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こーじ
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それはまるで私の為の異世界②

 くすぐり。それは一般的に、子どもが親兄弟や友人と共に行うじゃれ合いのようなものである。だがそれは遊びである事を前提とし、同じ立場で互いにくすぐり合えばの話であり、一般人はくすぐりと聞けばその光景を頭に浮かべるものである。  だけど改めて考えると、くすぐりというのは“くすぐったい”という思わず笑ってしまう不思議な感覚を与える行為で、その感覚そのものはついつい払い除けたくなる嫌な感覚だ。だからそれは、状況や考え方次第では苦痛や恐怖、場合によっては快楽なんかを与えるものにも変わるという訳だ。  そういった少しネジ曲がった考え方によるくすぐりの認識、それこそが私の性癖である。つまり私は、所謂くすぐりフェチというやつで、くすぐりによって苦しんだり笑い悶える女性の姿に興奮を覚え、そういうシチュエーションに対しエロさを感じるのだ。  そんな私は、漫画やアニメに出てくるくすぐりシーンや、くすぐりフェチの為のAVやフェチ界隈の人が作った小説やイラストを見て日々楽しんでいる。だが、今度は自分自身がくすぐられてみたいと思うようにもなり、いつかはそういった風俗に行ったり、界隈の人とプレイをしてみたいと考えるようになったのだ。  そしてそのくすぐりという性癖から派生し、それに付随するもの、関連性があるものなどにも性的興奮を覚えるようになった。そもそも、くすぐりというのは人の身体に触れて刺激を与える行為である。だからこそ、肌へ直接触れる方が基本的には効果的だと考えられ、くすぐられる対象は肌を露出する表現が界隈では多く使われる。その結果、私は女性の晒された素肌そのものにも興奮するようになった。だけど全裸のようにただ晒すなんてのは下品という思考で、外を堂々と歩ける“服装”なのに肌をチラチラ見せたり、多めに露出し自らの意識で見せようとしているファッションにもエロさを感じるようになった。  じゃあ肌のどの部位が露出していると興奮するのか、という話にもなる。結論から言うと、私は基本的に上半身が特に好きで、露出する肌の中で私が興奮する部位は基本的にくすぐったいと感じる定番の場所である。特に自分が実際にくすぐったいと感じ、そのくすぐったさを想像出来る部位が露出していると興奮する。まあ結論から言うと、お腹や脇腹といった腹部、そして私が最もくすぐりに弱いワキ。これらの部位を晒す服装の女性を見ると興奮が抑えられず、そういうファッションをして歩いている女性を町中で見つければついつい目で追ってしまうのだ。特にワキなんて、ノースリーブの服を着ていても腕を上げなければ見れない部位で、そのレア感とエロティックな見た目、そして何よりくすぐったくて堪らない私の弱点であるその場所が、私にとって最大の興奮要素なのである。  そしてこのくすぐりという性癖に関し、私にとって肌の露出と同じぐらい重要なのが“拘束”だ。勿論 美女が互いに肌を露出しキャッキャしながらくすぐり合う姿だって、どちらかと言えば興奮する。だけど、さっきも言った通りくすぐったいという刺激は基本的には払い除けたい刺激であり、じゃれ合いのくすぐりは逃げたいと思えばすぐに逃げられてしまうもの。だけどもし、くすぐったくて堪らないのに、逃げる事ができなかったら?くすぐったくて堪らないのに、くすぐりに弱い部位を晒すように拘束されてくすぐられ続けたら?当然くすぐったいという刺激が苦痛や恐怖に変わる。そんな状況にとてつもないエロさを感じるのだ。  これらの“くすぐり”、“服装”、“拘束”という私の性癖を前提にした上で、私がこの世界に転生してからの状況を改めて振り返りたい。特に上半身の肌の露出を大前提にしなければいけない世界。こんなの私にとってエロくない理由がないだろう。