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裏組織Diver~緑咲の災難~4

緑咲 「……ん、んん…。う…んん、わ、私…。」 黒髪女性 「お目覚めかしらぁ?」 緑咲 「…!!?」  朦朧とする意識の中、聞きなれない声にハッと意識が覚醒し、うなだれていた頭を勢いよく上げ声の主の方を向いた緑咲。そしてその姿を見た瞬間に自分の身に起こったことを思い出し、キリッと強気に睨め付けた。そこには、何度も夜道をすれ違っているОLの茶髪女性と一緒にいた、背の高い黒髪のロングヘアの女性だった。勿論ОLの姿は変装用で、袖を全て取ったスーツのジャケットのような濃いグレーの上着に黒いビキニのような物を着用しており、ノースリーブジャケットのボタンを掛けてはいるが、インナーはただの水着であり綺麗なお腹やへそも見えてしまっている。さらに下半身はスーツ時のタイトスカートを短くしたような物で、上のジャケットとセットのような同じ色のミニスカートを着用しており、その姿は正に自分が拉致してきた女性達と同じような大胆な恰好であった。そこからもわかる通り、緑咲は油断していた所、背後から襲われこの女性に拉致監禁されてしまったのである。 黒髪女性 「そんな怖い顔しないでぇ?まぁ、動けないあなたに睨まれても怖くはないけどねぇ?」 緑咲 「……何よ、これ…!」  黒髪女性に“動けない”という言葉を聞き、自分の置かれている状況を改めて見直すと、緑咲は手足を拘束されて文字通り動けない状態となっていたのだ。無機質な広い部屋の真ん中に配置されるよう、床に埋め込まれた金属製の十字架。その形に合わせるように両腕は左右に広げられ両手首を、左足は靴を履いたまま直立し膝と足首を金属の枷で十字架に固定されていたのだが、何故か右足だけが地に着いておらず、左膝のあたりに右足首を持っていくように膝から下を曲げられ、左膝の枷と右足首の枷が短い鎖で繋がれていた。これにより上半身はローマ字のTのように、下半身は数字の4のような、理解しがたい不自然な状態で拘束されている緑咲。拘束された経験など当然無い緑咲は、表情や口では強がっているものの、一切の抵抗が出来ないこの状況に恐怖を感じていた。 黒髪女性 「見ての通り、抵抗できないよう拘束したの。今まで拉致してきた女性も同じように拘束しているわぁ。」  この発言に怒りを覚えた緑咲だったが、自分が拉致事件を捜査していた裏組織の人間である事を隠すため、一般人を装う事に専念した。 緑咲 「今まで拉致してきたって…、もしかして今ニュースでやってる、拉致事件の事かしら…?」 黒髪女性 「そう、その拉致事件よぉ?知ってるくせに、余計な演技はいらないわよぉ、捜査員さん?」 緑咲 (この女、やっぱり私が事件を捜査しているのを知ってて襲ってきたのね。) 「…なら隠す必要もないわね。」  やっぱり、と思うには当然理由があった。自分を背後から襲う際、まず始めにイヤリング型のカメラをすぐに壊しに掛かった事。普通の女性を襲うのにそんな事をする理由はなく、それが犯人を追うのに使用するものと考えていたからだ。そしてその後通信機から天音の声が聞こえてしまった以上、自分が一般人でない事も明白。そもそも、茶髪の方の女性とは何度もすれ違っていて、当然その女性も共犯者なら、相手は緑咲を常に“自分達を追っている厄介な捜査員かも知れない”と目をつけていたからこそ、あんなイレギュラーな襲い方をしてこれたのだ。そんな襲われ方をしたからこそ、緑咲は相手が“自分達を追うもの”と考えていた事を推理できたのだ。 黒髪女性 「ふふふ…❤少なくともあんな時間に、三人目の被害者のニュースが報道された直後に急に歩き回る女性が出てきたら、囮捜査でもして犯人を捕らえようとしている捜査員だろうって予想がつくわ。