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こーじ
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連縛されし者達①

テレサ 「今回も良い取引になるよう、しっかり頼むわね。」 サヤ 「……承知しました。」  市販の風邪薬などの薬品を製造、販売する企業で若くして社長に就任したテレサ。しかし、この市販薬の製造、販売はあくまで彼女の表向きの顔であり、その本性は裏の組織と繋がり違法薬物の取引を行う悪女であった。  そのテレサに従うこの女性はサヤ。過去に詐欺を働き、その被害者はテレサの表向き企業の従業員だった。テレサはそんなサヤの詐欺を黙認、被害者にその騙された金を渡し事件を揉み消した代わりに、その弱みに漬け込みサヤを裏の従業員として使っていたのだ。彼女の仕事は、裏の組織と実際に取引を行う下っ端への指示役だ。場合によっては相手を力尽くで屈服させる指示も出さなければならない。  弱みを握られている以上、サヤも逆らえずその仕事をやっていたが、当然その行いにも罪の意識は感じていた。だがこの会社から外に出る事を禁じられている彼女には、どうする事も出来なかった。  それでも、この罪の意識に苛まれた彼女はある日、自らの自首と、テレサの悪事を世に晒す決心をした。 サヤ 「……テレサ、もうこれ以上あなたの好きにはさせないわよ。」  そう呟き、彼女は早速行動した。テレサの悪事を明るみにするには、それを取り締まる組織に来て貰い直接悪事を突き止めて貰うしかない。そう考えたサヤは、自室のパソコンから潜入捜査組織へメールを送り、調査依頼を出した。  潜入捜査組織とは、悪事の疑いがある組織に忍び込み内部調査を行う組織だ。この世界には取締保安部隊という法律に従い悪を裁く権利を持つ組織もいるが、しっかりと悪事の証拠を揃えなければ取り締まれない。少なくともこの企業は徹底した隠蔽工作により悪事の噂すらないだろう。だからまずは内部に潜入して貰い、その証拠や疑いだけでも見つける必要があるのだ。  ちなみに、潜入捜査組織も取締保安部隊と連携の取れた合法的組織である。ただし、潜入捜査組織の行いは不法侵入等の罪に該当してしまう。故に、潜入先が完全な潔白だと判断された場合、組織の犯罪を誘発したのみなされ依頼した人間が罪に問われる事もある。 サヤ 「そろそろね。」  間もなく深夜2時。メールのやり取りにて決められた潜入捜査員との約束の時間である。そしてしばらくするとサヤの部屋の扉をコンコンとノックする音が聞こえた。 サヤ 「……どうぞ。」  それなりに防音の設備がある部屋だが、深夜のため周りの音は何もなく静まり返ったフロアである。肝心の部屋の外の相手に声が聞こえないのも困りものだが、小声で応答した。それでもしっかりと相手には伝わったようで、サヤのいる扉がゆっくりと開いた。 ??? 「初めまして。あなたがサヤ?」  中に入ってきたのは私と同年代(20代前半)ぐらい女性だった。 サヤ 「えぇ。あなたが潜入捜査員ね?」 シオン 「そうよ。私はシオン、よろしく。」 サヤ 「こちらこそよろしく。……それにしても、随分大胆な格好ね。」  彼女は如何にも”女スパイ“と言わんばかりの黒いレザー生地の服を着用していたが、胸元首から胸部しか布面積の無い服で、その引き締まった腹部は素肌を露出したデザインとなっている。その上、僅かながら隠せていた首や胸元もその服のファスナーを開けており、その豊満な胸の谷間が大胆に晒されている。  更には下半身もタイトなミニスカートを着用しており、ロングブーツのお陰で素肌の露出面積は多少抑えられているものの、それでも太ももは隠せておらず全体的に露出度が高い衣装となっていた。  シオンの格好を見て、サヤはまずそこに触れざるを得なかった。だが、その発言をしたサヤも人の事を言える程の服装ではなかった。 シオン 「いや、そう言うあなたもそれなりに素肌晒した大胆な服装に見えるけど?」  彼女の服装は、OLが着用するようなベストにスリットの入ったミニスカートという、シオンにも近い程の大胆な服装だった。上半身はベストのみの着用で、当然胸元は大胆に晒されている。また、そのベストの丈もあまり長くはなく、シオン程では無いにしても、素肌のお腹が晒されるデザインとなっている。