そんな世界で私もエッチな服を着る事になり、目の前に現れたマジックハンド(仮)に拘束なんてされれば、どうしたってくすぐりを連想してしまうだろう。ましてや、私が好きで好きで堪らないワキを見せびらかすように拘束されているのだ。そんな状況に置かれたら興奮するに決まってるじゃん。  あ、ちなみにそのくすぐりフェチ界隈で、ファンタジーの世界で主に登場するマジックハンドなんて呼ばれる“手”。それはまさに人がくすぐられる事を連想させるビジュアルであり、アニメや漫画で手だけの存在を出されれば、ヒロインがくすぐられる想像をしてしまう。だからこそ、今この瞬間にそんな物が目の前に現れ、しかもこんな指をワキワキさせて迫ってきたらくすぐりを連想させてしまうのは当然だろう。 紫乃 「やっ、やばい……!くる……!!」  まだくすぐられる保証なんて無いのに、マジックハンド(仮)が迫るだけでいよいよくすぐりが始まる、なんて期待してしまう。だが、いざマジックハンド(仮)がすぐ側まで迫って来た時、私はふと冷静になった。  マジックハンド(仮)は私の腹部の方へと向かってきた。マジックハンド(仮)の攻撃手段として、一般的に想像されるのはやはり殴打である。ましてや拘束した相手の無防備になったお腹を殴打するなんて、当たり前のように考えられる攻撃手段である。寧ろそうなるのではないかと不安になってしまい、私はこれから訪れる痛みに恐怖し思わず目を瞑った。  そして、ティックルハンド(仮)の攻撃は始まった。 紫乃 「うひっ……!?」  だがその攻撃は不安や恐怖を吹き飛ばし、私の期待に応えて興奮させたのだ。 紫乃 「んっふふふふ、くすぐったい……!」  そう、私の性癖であり期待していた攻撃、くすぐりを行ってきたのだ。マジックハンド(仮)は指を器用に動かし、私のお腹をモゾモゾと優しく動かしくすぐってくる。そのくすぐったい刺激を払い退けようと無意識に腕に力を込めるが、腕を持ち上げ拘束するマジックハンド(仮)は私より強い力で押さえ込み抵抗を許さない。 紫乃 「うひっ、っふふふふふ、んんっくくくくくく……!」  久しぶりに感じた“くすぐったい”という感覚。むず痒いのとも少し違う、煩わしさを伴う刺激。なのに私は身体を無防備に晒し抵抗できずそれを受け入れている。これこそ、今まで私がエロさを感じてきた行為である。 紫乃 「ちょ、やだぁ……、っふふふふふふ、くっくっくっくっくっ……!」  突然ではあったが、ようやく私が夢見たエッチな展開。拘束されてくすぐられるなんて事が本当に自分に訪れるとは思っておらず、その刺激も相まって胸の鼓動が尋常じゃないし、興奮も抑えられない。 紫乃 「んん……!っふふふふふふ、んっく、くひひひひひ……!」  お腹をくすぐっていたマジックハンド(仮)が、今度は脇腹へと移動すると私の自慢のくびれを鷲掴みにし、その指を使いモミモミとくすぐりだしたのだ。 紫乃 「いっひひひひ、んんっふふふふふふ……!!」  しかし、くすぐられたらもっと笑い声が溢れ出るものだと思っていたが、私は思いの外お腹や脇腹へのくすぐり耐性があったらしく、その中途半端なむず痒さがハッキリとした笑い声を出させてくれない。それがまたもどかしく、思い切り笑わせて貰えない焦れったさを感じていた。  そう言えば、今ふと思い出した。確か小学生の頃、同じクラスの友人に罰ゲームと称してくすぐられた事があった。その時からくすぐりフェチだった私は、確かわざとゲームに負けくすぐられたのだ。その時に脇腹をくすぐられたのだが、厚手の服越しにくすぐられた事であまりくすぐったくなかったのだ。それを見て友人も“青山 紫乃=くすぐりが平気”という認識をしてしまい、それ以降くすぐられた記憶がない。  だが私は覚えている。ワキだけはめちゃくちゃくすぐったくて笑いながら大暴れした事を。おそらく私は、ワキだけが極端に弱い体質なのだ。それは私の身体も覚えているようで、ノースリーブでむき出しのワキを晒しているこの時間ずっと敏感に反応しているのが伝わってくる。 