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鷹取リュウゴ
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生皮鬼 7

7邪鬼と邪気  「ウウ~、グフルルルル……」 本棚の奥から現われたソイツは制服を着てるから明らかに賀名生学園の男子生徒なんだろうけど、両眼が異様に開き切って真っ赤になっているし、 破れて袖が無くなっている肩から突き出た両腕「だけ」がとんでもなくデカくて、左右の肩から胴体が生えているみたいだった。 「せ、先生っ! 何すかアイツ! 何であんな腕だけバケモノみたく膨らんでるんすか!」 「ヤベーよアイツ! 様子がおかしいって!」 「ああ! 思い出した! あいつ、水泳部の浜沖(はまおき)だ! この頃部活をサボりまくってるって更衣室で先輩たちが嘆いていた奴だ!」 龍騎は男子シンクロ部だけど水泳部と同じ更衣室を使うから自然と水泳部員たちと触れあう事も多い。 「あ~、なるほど。確かに浜沖だな。修哉、壮平、龍騎、お前ら鬼の皮はどこだ? 今どこにある?」 生駒先生も龍騎に言われてようやく相手が浜沖だと気付いたようだ。それほど普段の浜沖とは異なっている。 「俺はここです。鞄に入れて持って来てます!」 朝からずっと小さく畳んだ状態で鞄に入れている。 壮平と龍騎は「家に置いて来ました」と先生に答えた。 「手元に無いのは致し方ない。明日からはできるだけ肌身離さず持ち歩くようにしてくれ。いつ何時必要になるか分からないからな」 「グルルアアアアアーーーーッ!」 先生との会話を断ち切るように浜沖が唸り声を上げながら俺に向かって突進してきた! 「修哉! 危ねぇっ!」 「うわぁっ!? ―ってぇ!」 ズガガガ! ガコンッ! バキバキッ! メキャ…… 咄嗟に先生が俺を突き飛ばしたお陰で浜沖の猛烈タックルを交わす事ができた。 「修哉! 大丈夫か?」 「は、はい……、先生のお陰で、なんとか……」 浜沖は空の本棚を何本もなぎ倒し崩れた棚の下敷きになってしまった。普通の人間であれほどのパワーが出せるだろうか? しかも、自分自身まで大怪我をするかも知れないのに、速度を落とさずノーブレーキで書棚に突っ込めるなんて! 「先生! 俺、誰か呼んで来ます!」 「待て! 壮平! 絶対にドアを開けるな!」 「で、でも!」 「浜沖はここで浄化してやらねばダメだ! ドアを開ければ錯乱状態にあるアイツは俺たち以外の人間を襲いかねん!」 「浄化? そんなのどうやって?」 「説明は後でしてやるから、修哉は今すぐ鞄から鬼の皮を取り出しそいつを身に付けるんだ」 「そんな事をして何に……」 「だから説明は後だと言っただろうっ!」 生駒先生の気迫に押され、俺は思わず鞄から小さく畳んだ「皮」を取り出し、その「皮」を拡げて行った。 「急いでくれ! 早く!」 拡げた鬼の「皮」はするすると制服の袖の中から下着の下へと潜り込み、俺の皮膚を覆いながら俺と一体化していく。 ああ~、やっぱ気持ちいい! 俺の皮膚と密着した鬼の「皮」がヌチヌチと混ざり合って融合していく! 気持ち良くってテンションが最高にアガるぜぇ! 倒れた本棚を押し退け埋もれていた浜沖がゆっくりとカラダを起こす。 あれだけ激しくぶつかって行ったのに怪我一つしていないのか? 痛めた様子もなくまたもや俺たちを睨んでいる。 そこに、傾いていた別の本棚がグラッと倒れ掛かった! ――バシンッ!! 浜沖が胴体みたいな太い腕を前に突き出すと本棚は粉々に砕けてしまったのだ! 「ま、マジかよ……?」なんて凄まじい膂力だ! あの巨腕は見かけだけじゃなかった! 壮平が唖然とし、龍騎が言葉も無く立ち尽くす。 