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女スパイ×実演役②

 ティックルハンドと呼ばれた2つの手。ロゼの腰付近に現れたそれらは起動の合図と同時に動き出すと、そのままロゼの腰の少し上、脇腹の辺りにスッと触れた。 ロゼ 「っ……!」  触れられた事に驚いたのか、ロゼは苦悶の表情を浮かべながら身体をピクッと震わせた。だが、拷問の正体を知るロゼならその手が自身に触れる事に驚く筈がない。ならば何故そんな反応をしたのか、その疑問と拷問の正体は、ティックルハンドの次の行動で全て理解する事となった。 ロゼ 「んんっ…!っくくく、んっ、ふふふふ…!」 カレン 「笑ってしまう拷問って……、そういう事?」  ロゼの脇腹に触れたティックルハンドは、その指先でその場所を優しく撫で始めたのだ。そしてその行動を受け、笑いだしてしまいそうになる衝動を必死に抑え込むロゼ。  そう、今ロゼは、ティックルハンドにより脇腹をくすぐられていたのである。私はそれを間近で見せられ、今までのヒントの意味をようやく理解した。  まず、くすぐられれば当然、人は思わず笑ってしまうだろう。その原理は分からないが、くすぐられたら笑うなど当たり前だろう。  またこの服装は、今まさにロゼがくすぐられている脇腹、つまり腹部が露出しておりそこは比較的くすぐりという刺激に弱い部分だ。  そして、この拘束も脇腹を守れないようにする為の拘束なのだろう。確かに手枷を嵌められ後ろ手に拘束しても、その腕が脇腹へのくすぐりに対しそれなりに抵抗力を生むだろう。  そこまでは理解したが、私には別の疑問が浮かばずにはいられなかった。 カレン 「くすぐりって……、そんなのが拷問な訳……?」  確かにくすぐられたら笑ってしまうだろうが、それの何が拷問なのだろうか。こんなもの、ただちょっとくすぐったいだけだと思うのだが、それが拷問と呼ばれる程の苦痛を伴うものとは到底思えなかったのだ。 ロゼ 「あなた……、っくくく、もしかして……、くすぐられた事、んっふふふふ、ないの、かしら……?っくくくくく、これが、どれだけの苦痛か、くっふふふふふ、わからない、の……?」  ロゼはくすぐったさを堪えるのに必死になりながらも私にくすぐりの辛さを教えようとする。だが笑いを必死に堪える姿に緊張感が感じられず、やはりくすぐりの辛さなどまるで感じ取れなかった。 カレン 「分かる訳ないじゃない。そんな、ただちょっとくすぐったいだけの責めが拷問だなんて、本当に馬鹿らしいわ。」  その拷問の正体が大したものではないと知った私は、気持ちに大きな余裕ができ強気な態度で挑発した。 ロゼ 「んっ……!だ、だったら……、っくくくくく……!ステージ1、んっく……!て、停止……!」  私の態度に対し何か策を講じたのか、ロゼは一度自らを責めるティックルハンドを停止させた。ロゼはほんの少しくすぐられていただけだったが、我慢するのに必死だったのかすでに息が上がり、荒い呼吸を繰り返していた。 ロゼ 「っはぁ……、っはぁ……。……あなた、もしかしてくすぐられた事ないのかしら?」 カレン 「そりゃあまあ、くすぐられた事ぐらいはあるわよ。」 ロゼ 「それでよくこの拷問をバカにできたわね。ちょっとくすぐったいぐらいなんて油断してるみたいだけど。」 カレン 「いや、だってくすぐりって、くすぐったい以外に何もないじゃない。」 ロゼ 「あっそ。あくまで所詮はくすぐり、って思ってる訳ね。」 カレン 「そう言ってるじゃない。」 ロゼ 「なら自分がくすぐりにどれ程の耐性があるのかとか、どこが弱点なのかとかも知らないのかしら?」 カレン 「えっ……?た、耐性?弱点……?そんなの、みんな同じじゃないの……?」 ロゼ 「……やっぱり、全然知らないようね。」  まあ正直、私はくすぐられた経験なんてほとんど無い。腹部はくすぐられたらくすぐったい、というイメージが何となくある程度だ。おそらく幼少期にそこをくすぐられた事があるのだろう。 ロゼ 「さっき、私があなたにヒントを出している時に、“感度”の話しをしたのは覚えているかしら?」 カレン 「感度?あ、そう言えば……、私があんたの感度と似ているから、あんたが実演役になったとか言ってたわね。」  感度が似ている、というのはくすぐりに対する感度という事なのだろう。