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因果応報5 〜熾月編③〜

泉美 「では、今度は私が直接くすぐって差し上げます。」  宮舘 泉美は壁を背にして立たされている私の背後に強引に回り、私と壁の間に入り込む。枷に繋がれた鎖が長い分、私と壁にはある程度隙間に余裕があったが、この女が強引に入り込んだ事でその隙間が完全に埋まり、私の腕が斜め後ろに引っ張られる形となってしまう。  その結果、触手による脚の拘束もあり更に身動きできない状況となってしまった。  そこで更にタブレットを操作すると、今度はくすぐる為の機械ではなく、人よりも大きなモニターが天井から私の正面にゆっくりと降りてきた。そのモニターにはカメラが設置されているのか、まるで姿見のように私の全身を映していた。 泉美 「これはくすぐり拷問を行うのに便利な機能がいくつか備わっているモニターですが、単純に背後からくすぐる際に対象を正面からも見るのが一番の目的です。」 熾月 「そうまでして後ろからくすぐる意味なんてあるのかしら?」 泉美 「正面からより、背後からの方が人はくすぐっく感じるんですよ。」 熾月 「あっそ。」  くすぐりを拷問手段とし、それに特化した機械をこれだけ用意しているだけあり、くすぐりに関する知識もかなり持っているようだ。 熾月 「そう言えば、長時間くすぐると疲れるから、あなたはくすぐらないんじゃなかったかしら?」 泉美 「確かにそうは言いましたが、あなたが私のくすぐりをご所望でしたので。それに長時間くすぐるつもりはもうありません。私の手に掛かれば、精々十数分で屈服させられるので。」 熾月 「随分な自信ね。そんな簡単に屈服させられるなら、最初からそうすれば良かったじゃない。」  自らの手でくすぐった方が簡単に屈服させられると、今更言われても説得力がない。  いや、この女の言う通り本当に触手とは比べ物にならない程、この女のくすぐりが上手いのかも知れない。だがそれをしなかったのは、それなりのリスクがあるからだろう。それはやはり体力面か。人並み外れた特別なくすぐり方が出来る代わりに、短時間で疲れ果てて気を失う程とか?それなら最終手段として行う理由にもなるが。 泉美 「単純に疲れて長時間の拷問に向かないという以外にも、私が直接くすぐり拷問を行いたくなかった理由があるんですよ。特に、あなたのような人が相手だと。」 熾月 「は…?どういう事よ。」  結局は中々屈服しない私に対して自分がくすぐると、体力が保たなくて勝ち目がないと言いたい様に聞こえるが、他にどんな理由があるのだろうか。 泉美 「自分で言うのもなんですが、私はこう見えてかなりくすぐったがりな方で、自分の指を使って相手をくすぐると、機械でくすぐっている時以上に自分までくすぐったくなる感覚が強くなってしまうんですよ。あなたのような相手に特にしたくないのは、私もあなたと同じで、ワキが弱いからです。自分の弱点をくすぐられて悶えている人を見ると、自分がされている姿を嫌でも想像してしまいますからね。」  そういえば先程もそんな事は言っていた。あれは私によりくすぐったさを植え付ける為の言葉のあやのようなものだと思ったが、本当にくすぐったく感じていたらしい。 泉美 「だからあまり自分で相手をくすぐりたくはなかったのですが、その分利点もあるんですよ。」 熾月 「利点?」 泉美 「はい。相手をくすぐっているだけで自分もくすぐったく感じるという事は、逆に言えばどうくすぐれば相手がよりくすぐったく感じるかも分かるという事です。」 熾月 「……!!」  つまり、自分が最もくすぐったいと感じるくすぐり方をすれば、それだけ私もくすぐったいと感じるという事か。しかもそれが、ワキが弱いという共通の人間なら尚更という訳だ。 泉美 「例えば……、人差し指だけでくすぐるのと、複数の指を使ってくすぐる場合を比較的した時、くすぐる指の数が多い方がくすぐったいとは思いませんか?」 熾月 「し、知らないわよ、そんな事……。」  まあ正直、数の暴力に勝るものもそうないだろうという感覚はある。仮に弱点ではなくとも、全身を無数の手でくすぐられたら、どれ程苦しいだろうか、とも思いゾッとする。 泉美 「こんな感じです。」 熾月 「んぃいぃぃい──」  複数の指を使ってワキをくすぐるとどれ程くすぐったいのか、それを知らないと言った私に対し、突如その責めを行ってきたのだ。 熾月 「っひひひひひ、んんっふふふふふふふ!!きひひひひひひひ、ちょっ、やめ……!ひひひひひひひひひひひひ…!!」  親指で肩を支えるように抱えながら、残りの4本の指がワキの窪みに襲いかかる。その指使いは、それぞれが独自の意思を持っているかのように動き、それでいてただがむしゃらに引っ掻き回すような乱暴な責め方ではなく、優しくワキを滑るように動き回っていた。 