だから私の部下に機械を感知する特殊な受信機を持たせていたら、あなたの耳と首元から機械的な物を感知して、疑惑が確信に変わったって訳ぇ。普通の人が機械的な性能を持つイヤリングをつける意味なんてないしぃ、そもそもそんな物持ってる訳ないしぃ?」 緑咲 「成程ね。あのОLに扮した茶髪女にそれを持たせて、何度もすれ違いながら私の装備に気付き、特殊な受信機でそれがカメラだと知り、真っ先にイヤリングから壊したって訳ね。」 (でも、私が“捜査員”であると気付いたのなら、何故わざわざ襲ってきたのかしら。捜査員なんてこの女からしたら危険人物だし、危険だと思ったなら私のいない所を探して犯行場所を変えるか、犯行自体辞めてしまえば見つかる事も無かっただろうし、何より拉致するなんて一般人より捜査員の方が圧倒的にリスキーな筈なのに…。) 黒髪女性 「そっ。私は“ある欲求”を満たす為にあなたを狙ったのよぉ?あなたはちゃんと私の欲求に応えてくれたしぃ?」 緑咲 「欲求に、応えた…?」 (欲求とは恐らくこの女が好んでいる私の服装の事。それに“応えてくれた”という事は、私が捜査を進めた結果、犯行に必要な条件が服装だと分かった、という事にも気が付いているみたいね。) 黒髪女性 「私が犯行を起こす条件、全て分かっているんでしょう?」 緑咲 (やっぱり…。ならわざわざ隠す必要もないわね。) 「えぇ、偶然にもあなた達に捕まる直前にね。あなたが拉致事件を起こす条件、それはあなたの欲求を満たす為の逸材かどうか。つまりは服装。理由は分からないけど、あなたはこういう服装の女性を見つけ、好みだったら犯行に移す、ただそれだけ。自分が犯行現場に選んだ場所に好みの女性が通る、または好みの女性を見つけ、その女性が犯行に使いやすい現場を通ればそこで実際に犯行を安全に行う。そしてターゲットを拉致する日の朝に、捜査の手を減らすために大きな事件を“意図的に”起こした。」 黒髪女性 「何故“意図的に”だと?」 緑咲 「捜査側の目線で言えば、最初に分かっていたことは捜査の手を減らす目的と証拠を残さないようにする為に、大きな事件が報道された直後である事と犯行現場を変える事。勿論犯行が行いやすい場所で。でも私が囮捜査を行っている際に起きた4件目の大きな事件の時には拉致事件は起きなかった。それはまだ条件が揃っていなかったから。そこで私は服装の事に気づき今の服を選んだ。でも、そうすると一つ、“違和感”が見つかる。それは大きな事件が起こった直後にターゲットの女性が好みの服を着ているなんて偶然が3回も立て続けに起こるのかという事。勿論、あなたが“ターゲットをどこで狙うか”を考えているのか、“その現場で誰をターゲットにするか”を考えているのかは分からないけど、どちらにしろ大きな事件が起きた直後に起こるには上手くいきすぎている。つまり事件の条件が上手く重なり過ぎている。その“違和感”を違和感でなく、成立させるには、大きな事件をあなた達が意図的に起こすしかない。その証拠にあなた達が意図的に起こしていない、“実際に起きてしまった”大きな事件直後に拉致事件を起こす気がなかったからこそ、実際に被害は起きていない。勿論あなた達が意図的に起こすタイミングでなければ好みの女性が歩く確率なんてそうとう低いでしょうし、拉致のしようも無い筈。私をあのタイミングで襲ったのは油断している隙を狙った、もしくは大きな事件を起こす準備が出来ておらず私を捕らえるタイミングが他にないかも知れないと焦っていたか、その“欲求”とやらを抑えきれなかっただけなのか、って所かしら?」 (もちろん、あんな大きな事件を意図的に起こした方法までは分からなかったけど、この女が事件を仕組んでいなければ偶然が重なり過ぎていて事件の説明がつかない。まあ、この反応を見るに、やっぱり間違いではなさそうだけど。) 黒髪女性 (この捜査員の女、想像以上に頭がキレる。ここまで完璧に推理出来ているなんて…。) 