ロゼのあの言い方的に、人によってくすぐりに強い場所、弱い場所が違いようだ。そしておそらく私とロゼはそれが似ているという事なのだろう。  だが、何故 私自身も知らない私の感度をこいつらは知っているのだろうか? ロゼ 「モニター画面、オン。……ほら、そこのモニターを見なさい?」  私達が拘束されたこの三角柱型の狭い部屋。その部屋の扉にはモニターが付いている。何に使うものなのかずっと気にはなっていたのだが、ロゼの声に反応しモニターが映る。 ロゼ 「この組織の至る所に設置された監視カメラには、全てAI技術が搭載されているわ。そのAIは、映った人物の身体の感度を数値化し読み取る事ができるのよ。だから、あなたの感度を上が知り、その感度に最も近い私が実演役として選ばれたのよ。」  無数にあるであろう監視カメラ全てにそんな技術を搭載しているとは、やはりこの組織のスパイへの対策は異常だろう。 ロゼ 「脇腹感度、表示。」  そしてロゼは先程自分がくすぐりを受けていた脇腹の感度をモニターに表示させた。そこには私を示す「スパイ」の文字とロゼを示す「実演役」の文字が画面上部に、横並びに表示されている。そしてその文字より左側の少し下に、「脇腹」と表示されていた。そしてそれぞれの項目の交わる位置に二桁の数字が表示されていた。これは所謂「感度表」なのだろう。  ロゼの脇腹の項目に表示された数字は49、そして私の数字は53。確かに数字は比較的似ているのかも知れないが、その基準も数字の意味もイマイチ理解出来ない。 ロゼ 「数字は高いほどくすぐったく感じる事を意味しているわ。そして50を基準に、下は比較的耐性がある部位、それ以上はくすぐりに弱い部位という感じね。」  つまり、ロゼにとっての脇腹へのくすぐりは耐えられる方、私にとっての脇腹は少し弱い部位という訳だ。確かにロゼは、くすぐったそうにしていた割には笑い出さずに堪えていたようだった。なら、何故ロゼはこのくすぐり拷問に対しそこまで憂鬱な感情を抱いていたのだろう。50を下回るロゼの感度ならば、そこまで苦痛を感じない筈だと思うのだが。 カレン 「どっちにしても、53なんてそんな大きい数字じゃないって事よね?やっぱり馬鹿らしい拷問だわ。」 ロゼ 「まあほとんどくすぐられた事もないみたいだし、少しだけ体感させてあげようかしら。スパイ ティックルハンド、ステージ1、起動。」  ロゼの言葉を皮切りに、今度は私の背後から機械の駆動音が聞こえ始めた。いよいよ私も脇腹をくすぐられるのだろう。しばらくすると、ロゼの方と同じ脇腹付近にティックルハンドが2つ現れた。 ロゼ 「スパイ ティックルハンド、ステージ1、開始。」  いよいよくすぐり拷問が始まるが、別に不安や恐怖心などは無い。  ロゼの言葉が正しければ私は脇腹が弱いようだが、数字だけ見れば私とロゼの数字は大して変わらない。実際、私の認識もくすぐりなんて所詮はほんの少しくすぐったいと感じる程度の感覚だ。数字的にも50を超え数字が大きくなるほどくすぐったいと感じるのなら、53という数字は決して高い数字ではなく、私の感覚通りとも言える。ならやはり恐れるに値する拷問ではない。 カレン 「んっ……!?」  そう思い油断していた所に開始された脇腹へのくすぐり。ティックルハンドは、私の脇腹を鷲掴みにすると、その指を使って揉みほぐすようにくすぐり始めたのだ。  その強い攻撃を受けた私は、思わず声を漏らし身体をピクッと動かしてしまった。 カレン 「っふふふふ、んんっ……!くっくっくっくっ……!」  そしてすぐに湧き上がる笑ってしまいそうになる感覚。それで私はすぐに理解してしまった。脇腹に襲い掛かる、“くすぐったい”という感覚を……。 カレン 「んっくっくっ……、んふっ……、んん……!」  ちょっとくすぐったいだけと強気な発言をしてしまった手前、いざくすぐられてあっさりと笑う訳にはいかない。そんな私のプライドがどうにか笑いたい衝動を抑え込んでいる。 ロゼ 「どうかしら?くすぐったいでしょ?」  確かにくすぐったさは感じる。それ故に笑いそうなってしまっているのは事実だ。だが、確かにこれは“ちょっとくすぐったいだけ”である。くすぐられる事に慣れていない私は堪えるのにも苦労するが、我を忘れ大笑いしてしまう程くすぐったいとは思っていないし、気を引き締めていれば耐えられるだろう。 