雅 「まず、あなたの自分の状況説明、その説明に足りていないポイントが3つ❤」 緑咲 「ポイントが…3つ?」 雅 「例えば、下半身の説明をしていた際にブーツを脱がせているから足先まで露出しているって言ったわよねぇ?でもそこにはまだ足りない“部分”があるでしょぉ?わざわざ脱がせなきゃ見えないポイントが❤」 緑咲 「脱がせなきゃ見えない…ポイント…。」 その言葉の意味を考えながらもう一度自分の右足をよく見てみると、緑咲はある部分に気が付いた。 緑咲 「足の…裏…って、事…?」 ブーツを脱がされている事で露になっているのは勿論足先だが、その足を左膝の高さまで持ち上げられている事で、本来地に着いて見えない右の足の裏が自分の顔の方を向いていたのだ。 雅 「うっふふ…正解❤」 そう言いながら雅は緑咲の右足の裏を人差し指でつんつんと軽く触れる。 緑咲 「ちょっ…!さ、触らないで。」 雅 「怒っちゃったかしらぁ?折角綺麗なのにぃ。」 緑咲 「そんな事どうでも良いわ。それより、一体どういう意味?足の裏も足先も一緒じゃない。こんな些細なポイントをあと2つ言わなきゃいけないのかしら?」 この答えで自分がされる事が分かるかも知れないと予想していただけに、ただ“足の裏”と言わせた事の意味が分からず、緑咲は雅を睨め付けていた。それはいつまでもその行為が分からない苛立ちと、「欲求を満たしたいなら、こんなに勿体振らずに早く教えろ」と言う意味も込めていた。 雅 「その2つを当てられたら、分かるかも知れないわよぉ?」 あくまで答えを言わない雅に対し、緑咲はそれに従い自ら導き出すしかなかった為、残り2つあるポイントを考える。だが1つは考えなくても分かっていた。丈の短い服を着ているからこそ露出している部分であり、雅が拉致する女性に求めていた部分だ。緑咲は自分状況を説明する際にあえて“お腹”と言ったが、やはり雅にはそれが納得できていなかったのだと気が付き、それを口にした。 緑咲 「丈の短い服、つまり“へそ出し”する服を着ているから、私のへそも見えている、って言えば満足だったのかしら?」 雅 「分かってるじゃなぁい❤」 その言葉と共に今度は緑咲のへそにちょんっと一回人差し指で触れる雅。 緑咲 「だから、触らないで。」 足の裏は勿論だが、へそなど絶対に他人に触れられる事のない場所を触られ嫌悪感を抱き、ギロッと雅を睨みつける。しかしどれだけ緑咲が怒りを露にしようが、所詮は拘束され身動き1つ出来ない無防備な状態。雅はそんな緑咲に怯む事なく、さらに挑発を続ける。 雅 「まあおへそってピンポイントじゃなく、お腹でもそこはあまり大差ないんだけどねぇ❤」 緑咲 「んくっ!だから触らないで。」 挑発しながらへその少し横のお腹をつんつんと触れる雅。その行動には少し意表を突かれてしまい、思わず声を漏らしてしまうが、すぐに冷静に言葉を紡ぎ静かな怒りを見せる緑咲。 緑咲 「そもそも、大差無いならわざわざ言わせないで。」 雅 「いいえぇ?それも私にとっては大事な興奮材料だものぉ❤さぁ、あと1つ、もう分かってるのかしらぁ?」 緑咲 「あと、1つ…?」 そう、もう1つのポイントは緑咲も未だに分かっていなかった。分かっている事と言えば身体のどこかの部分を言わせたいという事。しかし、緑咲は今自身が露出している部分でこれ以上説明していない部分が見つからなかった。 雅 「なぁにぃ?あなたの推理力はもっとあると思ったけどぉ?」 緑咲 「こんなの推理問題じゃないわ。私はあんたと違って普通の人間だから、変態の思考回路が理解できないだけよ。」 雅 「別に変態じゃなくても分かる筈よぉ?実際、ちゃんと今のあなたはそこを露出しているんだしぃ?」 緑咲 「……変態である事は否定しないのね。」 雅 「えぇ、少なくとも私は特殊な性癖の持ち主だしぃ、それを満たしたいからこそこんな事をしているからぁ?