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鷹取リュウゴ
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デュアルVRインキュバス 6

6淫魔オーファルの誕生    7月末、天気予報で台風が接近していると言っていた。 まだ梅雨は明けていないらしいし今年の夏はどうなってんだ? と不思議に思っていたら接近から上陸へと表現が変わっていた。 「予報では明日あたり上陸するんだったか?」 雲の流れが早い。風も少し強くなってきている。  あれから兄貴はアパートに戻ったきり家には顔を出していない。 『闇チップ』について確かめてみたかったが、このままうやむやにしてしまいたい気持ちの方が勝ってしまい、最終的には自分からアクションを起こさずとも良いのでは? との結論に至っていた。 「よくよく考えたら兄貴の言う『闇チップ』が必ずしもクライムからのモノとは限らないんだしな」 兄貴の件とは別の方向から驚きのニュースがもたらされていた。 俺が『MFW』からログアウトしてる時に大輔と奈義先輩との二人だけで直接話す機会があったと言う―― 『はぁ? 奈義先輩の転校理由って、ソレなんすか?』 奈義先輩が急に転校する事になった本当の理由は陸上部のコーチと肉体関係を持っていた事が学校サイドにバレてしまったのが主原因だったらしい。 「最初に言っとくけど誘って来たのは俺じゃない。コーチからだぜ?」 ともあれ、学校内でイカガワシイ行為をしている所を押えられ、コーチは即罷免、つまりクビ。 奈義先輩も退学処分になるところを大人の事情により「穏便に」済ませるため転校を示されていた。 「ウワサに尾ひれがつく前に奈義先輩を追い払った、ってのが見え透いてるよ」 大輔は奈義先輩を慮って憤慨していたが、世間の目から奈義先輩を守る意味も含めて退学処分ではなく転校と言うカタチで収めようとしてるんじゃないか、と俺は睨んでいる。 ともあれ、奈義先輩は転校に伴って引っ越しもしていて、それで『MFW』へログインするのが難しくなっていたようだ。 「でも、あれだけ毎日セックスしまくってた先輩が数日おきなんて、よく我慢できるな」 自分や大輔のことは棚に上げて素朴な疑問を口にした。 マイルームで俺のデカマラをニュプニュプ舐めていた大輔、いや、淫魔・シグレスがふっと顔を上げた。 「この前、部室におきっぱだった荷物を取りに来た奈義先輩から聞いたんだが、新しいチップを手に入れたらしくて随分と元気そうだったな」 「新しいチップ?」 「なんか、『闇チップ』って言ってた」 「えっ!?」 「最近、俺のフレさんの中にも『闇チップ』を使い始めた、って言う人がいてさ、俺もどんなチップか気にはなってんだけど、裏チップよりも手に入れるのが難しいみたいじゃん?」 奈義先輩も『闇チップ』を手に入れていたのか。しかも、実際に使っているみたいな感じだ。 午後から出かける用事があると言うので昼前にシグレスとのセックスを一旦終えて『MFW』からログアウトした俺は、 机の中にしまいこんでいた『闇チップ』を改めて取り出してみた。 「奈義先輩も手に入れてたんだ。やっぱ俺も一度くらいは試して見てもいいかもな」 窓がバタバタっと鳴った。 風が強まってきたようだ。 台風が接近してきたのが肌で分かる。空はいつ雨が降ってもおかしくない雲模様だ。 スマホにも自治体からの「警報メール」が飛び込んでいた。 【風雨は夜間に向けて強くなる予報が出ています。市民の皆さまは明るい内に備えをお願いします! 屋外に風で飛ばされそうな物を置かないで下さい! 今後の気象情報に十分注意しましょう】 淫魔・クライムに会って『闇チップ』をもらったのは10日前。今日もクライムは『MFW』の中で誰かに『闇チップ』を渡してたりするんだろうか? 奈義先輩が元気そうなのは『闇チップ』で気持ちいいヴァーチャルセックスを楽しめているから?  ビビって封印する事にしたけどそこまで大袈裟なモノじゃないのか? だったら―― 俺は『闇チップ』を額に貼り――「ん゛ぐぅっ?」 額に触れた途端、『闇チップ』がメリメリと皮膚の中にまで潜り込んで来た! 