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連縛されし者達④

レラ 「うあっはっはっはっはっはっはっ!!んあっ…、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ…!」 シオン 「ひははははははははははは!!もう、やめっ…!っはははははははははははははは!!っはぁ、っはぁ、っはぁ、やっと……、っはぁ、っはぁ、止まった……。」  どれだけの時間くすぐられていたかも分からない。心身共に疲労困憊となり限界を迎える頃、ようやくシオンとレラをくすぐる機械の手が停止した。だがシオンとレラの周りに集まっていた機械の手は、未だに少し離れた場所で待機し、いつでもくすぐりを再開できる事をアピールしていた。 レラ 「はぁ、はぁ、はぁ、随分…、っはぁ、はぁ、くすぐったがっていたじゃないか……。っはぁ、っはぁ、くすぐりを、馬鹿にしていた割に、はぁ、はぁ、あっさり、笑わされて、いたな……。」 シオン 「っはぁ、っはぁ、うるさい、わよ…!はぁ、はぁ、こっちは…、っはぁ、はぁ、ワキをずっと、はぁ、はぁ、くすぐられ、続けてたのよ……?お腹周りを、はぁ、はぁ、はぁ、ちょっとくすぐられてた、だけの……、はぁ、あんたと一緒にしないで、欲しいわ……!」 レラ 「なにぃ…?っはぁ、っはぁ、私より、感度の数字が低い、クセに……、無様に笑わされてたのは、っはぁ、っはぁ、どこのどいつだ?」 シオン 「くっ…!言ったわねぇ…!」 サヤ 「もうそれぐらいにして。私だけ責められなくて申し訳ない気持ちもあるし、二人の苦痛は分かってあげられないかも知れないけど、こんな時に仲間割れして口喧嘩してもしょうがないじゃない。」 レラ 「………そう、だな。すまない………。」 シオン 「わ、悪かったわよ……。この拷問を馬鹿にした事も、謝るわ。」  何とか喧嘩は収まったが、そもそも彼女達今日会ったばかりの絆も何も無い関係だ。ただ同じ所に拘束され、今同じ目的を持っているだけで“仲間”という意識を持てる者はそうはいないだろう。だからレラとシオンも謝罪の言葉は発したが、そこまで納得もしていなければ、お互いをあまり良くは思っていないだろう。  とは言え、この絶望的状況では互いの力を合わせ協力関係を持つべきなのもまた事実。二人はそれを感じ謝罪の言葉を紡いだのだ。 テレサ 『そうよ?仲間割れは良くないわ❤』  気まずい空気が流れる中、再び三人を映し出すモニターの映像が切り替わり、テレサの姿が映し出されたのだ。 レラ 「くっ…!貴様ぁ……!!」  先程までヒートアップしていたレラは、その怒りを元凶であるテレサに向け、再び枷を外せないかと腕に力を込める。 テレサ 『そんな怖い顔をしないで欲しいわぁ❤』  その言葉と同時に遠隔操作され動き出した機械の手が、突然レラのワキをツンツンと指で突っつきくすぐり出したのだ。 レラ 「んぃいやあぁああぁっ!?あっははははは!んくっ、やめろっ…!ひぁあっはっはっはっ…!!」  突っついているだけとは言え、くすぐったがりなレラにとっては充分過ぎる程の刺激であり、そのくすぐったさに負けてしまったレラは怒りの感情とは裏腹にあっさりと笑わされてしまう。 レラ 「待ってくれっ!あっははは!!そこは、ひあっはははは!!ワキやめ、んあっはっはっはっ!ワキやばい…!んぎいぃいっひひひ!んあっははは!そこ、っはははは!」  しかもその場所は、レラも最も苦手なワキである。全身くすぐったがりという感覚しかなかったレラだが、初めてワキだけを集中してくすぐられた事で、その場所が如何に他の部位より敏感なのかという事を改めて思い知ったのだ。 レラ 「ふ、ふざけ……、っははははは!!ふざけるなぁっ…!っはははは、いい加減に!っひひひひ、あっはっはっはっはっ…!!」  怒りの感情を露わにしているのに、その相手に笑顔を見せてしまうという複雑な感情と、あっさりと敵の攻撃に負け笑わされる屈辱感。それに益々腹立たしさを覚えるレラだったが、くすぐったさが怒りの感情をすぐに笑いに変換させてしまう。 テレサ 『うっふふ…、良いわぁ❤そうやって素敵な笑顔を私に見せて❤』 シオン 「テレサ…!あんたいい加減に──」 テレサ 『シオンさん、あなたも笑顔よ、え・が・お❤』 シオン 「んっく…!うっひひひひひひひ…!やめ、なさいっ!あっはははははははははは!!」  テレサのこの行動にシオンも怒りを見せるが、機械の手がシオンのワキを指でなぞるようにくすぐる。それによりシオンの言葉は遮られ、笑い出してしまった。 シオン 「やめて…!あっはっはっはっはっはっはっはっ!!