カレン 「別に……?っくくくく、やっぱり……、んっふ……、ちょっとくすぐったい、だけじゃない……!っくふふふふふ。」  だから私は効いていない振りをして強気な態度を続けた。確かにこの手を振り払えないように拘束されているのはもどかしいが、だからと言って拷問に値するような苦痛ではない。このままなら我慢できる。そう私は確信していた。 ロゼ 「そりゃそうよ。まだ所詮は脇腹をくすぐってるだけじゃない。53なんて感度じゃ耐えられてもおかしくないわ。」 カレン 「ちょっ……、んっふふふ、脇腹以外も、くっくっくっ……!くすぐる、つもり……?」 ロゼ 「ん?あなたもしかして、脇腹しか責められないと思ってるのかしら?はぁ、本当にくすぐりというものをよく分かっていないのね。」  これは私の無知さが招いた悲劇だろう。くすぐる場所と言われて連想できるのが腹部だけだったが、どうやら他にもくすぐったく感じる場所が人体にはあるようだ。 ロゼ 「スパイ ティックルハンド、ステージ1、停止。」  何を思ったのか、ロゼは私をくすぐりから解放した。だが、まだティックルハンドは私の脇腹のすぐ横に待機しており、いつ再開されてもおかしくない状態である。 ロゼ 「実演役 お腹、へそ感度、表示。」  そしてまたモニターに指示を出すロゼ。今度は実演役、つまりロゼのお腹とへその数字を表示させたのだ。ロゼのお腹は41、そしてへそは50と出ている。 カレン 「っはぁ…、っはぁ…、あんまり……、っはぁ…、高くは……、ないのね。っはぁ、はぁ…。」  結局はくすぐりで連想できる腹部をもっと細かくパーツ分けしただけで、その感度もたかが知れていた。私の感度がロゼに近いなら、私のお腹やへそもその程度という事だ。  そもそも、へそなんて触られてくすぐったいのだろうかと疑問にも思うが、ロゼの中では一番高い数字であり、それを考えるとそれなりにくすぐったさを感じる場所なのだろうか。 ロゼ 「私達の感度は全体的に低め。特に下半身は極端に低くて、代わりに上半身のとある一箇所、つまり弱点に感度が集中しているタイプなのよ。」 カレン 「上半身の……、とある一箇所?」 ロゼ 「普通の人ならすぐに気付ける場所よ。くすぐりを一番連想できる場所なのよ、私達の弱点は。」 カレン 「そんな事知らないわよ。……それより、私達の弱点がどこなのか、さっさと教えなさいよ……!」  仮にもくすぐったいと感じた脇腹。そこに感じたくすぐったさがまだまだ序の口であると知ってしまった事で、私は少しばかり不安な思いを抱いてしまった。だからせめて、自分の弱点がどこなのか、そしてその場所がどれ程の数字なのか、それを知りたくて仕方なかったのだ。 ロゼ 「自分の身体にもっと敏感な場所があるって知って焦ってるようね。」 カレン 「べっ、別にそんなんじゃないわよ……!ただ、くすぐりって聞いて腹部周辺しか連想出来なかったから、普通の人が連想する場所がどこなのか知りたかっただけで……。」  自分の中に芽生えた不安を読まれ、思わず強がってしまった。勿論ロゼもこれが図星だと気付いているだろう。それがまた恥ずかしく、私はロゼと目を合わせられずにいた。 カレン 「いいから、早く教えなさいよ……!」  そしてその空気感に耐えられず、また強気な態度でロゼに感度表示を催促した。ロゼはやれやれという思いからかため息をつき、ゆっくりと口を開いた。 ロゼ 「まずはあなたのお腹、へその感度を見せるわ。スパイ お腹、へそ感度表示。」  ロゼもこの行動全てが嫌々やらされているものである。私がどれだけ催促しようがその段取りに従い、私の腹部の感度を表示させた。私のお腹は47、へそは55。全てロゼより少し高い数字となっているが、やはり似ているというだけあって、そこまで大きな差はない。 ロゼ 「……実演役ティックルハンド、ステージ2、起動、開始。」  私の腹部周辺の感度を表示するや否や、すぐさま自らへのくすぐりを開始させるロゼ。しかも今度はステージ2と言っていた。次はどんなくすぐりが行われるのだろうかと見ていると、ロゼが起動と開始を一気に指示した事で、腹部周辺に新たに現れた2本のティックルハンドと、ステージ1の時からロゼの脇腹のすぐ横で待機していたティックルハンドが、同時にロゼの腹部へと襲い掛かったのだ。 