思わず一旦剥がそうとしたけれど全然剥がれない! 何なんだこのチップは! 痛みは全く無いけどやっぱこれヤバイやつだと後悔したが、取り外せないから後の祭りだ。 ほどなく、『闇チップ』は俺のカラダの一部になってしまった。 不思議なのは額に意識を向けると『闇チップ』を皮膚で隠せるようになっていた事だ。まるで眼球を覆うまぶたみたいに 自分の意思でメリィと皮膚を開いて『闇チップ』を露出させられるし、その逆の動きも可能。 皮膚を閉じてしまえばまったく『闇チップ』がそこに貼りついているようには見えない。裂け目すら消えてなくなるのだ。 こんな奇妙なチップなのだから恐怖して当然なんだが、なぜかあまり恐ろしくない。不安も感じない。 貼りつけた時に浮かんだ後悔も霧散していた。 「なんだ、ただ単に『剥がせない』だけじゃん。人目に触れない様隠せるんだから何も問題ないじゃん」 ゲームアプリを起動させ『MFW』にログイン。俺のアバター「淫魔・オーファル」に変身した。 「おお~! 確かに裏チップより全身の感覚が鋭くなっているな! 角も尻尾も触れただけで気持ち良い!」 ムラムラと性欲が高まった。オナニーも良いけどせっかくゲームの中にダイブしているのだから他のプレイヤーと熱く濃厚に交尾したい。 『闇チップ』がどこまで俺を感じさせてくれるかテストしてやりたい。 「シグレス(大輔)は、あ~、まだ帰ってないだろうな。アイツ確か親戚のお見舞いで静岡の病院に行くとか言ってたしな」 フレンド登録しているナギー(奈義先輩)もログインはしていないようだ。 他のフレンドたちも何故か全員出払っている。股間はますますバッキバキに勃起して今すぐヤりたい、と俺に訴えている。 「ああ~! 早くセックスしてぇ~! ナマちんぽを嵌め合いてぇ~! ケツ穴の奥までごりっごりに犯されてぇ~!」 まさに「求不得苦」の苦しみを俺は味わっている。 オナニー程度じゃ収まりそうにない肉欲が俺の中で燃え盛っている。 こうなっては仕方がない。マイルームから外に出て自分から相手を探しに行くしかない。 先走りを漏らしまくっているチンポを隠しもしないでフルチン全裸でゲーム世界の街並みを歩く。 ここまで「飢えた」状態でセックス相手を探すなんて初めてだ。 見た目とか一切問わない! 誰でもいいから俺とセックスしてくれ! この際だ、NPCでも構わない! なのに、なのにだ……、誰一人見当たらねぇじゃねぇか! 【台風の接近に伴いプレイヤーの皆さまの安全を第一に考えた結果、台風が通過するまで『MFW』を閉鎖する事に致しました。恐れいりますが速やかにログアウトしてご自身を守る行動をしてください。15分後に『MFW』を閉鎖します】 いきなり俺の目の前にウィンドウが開き、こんな緊急終了メッセージが表示された。 「まじかよぉ~! タイミング最悪だ! ちっくしょぉぉーーーー!」 街並みに他のプレイヤーどころかNPCも誰もいない理由がここでようやく俺にも理解できた。 俺がログインする前にも緊急終了のメッセージが流されていたのだろう。 つまり俺は間の悪い事に他のプレイヤーがログアウトしたのと入れ替わりにログインしてしまったのだ。 いずれにせよあと15分で『MFW』から俺は追い出されちまう。粘ったところで意味は無い。接近中の台風を恨む以外、 俺にできる事は無いのだ。 全くちんぽを慰める事できないまま、持て余す性欲を抱えたまま、俺は『MFW』から泣く泣くログアウトした。  「は? おいおいおい? どうなってやがる?」   ここはリアル。ここは現実世界の俺の部屋の中だ。 ゲームアプリを閉じたスマホもある。窓から見えるのは一面の雨雲だ。普段着ている部屋着も、クリーニング屋から戻って来てハンガーに掛けられたままの制服だってある。 なのに俺のカラダは、俺の姿は、淫魔、インキュバスの「オーファル」のままじゃないか! 「あり得ねえ……」 ムキムキの肉体と超巨根。角も尻尾も確かに存在する。鏡にだって映っている。 混乱した。 俺はもう元の姿に戻れないのか? 「雄々原 陽一」としての人生を歩めなくなったのか? この先どうやって生きて行けばいいんだ? 