おまけに足元はヒールしか履いておらず、脚全体だけ見ればシオンよりも露出度は高いと言える程、サヤも大胆な服装である。  だが、そんなサヤにはその服を着なければならない理由があるのだ…。 サヤ 「仕方ないじゃない…。私はここのCEOであるテレサの指示で、常にこの服を着用させられているのよ。」  彼女の露出度の高い服装。これには彼女の動きや居場所を感知する、超小型のセンサーやGPSが内蔵されているのだ。これにより彼女は、服を脱いだり怪しい行動をすればセンサーが反応し、懲罰を受ける事になる。そしてGPSにより常に居場所を監視されている為、指定された場所しか移動する事を許されない。もし、その場所から外れればそれも懲罰対象となっているのだ。  彼女が自首もせず、わざわざ捜査員を自分の所に呼んだのは、この服で常に監視されているからなのだ。  その服の事も含め、サヤは自分の置かれている状況、テレサの悪事、シオンへの依頼内容を改めて話した。 シオン 「なるほどね。その話が本当なら、テレサって女は相当な悪人ね。あなたのその服を調べるだけでもかなりの証拠は出そうだけど、連れて行く訳にもいかないし、その小型装置を取り除くのも無理だと。だから別の証拠を私が持ち帰るしか無いって訳ね。」 サヤ 「えぇ。よろしくお願いするわ。」 シオン 「勿論それが私の仕事だから構わないけど、同時にあなたの罪も明るみになる事になるわ。詐欺を働いた事の方は今更証拠は出ないかもだけど、少なくともあなたがここで行っていた罪は確実に一緒に証拠として出てくるわよ。」 サヤ 「そうね。」 シオン 「それから、万が一にもこの組織の悪事の証拠が出なかった場合、私に無実の組織へ侵入させたとして、あなただけ罪に問われる事は理解してるわよね?まあ、証拠が見つからなくてあなたが連行された時に、その服に本当に小型装置が内蔵されてれば、それが証拠になるとは思うけどね?」 サヤ 「承知済みよ。全て理解した上で、あなたの力を借りたのよ。」 シオン 「わかったわ。まあ、あなたが脅されていた結果やらされた仕事となれば、ここでの悪事に関してはそれなりに刑は軽くなるとは思うけど、詐欺の方は保証できないわ。」 サヤ 「それも構わないわ…。」 シオン 「…………オッケー。じゃあ次に会うのは、私達の組織がテレサの罪の証拠を取締保安部隊に出して、法的措置が行われる時になるでしょうから。」 サヤ 「証拠が見つかろうが、なかろうが、もうここには戻ってこないって事ね?」 シオン 「えぇ、一度潜入捜査を始めたら、長居も寄り道も大きなリスクになるから。」 サヤ 「わかったわ。じゃあ……、よろしく。」 シオン 「承知したわ。」  シオンはサヤに別れを告げ部屋を後にした。サヤはシオンの活躍をただ祈る事しかもう出来ない。ただ気が気ではないサヤは眠りにもつけず、その時をずっと待ち続けるのだった。 シオン (彼女から貰ってデータから考えると、やっぱり怪しいのは……。)  音も立てず素早く移動しながら会社内を調べ回るシオン。そしてそれらしき部屋に目星をつけていたシオンは、その部屋の前まで辿り着いた。だがその部屋には電子的なロックが掛かっており、普通には入れないだろう。だがシオンはどんな鍵も何の痕跡も残さず開ける技術を持っている。彼女は手慣れた手つきで電子機器を操作し、そのロックを解除する。そしてゆっくりとその扉を開け、中に入り込む事に成功した。その部屋は、この企業のトップであるテレサの仕事部屋である。 シオン (きっとこの部屋のパソコンは表向きのデータしかない。つまりダミーだ。となると、この部屋のどこかに地下室や別の部屋に繋がる隠し扉があるはず。)  その部屋を調べ回り、テレサのデスクの引き出しに目をつけた。それぞれの引き出しを入念に調べると、引き出し内の天板、つまりデスクの裏にスイッチのような突起物を見つけたのだ。 シオン (これね…!)  そのスイッチを押すと、デスクを置いていた床がデスクごとスライドしていき、地下へと繋がる階段が現れたのだ。 シオン (ここで間違いなさそうね。)  確信を得たシオンは階段を降り、その通路を進んだ先にある扉。そこにも同じような電子的なロックが施してあるが、シオンは簡単にロックを解除し部屋の中へ潜入する。そしてその部屋の真ん中にあるデスクに置かれたパソコン。