それやめてっ…!ひははははははははははははははははくすぐったぁい!!」  機械の手の人差し指にあたる部分をピンと立てたまま、シオンのワキの窪みをつぅ〜っとなぞるようにくすぐる。ただ単調に、ゆっくりと指が移動しているだけなのだが、シオンにとってもワキはかなり敏感な場所。しかも先程まで引っ掻くようにくすぐられていたワキは、くすぐったさを敏感に感じ取ってしまうようになっており、そんなワキをなぞられるだけで堪らなくくすぐったく感じてしまうのだ。 サヤ 「くっ……!また二人を…!」  そんな中、相変わらずサヤだけはくすぐられず、両隣のシオンとレラが苦しむその姿を眺める事しかできなかった。 レラ 「あはっ!んあっはっはっ!突っつくなぁああっははは!!そこっ、あはははは!窪みやめっ!ひっはっはっはっ!!」 サヤ (レラのワキ、あの手に突っつかれる度に窪みが強調されて、そこに触れる指が余計にくすぐったそう…。)  不定期にレラのワキの窪みを突っつく機械の手。それがワキに触れた瞬間、その刺激にビクッと反応してしまうレラ。その結果レラのワキはその都度深く窪む。それがまたよりくすぐったく感じてしまうのだ。  レラの美しくも筋肉質なワキが綺麗な窪みを強調する度に、サヤはその窪みにツンっと触れる指を想像してしまい、自分のワキがむず痒くなる感覚を覚える。 シオン 「あっははははははははははは!!ワキ触らないでっ、くひひひひひひ!んぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!」 サヤ (ワキの窪みを移動するあの指も、すごくくすぐったそう……。それに、なんだか私までムズムズして焦れったい……!)  そのくすぐったさからシオンは腕を動かしてワキを守ろうとしたり、ピョンピョンと小さく跳ねてくすぐったさを軽減しようともがく。壁に付けられたフックと自身を拘束する枷のフックが繋がれた状態のシオンだからこれだけ動いて抵抗出来るのだが、所詮は僅かなもの。身体を捩ろうが、腕をバタバタ動かそうが、小刻みに跳ねようが、ワキを執拗に狙う機械の手から逃げる事も出来ず、そんな動きではくすぐったさは全く変わらない。 シオン 「ひははははははははははは!んんっくくくく、いっひっひっひっひっ……!しつこいってば…!っははははははははははははははは!!」  そんなシオンの暴れっぷりを真横で見ていたサヤ。シオンはどんなに腕を動かしてワキを閉じようと試みても拘束に阻まれ腕を下ろすことは叶わない。そんなワキを淡々となぞる機械の手の指は、暴力的なくすぐったさを与えるものではないのだが、確実にシオンはもどかしいくすぐったさが与えられる。  そんな刺激ももまたサヤは想像してしまう。シオンよりも腕を真上に伸ばし、大きく開かれた上に一切動かす事も許されない無防備なワキに、もし同じ事をされたら……、と。 サヤ 「テレサ…、あんた一体何がしたいのよ。」 テレサ 『何がしたいって……、あなた達をくすぐって苦しませたいだけよぉ?見ればわかるじゃない❤』 サヤ 「そうする理由を聞いてるのよ。」 テレサ 『それはさっきも言った筈よ?世の中には、必要悪もあるって。これはそれを暴こうとする者への処刑。それは勿論、彼女達をここへけしかけたあなたも同じよ?』 サヤ 「……だったら、何故私は責めないの…?」 テレサ 『そんなにくすぐられたいのかしらぁ?』 サヤ 「そんな事を言ってる訳じゃない。私だけ責めないで二人を執拗に責めるあなたのその意図を聞いてるのよ。」  実際に責められたい訳ではない。だが、両隣で笑い苦しむシオンとレラを見せられれば、自分がくすぐられる想像を嫌でもしてしまう。ずっと焦らされる恐怖やもどかしさ、いつくすぐられるかも分からない不安と緊張感。長時間それを強いられたサヤは、もうそれらに耐えられなくなっていたのだ。 テレサ 『あなたは彼女達と同様の処刑では済まさない。処刑に加えて、私を裏切ったお仕置きをしなきゃいけないわ。だから彼女達以上に、たっぷり苦しんで貰わないとね❤』 サヤ 「くっ……!」 (この恐怖を味わわせて、苦しめるって事?) テレサ 『それに、今のあなたの発言で分かったわ。』 サヤ 「何が……?」 テレサ 『両隣の二人が責められている姿を見せられて、もうあなたは焦れったくて仕方がないって事が、ね❤』 サヤ 「なっ…、何を……!?」  それは図星だった。くすぐられているシオンとレラの笑い悶える声を聞かされ、そのワキをくすぐる機械の手を見て自分にされる恐怖で、サヤは自分のワキが敏感になっていくのを感じ取っていたのだ。