ロゼ 「くふふふふ、んんっくくくくく……!んっふふふふふふ!」  最初のティックルハンドは相変わらずロゼの脇腹を揉みほぐすようにくすぐり、新たに現れたティックルハンドの1つはお腹をモゾモゾと指を素早く動かすように、そしてもう1つは人差し指を使ってへそをほじくるようにくすぐっている。  くすぐりというものにあまりにも無知な私でも、この責めによりロゼの反応が明らかにさっきと違うのが見て取れた。それはロゼの今くすぐられているへそが50という基準の数字に達していてそこがくすぐったく感じているからなのか、くすぐられる場所が増えた事でその物量に圧されているからか。  どちらにしろロゼが先程よりくすぐったがっているのは間違いない。その姿を見せられると、ほんの少しだけ私が受けた脇腹へのくすぐりを思い出してしまう。その刺激を思い出し、更に敏感なへそを私もくすぐられたら……、と考えてしまい思わず身震いしてしまっていた。 ロゼ 「くっくくくくく……!じ、実演役、二の腕……っ感度、表示……んふふふふふ…!」  くすぐったさに耐えながら、今度は自らの二の腕の感度を表示するロゼ。私はそれと同時にすぐモニターを見て、ロゼの二の腕の感度を確認した。 カレン 「ろ……、60!?」  へその50から一気に数字が上がったロゼの二の腕。まさかそこが私とロゼの弱点なのだろうか……?二の腕なんてくすぐったいイメージも湧かないが、そこがくすぐったいであろう事はその数字が物語っている。 ロゼ 「実、っ演役……、ティックルハンド、っふふふふふふふ、ステージ、3……っくふふふふふふふふ、んんっふふふふ……!き、起動……!」  くすぐったさと戦いながらもロゼは更に次のティックルハンドを起動させる。すると今度は、手首を拘束する枷の近くから新たなティックルハンドが2本現れる。  二の腕のすぐ近くまで迫るティックルハンドは、開始の合図を待つように直ぐ側で指をワキワキと動かし待機している。二の腕などくすぐられた事もないが、その動きを見せられると私までゾワッと寒気を感じてしまう。  そしてロゼは、ティックルハンドのステージ3の開始を宣言し、二の腕で待ち構えていたティックルハンドがその指示に従い動き始めた。 ロゼ 「うひぃいぃっひひひひひひ!んぐぅっ……、ふふふふふふふ!あっひひひひひひひひひ!!」  二の腕を全ての指でコソコソとくすぐられるロゼ。それにより反応がまた一際大きくなったように感じた。先程までは唇をぐっと閉じて息を漏らすような笑い方だったが、今は歯を食い縛るのに必死な様子が見て取れる。  まだロゼとは会ったばかりだが、私との接し方で少なくとも普段から冷静沈着な人間なのだろうと想像は出来る。そんなロゼが今、眉間にシワを寄せ僅かに目尻に涙を浮かべながら笑いを必死に堪えている。  余程くすぐったいのか、身体を必死に左右に捩ろうとしたり暴れている様に見えるが、頑丈な拘束具がそれを阻んでいる。まるで醜態を晒すように、ずっと冷静だったロゼが無様に見えてしまう。それ程までに、くすぐりというものは人を狂わせ苦痛を与えると言うのだろうか。 ロゼ 「スパイ、ぃっひひひひひ!二の、腕感度、っふふふふふきひひひひひひひひ、表示ぃ……!」  今度は私の二の腕の感度も表示させる。感度が似ていると言われていたため予想は出来ていたが、実際の数字を知りたくて仕方なかった私は、ロゼの言葉と同時にモニターを見る。そしてそこに表示された私の二の腕の感度は、ロゼと同じ60という数字だった。 カレン 「私も……同じ、60……。」  腹部の3つの感度は全てロゼより私の方が高く、二の腕もロゼを超えるのではと不安で堪らなかったが、実際は全く同じで少し安心した。だが、私にとっても今までで一番高い数字である事に変わりはない。何より、ロゼと同じという事は私も同じだけくすぐったさを感じる訳で、今のロゼと同じように笑い声を抑えるのに必死になってくすぐったさと戦う羽目になるのだ。 ロゼ 「実演……、役っ、ふふふふふ!きっひひひひひひひひ、ティッ……クル、ハンド、くうぅっふふふふふ、いひひひひ……!全ステージ、停止ぃい……!」  私に不安な感情を抱かせる事に成功したと判断したのか、ロゼは自らのくすぐりを停止させた。実際、拘束された状態で弱点をくすぐられる姿を見せられ、それを想像した事で、ちょっとくすぐったいだけと思っていたこの拷問に不安な感情を抱いてしまっていた。 