紫乃 「っひひひひひ、どうせなら、っふふふふふ、わ、ワキ……、っふふふふふ……!っくく、くすぐってよぉ……!くふふふふ……!」  そんな身体の反応もあり、更なる興奮と理想を求めた私は思わず願った事をそのまま口に出してしまった。だがそれも仕方ない。ここまで私を興奮させておいて、こんな焦れったいまま終わらせるなんてあまりにも酷い仕打ちだ。 紫乃 「うへっ!?ちょちょっ……!くっふふふふふふふ、ホントに……!?」  私の願いを聞き入れたのか、脇腹をくすくっていたマジックハンド(仮)が少しずつ、くすぐりながらワキへ向かうように移動を始めたのだ。 紫乃 「うひひひひひひ、待って待って!っくくくくくくく、それ……!んっふふふふふ、色々やばいって……!」  脇腹から肋へ移動するにつれ大きくなるくすぐったさ。だんだんくすぐったさが増す事で自分のワキが如何に敏感なのかを少しずつ実感してしまい、どれ程のくすぐったさを味わう事になるのだろうと少し不安な気持ちになる。だがその反面、ついに弱点であるワキを拘束されたままくすぐられるという、くすぐりフェチの私にとってまさに理想の興奮シチュエーションが叶う事への高揚感。  胸がドキドキして抑えられないのは、不安なのか興奮なのか、どちらかは分からないが心臓が張り裂けそうでとにかくやばいのだ。 紫乃 「んぃいいっひひひひひひひ……!あひひひひひひひ……!!」  マジックハンド(仮)がワキに近づくにつれ増すくすぐったさ。ワキのくすぐったさを覚えている私の身体もビクッと大きく反応し、ワキをくすぐられたらとてつもないくすぐったさに襲われると警告している。それが強い不安となって襲い掛かるが、それと同じくらいワキへのくすぐりを期待してしまっている。腕を下ろせないのに、ワキを守れないのに、一切抵抗できないのに、敏感なワキをくすぐられたらどれ程の興奮を味わうのだろうか?それが楽しみで仕方ないのだ。 紫乃 「うひぁあぁっ……!?」  そしてついにマジックハンド(仮)が私のワキへと辿り着くと、容赦なく5本の指を使って刺激を与えてきたのだ。 紫乃 「っはははははははははははははははははははは待って!いやははははははははははははははははははははちょっと待ってえぇぇえっへっへっへっへっへっ!!」  それはお腹や脇腹に感じた刺激とはまるで別物だった。これこそ私がずっと求めていた“くすぐったい”という感覚である。ワキがくすぐったくて堪らないのに、腕を下ろしてワキを庇う事も、このマジックハンド(仮)を払い除ける事もできないもどかしさとくすぐったさによる苦痛。これが私が今までネットで楽しんできたフェチ行為だ。 紫乃 「ちょっ、やだ……!あっははははははははははははははははははははワキやめ、っははははははははははははははははははははは!!」  だがその感覚は、楽しくて興奮できるようなものではなく、くすぐったさから生まれる辛く苦しいものだった。 紫乃 「いやぁああっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!お願いぃ、一旦止めて!っひはははははははははははははははははははははくすぐったいから、これやめてぇええぇ!!」  堪らず私はワキへのくすぐりを止めて貰うよう必死に訴えた。もはや興奮よりも苦痛が勝ってしまい私自身が楽しむ余裕が無かった。お腹や脇腹の時は物足りないとすら思っていたのに、まさか私のワキがこれ程までに敏感だとは……。ハッキリ言って想像以上のくすぐったさだ。 紫乃 「ひゃはははははははははははははははねぇ、ホントに!っあはははははははははははははははははははは止めてってばぁぁぁはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっくすぐったいって言ってんじゃん!っいひひひひひひひひんあぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!」  