それを起動したシオンはパソコンのフォルダを見てすぐに察した。 シオン (やっぱり…!)  そのパソコン内のデータはまさに悪事の証拠を集めたようなものだった。「麻薬入手ルート」「覚醒剤入手ルート」「取引相手名簿」「取引現場一覧」など、フォルダ名はどれも裏取引を行う証拠になり得る名前ばかりだった。  シオンはそのフォルダの内の1つを開き、中身のファイルがフェイクではない事を確認すると、そのデータを全てUSBメモリへと移しながら、潜入捜査組織にこの事実を伝えた取締保安部隊の要請をした。 シオン (よし、これですぐにこの企業に取締保安部隊が来る。私もすぐに脱出しよう。)  潜入捜査員という立場上、依頼者以外にはその姿を見られてはいけない。例えこの企業に取締保安部隊が来ると分かっていようとも、自分の姿をこの企業の人間に見られる訳にはいかない。そう考えこの地下室を出ようとした直後の事だった。 シオン (なっ、何……!?)  地下室の天井から白いガスが突如噴射され、一気に部屋中に充満したのだ。 シオン (催眠ガス……!)  そう気付いた時にはもう手遅れだった。僅かに吸ってしまったそのガスにやられ、シオンはその場に倒れ込んでしまった。 シオン (あとは……、取締、保安部隊に……、任せるしかないか……。)  通報はしてある。潜入捜査組織にも自分が証拠を持っている事は連絡済み。まさか自分が罠に掛かるとは想像もしていなかったが、この企業も数々の証拠により法的裁きを受ける。だからここで意識を失ったとしても、自分は助かる。そう信じながら、シオンの意識は薄れていき、ついに気を失ってしまうのだった。 レラ 「よし、皆準備は良いな?」 隊員 「問題ありません。」 隊員 「いつでも構いません。」 レラ 「……よし。」  隊員に指示を出すこの女性の名はレラ。若くして取締保安部隊の戦闘部隊隊長を務める、数々の犯罪組織を制圧してきたエリートである。シオンの連絡を受けた潜入捜査組織により通報を受け、テレサの組織を摘発する為にテレサの企業の目の前まで来ていた。取締保安部隊の中でも彼女が率いる戦闘部隊は、武器を扱う相手との戦闘がメインで、今回のように薬物等を扱うような大規模な犯罪組織が相手の場合は拳銃等の武器も用意している可能性が高く、戦闘部隊が出向くのだ。  そんな戦闘部隊だが、隊長のレラは特に素早い身のこなしと短剣で戦う能力に秀でており、その服装はノースリーブのジャケットにチューブトップ、デニム生地のミニスカートと露出の多い物となっている。激しく、そして素早く動くレラは、衣服の布が汗で肌に張り付いたりする事を嫌い、とにかく戦闘において自分の力を最大限に発揮できるデザインを重視しているのだ。 レラ 「行くぞ……!」  そのレラの掛け声で、隊員達が一斉にテレサの組織内へと突撃する。 レラ 「取締保安部隊だ!」 従業員 「ななっ、何ですか突然!?」 レラ 「この企業に薬物取締法違反の容疑が掛かっている。CEOのテレサをここに連れて来い。」 テレサ 「私がどうかして?」  従業員に命令したそばから、テレサ本人がレラの前へと現れたのだ。 レラ 「テレサだな?お前を薬物取締法違反の容疑で拘束する。抵抗すれば容赦しない。」  そのレラの言葉と同時に、レラの後ろにいる部隊員達が銃を構え、テレサへとその銃口を向ける。 テレサ 「何よ急に、物騒ねぇ。薬物取締法違反?確かにここは薬品を扱う企業だけど、そんな法律違反になるような物なんて扱ってないわよ?」 レラ 「とぼける気か?素直に罪を認めた方が身の為だと思うが?」 テレサ 「ご忠告感謝するわ。だけど、あなたはあなた自身の心配をした方が良いと思うわよ?」 レラ 「何…?それはどういう意味だ。何かの時間稼ぎのつもりか?」 テレサ 「いいえ?本当にあなたを心配してあげたのよ?」 レラ 「私が何故お前に心配されなければならないのだ。」 テレサ 「せっかく忠告してあげたのに、残念ねぇ。」 レラ 「……?お前、さっきから本当に何を言って──」  テレサの的を射ない不可解な発言に戸惑うレラ。すると次の瞬間── レラ 「んぁああぁ……!!」  突然背後からスタンガンを当てられ、レラは瞬く間に気を失ってしまった。 テレサ 「……っふふふ。だから言ってあげたのに。さて、これからたっぷりと楽しませて貰うわよ❤」