不安と疑問が「雪だるま」式に膨らんでいったのだが、萎えないチンポがビクンと弾んだ瞬間、その「雪だるま」はドロリと融け、むしろリアルでも淫魔でいられるのならセックスに困らないじゃないか? とのワクワクに切り替わった。 「そうだぜ……、こっちなら男が居るじゃねぇか。ヴァーチャルじゃないリアルの男がよぉ」 チンポがもの欲しそうにドロリと涎を垂らす。 額がチリリと熱を帯びたので意識を向ければ皮膚がクパァと裂けて内側から黒い『闇チップ』――では無く、黒い魔眼が ギヌロ、とせり出した。 「こいつは……。となると、ゲーム内みたいにスキルも使えるってか?」 淫魔のキャラクターは誘惑のスキル以外にも催淫や精力増強などのスキルを持っていた。 ただ、そんなスキルを使わずともゲーム内ではすぐに相手が見つかっていたし淫魔同士でセックスする場合はスキルを使う必要が、出番が全く無かったのだ。 空間をトントンと叩いてウィンドウを出す。 「フォン!」と微かな音を立ててウィンドウが現われた。 スキルの項目は「魔術」と言う名前に変わっていたが、誘惑や催淫以外にも多くの「魔術」を使えると知った。 「結界? ああ、見えない壁で周囲を遮断するのか。 空間転移、へぇ~、瞬間移動も可能か。こいつは便利だ」 リアルで淫魔となった事で使えるようになった「可能性」を一つずつ確かめ、確認するたびに俺は笑みを浮かべた。 「おおよそは掴んだな。うしっ! じゃぁ、次は行動に移してみよう!」 チンポが嬉しそうにチュプンと先走りを吐いた。 ◇  結界でカラダを覆うと周囲の人間の目には触れられなくなる。 素っ裸の淫魔な俺が空間を転移して繁華街に来たものの道行く人間は誰も俺を見ていない。認識できていないのだ。 肩がぶつかってもまるで何事も無かったように通り過ぎてしまう。 場所を移動して駅前に来た。 接近する台風の影響を避けて早めに仕事を切り上げた人々が帰宅を急いでいた。 そんな中にひと際「美味しそう」な人間を見つけた。 グレーの作業服の上からスタジャンを羽織った金髪兄ちゃん。ちょっと悪ぶった装いだけど童顔の美少年系の可愛らしさは隠せていない。 結界の中にそいつを取り込み、俺を見て腰を抜かしそうになっている所を誘惑と催淫でもって俺に欲情させる。 「……あれ? 術は掛かっているのに勃起が不完全とは?」 メンタルスキル――じゃなく心理操作魔術を使ってそいつの本性、本音を吐き出させる。 「ふうん? 女としかセックスした事が無いんだ? 男じゃ勃たないのか」 だったらそいつの深層心理に潜り込み、魔術でそいつの中の女への性欲を根元から「男」に切り替える。 女とセックスした記憶も興味も欲望も、ごっそり丸ごと溶かしてそいつの精神の外に吐き出させる。 これで完全にそいつは男としかセックスできない人間に生まれ変わった。 ついでに深層心理に俺への服従と隷属を刻み込み、再び覚醒させる。 「俺はオーファル様の忠実なる奴隷! オーファル様とセックスする事が至上の喜びっす!」 淫魔になっている今の俺とじゃ年齢差は感じられないけど、リアルでは10歳くらい年上の兄貴が地面に額ずいて俺に頭を下げている。 面白ぇ……。超気持ちいい……。好みの人間を俺の支配下におくのがこれほど愉快とは! 「名は? 挨拶はまず名前からだぞ?」 「俺は『朝霞 清介(あさか せいすけ)』っす! 25歳! 金魔羅(かなまら)鉄工所に勤めてます!」 「よし。では清介、早速俺とセックスを……あ、ちょっと待ってくれ」 家路を急ぐ人並みの中にもう一人、「美味そう」な男を発見した。 シャレた黒縁眼鏡を掛け帽子を被っている男だが顔も体格も申し分ない。身長は190cm近くあるのではないだろうか。 俺は清介にしたのと同じようにすぐさま新しいそいつも俺の性奴隷にしてやった。 「ご主人さま! 俺は清瀬 岳(きよせ がく)と申します! 23歳です! 劇団EXEO(エクシオ)で俳優をやっています!」 清介も岳も体格が良いのはジムで鍛えているからだと言う。 「では二人とも。俺にその肉体を使って奉仕せよ。精力は俺が何倍にも増幅させてやるから安心してイキまくるのだ」 「はい!」 「了解!」

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