていう風紀委員みたいな組織はいるけど、それでも人数不足になりそうだから。それと、イベントとは関係ないんだけど、実は田舎の方にある小さな催眠学校が急遽廃校になるってことで、そこの生徒をうちに編入させることになったんだけど、そこの全校生徒12人の内9人は催眠能力レベルが低くて、催眠術を学ばなくてもいいという生徒で、結局3人しか残らなかったんだけど、その3人は逆に催眠能力レベルが強すぎて、本格的な勉強やちゃんとした使用方法を学ばせないと危ないってことなのよ。それで、ちゃんとした使い方や責任を考えられる風紀委員に入れることにしたのよ。」 智恵「なるほど…それで、新メンバーはいつ来るんですか?メンバーの実力やスキルは?」 紀子「今さっき、仕事の大切さなんかを改めて実感したところだしね~」 美雪「そうですね。風紀委員にふさわしい人たちなんですか?」 理絵「人格的な意味では問題ないわ。まあ実際に会って話した感じでってだけだけど。スキルについては明日テストするわ。彼女たちの前の学校でくすぐりは罰として使われてなかったから、彼女たちのスキルは完全に未知数なのよ。」 玲「場合によっては、真唯みたいに強引に敏感にさせられたりするわけですか?」 真唯「あたしの場合は罰だったけどね。」 理絵「くすぐられ役としてそれなりに身体が敏感だったら、今の皆ぐらいにはしておかないといけないって感じだから、向こうの合宿所かここでくすぐって敏感にしていく方がいいわ。くすぐったさに耐えられるスタミナもつけないといけないし。」 早乙女「それに、催眠能力レベルは十分な訳だし、くすぐりに関する催眠術を何種類か覚えてもらえばスキルは問題ないわね。」 理絵「まあテストを含め、顔合わせも明日になるから、今日はこれで解散ってことで。」 薫「あっそうだ!先生、ちょっと聞きたいことがあるんですけど。」 早乙女「どうしたの?」 薫「キャットファイトサークルで使われていたくすぐり虫って、明らかにあれ先生が作ったものですよね?」 早乙女「そうよ?くすぐり室に作った触手みたいに、プログラムを作って…」 理絵「それを確か私が形にしたんだったわね。」 美雪「…くすぐり虫?」 智恵「くすぐられてる人の感情を真逆に、つまり、くすぐられ好きはくすぐられ嫌いにする催眠効果を持った芋虫みたいな虫だよ。」 沙紀「何でもアリですわね…」 早乙女「それがどうしたの?」 真唯「!?…もしかして、それを使ってあたしを…!?」 薫「違う違う。あっまあ、欲しいのはホントなんだけど…」 香里奈「っていうか、それで真唯さんがくすぐられる場合、くすぐられ好きになるんじゃないの?」 真唯「あ~そっか、ならいいか。…いや良くない!あたしまたくすぐったがりになっちゃう!!」 早乙女「確かくすぐり室にまだ残ってるわよ?使う予定もないし、あげるわよ?」 薫「ホントですか!?ありがとうございます!!」 聡美「…私も、貰っていいですか…?」 紀子「おぉ~!さすが、くすぐられ好きだね~」 聡美「だから違いますって…!ただ、興味があるので…(それにくすぐられれば、自分が本当にくすぐられ好きかどうかわかるはず…)」 早乙女「じゃあ、ここで待ってて?今取りに行くから。」 薫「あ、すいません。ありがとうございます!」 数分が経ち、早乙女が風紀委員室に戻ってきた。 早乙女「けっこうあったわよ!」 早乙女は両手に抱えていたものを床に置いた。それは、小さい筒状の透明なケースだった。 理絵「こんなにあったの!?どうせなら私も貰っとこうかしら。」 薫「このケースはなんですか?」 早乙女「くすぐり虫って言っても、機械みたいなものだからね。そのケースは充電器みたいなものよ。その中に入れている間は動きが停止してるんだけど、ケースから出すと人の匂いに反応して寄ってくるわ。」 真唯「ホントに芋虫って感じの見た目ですね。くすぐらなきゃかわいいのに…」 沙紀「こんなものがかわいいんですの!?」 真唯「まああたし虫は別に嫌いじゃないし?」 沙紀「考えられませんわね…」 聡美「この色の違いはなんですか?」 くすぐり虫は、全身が緑、黄色、赤の3色があった。 早乙女「くすぐる強さよ?緑はじれったいレベル、黄色は普通にくすぐったいと感じるレベル、赤は理絵や私でも耐えられそうにないほどくすぐったいレベルよ。」 理絵「前より敏感な身体になってる以上、余計耐えられそうにないわね…」 薫「そういえば、昨日私がくすぐられてたのは黄色だったけど…、あれで普通レベル!?赤ってそうとう強そう…」 早乙女「どうせなら全種類あげるわよ?