SamSuka
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【供養】消すの勿体ないのであげるSS

「はい。3、2、…」

指先でイチとゼロのサインを出す。

ゼロになった瞬間に、カメラの前で二人の女優が口論をするシーンが始まる。

今回キャスティングされたのはSNS上で人気があるインフルエンサーたちだ。


ネットやスマホの普及によって色々な人が簡単にクリエイターになれたり、情報を発信できるようになった。そのお陰で広告収入や企業案件でお金が入るという形も作られて久しい。

今撮影しているのはそんな芸能人ではないが、SNS上で有名になったクリエイターたちのコラボシーンだ。


いつもは対談形式や、クリエイターの得意分野で一緒にチャレンジをするというものが多かったが今回のクリエイターはSNS上でセクシーな画像や動画を投稿している二人なので、コラボもそれに合わせた企画にしようと二人との間でまとまった。


コラボ動画を撮影するまでに二人には煽り系の動画と画像を投稿してもらった。

お互いに同じ衣装のセクシー画像や相手より自分の方がセクシーでしょとフォロワーを煽る動画を投稿してもらい、コラボの日にどちらがセクシーなのか口論した後にキスをして仲直りする。その後は別動画で一緒に食事をしながら他のインフルエンサーが居るにもかかわらずとにかくイチャつきまくるドッキリをする二本立て。


テンプレみたいな流れだが、コラボ前の煽りがバズったのかSNS上で公開した二人が直接対決をするという煽り動画は既に100万再生をされている。二人ともここ迄の再生数は経験が無かったようで、煽り動画が公開されてからは二人の挑発合戦の熱は高まっていった。


そんな熱が高まった状態での収録。

普通なら撮影前にコラボする当人同士に挨拶してもらったり当日の流れを一緒に説明するのだが、今回は撮影直前まで熱を冷まして欲しくないので別々に説明をして撮影を開始する数分前に顔合わせをして貰う事にした。


二人とも快く受け入れてくれて、撮影まで顔合わせしないという特殊な状態でシーンが始まる。

女優ではない彼女たちに演技をさせるよりも、体当たりで撮影に臨んでくれた方が良い画が撮れる。この時はそう思っていたし、結果的に間違いではなかったはずだ……。

その証拠に二人が同じソファに腰かけると部屋中にピリッとした空気が生まれる。

煽り合いで熱が冷めていない証拠だ。それを確認して、手で撮影が始まるキューのサインを出す。


二人は顔合わせして初めて目と目を合わせると少しだけ口元に笑みが浮かぶ。

「SNSでずいぶん私のこと挑発してくれたじゃない。今日はどっちが上か決めようよ」

ソファに腰かけている体を相手の方に近寄らせて、鼻先がくっつくほどに顔を近づける。

「近いんだけど。あ、近くで見ると私より可愛くないね。それを見せるためにここまで近づいてくれたの?ありがと」

「勘違いしないでよ。私の方が可愛いって事に気付けないのはやっぱり節穴だよね」


無言になる。

カメラ越しでも演技ではなくて、本気で苛立ちを覚えているという感情が伝わってくる。

この撮影の台本では本気度を描くために口論をした後にビンタをして、後は当人たちに任せて最後はキスという流れだが……。


先に動いたのは節穴と言われた方だった。勢いよく平手打ちを挑発してきた方に向けてお見舞いする。パァンと聞いているコチラも痛みを覚える音が響く。


叩かれた方が赤く染まった頬を押さえて睨みつける。

「痛いんだけど、どういうつもり」

「言葉で説明しても伝わらないから、体で教えてあげようかと思って」

「そう、そっちがそういうつもりならね!」


お返しとばかりにビンタをし返す。

自分が与えられた痛みよりももっと強い痛みを与えるかのような音が耳に響く。

自分が叩いた頬とは逆の頬が真っ赤に染まり、頬に平手の痕がじんわりと残る。

「どう?これで私の方が可愛いって伝わったかしら?」

「いいえ、全然伝わらないわ」

「なら、もう一度教えてあげる!」

「私が教えてあげるわよ!!」


交互にビンタをし合う二人。


ここから先を書こうとしましたが、全然面白くなりそうになかったので止めました。供養です。


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