耳を塞ぎたくても拘束されている為それは出来ず、その機械の手を見ないように努めても、その手が急に自分をくすぐるのではないかと不安になってしまい、その動きを注視せずにはいられない。  そんなサヤは、二人の姿を自分に重ねワキへのくすぐりを意識してしまう。その結果、ずっとムズムズして焦れったい感覚を味わわされていたのだ。 テレサ 『もうあなたを苦しめる準備が整ったという事よ❤』 サヤ 「準備……?」 (確かに……、さっきからワキがずっとゾクゾクしてる様な…、敏感になっている様な感じがする……!)  くすぐられたい訳ではない。寧ろ今くすぐられたら絶対に耐えられないと身体が理解している。だがこうしてずっと焦らされる苦しみも耐え難く、「いっそ一思いにくすぐられた方がマシ」だと思わされる。それぐらい、ワキがずっとゾクゾクして敏感になっているのである。 テレサ 『さあ、それじゃあたっぷり苦しんで貰うとしましょうか。あなた自身もそれを求めてるみたいだし、ね❤』  その言葉だけ残し、テレサとの通信が切れ再びモニターが三人を映し出した。 サヤ 「ちょっと……!」  そしてそれと同時に、再びシオンとレラのくすぐりが止まり、二人は一時的に解放されるのだった。 シオン 「っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ……!」 レラ 「はぁ…、はぁ…、やっと……、終わったか……、っはぁ…、はぁ…はぁ…。」  ワキを淡々となぞられていたシオンは呼吸を整えるのに精一杯になっていた。レラは断続的なくすぐりで疲弊こそしたものの、辛うじて喋る余裕はあったが、やはりその苦痛と疲労感から荒い呼吸を繰り返していた。 レラ 「んくっ……!こいつら…、まだすぐ側で……!」  くすぐりから解放されても、相変わらず機械の手は二人の側で指を怪しげに動かしており、レラはその姿に嫌悪感を抱き顔を引きつらせる。やはりシオンよりマシなくすぐりであろうと、くすぐりが苦手なレラにとってはどんな責め方であろうとも辛いのだ。 シオン 「……そう言えば、テレサはこれを処刑と言ってたけど、まさか本当に死ぬまでくすぐり続けるつもりなのかしら……?」 レラ 「そんなの……、無理だ……。耐えられない……!」  処刑とはつまり死刑に処するという事である。それが正しければシオンの考察通り、死ぬまでくすぐられる事となり、それを想像したレラは思わず恐怖してしまう。 シオン 「くすぐられている時は苦痛で堪らないけど、そもそも人間ってくすぐられ続けると本当に死ぬのかしら……?」 サヤ 「そうね……。暴行による痛みとかと違ってくすぐったいっていうのが死因になるかは分からないけど、例えば精神が壊れてショック死するとか……?」 シオン 「そうなるまで、一体どれだけくすぐられ続けるって言うのよ……。」  くすぐりによる苦痛を植え付けられたシオンも、レラのように苦手意識が芽生えてしまい長時間くすぐられ続ける事に恐怖を感じていた。 サヤ 「全く分からないわ……。それに、もしかしたら飢え死にするまでくすぐり続けるって事かも知れないし……。」 レラ 「そっちの方が地獄だな……。」  これからどれだけの時間くすぐられ、どれほど辛い思いをするのか、そんな不安な思いを抱える中、モニターがまたピコンと音を立てた。 シオン 「あ、サヤのワキにも数字が表示されたわよ。」  それはつまり、最後の数字であるサヤのワキの感度が表示された事を意味していた。だが、そこに表示された数字は想像もしていないものだった。 サヤ 「………えっ?何、これ……?」 レラ 「2………、と出ているが?」  そこに表示されていたのはたったの2。とてもサヤが苦手意識を持っていたとは思えない低い数字だったのだ。 シオン 「サヤ、あなた本当にワキが弱いの?」 サヤ 「えぇ……。だからこんな数字、あり得る筈がないわ。」  その数字に不信感を抱いていると、またモニターが音を立てる。 レラ 「ん、また数字が……、と思ったが、これは?」  サヤのワキの感度を示す数値、2の左隣に数字が増えたと思えば、その数字が上から下へ回るように順に数字が表示されていた。まるでパチンコのスロットのように、1から2へ、9まで順に表示されると1に戻りまた同じ事を繰り返す。 サヤ 「テレサ…どこまで焦らせば気が済むのよ…!」 レラ 「よほど高い数字なのか、相手が自分を裏切ったサヤだからここまで焦らすのか……。」 シオン 「でも何となく推理は出来そうじゃない?苦手意識なんて最初は無かったけど、それはワキをこんな風にくすぐられた事が無かっただけで、今なら私も結構くすぐりに弱いって自覚はあるから、サヤは72って可能性はあるじゃない。