「見事ね。ご褒美に私の“欲求”の話をしてあげましょうかぁ。あなたもこうして捕まった時点で、今までの娘達と同じように私の欲求を満たす道具になるのだからねぇ?」 緑咲 (やっぱりただ好みの服装を着た女性を“拉致する事だけ”が欲求ではないみたいね…。) 「道具だなんて、随分な扱いね。」 黒髪女性 「そうよぉ?これからあなたは私の欲求を満たす為のおもちゃになるのよぉ。」 緑咲 「…一体何する気?」 黒髪女性 「うっふふ❤折角だからぁ、あなたのその推理力を試させて貰おうかしらぁ?」 緑咲 「私の推理力?」 黒髪女性 「えぇ。私が今までの娘に何をしてきたのか、これからあなたに何をするのか、私の出すヒントで推理してご覧なさぁい?」  黒髪の女性が緑咲を試す為、そのヒントを出そうとした時、その黒髪女性が身に着けていた通信機から女性の声らしき音が発せられた。 ??? 『もしも~し、雅(みやび)さん聞こえますか~?』  音割れの激しい物だったが、通信機から聞こえてきたその声には聞き覚えがあった。 緑咲 (この声、私が捕まる直前にこの女と世間話をしていた茶髪女の声…?雅…、っていうのがこの女の名前…?)  つまりその声の主は、緑咲の目の前にいるこの黒髪の女の部下である共犯者、緑咲と何度もすれ違った事のあるОL(に扮した)女性だ。 黒髪女性 「聞こえてるに決まってるでしょぉ?何かしらぁ?」 ??? 『こっちは終わりましたよ~!そっちに合流しても良いですか~!?』 黒髪女性 「えぇ勿論。これから最高の愉悦が待っているんだからぁ❤」 ??? 『は~い!じゃあすぐに向かいま~す!!』  その会話で緑咲は内心、更に大きな恐怖心を覚えた。これから自分の身に“何か”をされると聞かされ、しかもそれが二人がかりとなると身震いしてしまうのは無理もない。だが、緑咲はそれを必死に隠し相手に悟られないよう平静を装い続けた。 黒髪女性 「という事で私の部下が合流するまで、じっくりとあなたの推理力を見せて貰おうかしらぁ❤」 緑咲 「…………。」  緑咲は黒髪の女性を睨みつけながら、通信機から聞こえた“雅”という名前に引っかかっており、ずっとそれを考えていた。 緑咲 「雅……。雅ってまさか大塔 雅(だいとう みやび)…!?」 黒髪女性 「……!?あなた何故私の名前を…!?」  大塔 雅。その名は今やこの国のトップ企業、大塔グループの会長の孫娘である。以前、大塔グループの会長である大塔 雄作(だいとう ゆうさく)が麻薬の密売に関わっている可能性があるとDiverに捜査の依頼が入り、実際に捜査を行う中、家族関係を極秘で警察に調査してもらいそこで見た名前だったのだ。最終的には手掛かりも見つからず警察の方から捜査打ち切りが言い渡され、苦い思い出となった事件であったのだ。  そして緑咲がその名を出した途端に露骨に驚いた反応をした事で、黒髪女性=大塔 雅が間違いではない事が分かった。それと同時に緑咲はもう一つハッキリした。大塔グループの会長である孫娘であれば、大金を積み裏の人間を雇うなどすれば、事件を自分のタイミングで起こさせる事ぐらい可能であると。それが分かった緑咲は「成程ね。」と正体がバレて悔しがる雅を見ながら強気な目で見ていたが、緑咲も一つ大きなミスを犯していた。 緑咲 「まさか大塔 雅が今回の事件の黒幕だとは思わなかったわ。」 雅 「うふふ…、私の事を知っていたとはねぇ。そうよ、私は大塔グループの会長の孫、大塔 雅よ。」  そう言うと雅は自分の黒く艶やかな髪の毛を引っ張り始めたかと思うと、それは身分を隠し変装する為のウィッグであった。その黒く長いウィッグからふぁさっと広がる長い金髪こそ、大塔 雅本来の姿だったのだ。 雅 「私を知っていた事には驚いたけど、今更私の正体がバレた事ぐらいどうってことないわぁ。それより、以前の警察による麻薬密売の疑い、そこで私の名前を知れた人物なんて極一部な筈よねぇ?