熾月 「ふひひひひひひ、んっはは…!ぷくぅうううぅっ…!っふふふふふふふ、いっひひひひひひひひひ!!」  そのあまりのくすぐったさに、一瞬だが耐えきれずに笑い声が出てしまった。それを隠すため必死に歯を食い縛り堪えたが、脳が笑えという命令を出し続けている。 泉美 「っくくく、今……、少しだけ、っふふふふ、声が、漏れましたね。まあ、それでも…、んっふふ、これだけ我慢できるのは、っくふふふふふ、流石と言うべき、ですね。」 熾月 「んっひひひひ、うるさいっ、わよぉ!きひひひひひひ、んんっふふふふふふふふ…!」  この女も自分で言っていた通り、私をくすぐりながら自身も身悶えるように、身体をくねらせながら私が僅かに笑い声を出した事を指摘する。それに屈辱感を覚えた私は、笑いを堪えながら精一杯の強がりを見せる。 泉美 「……ふぅ。これが複数の指を使ったくすぐりです。先程のテンタくんのくすぐりとはまるで感じ方が違ったかと思いますが、どうでしたか?」  自分もくすぐったく感じて喋り辛かったのか、くすぐる手を一度止め再びくすぐりの解説を始める。 熾月 「っはぁ、っはぁ、っはぁ……。ま…、まあ、それなりに……、っはぁ、はぁ、……くすぐったかったわよ…。はぁ…、はぁ…、はぁ…。」 泉美 「では、今度は私の右手の人差し指だけで、あなたの右ワキをくすぐってみましょう。」 熾月 「いや、ちょっ──」  まだ深呼吸を繰り返しながらでしか喋れない程息が上がり疲弊している私に対し、間髪入れずに次の責めを予告される。もう少し休ませて欲しいと訴えようと思ったが、それはすぐに阻まれる事となってしまった。 熾月 「んいぃぃいっひひひひひひひ、ちょっ、くひひひひひひ!それ、嫌っ、ふひひひひひひひひ…!!」  先程の触手と手法は似ており、この女の人差し指がワキの窪みを優しく撫であげる。だが、触手の時よりも明確なくすぐったさが私のワキに襲いかかっていた。 熾月 「待って、いひひひひひひひ、それくすぐったい、くっくっくっくっくっ…!くすぐったいってば!あひひひひひひひ、んんっふふふふふふ…!!」 泉美 「っひひひ、そう、ですね。んっふふふふ、当然…、私の指使いは…、あっふふふ、いひひひ…!テンタくんとは、比較に…、っくく、なりません、よ…?」 熾月 「そんな事いいからっ…!あっひひひひ、あんたもくすぐったいなら、くふふふふふふふ、やめなさいよぉ……!!」 泉美 「駄目です。んっ、ふふふふ……、まだ、この責めの本質を、くくくくくくっ…!理解、させていません。」  何がこの責めの本質だ。単純に触手よりくすぐったいだけで、それ以外の感覚などない。とにかく、疲弊した身体にこのくすぐりが特に辛く感じ、今すぐにでも止めて欲しいとしか考えられなかった。 熾月 「あっひひ!んんっくくく…!何なのよ、いひひひひひ、本質ってぇ……!んふふふふふふ…!!」 泉美 「んっふふふふふ、では…、教えて、差し上げましょう。っくくくくく……!っふふふふふ、その身をもって…、体感して、下さい…!」  笑いを堪えながらもこの女は指の数によるくすぐりの違いを示すと言う。だが現状、ワキへのくすぐりにただくすぐったいと感じるだけで、正直違いは感じ取れない。  そしてこの女の人差し指が、指の腹でワキの窪みを優しく引っ掻くように、そしてその指の動きが素早くなった時、すぐに私は文字通り身をもって体感する事となった。 熾月 「んひぁあぁはははははは!んぐぅうぅっふふふ、うぁははははははははは!!それ止め……、っははははははははははははははははははははは!!」  その指の動きが激しくなり、撫でる時以上に“くすぐり”という行為を形にした引っ掻くような責め。それにより口を無理矢理開けさせられ、ついに笑い声が溢れ出てしまった。今回も必死にそれを抑え込もうと歯を食い縛ったが、それを許さない程の笑えという命令に、再び口が開いてしまう。 泉美 「んっふふふふふ、ついに、っひひひひ…!笑って下さい、ましたね。くひひ、これ、くすぐったい…、ですよね?」 熾月 「くすぐったいぃ!っひははははははははははははははははははははくすぐったいに、決まってんじゃない!っひひひ、あっははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」 泉美 「では、っくふふふふふふ…、先程の、複数の指…、による…、んっふふ…!くすぐりと、どちらが……、くすぐったい、ですか?」 熾月 「こっちに決まってんでしょぉ!っははははははははははははははは笑ってんだからぁあぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!」 泉美 「っふふふ、つまり…、これが人差し指による、くすぐりの…、本質です。っくっくっくっ、あなたの……、ように、っひひ…!