普通ではないと自覚はしているわぁ。でもぉ、ノースリーブを着ていたら普通に思い当たる場所なのよぉ?」 緑咲 「ノースリーブ…?だ、だから肩や二の腕、腕全体が露出してるって言った筈よ。」 雅 「勿論肩や腕の露出を拒んでノースリーブに苦手意識を持つ女性は多いわねぇ。でも、他にもノースリーブを着る上で女性が気にする大事な所があるじゃなぁい❤」 緑咲 「何よ…、大事な所って…。」 雅 「分からないかしらぁ?仕方ないわねぇ❤」 そう言いながら、雅は凝り固まった身体をストレッチしてほぐすかのように、両手を天井に向けてグッと腕を上に伸ばし始めた。一見ただ必要に駆られてやっているだけの行為に見えるが、それこそ最後の1つを緑咲に気付かせる為の大きなヒントだったのだ。 緑咲 「な、何よ急に…。」 雅 「うっふふ…❤ヒントを与えているのよぉ❤今私があなたに見せているのはどこかしらぁ?❤」 ノースリーブのジャケットを着ている状態で腕を真上に上げれば必ず露になるその場所。そのある一点を緑咲に見せつける雅。その姿を見た緑咲はようやくその場所に気が付いたのだ。 緑咲 「ま、まさか……。わ、わき…?」 雅 「気が付いてくれたみたいねぇ❤私が、あなたに何を言わせようとしていたのか❤」 緑咲 「ノースリーブの服を着ている状態で腕を横に広げているから、腕の付け根である…、わ、わきが…、露出している…?」 腋。上腕と胸壁に挟まれる事で窪みが生まれたその場所は、ノースリーブを着ていたら肩や二の腕と同じくらい、いや、人によってはそれ以上に露出を気にする部位である。それは当然緑咲も例外ではない。腋なんて普段絶対に他人に見せる事などない緑咲もまた、そこを雅に見られていると意識してしまい、恥ずかしさが込み上げてきてしまった。それに伴い、どうしても“腋”という単語をスムーズに言えず、その言葉を発する声のボリュームも自然と小さくなってしまう。 雅 「ふふっ…、そうよぉ❤大正解❤❤……あなたの腋、毛穴やシミも無くて、とぉっても綺麗ねぇ❤」 緑咲 「んっ…!そ…、そんなにじろじろ見ないで。」 (腋なんてそんな注視されたら恥ずかしいじゃない…。) 恥ずかしがっている姿を見られたくない緑咲は動揺を抑えようとするが、強気にも聞こえるその言葉から覇気は感じられず、寧ろ焦りを感じさせるようにも聞こえる。それに気を良くした雅は再びあの挑発行為を行う。 雅 「見るなってどこを?あっ、もしかしてぇ、綺麗ですべすべなぁ……こ・こぉ?」 「ここ」という言葉に合わせ緑咲の背後に右腕を回した雅の人差し指が緑咲の右腋に、つん、つんと二回触れた。 緑咲 「んひぃぃい…!?……ちょっ!だ、だから触らないでってば!」 これまでも何度か身体を不意に触られてきた緑咲。その挑発行為を繰り返す中で、腋を触られた今の瞬間だけ明らかに大きく反応してしまい、つい声を荒らげてしまった緑咲。それは今までに無い“ある感覚”を緑咲が感じてしまったからなのだ。その反応を見て、雅はニヤリと不敵な笑みを浮かる。 雅 「あらぁ?良い反応するじゃなぁい❤私は腋を触っただけよぉ?」 緑咲 「腋なんて急に触られたら、誰だってあんな反応するわよ。」 自分でも思いもよらない反応をしてしまい、それを必死に誤魔化そうとする緑咲。その“感覚”を言葉にして言うのは、弱みを見せてしまう様な気持になるのか、ただ照れくさくて恥ずかしいからか、何となく言葉にはしたくなかったのだ。ただ、雅はそんな反応をする緑咲に興奮し、更に挑発を続ける。 雅 「どうしてぇ?他の場所だって急に触ったけどぉ、ただ嫌がっただけじゃなぁい?何で腋だと、あんな反応しちゃうのかなぁ?」 緑咲 「くっ…!……く、くすぐったかったのよ。腋なんて突然触られたら、誰だってくすぐったいに決まってるじゃない。」 (ただでさえ腋なんて一番くすぐったい所、素肌を直接触られたらくすぐったいに決まってるじゃない。) そう。