生駒先生は丸イスを掴んで盾のように座面を浜沖に向けていた。 「くっそぉ、初っ端からこんな強い邪鬼を相手にするなんて。運がいいのか――ハァッ!」 またもや浜沖が俺たちに向かって突進! しかも、空の本棚を掴んだまま! だけど、生駒先生が持っていた丸イスを使って浜沖の軌道を逸らしおかげで、反対側の本棚へと飛び込んで行った。 「――それとも運が悪いのか、ってなぁっ!」 三度こっちへ向かって来た浜沖の足を払った先生。浜沖はゴロゴロととんでもない勢いで転がって行き、もはや本棚とは呼べない板切れの山に突っ込んだ。 この時、俺は全身が鬼の「皮」に覆われ、赤い肌を持ち筋肉隆々たる一本角の鬼、「カギロイ(陽炎)」へと姿を変えたのだった。 「修哉! 間に合ったか! では、早速で悪いが浜沖を浄化し、正気に戻してやって欲しい!」 生駒先生はそう言うけど、やはり俺にはどうしたら浄化ってのをできるのかがさっぱり分からない。 『そりゃぁ、そうだろう? 修哉にはまだ渡していない知識だしなぁ』 「その声! カギロイ?」 俺の口から「俺ではない」声が出てくる。 『ふぅん? お前があの勇士の子孫? ま、確かにアイツの匂いが微かにするなぁ』 カギロイの目が生駒先生をじろりと睨む。 「俺の事なんてどうでもいいんだ! それよりも浜沖を助けてやってくれ! アイツに憑りついた邪気を浄化してくれ! 頼む!」 先生がまた浜沖の突進を躱した。けれどさっきよりも明らかに先生の動きは鈍くなっている。逆に浜沖はますます猛々しい唸り声を上げ、態勢を立て直してから攻撃行動に移るまでの時間が早まっているような気がする。 このままでは先生が浜沖の突進をまともに食らってしまうのも時間の問題だ。 「カギロイ。このままじゃ俺も先生も壮平も龍騎も、みんな酷い目に遭っちまう。それに、浜沖は邪気ってのに憑りつかれて正気じゃないんだろう? だったら、アイツだって好きでこんな事をしてるんじゃないのかも知れない」 『だとしたら? 友達でも無い相手に修哉、お前は力を貸してやるのか?』 「……今は友達じゃないけど、これからなれるかも知れないじゃん? それに、俺は浜沖に恨みなんて無いし、見捨てる理由も無い。 しかもアイツさ、よく見たら泣いてんじゃん。赤い両眼からぽたぽた流れ出てるのって、血のようだけどアレってアイツの涙なんだろう?」 浜沖が泣いている理由。それは俺には分からないけど本当は俺たちを攻撃なんてしたくないんじゃないか?  少しは俺たちを痛い目に遭わせてやろうって意地悪な気持ちがあったのかも知れないけど、自分も大怪我じゃ済まないほどの無茶な攻撃を仕掛けてくるなんて、浜沖はそこまで望んでなんかいないんじゃないか? 「……まぁ、マジで俺をぶっ殺してやりてぇって思っているかも知んねぇけど、それでも何で俺を殺したくなったのか一言説明くらいはして欲しいじゃん?  訳分かんねぇままやられるなんて俺は嫌だし。そこまで憎まれる理由があるなら聞いてみたくなるだろ? なら、まずは正気に戻ってもらわないと」 そう。 俺が浜沖を何とかしてやりてぇと思う本音の部分は、随分と身勝手でわがままな気持ちからだ。 生駒先生に頼まれたからではなく、壮平や龍騎を守るためではなく、浜沖を救いたいからでもなく、真っ赤な涙を流してまで 俺に突っ込んでくる理由を知りたくなった。 浜沖と今後、友達になれるかどうかなんて、本当はどうだっていい事なんだ。 「……理由を、知りたい」 『うっし! 修哉の赤心、しかと聞いたぜ! そんじゃぁまぁ、こっからは俺に任せな。あの程度の邪鬼なんざ俺の敵じゃねぇ』 生駒先生や壮平たちを後ろに下げたカギロイは、前面に立って浜沖と対峙した。 左肩に「陽」、右肩に「炎」の文字が浮かび、銀色のリングピアスが付いている乳首や臍周りには黒い紋様が現われた。 