それを知ってるって事はあなた、普通の警察の捜査員だと思っていたけど、どうやら違うみたいねぇ?」 緑咲 「………。」 (しまった…。雅の名前は一般人は勿論、涼華さんを含む僅かな警察と私と天音以外知ることのできない名前だった。)  これが緑咲の犯したミスだった。まだ若い緑咲が警察官だったとしたら、どう見てもその名を知れる人間の訳が無い。それを知っている時点で、特殊な捜査員である事は明白であり、雅にとってはかなり大きな情報となってしまった。しかし、緑咲は慌てず冷静に、そして強気に振る舞い続けた。 緑咲 「その通りよ?でもそれがあなたに知られた所でこちらも困ることはないわ。そもそも私が警察官だったとしたら、そんな若手に囮捜査なんてさせる訳ないじゃない?寧ろその時点で分からないようじゃあなたの知能程度が低い事が垣間見えるわね。」  強気に、というより相手を挑発して煽る事で優位に立とうとする緑咲。実際、それを言われて雅はより一層悔しがり、頭に血が上っていた。しかし、それでも拘束されている緑咲が優位に立つ事はできない。それに改めて気が付いた雅は冷静になる。 雅 「そうね。確かにあなた程の知恵は無いわ。だからこそ、あなたの推理力、期待しているわぁ❤それに、私の“本当の目的”がより楽しみになったからねぇ❤」 緑咲 「本当の目的…?」 (私を捕らえたのには別の意味が…?そう言えば、何故わざわざ捜査員と分かっていた私を捕らえたのか理由が分からないけど、それが関係しているのかしら…?) 雅 「それはでも後の…お・た・の・し・み❤まずは私が女性を拉致して満たしたかった“欲求”のお話よぉ?」 緑咲 「今まで拉致してきた女性を含め、私にこれから一体何をするのか、って事ね。」 雅 「えぇ。まずはその服装だけど、これはただの趣味。そして私はこれから自分の欲求を満たす為のある事をする訳だけど、服装の趣味がない人が同じことをするなら、全裸の方がそれを行いやすいかしらぁ?」 緑咲 (全裸の方がって、この女…、完全にエッチな事が目的…?) 「な、何よそれ…。その程度の情報じゃ変態の考えている事なんて分かる訳ないじゃない。」  分からない、というよりはヒントがなさ過ぎて考えもしなかった緑咲は、あくまで強気に雅を挑発するような発言をする。それに対し、雅は何故か嬉しそうに更なるヒントを出していく。 雅 「その服の特徴を考えれば少しは分かるんじゃないかしらぁ?」 緑咲 「……?」 雅 「全裸の方が行いやすい、でも全裸である必要もないからこそ、私の趣味でそういう服装の娘を捕まえて欲求を満たしているのよぉ?」 緑咲 「全裸である必要もない…。この服装である理由…。もしかして、この服でも肌を露出している所が大事って事…?」 雅 「そう、正解❤そしてそのちょぉっと特殊な拘束方法、それにも当然意味があるのよぉ?」 緑咲 「…でしょうね。」 (それは分かる。わざわざ片足立ちさせた上に靴を脱がせて…、まさかそこも素肌である必要が…?) 雅 「どう?少しは分かったかしらぁ?」 緑咲 「足も露出している必要がある…、って事よね。でもだからと言って何をしようと言うの…?」 雅 「言った筈よぉ?拘束方法にも意味があるって❤折角だしぃ、自分でどこがどう露出しているか、口に出して言ってみたらどうかしらぁ?」  緑咲は拘束方法を改めて意識すると共に、自分の服装をもう一度確認する。普段見せる事のない部分が服を着ているにも関わらず露出してしまっている事で、より強調されているように感じてしまい、緑咲は再び頬を赤くして恥ずかしさを強く感じるようになる。 緑咲 「な、何で…、そんな事しなきゃ…、いけないのよ…。」 雅 「あらぁ?もしかして、恥ずかしいのかしらぁ❤それとも、自分のボディに自信がなかったりしちゃうのかなぁ?」 (正直、嫉妬しちゃうぐらいスタイルも良くて美人さんだけど。