マジックハンド(仮)と初めて対峙した時、拘束される事を内心期待していたら本当にされて、無防備な身体をくすぐられたらと想像したら本当にくすぐってきて、お腹じゃ焦れったいから敏感なワキをくすぐってとお願いしたら本当に叶えてくれて……。てっきりこのマジックハンド(仮)は、私の願いを何でも聞いてくれる存在だと思っていたがワキへのくすぐりだけは全然止めてくれない。 紫乃 「謝る、ひゃはははははははははははははは謝るからぁああぁっはっはっはっはっはっ!!もうやめてえぇええへへへへへへへへへへへへへ!!」  こんなにくすぐったくて辛いのに何でやめてくれないのだろう。と思ったがそれは簡単な事で、マジックハンド(仮)は対象をくすぐるという攻撃を行う敵なのだ。私が脇腹とかお腹をくすぐられた時に反応が薄かったからワキを責めただけの事。つまり、今までのこいつらの行動は全て、私の願いを叶えた訳ではなく本能のままに攻撃を行っていただけなのだ。 紫乃 「きゃははははははははははははははははははははははははあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ、やめ、ひひひひひひひひひ!んあっははははははははははははははははははははははははは死ぬ、死んじゃうぅううふふふふふふ!ワキくすぐったくて死ぬぅうううぅぁあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!」  それにしてもくすぐったい。いくら抵抗できないからって、ワキをくすぐられたからってこんなにも苦痛を伴うものだろうか?やばい、ホントに意識が朦朧として……、このままじゃ……。 ??? 「ライトレイ!!」  命の危険を感じた時、眩い閃光が一閃、二閃と輝いたかと思うと、私をくすぐるマジックハンド(仮)がその光に貫かれ一瞬にして消滅した。 紫乃 「っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、はっぁ、っはぁ……。」  目の前に立っていたのは、やはり肌の露出が多い戦士のような女性。細く長い刀は光り輝いており、私をくすぐるマジックハンド(仮)を倒してくれたのがその女性なのだとすぐにわかった。  その女性のおかげで私はようやくくすぐったさから解放されたが、笑い過ぎてまともに呼吸もできなかったからなのか、身体に力が入らず荒く呼吸を繰り返す事しかできなかった。 ??? 「ライトレイ!」  私がマジックハンド(仮)の拘束からも脱出できないのを見て、再び刀を振るい技を放つ。今度は4つの閃光が放たれ、私の四肢を拘束するマジックハンド(仮)を全て消滅させてくれた。宙に浮いた状態で拘束されていた私はそのまま落下してしまうが、素早く私の落下地点まで移動した女性がそのまま私を受け止めてくれたのだ。 紫乃 「あ、ありがとうございます……。」 ??? 「あぁ、無事で良かったよ。私はヴァレリア、剣士だ。お前は?」 紫乃 「青山 紫乃です……。術士です。」  胸までしか覆っていないノースリーブの濃い緑色のタートルネックに、ノースリーブの黒いベストジャケット、そのジャケットとセットアップのタイトな黒いミニスカートという、これまた私好みの服を着ているヴァレリアさん。服がはち切れそうな程 豊満な胸と大胆に露出している引き締まったお腹。そして剣を振るう度にチラリと見えるワキ。タイトスカートもかなり丈が短く、その太ももがまた相当エロい。ファンタジー世界でお馴染み(?)なくっころヒロピン要素が強い、騎士様口調のかっこいい女性だ。  そんな私好みのかっこいい女性が、絶対絶命ヒロピン状態の私を救ってくれたのだ。まるで女神である。  にしてもこんな如何わしい格好をした美女。当然この世界にいるのだから、この人もマジックハンド(仮)にくすぐられる事もあるのだろう。こんなクールでかっこいい女性がくすぐりによって笑わされるなんて、くすぐりフェチなら誰もが憧れ理想とするシチュエーションだ。率直に、是非ともくすぐられている所を見てみたい。  