大野かなえです。久しぶりの更新ですね。
2020年はのっけから波乱の年となっておりますが、みなさまお元気にお過ごしでしょうか。
今日は3冊目の同人誌「桃娘奇譚」のあとがきをつづっていきたいと思います。
(※本編のネタバレを含みますのでご注意ください)
今作は今までの本と違い、原作となった個人サイトのWeb小説「桃娘(トウニャン)」が存在します。
これを元に漫画化したものが「桃娘奇譚」という訳です。
ちょこちょこ今作を描くに至った経緯をつぶやいていたので時系列でまとめてみます。
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そう、事の発端は10年前に読んだ沙村先生の漫画「ハルシオンランチ」です。まさかあの時これを読んだがために、本を1冊描くことになるとは夢にも思いませんでした。
「桃娘」の都市伝説にハートを貫かれた私は、その時点でいったん漫画を閉じ、Googleで「桃娘」を検索しまくりました。漫画で登場するくらいだからさぞや有名なのかと思いきや、地域や年代などの新しい情報はほとんどヒットしませんでした。(あくまで都市伝説なので当然かもしれません。)
その中で、創作小説としてヒットしたのが無屁吉氏の「桃娘」でした。
最初から最後まで、実に理想的な「桃娘」でした。もう本当に最高に完璧でした。沙村先生の「桃娘」は「処女性が大事なので性交渉はしない」とありましたが(それはそれでおいしい)そんなのは些末なことだと思わせるだけの力が無屁吉氏の「桃娘」にはありました。
結局、「桃娘」の都市伝説については何も分からないまま、理想の創作物を見つけて満足し、「ハルシオンランチ」を読了したのでした。(「ハルシオンランチ」はヒヨスとトリアゾのキャラデザが神がかっています。ど真ん中ストレートです。)
その後も時々思い出しては無屁吉氏の「桃娘」を読み返し、やはりいい、素晴らしいとニヤニヤするのを繰り返し、10年が経ちました。
当初から感じていた「この小説にビジュアルがついたらものすごいだろうな」という思いがどんどん大きくなり、また自分が漫画を描くようになっていたのもあり、恐れ多くも漫画化のお許しを乞うに至りました。
無屁吉氏の個人サイトが10年以上生きていて、かつ使用中のメールアドレスを載せてくれていたのが奇跡でした。私は昔ながらの個人サイトやブログを多数ブックマークしていますが、「サービスを終了しました」「このページは存在しません」「404 Not Found」の嵐です。「桃娘」もいつか突然読めなくなってしまうかもしれないとずっと恐怖していました。インターネットは儚い。
メールの返事が来た時は、まず届いたことが嬉しくて叫んでしまいましたね。
さて、漫画化のお許しがもらえたので、まずキャラデザをしました。
桃娘の容姿について「長い髪の毛を編みこみ」とあったので、(三つ編みなのかな?)(でも三つ編みは中国っぽくないなあ)と思い、中国っぽいお団子頭とのハイブリッドにしました。(この時は非常にニッチなものを描いていると思っていたので、ビジュアルだけはとにかく分かりやすいよう心掛けていた)
その後ネームを描いていると、慣れない舞台なので資料が欲しくなってしまい、いろんな「中国っぽい」画像をたくさん集めました。
こういう資料は直接使わないものであっても、雰囲気を掴むために重要だと思っています。
今作は桃娘の存在と生き様を際立たせるために、相手のおじいちゃんをしっかり描かねばいけないと思い、絡みや引きの絵を多用したネームを描きました。
原作のあの、淫靡で、しっとりと風情のある、時に荒々しいプレイを再現できたとはとても思えませんが、これはもう原作とは違うのだ、コミカライズなのだと割り切れば、できる限りのことはやったと言えるでしょう。特にオチの部分と読後感は自分でも気に入っています。
ちなみに、今作にはオマージュ的に沙村先生の「桃娘」要素が散りばめられています。「ハルシオンランチ」をご存知の方にはニヤリとして欲しいです。
(オマージュが分かりやすいコマ)
(ネーム→下書き→仕上げ。大体ネームの絵まんまです。)
今作は、今だから言えますが、少部数をC98の会場限定で頒布するつもりでした。
理由はいろいろありますが、大きい部分はやはり需要がない、売れないと思ったからです。描き慣れてないロリ、爺攻め、中国が舞台、死ネタ…要素だけ見ると売れ線からは程遠いと思います。でも自分は「桃娘」を心底素晴らしいものだと思っていて、例えお金にならなくても描きたいと思って、描きました。今までの本も描きたいから描いてましたが、それ以上に100%趣味の産物です。
ところがC98は開催中止となり、現在まで即売会は開催されていません。原稿の完成が見えてきても他に頒布する術がなかったので、書店委託をお願いすることにしました。
しかし、いざ予約を受け付けてみると…
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予想を超える反響がありました…(エアコミケの時期を外した閑散期であったり、とらのあなが予約を閉めていたためメロンブックスに注文が集中したり、実力以外の部分も大きいですが…)
ランキングなんて自分には縁がないと思っていたので、フォロワーの方に教えていただいた時は寝耳に水でした。「自分の描いた本が1位だった」というよりは「桃娘に魅力を感じるのは自分だけではなかった」というのがすごくすごく嬉しかったです。同志がいることの喜び。
さらになんと、畏れ多くもアキバBlogさんでご紹介いただきました。
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(ここまで行くともう現実味がなくて人ごとのように感じる…)
思えば、やろうと思えば出来たのに漫画を描いてこなかったのも、「自分にはどうせ出来ない」という思い込みがあったからでした。何事もやってみなければ分からないのに、自分で自分を、自分の感性を見限ることの愚かさをつくづく感じています。
これからも、今まで以上に自分の欲求を大事にして創作していきたいです。
最後に、無屁吉様、素晴らしい小説を書いてくださり、また漫画化を通してかけがえのない体験をさせていただき、本当にありがとうございました。
今後もHPが存在する限り、時々読み返しては、ニヤニヤしたいと思います。
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『桃娘奇譚』は書店委託が始まってます。
とらのあな:https://ec.toranoana.jp/tora_r/ec/item/040030836688
メロンブックス:https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=677542
DL配信も始まりました。
FANZA:https://www.dmm.co.jp/dc/doujin/-/detail/=/cid=d_181497/
大野かなえ
2020-11-20 23:27:15 +0000 UTCりるす@休止中
2020-11-14 00:01:32 +0000 UTC