くすぐりに、強い人は、人差し指でのくす、ぐりの方が……、っぷふふふふふ、効果的、なんですよ。」 熾月 「きゃははははははははははははは、わかったから、っははははははははははそんな事どうでも良いからぁぁあはははははははははは!!1回止めてええぇえっへへへへへ、ひはははははははははははははははははははははは!!」  くすぐったさが脳内を埋め尽くしていて、この女の言葉があまり入ってこなかった。そんな状態では言っている意味など当然理解出来る訳もないし、それを考えようとも思えなかった。何でも良いから、とにかく一度このくすぐりから解放して欲しいと、脳に浮かんだ言葉を口にし懇願した。 泉美 「んっふふ、止める…、っ訳には、いきません。っくふふふふ、これは拷問、だと言った…、っひひひ、筈ですよ?」 熾月 「ひははははははははははははははははははは、これキツいからぁあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!何で、あはははははははははははははははははははははははははははこんなくすぐったいのよぉ!!」 泉美 「くすぐりと言うのは、うっふふふふふ……、まだまだ未知の部分が、っひひ、多くてですね。くっくくくくく、確かな理由は、はひひひ…!ありませんが、私の仮説では、っくく、複数の指、で……、責めると、んふふふふ、くすぐったい刺激が……、ぶ、分散してしまい、一点のくすぐったさが……、うひっ!け、軽減…、してしまうと、考え…、られます。」 熾月 「意味わかんな、っはははははははははははははははははははははははははははははは何言ってるかわかんないからぁああぁ!!ひははははははははははははははははははははははははははははははとにかく、うひひひひひひひひひ、はっはははははははははははははははははははははくすぐったいんだってえぇええぇぇ!!」 泉美 「んふふふふふ、例えば……、この人差し指を、っひひひひ、あなたの一番弱い、所をピンポイントにっひひひ、狙えば──」 熾月 「うひゃあぁあっははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!?それやめっ、ひははははははははははははははははははははははははそこそんな引っ掻かないでぇえへへへへへへへへ!!」  伸び切ったワキの、肩から窪みの部分にかけて縦に伸びる筋、そこを小刻みに、そして素早く引っ掻かれ、更にくすぐったさのレベルが上ったような感覚を覚えた。ワキの中でもどうやらそこが私の一番の弱点だったようで、そこだけをピンポイントにカリカリと執拗に責めてくる。当然、この女の見立てではそれが私にとって一番の効果的な責めであり、当然これが滅茶苦茶くすぐったい。 熾月 「そこ、っはははははははははははははははははははははははははははくすぐったいからぁぁあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!それホントやめてっ、ひははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」 泉美 「うっくくく…!やはり…、私と、同じですね。っきひひひひひ、ワキはこの、筋と…っくくくく、窪みの部分が、特に敏感、なんですよ。」  そう言って、右のワキはそのまま筋を引っ掻き、左のワキを責める人差し指がすぅ〜っと移動し、窪みを爪先でカリカリと刺激し始めた。 熾月 「きゃああっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっそれも無理ぃいいぃっひひひひひ、ははははははははははははははははははははははは!!いやぁぁぁあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっくすぐったいぃいいぃ!!」 泉美 「私も、っふふふふ…、くすぐったいんですよ?っひひひ!あなた以上に、私は…、くっくっくっく……、くすぐったがり、なんですから。んふふふふふ……!」 熾月 「だから止めろって、ひははははははははははははははははは言ってんでしょうが!っははははははははははははははははははははワキやめ、っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!」 泉美 「だったら、っひひひひ、早く……、認めて下さい。っふふふふふ…、あなたが、くっくっくっくっ…!その罪を認め、るまで……、ふふふ、続けます、から。」 熾月 「冗談じゃな、っはははははははははははははははははははははははははははははははは!!んひひひひひあっはははははははははははははははははははははははははははは私は何も知らな、っははははははははははははははははははははははははははは!!」  何度も心が折れそうになるが、ここで負けたらそれこそ一生こいつの奴隷として地獄の人生を歩むだけだ。