などと助けて貰っておいて随分無礼な奴だと、我ながら自分が愚かだと思った。だからあんなバチが当たったんだろう……。いや、ああなる事を願ったのも私なんだけど……。 ヴァレリア 「アオヤマシノ?何だか珍しい名前だな。」 紫乃 「あぁ……、実はですね。信じて貰えないかもですが、私、元々いた世界で死んでここで生き返った?みたいで……。」  そう言えば、こっちに転生してから名前を名乗ったのは初めてだった。今までは記憶喪失で通してたけど、この世界で全く聞き慣れない名前を聞いたら記憶喪失では誤魔化せないだろう。そう思い、私は本当の事を打ち明けた。勿論信じて貰えるとは思っていなかったのだが……。 ヴァレリア 「……まさか、転生者というやつか?噂では聞いた事があったが、まさか実在するとは……。成る程、これで全て合点がいった。」 紫乃 「え……?信じてくれるんですか?」 ヴァレリア 「いや、私は剣士として各地を旅しているのだが、そこで噂を聞いた事があるんだ。異世界から突如現れた転生者はその強い力で魔王を討ち滅ぼすという言い伝えのようなものだったが……。君ほどの魔力を持っていながらこちょハンド相手に何も出来なかったのも頷ける。」  マジックハンド(仮)の名前はこちょハンドと言うらしい。この世界はどこまで私を興奮させてくるのだろうか。こちょハンドってネーミングセンスが性癖に刺さるし、こんなクール美女がこちょとか言うのも興奮ものである。 ヴァレリア 「ところでシノ、君はここで何をしていたんだ?」 紫乃 「私、転生したばっかりで、魔王と戦う為に術士として術の練習してたらいきなり襲われて……。」  くすぐりフェチという事は黙っておこう。 ヴァレリア 「やはり魔王討伐を考えていたか。流石は転生者だ。…………シノ、もし良かったら、私と共に魔王を倒さないか?」 紫乃 「えっ!?ヴァレリアさんも魔王と戦おうとしてるんですか?」 ヴァレリア 「各地を旅して、そこで人々の依頼をこなしつつ報酬を貰っているのだが、その旅の本来の目的は魔王討伐の仲間を探す事なんだ。君はきっと魔王を討伐の力になれる。」 紫乃 「私で良ければ……!あ、でも……、さっきのにも勝てない私じゃただ足を引っ張るんじゃ……?」 ヴァレリア 「魔王が使役する“くすぐり魔物”やその能力を持つ魔族なんかと戦うには少し特殊な戦い方があるんだ。私がそれを教えれば君は戦い方も覚えた上に更に強くなれる。どうだろうか?」  魔王が使役するくすぐり魔物……?もしかして、魔王もくすぐりフェチだったりする?こんなクール美女と、くすぐり魔物と戦う旅ができるなんて、こんな興奮する事は他にないだろう。何より、元々 魔王を倒そうとしてた訳だし、一人じゃ正直心細かったのも事実。寧ろ断る理由がない。 紫乃 「是非 私でよければ!!」 ヴァレリア 「あぁ、よろしく頼む。」  こうして、私はエロかっこいい女剣士のヴァレリアさんと共に旅をする事となったのだ。  あ、ちなみにヴァレリアさんはかなり強い剣士みたいで、過去にとんでもなく強い魔物を何体も討伐してきたらしく、貰った報酬金がとんでもない量で……。鑑定師さんと装備屋さんへのお金もヴァレリアさんが立て替えてくれた。こんな会ったばかりの私に親切にしてくれる人が沢山いて、とても平和な世界だと改めて実感した。勿論、魔王という存在がこの世界でどれ程の脅威なのかは分からないけど、魔王討伐という概念がある訳だし、そこは平和とは言い切れないのかも知れないけど、少なくとも優しい人が多く住む世界なのも間違いない。  そして私達は、十分な準備を整えて魔王討伐へと旅立った。そこで早速、ヴァレリアさんにくすぐり魔物との戦い方を教えてもらう事になった。 ヴァレリア 「ここだ。」 紫乃 「えっと……、ここは?」  ヴァレリアさんに案内されたのは扉の無い機械仕掛け感溢れる小部屋。草原を越えた山の麓に設置された、明らかに異質な存在。様々な機械が搭載されていそうなその小部屋には、当然 何かしらの仕掛けがあるのだろうけど、くすぐり魔物と戦う方法を教えるって言ってたし、もしかして……? ヴァレリア 「ここはくすぐりマシンが仕掛けられたトレーニング場だ。」  