緑咲が身体をビクッと反応させてしまったのは、腋を触られた時に“くすぐったい”と感じたからだ。緑咲も、今は感情をあまり表に出さないクールな女性であるが、くすぐったいという感覚ぐらい人並みに持っている。特に腋は、自分でもくすぐりに弱い所という自覚があった。その一番くすぐりに弱い所だと自覚している腋を不意に触られれば、相手にくすぐろうという意思が無くとも、指が触れるだけでくすぐったいと感じるのも当然である。 緑咲は弱みに聞こえないよう、極力冷静に、そして「それがどうした」と言わんばかりに強気に振る舞った。しかし、それを弱みだと感じ取ったからか、ただ大きく反応してしまった訳を素直に打ち明けた事が嬉しかったのか、雅は緑咲から「くすぐったい」と言う言葉を聞いた途端、何故か満足そうな表情を浮かべた。まるで雅の“欲求”が満たされたかのように…。 雅 「くすぐったい、ねぇ❤確かに腋なんて触られるだけでくすぐったいかもねぇ❤」 緑咲 「な、何よ…。」 (ちょっとくすぐったがっただけで、この女は何を嬉しそうにしているの…?) 雅 「別にぃ?」 (ついに、巡り合えたわ❤❤) 明らかに何か言いたげな表情を見せるが、緑咲にはその真意が分からなかった。腋がくすぐったかったと言っただけで雅が何を思ってその表情を浮かべているのか、それは“欲求を満たす行為”の内容が分かると同時に気付くことになるのであろう。そう思い緑咲も深く考えるのを止めた。今考え分かった所で、今の緑咲にはそれをどうする事も出来ないからだ。 雅 「うふふ…❤これで足りなかった30点分、3つのポイントを全部当ててくれたけど、これでもまだ私の“欲求を満たす行為”は分からないかしらぁ?」 緑咲 (足の裏にへそ、そして腋…。それが一体どんな欲求と関係があるって言うのよ…。) 「…分かる訳無いじゃない。」 雅 「仕方ないわねぇ。それじゃあ、最後に大ヒントをあげちゃうわぁ❤」 緑咲 「大…ヒント…?」 雅 「えぇ❤そのヒントはぁ――」 雅が大ヒントと言う最後のチャンス。待ち望んだ“欲求を満たす行為”の正体が分かるかも知れないと思ったその時だった。 ??? 「雅さ~ん、たっだいま~!!」 雅 「かすみぃ…?一番良い所で入って来ないでくれるぅ~?」 霞 「ん?良い所だったんですか~?」 緑咲がようやく待ち望んだ雅の“欲求を満たす行為”の正体が分かるかも知れないと、大ヒントを聞こうと思った直後に現れた霞(かすみ)と呼ばれた女性は、緑咲が捜査中に毎日すれ違っていた茶髪のOL女性だった。勿論OL姿やその髪型も変装だったらしく、この場にいる彼女は青い髪のショートヘアに、相変わらずへそが見える程度の丈しかないノースリーブシャツに黒いショートパンツという姿だったが、その声でOL女性に扮した雅の仲間であるとすぐに分かった。 先程雅と通信していて、こちらに合流するという話は緑咲も聞いていたが、水を差すような最悪なタイミングで現れた霞を、緑咲は不機嫌そうにキリッと睨めつけていた。 霞 「おっ!そこにいるのは、捜査員さんじゃないですか~!ども~、雅さんの部下の成瀬 霞(なるせ かすみ)で~すっ!」 一方の霞は緑咲のそんな表情にも一切怯まずマイペースな口調で自己紹介をする。その仕草に睨み続けるのもバカバカしくなった緑咲は「はぁ…」と大きなため息をついて呆れかえりながら、二人の会話を聞いていた。 霞 「雅さ~ん!もう始めちゃってます~?あっ!一番良い所って事はまだでしたかね!?」 雅 「まだよ!寧ろその前のクライマックスよぉ!?これから私の大好きな“行為”を推理してもらう為に大ヒントを与えようとしていたんだからぁ。」 霞 「あちゃ~!それはすいませんでした!!でも私も雅さんが先に始めちゃうかもって心配してたから急いで仕事終わらせてきたんですよ~!」 緑咲 (仕事…?