そんな負け組の人生など私にはあってはならない。くすぐったさに脳内を支配されながら、自分のプライドの為にそれを心の中に言い聞かせ、知らないフリを貫き通す。 熾月 「んひゃははははははははははははははははははははははははははははははははは、せめてそこやめっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!それダメだって、あはははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」  どれだけ自分のプライドを守ろうと奮闘しても、ワキが受ける強烈なくすぐったさは変わらない。この女の人差し指は、本当に普通の人間ではあり得ないようなスピードで、的確にワキの敏感な部分を引っ掻き続ける。  右ワキの伸び切った筋を素早くなぞっていたかと思うと、突然ワキの窪みまでスッとなぞる範囲を広げたり、左右同時に窪みを激しく引っ掻いたり、時には左ワキも窪みから上へと移動し筋を引っ掻いたり、なそったり。  様々な刺激をワキに与えられ、くすぐったさに一向に慣れず翻弄され続けていた。 泉美 「んっふふ、この、一点責めには、このメリットも、くくくく、あります。刺激する範囲が、っひひひ、狭いので、刺激に慣れる…、範囲も当然、っん!……狭く、なります。刺激に慣れない、ようにするには、っくくく、くすぐり方や、刺激する、場所を変える、っひひ、必要がありますが、全身を一気にくすぐると、んふふふふふ、刺激する、っ場所は、変えられません。っきひひひひ、そのため、くすぐり方だけで、んふふふ…、工夫しなければ、なりません。くっくっくっく…!ですが、この一点責めなら、場所も適度に、ひひひ、変えられるため、っくく!より…、くすぐったさに慣れないように、っふふ、責める事が、できます。」 熾月 「だから何言ってんのか、っははははははははははははははははははははははははわかんないからぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!何でも、良いから…、っははははははははははははははははははははもうやめてぇええぇえへへへへへへへへへ!!」  またしても長々と説明をしているが、本当にそんな細かい話しは頭に入ってこなかった。ただ、少なくともこのくすぐったさは慣れる事なく常にワキに襲いかかる、というのは何となく理解できてしまった。  いっそこんな理屈など、知らない方が良かった。いつかはこの刺激に慣れる筈だと、希望を抱きながら我慢していたかった。この女の体力が無くなるまで、ずっとくすぐったい思いをしなければならないのか。 熾月 「わき、わきぃいっひひひひひひ、ワキ嫌ぁぁぁぁあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!ワキおかしくなるぅ、あははははははははははははははははははははははははお願いだからぁぁあぁ!!」 泉美 「何を、っふふふふふ…!お願い、しているん、ですか?っひひひ、言った筈、ですよ?止めて欲しいなら、っくくくくくく、あなたが、あの女スパイさんを、ここへ潜入させたと、ふふふふ…!認めて、くださいと。」 熾月 「だから知らない、っひひひひあはははははははははははははははははははははは知らないわよぉおお!!私は無実よぉおおぉ、あははははははははははははははははははははははははは!!」  この女の指からなんとか逃れられないかと精一杯動いてみる。限界まで上に伸ばされた腕を下ろしワキを庇おうと試みるも、鎖がジャラジャラと音を立てるだけで下ろすことなど出来ず、ワキはくすぐりを受け入れる姿勢を貫き通している。  ならばと身体を左右に捻ろうともがいてみるも、後ろにいるこの女のせいでそれすらも許しては貰えず、ただひたすらワキをくすぐられる為の体勢を維持する事しか出来なかった。 熾月 「もう無理ぃいぃいいっひひひひひひひひ、あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!くすぐったい、くすぐったいいいぃいぃいいぁはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」  この女のテクニックでワキへ襲いかかるくすぐったさは全く慣れないし、身体を動かしてくすぐりから逃げる事も、その手を払い除ける事も出来ない。 熾月 「いやぁはははははははははははははははははははははははははははははは、こんなの、っはははははははははははははははははははははははははははははは卑怯よぉおおぉ!!ひははははははははははははははははははははははははははあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!」 