やっぱり!しかもくすぐりマシンて。またそんな私を興奮させるワードを出してきて。でも、くすぐりマシンなんて物が仕掛けられてるのに、トレーニング場? 紫乃 「もしかして、……その、く……、くす、……くすぐりをされても……、耐えられるように我慢するトレーニング、とかですか?」  なんか……、自分がくすぐりフェチなんて誰にも言った事ないから、“くすぐり”って言葉使うのに抵抗がある。普通の人なら何の抵抗もなく使える言葉の筈だけど、私が“くすぐり”と言ってしまうと、くすぐりフェチだと言う事を自覚するような、あるいは隠したい性癖がバレてしまうような恥ずかしさを感じてしまう。 ヴァレリア 「いや、気力や根性を鍛える訳ではない。魔力を使ってくすぐり攻撃に抵抗すればする程、魔力が上昇しトレーニングになるんだ。この部屋は入った人間の魔力を回復してくれる装置なんだが、出ようとした人間に対し罠が発動してくすぐられる事になる。だがそのマシンごと壊せば簡単に出られる仕組みで、くすぐりマシンは壊してもすぐに再生する。」 紫乃 「拘束されてくすぐられたら、マシンを壊せなくないですか?」 ヴァレリア 「くすぐり攻撃と同様に拘束にも対抗する術があるんだ。それも一緒に教えよう。」  自力で拘束とくすぐりから抜け出す方法もあるのか。それなら満足するまでくすぐられるなんて事も出来る訳か。ホントに死んじゃうかもとか思う程くすぐったさを味わったのに、やっぱりくすぐられるまでのドキドキ感はかなり癖になる。それに、抵抗する術もあるならそれもまたフェチい。 ヴァレリア 「だからここは魔力を鍛える場にうってつけなんだが、こんなにもトラップだと分かりやすい上に魔力の回復とトレーニングまで出来る装置を、何故 魔王が自らの能力で設置し、それを魔王を討伐しようとしている私達に使わせているのか、それが全く分からないんだ。」 紫乃 「た、確かにそうですねぇ……。」  やっぱり魔王もくすぐりフェチなんだろうなぁ……。きっとその装置のどこかにカメラか何かがあって、トレーニングしに来た人のくすぐられる姿を楽しんでいるに違いない。でも、だとしたら魔王はただ女性をくすぐりたいだけで、それ以上の害は無いのかも知れない。 ヴァレリア 「まあ理由は分からないが、利用できるものは何でも利用するたけだ。早速 私が見本を見せよう。」  そう言ってヴァレリアさんは小部屋へと進み中へ入ると私の方に向き直した。つまりこれからヴァレリアさんが私の為にくすぐられてくれるらしい。それを想像するとまた私は興奮して心が躍ってしまう。  小部屋の中に入ったヴァレリアさんの周りを包み込む光のオーラ。おそらくそれがヴァレリアさんを回復させるものなのだろう。所謂トラップの前の油断させる時間だ。確かに、こんな山の麓に異質な回復設備なんて設置されていれば、誰でも警戒してしまうバレバレな罠だ。ましてや草原にはこちょハンドが多発してる訳だし、くすぐられる事ぐらい誰にでも想像がつく訳だ。 ヴァレリア 「ここのトラップを含め、魔王の能力によってくすぐり攻撃を仕掛けてくる魔物や魔族などは、拘束やくすぐり攻撃の際に魔力を使って相手の魔力を封印してしまう。特にくすぐり攻撃を行なっている間はその封印の力がより強くなる。」  さっき魔力が使えなかったのはそれが理由か。 ヴァレリア 「だがたった1つだけ、魔力を封印されても抗う方法がある。それは相手に直接魔力を注ぎ込む事だ。」 紫乃 「相手に魔力をあげちゃうんですか?」 ヴァレリア 「確かに、“基本的には”相手に魔力を差し出す事になり、強化させてしまうだろう。だが、魔力によるくすぐり攻撃を行なってくる相手に魔力を注ぐと、相手の魔力と反発しあう。だからくすぐり攻撃に対しこちらが魔力を敵に注ぐ事で、くすぐり攻撃そのものを弱らせられるんだ。結果、そうする事で笑わないように堪える事ができる。