数字が上がったへそとか二の腕とかも、くすぐったいって感覚はあったのよね?」 サヤ 「そうね……。そこよりは敏感って認識なだけで、実際そこより高いならその数値はあり得るわね……。」 レラ 「くすぐりにめっぽう弱いという認識のあった私が87だし、高くても82だろうか……?それより私が気になったのは、この拘束の違いだ。」 サヤ 「え……?」 レラ 「私はかなり数字が高い分、腕の位置というか、ワキの開き具合は一番低いだろ?」 シオン 「確かに私はレラより腕が高い所まで持ち上げられてるわね。って事は、感度の高さと腕の高さが反比例してるって訳ね?」 サヤ 「それを考えると……、私が一番腕を高く上げてるから、その分感度が低くて62って可能性もある……?」 レラ 「二の腕より敏感だと言うサヤの感覚とも一応合致はしているな。」  サヤの二の腕の感度は61。ならばワキが62という数値は、たった1の差とは言え最も弱い場所であるとは言える。だがサヤ自身の感覚はそれにあまり納得出来てはいなかった。 サヤ 「いや……、この数字と体感の基準というか、どれぐらいの感覚でどれぐらいの数値なのかとかは何も分からないけど、ワキに関してはレラと同じで自分でも強い苦手意識があるわ……。多分、そんな低い数字ではないと思う……。」 レラ 「そうか……。奴はサヤを一番苦しめると言っていたな……。サヤのその体勢は感度が低いからではなく、苦しめる為のものなのかも知れない、という事か……。」 サヤ 「そんな気がするわ。……私のワキの感度は、一体──っ!?」  未だサヤのワキの感度が表示されぬまま、ついにサヤの周りにも機械の手が複数体現れた。勿論、サヤの周りという事は、シオンとレラの側であり、彼女達をくすぐる手とも言える。 サヤ 「くっ……!ついに私も……。」  それはまるで「これからお前をくすぐるぞ」とサヤを名指しするかのように、サヤの目の前でその指をワキワキと動かしていたのだ。 サヤ 「くっ、来る……!」  サヤは、その手の動きでついに自分も苦しい思いをする事になると悟ったが、サヤに抵抗する術など無く、心の準備を整える事ぐらいしかやれる事など無かった。迫りくる機械の手に思わず目を瞑るが、自分には一切の刺激を与えられなかった。 シオン 「んぃいっ……!?」 サヤ 「えっ…!?」  その刺激を突然受けたのはシオンだった。シオンの死角から機械の手が指一本で優しくワキの窪みには触れないように、周りを時計回りに動かし撫で回していたのだ。 シオン 「くっふふふふふ、やめ…、なさい!あひひひひひひひ…!」  敏感なワキの周辺で指をなぞらせるくすぐりに対し、シオンは必死に笑い声を出さぬよう堪えていた。  一方サヤに襲い掛かると思われた機械の手は、未だサヤの身体に触れる直前で待機していた。そしてまたサヤへの責めを焦らすように、くすぐる真似だけをする。 サヤ 「くっ……、ちょっ、嫌……!」  お腹に触れる直前でその指を動かし続ける機械の手。お腹の感度が極端に低いサヤでも、その動きを見せられれば嫌悪感は抱いてしまうのだ。 レラ 「んぁぁあっはは!?」 サヤ 「レラ!?」  すると今度はレラへのくすぐりが再開される。不意を突かれたレラは、悲鳴と共に笑い声を上げてしまう。 レラ 「ちょっ、ワキ、触るなっ…!いっひひひひひ…!!」  レラの方の機械の手も、レラのワキにその指を触れさせていたのだが、シオン相手のようにくすぐる動きは一切せず、ただワキに触れたままの状態を維持していたのだ。 レラ 「くっふふふ、んんっく……!やめてくれ、っひひひひひ、その指を離して、くれぇ…!」  だがシオン以上に敏感なレラは、その指がワキに触れているだけでもくすぐったく感じてしまう。今にも笑い出してしまいそうな程追い詰められながらも、身体を小刻みに震わせ必死に耐えていた。 サヤ 「んっ……、くっ……!や、やめて……。」  そんな中、サヤのお腹に触れる直前で指を動かしくすぐる真似をしていた機械の手が、ついにお腹や脇腹をモゾモゾとくすぐり始めたのだ。  だが、やはり極端に数字の低いサヤは、笑い出すどころか、くすぐったいとすらあまり感じてはいなかった。ただ腹部に触れられる指の動き、嫌らしい手つきに嫌悪感を覚えていた。 サヤ 「くっ、触らないで…!」 (この体勢、本当に全く動けない……。)  それでもたまにゾクゾクと鳥肌が立つようなむず痒さを感じてしまう。くすぐったくて笑い出す程ではなくとも、それに近い感覚が徐々にサヤを追い込んでいく。 サヤ 「んっ……!そこ、……やめて。」  腹部をくすぐる複数の機械の手、その1つがサヤのへそに指を入れて引っ掻き始めたのだ。脇腹やお腹より極端に数値が上がったサヤのへそ。