『修哉の言葉、聞こえたかぁ? 攻撃してくるのは構わねぇが、一言くらい理由(わけ)を聞かせろ、――ってなぁっ!』 浜沖の突進よりも早いスピードで移動したカギロイが、あっさりと浜沖のバックを取った! そうして浜沖のカラダをうつ伏せにして床に押さえ付けかたと思うと背中に腰を下ろし、モンスターみたいな巨腕の手首を掴んで後ろへ「軽く」引っ張った。 ―バキ! ゴキン! (うわ! いきなり両腕の骨を折ったのか!?) 『心配すんな。折れちゃいねぇ。厄介そうな腕の関節を外しただけだ』 巨大な両腕が動かせなくなっても上体を起こして暴れようとする浜沖。痛みを感じていないのだろうか? 背にどっかりと乗るカギロイに足を撥ね上げガンガンと踵をぶつけ「後ろ蹴り」を入れてくる。 『お~お~! まだ威勢が良いなぁ! ならば脚の関節も外してやろうかぁ?』 その時、獣のような呻き声ではなく絞り出すような声で小さかったけれど浜沖自身の声が耳に届いた。 「い゛、嫌だ……、俺は、ぁ゛、邪鬼になんか、なりたかねぇ……。俺の、カラダ、は、……俺の、モノ、……だ!」 『ああ、そうだ。お前のカラダはお前の物だ。――で? どうする? このままじゃ確実に意識もカラダも邪気に飲み込まれ、お前は完全なる邪鬼に、この時代の言葉で言やぁ邪悪なモンスターってのになっちまうが? それでもいいのか?』 カギロイは俺の記憶を読んで現代の言葉や表現をすっかり学び終えていた。 「良……くねぇ、モンスター、なんかに、なるくらい、なら、……死んだほうが、まし……」 浜沖が全身を震わせ血のような赤い色では無く透明な「本当の涙」を目から零してカギロイに懇願した! 「こんな俺はい、……嫌だ! 邪鬼、に、なっちまうくらいなら! 殺して、クレ! オ、オレハオレノ、ママデ……イ、タイ」 語尾は小さくて聞こえなかったが浜沖の望みは確かに受け止めた。 「ギャーハハハ! ザーンネンデシタァ! コノカラダハ、モウオレノモノォ! ダレニモワタサネェ! コノニンゲンハ、カンゼンニ邪鬼、『カイナギ(腕戯)』様ニウマレカワッタノダァァーーーーーッ! ゲヒャーハハハハッ!」 明らかに浜沖の「声」じゃない。「カイナギ」と名乗った邪鬼のものなのか? 声だけなのに臭い息まで感じられそうな「濁声」だ。 しかも、さらに浜沖は異形の度合いを高めていくではないか! 額の両端から歪に曲がる角が生え、背中の骨がゴキゴキと飛び出てノコギリのような列状突起を作った。 手の平が大きくなり鋭い爪がにょきにょきと伸びる。 『おい待てやゴルァ゛? 俺様でさえ修哉のカラダを奪うのは断念したってのに、三下の邪鬼風情が何をほざいてやがる?  んなクソつまんねぇお前ごときにゃ前戯は無しだ。いきなり痛~いのを一発、お見舞いしてやっから覚悟しろってなぁ!』 カギロイは浜沖の背に乗ったまま浜沖の太ももの上まで腰をずらし、股間から聳えている巨大なイチモツを浜沖の尻の谷間にズブグニュ! と突き付けた。 (ちょ!? ナニしてんだよカギロイ! 浜沖のケツにチンポをぶち込んでどうすんだよ!) 『ナニ、って浄化に決まってんじゃねぇか。 本来ならもちっと愛撫したり解してやったりして雰囲気を出してから優しく犯してやるんだが、クソ生意気な邪鬼相手にそんなのもったいねぇ! お愉しみは一切無しでとっとと終わらせてやんよぉ! 少々痛ぇのは仕方ねぇってなぁ! ――ヌフゥンッ!』 ぐっと腰を押しつけると浜沖のスラックスは衣服の役割どころか薄紙ほどにも抵抗できず、カギロイのチンポに貫かれてズブブと浜沖のアナルへ挿入っていくのを許した。 「ゲヒャ!? グァァッ! ハァァァーーーーーーーーーー! 