今日も今日とて薄暗い路地裏で金を稼ぐ。
今の私の身体で出来得る金策といえば、妊娠し、乳の垂れ下がった小柄な【ラビッツ】を抱きたがる好色者を誘い、幾ばくかの報酬をもらうほかにない。
私を買った男はそれなりに良い身なりをしており、女の扱いも知っているようだ。
普段なら客を喜ばせるために喘いでみせてやるのだが、この男は的確に私の膣の弱いところを責めてくるから、どうにも自然と声が出てしまっている。
妊娠して数か月経ったのもあって、子宮が圧迫されて弱い部分が下りてきてしまっているのかもしれない。
ひと月前の客に色々といじくられて肥大化した乳首も、風に晒されるだけで快楽を脳へ伝えてくる。
「ああっ、君!そろそろ出そうだ…膣内に出して良いよね」
男が確認を取ってくるが、断ったところで力では勝てないし、風俗店以外で売春をする女を守ってくれるルールなどない。
「お好きなところにっ、好きなだけっ、くださいっ!」
私はいつも通り、男の好きにさせてやることにした。
その方が繰り返し買ってくれる可能性が高くなるし、妊婦を好んで抱きたがる男はそういないので、ぜひとも捕まえておきたい。
「ああっ!出すよ…【ラビッツ】の子沢山子宮に無駄撃ちする…っ!」
膣の中で男根がびっくびっくと跳ね回るのを感じる。
妊娠中の子宮は羊膜が張っているので無駄撃ちというのは言い得て妙だな、などと思いながら、私も軽く絶頂した。
「さぁ君、膣内射精させてくれたから、少しばかり色を付けておいたよ」
男は私の胎を撫でながら、袋に入った金を渡してくる。
「ありがとうございます…。あの、またお会いすることは…」
私はけなげで殊勝な、男に愛を求めて媚びる女を演じる。
こうした方が、やはり客は喜んでくれることが多い。
今日の男も例に漏れず、大変満足した様子で私の頭をなでる。
「あぁ、もちろんだとも。君さえよければ、私の屋敷で出産まで面倒を見ようじゃないか。君はとても可愛らしいから、出産の後も私の屋敷で働いてくれたってかまわない」
今までも私を囲う提案は何度もされてきたが、これほどまでの好条件は滅多にお目にかかれない。
すぐさま好い返事をしたい欲求に駆られるが、しかしがっつくような態度を取るのはよくない。
以前私を囲った者は、私が反抗しないのをいいことに、やれお前は家畜以下だの、肉便器だのと言って大層汚してくれたものだ。
ここは、見極める上でも駆け引きを持ち掛けるのが上策だ。
「私のような、素性も知れぬ汚れた女の面倒を見ていただけるなんて…しかしそれでは、貴方様のお家柄や、名誉に傷をつけてしまわないか、それだけが心配で…」
「なあに、私はちょいとおかしな貴族でね。この町にいる少数民族で、町の社会構造から外れてしまった者たちと『親睦』を深めたいと思っているのだよ」
男は奇妙なことを言い出したが、どうやら私を無闇やたらと使役するようなことはなさそうである。
「わかりました…。私でよければ、お仕えさせてください。ご主人様…」
上目遣いに、子を慈しむように腹を撫でながら、私は返事をする。
「よろしい。それでは行こうか」
男は羽織っていたマントを私に被せ、先を行く。
日が高くなった裏路地は、私たちの行為の痕跡にきらりと光を反射していた。