とは言えシオンのワキ以外の感度と同レベルなだけあって、まだ笑い出す程強い刺激ではない。だが── サヤ (これ、思ったより……、くすぐったい……!)  三人の中でもまだ大分数値の低いサヤへそ。しかし、サヤはその責めですでに「くすぐったい」と感じてしまったのだ。その要因となっているのが、サヤの拘束である。  シオンとレラは腕を曲げた状態で拘束されてる為、その曲げられた腕をピンと伸ばせばその分だけ身体を捩る余裕が出来るのに対し、サヤはすでに目一杯腕を伸ばしている。その上、枷と腕の間の隙間が殆どないため身体が殆ど動かせず、些細な抵抗も許されない。その状態でのくすぐりは、ほんの一瞬の回避も叶わず、常にサヤを苦しめるのだ。 サヤ 「くっ……!このっ……!んっふ、やめ、なさい…!」 (動けない状態でくすぐられるのがこんなに辛いなんて……。)  サヤも幼い頃は人並みにくすぐられた経験ぐらいある。だからこそ自分の苦手な場所を把握していたのだが、その僅かな経験は所詮友人や家族とじゃれ合うようにくすぐられたという程度。当然、その時はくすぐったくてもすぐに逃げたり、「もうやめて」と言えばすぐにやめて貰えただろう。何より、互いに“楽しむ”事を前提とした触れ合いである。  だが、今はこうして動けないように拘束されて行われる、拷問や処刑とも言われるくすぐり責めである。その動けない状態での責めこそ、サヤが苦痛に感じた要因なのだ。 サヤ 「そんなとこ、くすぐらないで…!んっくく、脇腹……、そんなに強くしないで…!っんふふふふ……!」  サヤの縦に伸びた綺麗なへその上をツンツンと突っついたり、カリカリと引っ掻いたりと執拗に責める機械の手。その責めでくすぐったさを感じたサヤは、数値が極端に低かったお腹や脇腹までも、くすぐったいと感じるようになってしまい、そんな脇腹を強く揉み込まれ笑いたい感情が更に押し寄せてくる。 サヤ 「んっふふ、ま、待って……!?ふふふふ、い……、嫌……!そこは──」  そこに更に、二の腕にも機械の手がゆっくりと近づいてくる。左右それぞれに1つずつ、計2本の機械の手が指をガシャガシャと激しく、そして怪しげに動かしている。その指使いを見るだけで、サヤはゾワッと鳥肌を立て恐怖する。  だがそんなサヤの感情などお構い無しに、機械の手がその透き通るように白く美しい二の腕に触れ、モゾモゾと指を激しく動かしくすぐり始めたのだ。 サヤ 「んんっふふふふ、あひひひひひひ…!やめて、っくくくくくく、そこ…、くすぐったいぃ……!」  柔らかな皮膚の上でモゾモゾと動く機械の手の指。サヤにとってへその倍の数値もある二の腕がくすぐったくない訳はなく、初めて笑い声を抑えるのも困難な程の刺激を思い知ってしまった。 サヤ (やばいやばい…!二の腕がこんなにくすぐったいなんて……!)  過去に体感した感覚でも、モニターの数値を見せられた上でも、二の腕が比較的敏感なのは分かっていた。だが、この拘束状態でのくすぐりが想像以上だった事に、サヤは大きな戸惑いと恐怖を感じていた。  何故なら、自分が最も苦手だと自覚しているワキは過去の経験上、二の腕とは比べ物にならない程くすぐったいと感じる場所だからだ。二の腕でこんなにくすぐったかったら、ワキは一体どれ程くすぐったいのだろう。そう思うだけで怖くて堪らないのだ。 サヤ 「んぁっ…、っひひひひひひ、ダメ…!くっふふふふふふふふふふ…!それ以上、くっくっくっくっ、下に移動しないで……!」  二の腕を責める機械の手がくすぐりながら徐々にワキへと向かい、ゆっくりと移動を始める。機械の手が下るに連れ、どんどんくすぐったさが強くなり、それに合わせてサヤの不安と恐怖も大きくなっていく。 サヤ 「いっひひひひ!もうダメっ……!」  機械の手がワキに差し掛かる所で、そこだけはくすぐられたくないという思いから、サヤは声を大にして叫び訴えた。その思いが通じたのか、機械の手は直前で移動をやめてそこで指だけを動かしていた。 サヤ 「んっふっふっふっふっふっふっ……、そこも嫌ぁ…!あっふふふふふ、きひひひひひひひ…!!ワキ、ムズムズするからぁ…!」  勿論この機械の手の行動はサヤの願いを聞き入れた訳ではなかった。ワキの直前、腕の付け根付近でモゾモゾと指を動かしくすぐれば、当然堪らないくすぐったさに襲われる。また、ワキだけは決してくすぐらないという行動がまた焦れったさを生み、その分余計に苦しむ事となってしまった。  そんな時、モニターがまた音を鳴らした。それはつまり、サヤのワキの感度がようやく表示された事を意味していた。 サヤ 「………!?」  その数値に、サヤは勿論シオンとレラも、驚きのあまり言葉を失ってしまった。