ロゼ 「っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ……。」  あまりにもくすぐったかったのだろう。ロゼは項垂れたまま何も言葉は発さず、ずっと荒い呼吸を繰り返していた。その姿はまさに壮絶な拷問を受けた後のスパイのような姿だった。 カレン 「普段は冷静そうに見えるあんたでも、笑いそうなのを堪えるのに必死になるのね。」  だが、だからと言って不安な感情を表に出し怯える程 私は弱くはない。寧ろ冷静なロゼが笑いを堪えるのに必死な姿を茶化し余裕な姿を見せ、私はそんな拷問になど屈しないと態度で示した。 ロゼ 「弱点じゃなければまだ平気よ……。でも、弱点をくすぐられたら絶対に堪えられないわ。それは、あなたも同じよ。」 カレン 「……え?」 ロゼ 「まさか、二の腕が私達の弱点だと思っていたのかしら?」  その言葉に、強気な態度を見せた私はすぐに不安を抱いてしまった。  腹部周辺から極端に感度の数字が上がった二の腕。そこを勝手に弱点だと判断しそれでもロゼが笑う事なく堪えられるなら、所詮はやはり少しくすぐったいだけと思い込んでいたが、そもそも二の腕も弱点ではなかったようだ。  その不安と恐怖に怯え始めてしまった私は声が出せず、ロゼの問いかけに答えられずにいた。それに気付いたロゼは呆れながら再び私に話しかけた。 ロゼ 「もう一度言うわ。その服装と拘束が、あなたをくすぐり拷問にかけるのに都合が良いのよ。」 カレン 「だ、だったら何よ……!」 ロゼ 「逆に言えば、こうしなければ“そこ”をくすぐる事は出来ない、とも考えられないかしら?」 カレン 「この拘束じゃなければくすぐれない?くすぐれないってどういう事?」 ロゼ 「仮にその場所を露出する服を着ていても、普段はその部位は見えないのよ。」 カレン 「普段は見えない……?」  その言葉の意味を考えながら、私はロゼの服装に注視した。彼女が言っていた通り、私達の弱点は上半身のどこかで間違いないだろう。私と違い、ロゼの下半身は肌の露出がないからだ。くすぐりという行為が、肌を直接触る方が効果的ならばその理由も頷ける。ならば上半身の露出した肌のどこかだ。  問題はその場所なのだが、肌を見せている部分でも腹部周りは全て感度が表示されている為、そこは弱点ではない。そして二の腕も弱点ではないとロゼは言った。となると他に2人が共通して肌を露出しているのは、首や胸元、前腕部ぐらいだ。  そして次に考えなければならないのがロゼのヒントだ。肌を多めに露出するこの服でさえ普段は見えず、この拘束でなければくすぐれない場所。それを考えると、首、胸元、前腕部は全て拘束方法など関係ない。そういう服を着ればそれらは露出するだろう。ならば弱点は一体どこなのだろうか? カレン 「この拘束でなければ……、見えない……。」  この拘束方法に意味があるのなら、もはや腕を上げなければ見えない場所と考えるべきだ。だがそんなもの果たしてあるのだろうか……?と思いながらロゼを見ていたら、そのたった1つの場所に、私はようやく気が付いた。 カレン 「弱点ってもしかして……ワキ、とか……?」

女スパイ×実演役②

Comments

このステージの段階は、くすぐる場所が増えるだけです。ステージ1で脇腹、2でお腹(+へそ)、3で二の腕、そして最後は……という感じで、特に作中にて明言されてませんが脇腹をくすぐるのがステージ1でありくすぐり方はランダムと言いますか、たまたまそうだった、が正解です。次回の更新で弱点を責める時はその辺を明言させれたらさせてみたいですね!

こーじ

「『くすぐり』なんて」と甘く見ていたカレンがその刺激を理解しつつもプライドで笑うのを耐える展開、またそれがロゼとの会話及び心理描写と共に綴られている構成、いずれも個人的に刺さるものでした。ありがとうございます。 そういえばティックルハンドによるステージ1での責め方なのですが、ロゼへは"撫で"で、カレンへは"揉み"だったのにはこーじさんとして何か意図があったのでしょうか?(勝手な思い込みだったらごめんなさい)

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