そういえば通信していた時もそんな事言ってたわね。……一体何を?天音が無事なら良いけど…。) 雅 「正直こんな私好みな女性、独り占めしたかったけど間に合っちゃったら仕方ないわねぇ。一緒に楽しませてあげるわぁ❤」 霞 「やっぱり先に楽しむつもりだったんですね!?酷いじゃないですか~!!」 雅 「良いじゃない、間に合ったんだからぁ❤仕事をやっといてくれたのも感謝してるのよぉ?」 自分が捕まってしまったのは自分の油断が原因だ。しかし、その失態で天音まで何か危険な目に遭ってしまったらと思い不安が募る緑咲は、霞が行ってきたという“仕事”の内容を確認せずにはいられなかった。 緑咲 「仕事って、一体何を…?」 霞 「ただの準備ですよ~?」 緑咲 「準備?」 雅 「ふふっ…、心配しなくても、後で分かるわよぉ❤」 緑咲 「……あっそ。」 (準備…。私にその“行為”を行う為の準備ならまだ良いけど、それはこの場で行われる筈…。まさか、天音を捕らえるための準備…?) 霞 「そんな事より雅さ~ん!一番良い所だったんですよね~!早く続きやって下さいよ~!!」 緑咲 (そうだ。私に行われる“欲求を満たす行為”。天音の事も心配だけど、捕らわれの身である私にどうにか出来る訳でもないし、まずは自分の心配ね。) 霞の登場で未だに引き伸ばされてしまっているその“行為”の答え。自分ではやはりそれが分からず、ずっと大ヒントを聞きたかったのだ。 雅 「そうだったわねぇ。捜査員さぁん、そろそろお楽しみの大ヒントよぉ?」 緑咲 「待ちくたびれたわ。早く教えなさい。」 今度こそその“行為”の実態が分かるかも知れない、とヒントを聞き逃さぬよう意識を集中する緑咲だったが、雅は何故か何も言わず緑咲の前に立ち尽くしていた。それに痺れを切らしヒントを催促しようとした瞬間、突然雅は両腕を顔の高さまで上げ、自分の手のひらを緑咲の前にパッと開いて見せた。 緑咲 「……何よ。」 雅 「この手の動き、よぉ~く見てぇ、何か感じない?」 雅は緑咲の顔の前に出した両手の指を軽く握るように動かし、それをまた少し開いてから軽く握る、という動きを繰り返して見せた。そのワキワキと動き続ける雅の指を見せられるも、緑咲にはその行動の意味が全く分からなかった。 緑咲 「何がしたいのかしら?…まさか、それが大ヒント?」 雅 「今まで相当この“行為”に縁がなかったのかしらねぇ?さっきも少し体感したはずなんだけどぉ❤ 緑咲 「は?体感?」 雅 「……仕方ないわねぇ。霞ぃ?後ろからやってあげてぇ❤」 霞 「は~いっ!!」 雅の指示で拘束された緑咲の背後に回る霞。拘束された状態で背後に立たれると、その相手が見えず、より何をされるか分からない恐怖に襲われる。緑咲はそれを出来るだけ相手に見せないように、不安になりながらも強気に対応する。 緑咲 「後ろからやって何が変わるのよ。」 (また私の身体に触れる気?) 霞 「いっしし…❤本当にそうかな~?」 強気に振る舞う緑咲の背後から両腕を伸ばす霞。その腕は顔の前から少し下がり胸の高さで止まる。その瞬間、緑咲は胸を揉まれる、もしくはそれに近いエッチな事をされると感じてしまう。が、霞の腕は更に下へ降りていき緑咲のお腹の前で動きを止めると、雅と同じように5本の指をワキワキと動かして見せた。お腹の前で動かして見せたり、時には脇腹の辺りに腕をスライドさせ指を動かしたり、肋骨の高さまで腕を上げて指を動かした。その指は緑咲の身体に触れるかどうかという程ギリギリの所で動かされ、緑咲はその指使いに思わず嫌悪感を覚える。 緑咲 「ちょっ、やめなさいよ。気味が悪い…。」 決して霞の指は緑咲に触れてはいないのだが、本当に身体を弄られているような指の動きに対し、緑咲は嫌悪感とは別の“嫌な”感覚を覚え始めていた。 緑咲 (触れられている訳でもないのに、そんな動きをされたらゾワゾワする。) 