このやり取りはいわば魔力の取り合いみたいなもので、敵の魔力を自分の魔力で覆う事でその魔力を自分のものにできる。それが魔力増幅に繋がりトレーニングになる訳だ。だが逆に敵に笑わされてしまうと魔力を注ぐ事が出来なくなり、相手に魔力を吸い取られてしまう。そうなれば戦う事が出来なくなってしまう。」  魔力の取り合いをして、笑いを我慢する事で魔力を増幅させる修行になる。一方で逆に魔力を取られてしまうと回復するまで魔力が使えなくなってしまい、他の敵とも戦えなくなってしまう訳か。  でも我慢する事に明確な理由があるのもまた私にとっては嬉しい要素だ。勿論くすぐったくて笑う女性が好きだけど、それまでに必死に我慢する姿もまた魅力的なのだ。特にヴァレリアさんみたいなかっこいいタイプの女性は我慢からの笑いがより映えるというものだ。 ヴァレリア 「そして敵のくすぐり攻撃をこちらの魔力で完全に制圧できれば、魔物をそのまま倒す事ができる。魔族のような連中が相手だと倒す事はできないが、代わりに魔力切れにさせて戦闘を行えないようにさせられるんだ。」 紫乃 「それで1人でも相手を倒す事が出来るんですね!」 ヴァレリア 「ただしそれが出来なければ、さっきのシノのようにくすぐられ続けてしまい、最終的に体内の魔力を全て吸い取られ戦えなくなってしまうんだ。」 紫乃 「そうならないように、仲間がいれば助け合えるし、1人でも抗えるようになるのが理想って訳ですね?」 ヴァレリア 「あぁ、だから私が見本になってそれを教える。早速 始めるから見ていてくれ。」  ヴァレリアさんがくすぐられる所をじっくり見てて良いなんて、役得すぎるなぁ。興奮しているのがバレないようにしないと……。ヴァレリアさんが罠を起動させる為、小部屋から出ようと一歩踏み出した。  あっ、そう言えば── 紫乃 「そもそも魔力って、どうやって相手に注ぐんですか?」 ヴァレリア 「えっ──」  私の質問があまりにも間抜けだったのか、ヴァレリアさんは豆鉄砲を食らったかのように唖然としてしまった。そしてそれと同時に小部屋の罠が起動し、ヴァレリアさんの手足に金属の枷が嵌め込まれてしまう。そして両足は肩幅程度に開いた状態で、両腕はまっすぐ真上に伸ばされた状態で拘束されると、すぐにその攻撃が始まってしまった。 ヴァレリア 「ちょっ……、やめっ!っはははははははははははははははははははははははははははははは待て、今は……っははははははははははははははははははははははははははははは!!」  小部屋の両側の壁から、ケーブルに繋がれた機械のアームが、ヴァレリアさんの脇腹やお腹周りをくすぐる。さっきのこちょハンドのような、くすぐりフェチが想像するマジックハンドとは違い、露骨に機械の骨組みそのまんまな手が、カキカキというような音を立てながらくすぐっている。くすぐる為の機械なだけあって、細長い指の先端は柔らかい素材で出来ており、そのビジュアルに反ししっかりとくすぐったさを与えているのだろう。  私の質問がキッカケで思わず油断してしまったのか、ヴァレリアさんは全く我慢も出来ず笑わされてしまった。あんなにかっこよかった美女が、くすぐりによって可愛く笑わされる。うん、これぞくすぐりの醍醐味である。堪らん。 ヴァレリア 「やめ、ひははははははははははははは一旦止めてくれないと、うははははははははははははははははははは抵抗できないぃいぃっひひひひひひひひひ!!」  ヴァレリアさんのような強くてかっこいい人でも、笑わされてしまうと魔力を注ぐのは困難なようで、ただただくすぐったさに負けて笑わされている。 ヴァレリア 「シ、シノ……、これ止め……あははははははははははははははははははは!!んひあぁあ!?ちょっ、ひははははははははははははははははそこは!っあははははははははははははははははははははワキはやめてくれぇへへへへへ!」  お腹や脇腹をくすぐられていたヴァレリアさんが、ワキをくすぐられた瞬間に更に大きな笑い声をあげた。私と同じでワキが弱点のようで、拘束を解こうと必死にもがいている。