だからこそより興奮しちゃうのよねぇ❤) 緑咲 「そんなんじゃ無いわよ。別に…、恥ずかしくなんて…。」  自分で勝手にコンプレックスだと思っているスタイルの事に自信がないと言われ、意地を張る緑咲はつい強がるような言葉を発してしまう。それに気を良くした雅はさらに挑発し、自分の欲求を満たそうとする。 雅 「だったらぁ、自分の口から言えるわよねぇ?」 緑咲 「当り前じゃない。」  引っ込みがつかなくなってしまった緑咲は、内心余計なことを言ってしまったと後悔するが、それはもう後の祭である。強がってしまった手前、緑咲は出来るだけ恥じらいを押し殺し、冷静に自分の今の状況を客観的に見るかのように口に出す。 緑咲 「私は今ノースリーブで丈の短い服を着ているから、肩から二の腕、指先までの腕全体にお腹も少しだけだけど露出してるわ。そしてこの十字架のような拘束によって露出した腕が左右に広げられて、その両手首に金属の枷が嵌められているわ。下半身は短いスカートで太ももや膝も見えていて、右足に至ってはあなたにブーツを脱がされているから足先まで肌が見えているわ。そしてその右足は左足の膝の高さまで持ち上げられて拘束されているから、右足だけ浮かされているような状態ね。………どう?これで満足かしら。」  若干頬を赤らめてしまうが、それでも「その恰好がどうした」と強気で言えるぐらいには冷静に自分の状況を分析に自ら発する事はできた緑咲。それを聞いている間、雅は快感を覚えるように、自分の歪んだ性癖である欲求を少しずつ満たし興奮していた。 雅 「うふふ…❤よく言えたわねぇ❤でもぉ、私から言わせれば70点って所かしら?」 緑咲 「何が不満なのよ…。」 雅 「残りの30点はまた後で❤次はある意味その30点分より大きなヒントよぉ?」 緑咲 「…何よ。」 雅 「私はねぇ?女性の“笑顔”が見たいのよぉ❤特に、あなたみたいなクールでツンっとしている女性の、ね❤」 緑咲 「…………はぁ…?え、笑顔………?」 雅 「そう、笑顔❤私はこれからあなたを笑わせようとしているのぉ❤」 緑咲 「笑わせる…?私を…?………意味が分からないわ…。」  緑咲はあまりにも不可解な発言をする雅に戸惑いを隠せずにいた。自分の欲求の為に肌を必要以上に露出する服装を着せてまでしたい事が、自分を笑わせる事だと言われたら混乱するのも無理はない。 緑咲 「こ、こんな状況で笑える訳無いじゃない。あんた、一体何を言ってるの…?」  そう、こんな風に拘束されて、身動きできない状況で、楽しく笑うなどまるで真逆な状況であるからだ。 雅 「いいえぇ?こんな状況でも笑えるのよぉ?寧ろ、こんな状況だからこそ、かもねぇ?」 緑咲 「どういう事…?何で拘束されているのに、楽しく笑わなきゃいけないのよ。」  その言葉に雅はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。緑咲はその表情にゾクッと恐怖心を抱く。こんな状況で何故楽し気に笑わなければならないのか?といくら考えてもその答えは全く出てこなかった。 雅 「うふっ❤誰が楽しく笑わせるなんて言ったのかしらぁ? 緑咲 「えっ…?」 雅 「こんな状況で“楽しく”笑え訳ないじゃない❤」  考えても答えが出ないのも無理はなかったのだ。何故なら、笑わされる緑咲は“楽しく”ないのだから…。 緑咲 「は…?楽しく笑う以外に笑うって…、変態なあんたを見下してあざ笑えって?犯罪を犯してまでやった事がくだらなさ過ぎて鼻で笑えって事?それとも、哀れなあんたに同情して愛想笑いでもすれば言い訳?」  楽しくもない“笑う”という行為を連想して出てくるものはどれも被害を受けると思われた自分が相手をバカにする行為で、つくづく雅の思考回路に追いつけず呆れる緑咲。しかし、当然雅がそんな行為を求めている訳が無い。 雅 「言った筈よぉ?