「くっ…、や、やめなさいよ…。く…、くすぐったいじゃない。」 身体を他人の指でモゾモゾ動かされれば、くすぐったい。実際には身体に触れていなくとも、そういう動きを身体に触れそうな場所で見せられれば、くすぐられているような気分になり身体がむず痒く感じる物である。先程腋を触られた時も感じた事だが、それは普段クールな緑咲も当然感じる刺激である。そして再びその“くすぐったい”という言葉を口にした瞬間、緑咲は先程の事を思い出した。今感じているその感覚は、雅が言った通り先程も実際に“体感”している感覚だと。そしてその雅の発言を思い出し更に考える。自分がその言葉を口にした時、雅がまるで欲求を満たされたような満足気な表情を浮かべていた事。それは自分を笑わせるという行為が行われたからであると気が付いたのだ。そして今までの数々のヒントが一気に繋がり、緑咲は全てを理解した。 緑咲 「ちょっと待って。まさか…、あんたの“欲求を満たす行為”って…。」 雅 「んん~?なぁに?」 緑咲 「く、“くすぐり”…?」 “くすぐり”、それは人の身体(皮膚)に触れて“くすぐったい”という感覚を与え笑わせる事である。緑咲は身体に触れるかどうかというギリギリの所で指を動かし続ける霞に対し“くすぐったさ”を覚え、そう口にした瞬間、今までのヒントがフラッシュバックするかのように脳裏に過った。そしてようやく“欲求を満たす行為”の内容に気が付いたのだ。 雅 「そぉ、正・解❤」 緑咲 「何を言ってるの…?……それって、私をくすぐって…、欲求を満たすって事?」 雅 「そういう事っ❤」 緑咲 「あんな事件を起こして、わざわざ手の込んだ拘束をしてまで満たしたかった欲求が、女性をくすぐって“笑わせたい”って事なの…?」 普段冷静でクールビューティーとまで呼ばれている緑咲が珍しく狼狽えてしまっていた。当然今までの会話で緑咲がクールで強気な性格である事も分かっている雅にとって、その姿も興奮材料になっており、クスッと笑いながら緑咲を追い詰めようと言葉を発する。 雅 「どお?これから私達によって身体をこちょこちょされてぇ~、無様に笑わせれてしまうと知った今のご気分はぁ❤」 緑咲 「何がこちょこちょよ。あんたら、ふざけてるわ。」 雅 「ん?」 緑咲 「何かと思えば…、くすぐりって…。そんな幼稚でくだらない事の為に女性を拉致して、大きな事件まで起こしたの?」 緑咲は思った事をありのままに口にした。くすぐりなんて子供のじゃれ合いに、何故付き合わされなければならないのか。こんな人間の目的の為に、大きな事件が引き起こされ警察が必死に事件を解決しようと捜査に明け暮れなければならないのか。こんなくだらない目的で、被害女性たちは怖い思いをして、それを心配する家族や友人が悲しまなければならないのか。緑咲は持ち前の性格で冷静に言葉を発するが、その心の奥には大きな怒りを抱えていた。 雅 「幼稚でくだらない?…私の欲求を満たす行為である、くすぐりが?ふぅん、そう❤」 緑咲 「何?こちょこちょなんて幼稚でくだらないじゃない。何が欲求を満たす行為よ、馬鹿馬鹿しい。」 雅 「この状況でよくそんな強気な事を言えるわねぇ❤」 緑咲 「はぁ?思った事をそのまま言っただけよ?」 雅 「あなた、自分で今の状況を説明してくれたじゃなぁい?」 緑咲 「えぇ、言ったわ。」 雅 「なら、その状況でくすぐられる事に何とも思わないのかしらぁ?敏感な所は服にも守られ地肌を晒された状態で、拘束されて身動きできず抵抗する術のない状況、まさに無防備じゃない❤」 緑咲 「どんな状況でどれだけ無防備だろうが、くすぐられるだけでしょ?そんなの、ただくすぐったいだけじゃない。くすぐられるだけなんだから。」 霞 「お姉さんはくすぐりの恐ろしさを知らないみたいですね~!」 