スタイル抜群のヴァレリアさんが、くすぐったくて堪らないと言わんばかりに身体をくねらせ、笑い悶えている。目の保養だ……! ヴァレリア 「シノぉおぉ!いっひゃははははははははははははははははははははははははは見てないで、助けてくれえぇへへへへへへへへ!!私は、あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっワキはホントに弱い、っははははははははははははははは!!」  もうちょっとこの敗北エロシーンみたいなフェチいヴァレリアさんを眺めていたいが、本当に苦しそうだし助けないと見捨てられてしまうかも知れない。 紫乃 「スラスト……!」  ヴァレリアさんの周りに風の刃を発生させ、ヴァレリアさんを拘束する枷とくすぐる機械のアームを破壊した。 ヴァレリア 「っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、た、助かった……。」 紫乃 「だ、大丈夫ですか……?」 ヴァレリア 「あぁ……、この装置のおかげで、はぁ…、はぁ…、回復できるからな……。っはぁ……、はぁ……、それより、シノ……。何でそんな嬉しそうな顔をしているんだ……。」 紫乃 「うへぇえ!?」  どうやらエロシーンを堪能し過ぎて満足げな表情が全面に出ていたらしい……。 紫乃 「すみません、命をもって償います……。」 ヴァレリア 「いや、別に怒ってはいないんだが……。」  何て慈悲深い女神様なんでしょう……。こんな私を許して下さるなんて、ありがたき幸せ……。じゃあせめて私をくすぐり責めにしてお仕置きして下さい。……お仕置きのくすぐり、エロいな。 ヴァレリア 「しかし、魔力の注ぎ方も知らなかったのか……。」 紫乃 「すいません……。」 ヴァレリア 「まあ、注ぎ方は後で教えるとして、今度こそ……実際に魔力を注ぐとどれだけ抵抗出来るのか、抵抗し続けた結果どうなるのかを見てもらうとしよう……。あまりくすぐられたくはないのだが。」 紫乃 「ヴァレリアさんもワキが苦手なんですね!」 ヴァレリア 「うぐっ……!し、仕方ないじゃないか!私だってくすぐりは苦手なんだ……!それに、わ、腋なんて誰でも弱いだろ?」  慌てながらくすぐり苦手アピールするヴァレリアさん、めちゃくちゃ可愛い。少しずつワキをくすぐって虐めたい……!やっぱりこのかっこいいの塊で出来たような美女が見せるこのギャップが堪らんのよ。 ヴァレリア 「…………もしや、私がくすぐられている姿を見て喜んでいたのではないだろうな……?」  ドキッ……! 紫乃 「そ、そんな事ないですよ〜!」 ヴァレリア 「……まあ良い。……ふぅ…………、よし、始めるぞ。」  先程くすぐられた事で少しくすぐったさに恐怖を覚えたのだろうか。ヴァレリアさんはくすぐられる覚悟を決めて、改めてくすぐり魔物との戦い方を教えてくれようと、レクチャーを始めてくれるのだった。

それはまるで私の為の異世界②

Comments

それから、こちょハンドは完全に本能で動いています(笑)くすぐってて効果がないと判断したから別の場所をくすぐった、その偶然が重なっただけですね。

こーじ

ありがとうございますm(_ _)m 常に変態思考の主人公は僕の作品にはかなり珍しいので、書いてて新鮮さとそれ故の楽しさがありますね。彼女が時にぐらになる以外は僕の思想がそのまま表現されているので、僕と似た趣向の方は特に一緒に楽しめるかと思います。

こーじ

始めは責められることへの期待だけだったのに、しだいに焦りしかなくなっていく変化に興奮させていただきました。 また紫乃の独白、「マジックハンドなんて呼ばれる“手”。それはまさに~」には強く共感してしまいました。 詳細に言語化されていて素晴らしい文章です! 刺さる作品の投稿ありがとうございます…! …ところで紫乃の発言をこちょハンドは理解していたんでしょうか?

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