連縛されし者達①

Comments

ご心配ありがとうございますm(_ _)m そうですね、僕も日々ストレスを上乗せさせられる毎日ですので、ほんの些細な事でも、途端にストレスが爆発してしまい全てを投げ出したくなってしまうので、本当はそのストレスを忘れられる趣味があれば良いんですけどね… 何をしても仕事の事を思い出したり、次の日が憂鬱になったりしてしまうので…… ですがやはりこの活動が一番自分を必要としてくれると実感できますので、これからも応援よろしくお願いいたします。

こーじ

こーじさん、ありがとうございます。 周囲の環境からの負担でこーじさんが潰れてしまうことが恐れるべきことと認識しているので、創作時間が他の趣味で削られることも度を超していなければ問題ないと思います。 こーじさんにつきましては、くれぐれもストレス管理を最優先に過ごしていただければと思います。 長文失礼しました。返信はお気遣いなく。

炙り蜻蛉

創作活動も趣味の1つですし、あとはゲームや漫画、YouTube、遊戯王などで創作時間が減ることは大いにありますが…… 次はティックリーアドベンチャーのライカです。

こーじ

こーじさん、返信ありがとうございます。 そうなんですね! 日々ストレスがあるなかでも創作活動を続けてもらっていることにはただただ頭が下がる思いです。 次の投稿も楽しみにしていますが、こーじさんの身を第一にお願いします。 話がそれますが次のリクエストイラストのキャラは誰か教えていただけませんか?

炙り蜻蛉

ありがとうございますm(_ _)m こちらは単純に新作の小説となります。リクエスト作品はイラストになります。少しずつ進めながら、寝る直前に小説を書き、とりあえず①を完成させる事が出来ましたので、今日からまた仕事の合間はこちらの小説の続き、休みの日にイラストを描いていきます。

こーじ

ご無沙汰してます。 美女キャラの格好が露出度の高いと示す文が必要十分にまとまっていることに、こーじさんの力量を感じ感心してしまいました。 ご投稿ありがとうございます。 ところで昨日Twitterでこーじさんが投稿されていた"着手するリクエスト作品"とはこの作品のことでしょうか?

炙り蜻蛉


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