泉美 「何が卑怯、っふふふふ…、なんですか?っくっくっく!」 熾月 「こんな拘束して、っははははははははははははははははははははははははははははワキばっかりぃいいひひひひひひひひひひひひひ!!くすぐるなぁあああぁあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!」 泉美 「んっふふふふふふ、だったら、っくくく、どうすれば良いか、わかりますよね……?っひひひ…!」 熾月 「きゃぁぁあぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ、知らないぃいぃ、っいひひひひひひひ何も知らないぃっひひひひひひひひ、んあははははははははははははははははははははははははははははは!!」 泉美 「そうですか、うふふふふふ…!なら、仕方ありませんね……。」  何を思ったのか、幸いな事にこの女は突如くすぐる指を止め、私をくすぐりから解放したのだ。ようやくワキへの強烈なくすぐりが終わり、項垂れながら深呼吸を繰り返し酸素を取り入れる。 熾月 「っはぁ…!っはぁあっはははははははははははははははははははははははははははははははははは!?」  これを機に、疲弊した身体から力を抜いて休息したかったのだが、力を抜いた所へすぐさまワキのくすぐりが再開されてしまった。油断しきっていた身体に唐突な刺激を与えられ、ほんの一瞬の休息は寧ろこの不意打ちでより疲労に変わってしまう。 熾月 「ひゃはははははははは、っはぁ!っはぁ…!」  するとまたすぐにこの女はくすぐりを止め、私に休息の時間を与える。だが── 熾月 「んひゃぁぁあぁあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!それヤダぁぁああぁっははははははははははははははははははははははははははは!!」  くすぐりが止まれば無意識に身体が休息を求め力を抜いてしまう。そこへすぐにくすぐりが再開する。そして数秒くすぐったら、また私を一時的に解放する。 熾月 「んはぁ…!っはぁ…!」  これからまたすぐにくすぐりが再開されるとわかっていても、疲弊しきった身体は休息を求め体力の回復を欲してしまう。 熾月 「っはぁ、んぎいぃいいあっはははははははははははははははははははははははははははははははははは!!もうやめてぇっへへへへへへいやははははははははははははははははははははははは!!」  だからまた力を抜いている時にくすぐられてしまうのだ。わかっていても、この極限状態では本能のままに行動させられ、この女の手のひらの上で踊らされるかのように好き放題される。 熾月 「っはぁ、ま、待って…!っはぁ、っはぁ!これキツぅうあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!待ってって、言ったぁっはははははははははははははははははははははははははははははははは!!ホントにキツいからぁぁあぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!」  どれだけ懇願しても何の言葉も発する事もなく、まるで機械のように淡々と私を苦しめる。結果、それが更に私の精神を追い詰めた。 熾月 「ひゃはははははははははははははははははははははははははははははははははは!っはぁ、っはぁ、苦し…、んぁぁあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっしつこいぃいぃ!!っひははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははワキおかしくなるぅううぅ!!」  終わる気配のない拷問。聞く耳を持たないこの女。一向に慣れないくすぐったさ。寧ろどんどん敏感になっているように感じるワキ。一切外れず抵抗を許さない拘束。  あらゆる要素が私を絶望させ、心身共に限界を迎えた私は、無意識にその言葉を口にしていた。 熾月 「わかった、ひははははははははははははははははははは、認める!っきゃははははははははははははははははははははははははははは認めるからぁぁぁ!!っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ、もう終わりにしてぇえぇへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 泉美 「認めるとは?」 熾月 「だから、っはははははははははははははははははは、スパイを雇った事、認めるからあぁあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!」 泉美 「ようやくその気になって頂けましたか。」  