連縛されし者達④

Comments

ありがとうございますm(_ _)m

こーじ

返信ありがとうございます。 連勤で精神が磨耗させられる中での生活、心中お察しします。 仕事においては普段温厚に対応してくれる方でも、業務が集中する時期は余裕がなくなりますから、連鎖的に空気がギスギスしますよね... どうかご自愛ください。 イラストの方を小説より注目しているというのはご指摘の通りで耳が痛いのですが、まずはこーじさんが安らげることを切に願っています。

炙り蜻蛉

ありがとうございますm(_ _)m 今日あと1日頑張ればようやく17連勤を終える事ができますが、休みは1日しかないので、もう少しイラストは休ませて頂きます。申し訳ございません…

こーじ

シオンとレラについて、 注意が他に向いた途端責めを再開する展開が嗜好に合いました。 その際責めに堪えられず身体も表情も反応してしまう展開も好みでした。 その責め方も突っつく、なぞるといった指一本で行うものである点がまるで加減されているかのようで、メインの獲物でないと描写されていると思いました。 サヤについて、 くすぐる真似を見せられているだけの時の、身体の感覚に変化を覚える描写が微細に描かれていると思い、毎度のことながら感服しました。 この度も個人的にものすごく刺さるくすぐり作品をありがとうございます。 こーじさんにつきましては、年末年始期間のため特に大きなストレスを感じているかと心配してしまいます。 まずこーじさんの生活が納得いくものになるような選択を最優先に選んでいただきたく思っています。

炙り蜻蛉


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