まあ赤はおすすめしないけど…」 薫「3つずつください!!」 聡美「私は緑1つだけで…」 智恵「っていうか、薫はくすぐられ嫌いになるのに欲しいの!?」 香里奈「確かに…辛いだけじゃないの?」 薫「昨日くすぐり虫にくすぐられてて気付いたんですけど、くすぐられてる間はやっぱり嫌って思いがあった方が良いな~って思って。くすぐられてる間のあの辛い感じとかが終わった後で快感だったり、癖になったりするんですよね。」 早乙女「はい、じゃあこれね。緑とか黄色ぐらいなら、自分で拘束して使っても平気だろうけど、赤はホントに扱いに気を付けてね?それと、校内では使用しないこと。キャットファイトサークルは特別に許可したけど、特に赤のくすぐり虫が間違って行方不明にでもなったら危ないしね。」 薫、聡美「わかりました。」 理絵「どうせくすぐられ好きになるんだし、真唯ちゃんも貰っとけば?」 真唯「結構です!!」 薫「えー緑1つぐらい貰っときなよー!!」 智恵「確かにくすぐられ好きになるんなら、トレーニングにも使えそうだし、1つ貰っとくか。」 美雪「なるほど。私はどうなるのか気になるし、緑1つなら我慢できるレベルだから試してみたいですね。私も1つください。」 理絵「赤はちょっと怖いけど、たまには我慢できないほどくすぐったいっていうのも悪くないわね。私も1つずつ貰っておくわ。」 紀子「私はくすぐられ嫌いになる訳だし~、遠慮しとこ~」 玲「辛いことに変わりはないものね…。私もやめとくわ。」 沙紀「見た目も好きになれませんし…わたくしも…」 香里奈「真唯さんはどうするの?」 真唯「だからいりませんって!!」 香里奈「じゃあ私が貰って真唯さんに使おうかな~!」 真唯「何で!?それならあたしが貰って保管しておきます!緑1つちょーだい!」 早乙女「じゃあ残りはくすぐり室に戻しておくわ。とりあえず今日は解散ってことで。明日は新メンバーのテストに手伝ってもらうから、朝来たらすぐに風紀委員室に集まってね。」 智恵「明日は忙しくなりそうですね。見回りもしなきゃいけませんし。」 理絵「薫ちゃん?くすぐり虫で遊ぶのはほどほどにね?」 薫「は~い…」 その日の夜。 薫「ほどほどにって言われても、やっぱり試したいよね。っていうか、緑のじらしくすぐりレベルなら大したことないだろうし試してみようかな!」 薫は、試しに緑のくすぐり虫を1匹ケースから取り出した。指で撮むように持っていると、指をくすぐろうとむにゅむにゅ動き出す。 薫「さすがに指はあんまりくすぐったくないなぁ。そういえば、自分から弱点をくすぐりに来てくれるのかな?昨日は機械が弱点を探したからこれはどうだろう…?」 撮んでいたくすぐり虫を自分の左腕に乗せくすぐり虫の行動を観察する。 薫「ん~もともとじらしレベルなだけあって、腕はあんまり感じないな。このまま腋の下来てくれるかな?」 しばらく観察するが手首から肘を動き続けるだけだった。 薫「腕を最初にくすぐったら腕しかくすぐらないのかな~?じゃあ…」 薫はくすぐり虫を再び撮み、左腕を上げる。そして、晒された左腋の下にくすぐり虫を付ける。 薫「い~っひひひひひ!!嫌ぁああっはあ…、じらしくすぐりだよね…?思ったよりくすぐったかった…」 思いのほかくすぐったかったことと、くすぐられている最中は感情が真逆になることを忘れていて、思わず腋の下を閉じてしまった。くすぐり虫は、多少隙間があっても、くすぐる場所を塞がれたり、対象が抵抗したと感じたら動きを止めるようにできているらしい。 薫「よし!もう一回!!」 気合を入れ直し、もう一度左手を上げる。それと同時に晒された腋の下をくすぐりだすくすぐり虫。 薫「くっふふふふふ、嫌ぁぁああ!あっはは、くすぐった~い…いぃっひひ!んんん~っふふふふふふ!!」 くすぐり虫は、薫の左腋の下の辺りを動き回り、他の場所に移動することはなかった。 薫「いっひひひひ、やっぱり、くぅっふふふ!一度くすぐると、んっふふ決めた場所しか、きぃ~っひひひ!!くすぐらないんだぁっはは!!ん~っふふ…!やっぱりダメぇぇ!!」 くすぐられ嫌いになってしまっている薫は我慢できず再び腕を降ろしてしまう。 薫「はあ…、はあ、ふ~、やっぱり、このくすぐりから解放された後のもどかしさ…。もっとくすぐられたいんだけどな~。自分でできる拘束具みたいなのが欲しいな。あとはくすぐり虫が自分から弱点をくすぐりに来てくれると助かるんだけどな~」 もどかしい気持ちのまま、答えが出ないままくすぐり虫をケースにしまい、明日に備え就寝する薫であった。