無我夢中で叫んだその言葉を聞いて、やっとこの女は私をくすぐりから解放した。そして気を良くしたこの女は私の正面まで移動してくると、私の顎をくいっと持ち上げながら侮辱する。 泉美 「無様ですね。あれだけ強気にくすぐりを馬鹿にしていたにも関わらず、結局そのくすぐりに耐えきれず屈服するとは。」 熾月 「っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ……!」  あまりにも辛いくすぐり。それからようやく解放され私は悪態をつく余裕もなく、この女をにらめつけながら、屈辱的な思いで呼吸を整える事しか出来なかった。 泉美 「では約束通り、これで拷問は終わりにして差し上げましょう。」  今度こそこの拷問が終わった。拷問に屈服してしまった屈服より、単純にもうくすぐられなくて済むという喜びの方が素直に大きなかった。  だがこの時の私は、その安堵でいっぱいになっていて、その先の私の運命など考えてはいなかった。 熾月 「もう、良いでしょ……?早く、私を解放してよ。」  ワキを晒すこの拘束状態が辛い。身動き出来ないのは勿論辛いのだが、散々くすぐられたワキが敏感になり過ぎてしまい、空気に触れるこの状況がむず痒くもどかしいのだ。だから動けなくても良いからせめて腕だけは下ろさせて欲しい。そんな願いを込めて、私はこの女に訴えた。 泉美 「何を言っているんですか?もうあなたに普通の日常などありませんよ。」 熾月 「は、はぁ…!?ちょっと待ちなさいよ…!私は確かに翼をあんたの会社に仕向けた。それはもう認めるし、ちゃんと謝罪するわ。だからもう許して…!」  この女からその言葉を言われ、私はようやく現実を思い出した。最初からこうなる事はわかっていたのだ。だからこそ、自分のプライドを守るため、そしてこの絶望を回避する為に私は散々あのくすぐりと戦っていたのだと。 泉美 「あぁ、あの女スパイさん、翼さんって言うんですね。」 熾月 「え…?あんた、翼に拷問したんでしょ?それなのにあの娘の名前も知らなかったの……?」 泉美 「そうですね。彼女から聞き出したのはあなたの名前だけですからね。」  翼のやつ、自分の名も名乗らずに私を売ったって訳か。まあ確かに私と翼の間には互いを信頼する程の絆など無かったか……。 泉美 「彼女も同様ですが、あなたがどれだけ反省しようとも、私の裏の顔を知ってしまった以上はあなたを自由にする訳にはいきません。」 熾月 「裏の顔って、それはあんたが勝手に私に見せたようなもんじゃない!私はファッション業界のトップに立っていたあなたの戦略にしか興味なんてなかったわよ!」 泉美 「それは結果論です。少なからず、あなたはスパイを使って私の会社に潜入させ、情報を盗もうとした。それだけで充分あなたも私と同じ悪人です。つまり、因果応報です。あなたがした悪事を、あなたはその身をもって後悔する事になるんですよ。」 熾月 「だからって、あんたに私の悪事を咎める理由や権利なんてない筈よ!」  確かにそれは事実だ。私は今まで沢山の企業を潰しその業界のトップに立ってきた。その行為は間違いなく悪だろう。だから警察に突き出されるなら諦めもつくのだが、何故この女に私を裁く権利があると言うのだ。 泉美 「権利ならありますよ?この世界では、勝った者が正義なんですよ。この悪事が世に出回らなければ、それは正義なんです。そして負けたあなたの悪事は、私次第で世に出回るんです。だからあなたは悪であり、敗北者なんです。つまり、勝者は敗者を好きなように出来る権利があると言う訳ですよ。」 熾月 「くっ……!」  その理論に私は何も言い返せなかった。確かに悪事を働いた時点で普通の常識は通用しないし、私を捕らえ拘束しているこの女は実際私を好きに出来るのだ。 泉美 「これからあなたは、拷問研究の実験台です。存分にくすぐられて下さい。」 熾月 「そんなっ……!んあっ、ちょっ……!やめ──」  またくすぐられる。そんな絶望的な運命を受け入れられないまま、私は薬品の染みた布を口元に抑えつけられ、眠らされてしまう。そして次に目覚めた時、私の地獄の人生が始まるのだ。

Comments

ありがとうございますm(_ _)m 前のシーンでの翼拷問シーンと丸被りしないように精一杯工夫しました(^_^;) でも実際、本当にくすぐったくて我を忘れる程大笑いしてる人って、多分こういう細かい話なんて理解できませんよね(笑)

こーじ

くすぐりのシーンにおいて、泉美が理屈を説明している一方で、熾月はそれにほぼ完全に気を向けられないほど笑い悶えている様が丁寧に描写されている点が非常に魅力的に感じました。 一度笑い始めてしまいもうそれを止められない、そんな美女キャラクターの姿っていいですよね(語彙力)。

炙り蜻蛉


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