尻ガァァアーーーッ! ヤ、メロォォォォォーーーーーッ! ヒギャァァァァァァーーーーーッ」 邪鬼の断末魔の叫びガ響き渡る。ああ、やっぱりカギロイの巨根をいきなりぶっ挿されたら、異形の邪鬼でもキツいよなぁ?  アナルまでモンスターとは限らねぇし。 もがき苦しむカイナギに構わず、カギロイは腰を前に進め、さらに激しく深く、チンポをピストンさせて浜沖を翻弄する。 すると、苦悶の表情だった浜沖が見る見るうちに快感によがる淫乱な顔になっていった。 「フワ! アヒィィ! ソンナ! アアアッ! バカナァッ! ナゼ! ナゼ、コンナニモ! キモチイイ、トカンジル?  コノニンゲン、イマノイママデ、ケツナンテ、ツカッタコト、ナイノニ! ナゼ、ココマデカンジルノダァァァーーーーーッ! アッ! イヤダ! イク! モウダメダ! マッテ! ソ、ソンナ! モウ、ムリ! ムリィ! イク、イクイクイク! アヒィィィ! イックゥゥーーーーーーーーーッ!!」 ――ドビュ! ビュルビュル! ブビュゥゥーーーッ! ビュビュッ! ドブ! ブビュ! ドッビュゥゥ! 思わずケツを高く上げた巨腕の邪鬼「カイナギ」が、断末魔のような喘ぎ声と共にチンポの先から白い体液を大量に放出してイク。 床に白い液体がビチャビチャとぶち当たった。 『ぃよし! 俺もイクぜぇ! たっぷり俺の精液を食らいやがれぇ!』 股間の根元に集まった熱い雄のマグマが込み上がって来て、チンポの先からカイナギのアナルへドバドバ種付けする快感をカギロイと共に俺も味わう。 人間ではとても出せないような大量の精液を何発も何発もカイナギに注ぎ込み、カイナギの腹が精液によって膨らんでしまう。 『ほい、一丁上り、ってな!』 精液を射精し切ったカギロイがケツからチンポを引き抜いて立ちあがった。 絶頂の快感で気を失っている浜沖、いや、「カイナギ」のケツの穴はカギロイによって無理矢理こじ開けられたせいで肛門が開いたまんまになっていた。 そんな紅い肉色の穴の奥からゴポッ、ゴプッ、と時折粘液が出口までせり上がって白濁色を覗かせたが、すぐにそれも奥へ引き込まれて見えなくなっていった。 『んで? 邪鬼の皮はどうする?』 「へ? それってどう言う意味?」 カギロイが答えるよりも前にカイナギの背に裂け目が生まれ、その裂け目の中から浜沖がズルンと吐き出されたのだ。 「うわわわ! え? ど、どうなってんの?」 まだ目を覚まさない素っ裸の浜沖の下で、抜け殻となった邪鬼は急激に萎んで一枚の平べったい「皮」と化した。巨大な腕や歪な背、長い爪などカイナギの特徴は「皮」には見えない。 単なる肌色の全身タイツみたいになってしまった。まるでカギロイ達「鬼の皮」のように。 「え、ええっと、どうしたらいいのかな? 先生? 生駒先生~?」 カギロイから体の支配権を戻してもらった俺が背後にいる生駒先生の方に向くと、先生は股間を抑えて背中で息を吐いている。 何かあったのか? と、壮平や龍騎を見てみれば、二人とも先生と同じように股間を押さえて顔を赤く染めていた。 「い、言い伝えで聞いてはいたけど、ここまで求性鬼がエロいなんて、な……、うっ! ま、またイク! うううっ!」 生駒先生の背中がビクンビクンと震えている。 つまり? 先生はカイナギのアナルにカギロイのチンポをぶち込んでアナルセックス……、ではなく「浄化」している様子に興奮中して、射精までしてしまったと? そして、壮平も龍騎も、スラックスの股間部分に黒々とした「染み」が浮かんでいるんだが、先生同様イってしまった、と。 『ま、普通の人間にゃ刺激が強すぎる光景だったようだな?』 俺の中でカギロイがニヤッと笑った。


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