緑咲と雅が繰り広げる会話で、緑咲の性格やそれすら興奮材料にする雅に気が付いた霞は、更に緑咲の性格を引き出し、雅をより興奮させる為に霞も緑咲を煽り始める。そうとは知らない緑咲は、内に秘めた怒りを抱えたまま、強気に返すのだった。 緑咲 「恐ろしい?ただくすぐるだけの行為が?くすぐられてもいないのに笑えるわね、あんたらの低レベルな思考回路は。」 霞 「酷いっすね~。私達、低レベルな思考回路らしいですよ~雅さん?」 雅 「好きなだけ言わせておけば良いわ。この強気な表情が無様に笑い悶える姿を想像するだけで興奮しちゃうもの❤くすぐったいって思うなら、どれだけ強気に振る舞おうが笑う事は我慢できないでしょうしぃ❤」 緑咲 「悪趣味ね。だったら笑わずに耐えてやるだけよ。くすぐったいと感じるからって無様に笑うなんて思わない事ね。」 雅 「それは楽しみねぇ❤それぐらい強気に振る舞って貰わなきゃ、わざわざあなたを“誘導”して拉致した甲斐が無いもの❤」 緑咲 「誘導?」 雅 「言ったでしょぉ?私には“本当の目的”があるの❤」 緑咲 「もしかして、“捜査員だと分かっている”私をわざわざ捕らえて拉致して事?」 雅 「流石ぁ、察しが良いわねぇ❤」 緑咲 「ずっと気になっていたわ。何故捜査員である私をわざわざあなた好みの服装にさせてまで拉致したのか。私が捜査員なら、拉致に失敗すれば自分達が捕まるリスクだってあるのに。なのにそれを承知で特殊な機械まで用意し念入りに準備をしてまで私を捕まえた。その理由はあなたの言っていた“本当の目的”と関係しているんだと思っていたのよ。」 霞 「すっごい推理力!!」 雅 「でしょぉ?だからヒントを与えて私達が“くすぐり”を目的にしている事を推理させてたのよぉ❤でもぉ、そのくすぐりを侮っている彼女では、“本当の目的”までは推理出来ないでしょうねぇ?」 緑咲 「…どういう事?」 雅 「良いわ、私を極限まで高めてくれたお礼に話してあげる。今まで拉致してきた女性は私の“欲求”を満たす為にひたすらくすぐってきたけどぉ、ただくすぐるだけってのが、だんだんシチュエーション的に興奮出来なくなっちゃったのよねぇ❤」 緑咲 「シチュエーション…?」 雅 「えぇ。だから私の欲求を満たすシチュエーションを作り上げる為に、苦労してあなたを捕らえたの❤ただくすぐるのではなく、“くすぐり拷問”を行う為に、ね❤」 緑咲 「く、くすぐり…、拷問…?」 拘束された状態だろうが所詮は子供のじゃれ合い。くすぐりという行為をその程度にしか思っていない緑咲にとって、拷問などという恐ろしい言葉が出るとは思ってはいなかった。それを耳にした瞬間、くすぐりで拷問を行おうとする雅達に対し、緑咲はすぐに強気な姿勢を取り戻す。 緑咲 「そんなふざけたシチュエーションで興奮出来るなんて、やっぱり愚かな犯罪者ね。くすぐりで拷問?つまり、私をくすぐりで屈服させて捜査員の情報を吐かせるって事?やっぱりくだらないわ。」 霞 「へぇ~、これでも強気な態度取れるんだ~!雅さん、私もこのお姉さん早く拷問したくなっちゃいました❤」 雅 「でしょぉ?きっと笑いたい衝動を必死に押し殺して、歯を食いしばって我慢してくれるでしょうねぇ。そして、それを私達の手で崩壊させてあげるのぉ❤これ程興奮出来る事は無いわぁ❤❤」 霞 「元がクールなお姉さんなだけに、よりそのギャップが楽しめそ~!!」 緑咲 「人の性格で勝手に興奮しないでくれるかしら。さっきも言った筈よ。ただくすぐったいだけの拷問に、屈する訳無いし、笑う事も無いわ。」 雅 「その威勢がどこまで続くかしらねぇ❤とぉっても楽しみだわぁ❤❤」 強気な緑咲に対し、雅はまさに“欲求が満たされた”ように満足気な表情でニヤリと不敵な笑みを浮かべるのだった。
こーじ
2025-06-24 09:38:03 +0000 UTC炙り蜻蛉
2025-06-24 08:25:08 +0000 UTC