私はあなたに“ある事”をして笑わせるの。無理矢理ね❤」 緑咲 「む、無理矢理…?」 雅 「そう、無理矢理に…そして、強制的に…ね❤」 緑咲 「強制的に…?それって…私が意に反して笑わされるって事…?」 (ますます意味が分からない…。どうすれば笑いたくもない相手を強引に笑わせられるって言うの…?) 雅 「かなりヒントを出したつもりだけどぉ、まだ分からないかしらぁ?」 緑咲 「わ、分かる訳無いじゃない…。何よ、強制的に笑わせるって…。……まさか、薬物でも使う気…!?」  無理矢理。強制的。そんな言葉から緑咲が連想したのは薬物の投与、という事だった。雅の祖父である大塔グループ会長は麻薬の密売の疑惑があった上、今回の拉致事件の捜査を出来るだけさせないために意図的に起こした覚醒剤使用者を脱獄させている。その事を踏まえると薬物の投与ぐらい決してあり得ない話ではない。つまり緑咲は、拘束され抵抗できない状態で薬物を投与し、その作用で気が狂ったように笑わせたり苦しませる事で、その愚かな姿を見て楽しもうとしているのでは?と推理したのだ。 雅 「物騒な発想ねぇ。勿論その答えは不正解だから安心しなさぁい?だいたい、それが答えなら拘束も服装もここまで拘る必要は無いでしょぉ?」 緑咲 「…確かにそうね。ならいい加減、何がしたいのか教えなさいよ。」  明らかに考える事に嫌気を差している緑咲。そんな緑咲の態度に気が付いた雅は更なるヒントを出し、緑咲からその“行為”の正体を口に出させようとする。 雅 「仕方ないわねぇ。じゃあさっきあなたが言ってくれた自分の服装と拘束状態の残りの30点の話をしてあげようかしら❤その残りの30点って言うのがぁ、私の“欲求を満たす行為”の大きなヒントになるのよぉ?」 緑咲 「でしょうね。だから一旦その話を伏せたんでしょ。そんな事、今更言わなくても分かってるわ。」 雅 「随分な態度ねぇ。まあその方が“欲求を満たす行為”の良い材料になって私も嬉しいけどぉ❤」 緑咲 「良いから早く言いなさいよ。」 雅 (ふふっ…❤もう考える気もなさそうに見えたけど、この残りの30点が聞ければ自分に行われる行為が分かるかも知れないって思いで頭がいっぱいのようね❤)  実際雅の思った通り、考える事を諦めていた緑咲だったが、その話をしだした時から足りなかった残りの30点がずっと気になっており、何をされるか未だに分からない恐怖を少しでも拭いたい緑咲は、無意識にそのヒントで答えを出そうとしていたのだ。 雅 「良いわぁ。……うっふふふ❤楽しみだわぁ、その行為を知った時のあなたの反応が❤」

裏組織Diver~緑咲の災難~4

Comments

そういえばまだ残っていたかもですね。 来月に残りを公開したいと思います。

こーじ

くすぐり催眠学校はいつ更新されますか?

分析法

返信ありがとうございます! よろしくお願いします!

炙り蜻蛉

ありがとうございますm(_ _)m 僕も、不本意ながら渋々肌見せするクール美女好きです(笑) そういえばそのイラストはまだ投稿していませんでしたね。来月に続きを公開していくつもりですので、全ての本編を公開した後、イラストも全て纏めて公開しようと思います。

こーじ

クールビューティー系工作員お姉さんヒロインすき(語彙力)。 "3"における展開の、クールな振る舞いの美女が天真爛漫なパートナーに促されて露出度が高い服で行動することになる、という流れが個人的に刺さって好きな展開です。 投稿ありがとうございます。 もしこーじさんがよろしければなのですが、こちらの裏組織Diverのサムネイルとなっている、緑咲と天音が各々ワキを晒して(?)並んでいる作品の再投稿をお願いできないでしょうか...?

炙り蜻蛉


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