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鷹取リュウゴ
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インスタントペニス 1

1掘り出し物  いつも立ち寄るコンビニが棚卸作業との事で夕方から閉店になっていた。 ここで夕飯を買って帰るつもりだったので少々困ったものの、駅まで戻らなくとも少し周り道にはなるがもう一件コンビニがあったのを思い出した。 記憶を頼りに数分歩く。 あった。 良かった。 こっちは普通に営業中だ。 規模や品ぞろえなどはほとんど同じで、いつも手にする唐揚げ弁当も当たり前のように入手できた。 内装や雰囲気まで同じ店じゃないかと思えるほどで、目を瞑ったままこの店に入ったなら、きっといつものコンビニだと勘違いしてしまうだろう。 ともかく、今夜も飢えずにメシを食べられるのはありがたい。 早く部屋に戻って空腹を満たさねば、と歩きだす。 「あれ? こんな場所にリサイクルショップなんてあったんだ」 駅近くでも無い住宅地の一角。さっきも通った筈なのに見覚えが無いのはコンビニしか眼中になかったからだろうか。 小さい店舗ながら古着やバッグの他に電子レンジや炊飯器、壁掛け時計や玩具などが所狭しと置かれている。 でも、それだけであったら特に気にもせず再び素通りするだけなのだが、「店舗移転につき全商品半額セール」と言う張り紙が目に留まったもんだからつい足を停め店内に入ってしまった。 バイト風の若いスタッフが俺を見て「らっしゃい」と一言告げただけで後は放置。 このほうがありがたい。 懐かしいアニメキャラのフィギュアや結構最近公開された映画の入場者特典なんかも棚に並んでいて、 ついつい衝動的に買いたい気分が湧きおこる。 しかし、そんな無計画な購買欲を理性で薙ぎ倒しつつ他には何があるのだろうか、とチェックしていくと、 ふと奇妙なタイトルの商品を発見した。 「インスタントペニス?」 アダルトな臭いのする商品名だ。店内に他の客や女性がいたなら手に取るのも憚られて見なかった事に してしまいそうなブツではあったが、幸いにして俺と男のスタッフしか店にはいなかった。 ジョークグッズなんだろうか? 小さい箱を手にとって裏面を見た。しかし、商品名以外の記載は無い。 「あ、良かったらそいつはタダで差し上げます。引き取った覚えがないのにいつの間にか紛れ込んじまってて。 丁度処分に困っていたんですよ」 タダでどうぞと言われて、「はい、そうですか」ともらっちゃっていいのだろうか? どうしたものかな、と考えていると俺を安心させようとして若いスタッフが念押しをする。 「そいつは未使用みたいなんで大丈夫っすよ。封印のシールだって、ほら、ちゃんと残ってるでしょ? ウチでも一度も開けていないんで中身がどんな物なのか知らないんですけど。 タイトル通りどうせエロいオモチャかなんかだろうな、って想像できますしね」 その後も「ウチは基本的にエロビデオとかアダルトグッズなんかは引き取りしないんですよ。18禁のショップじゃないですしね。 なんで、お客さんに持って帰ってもらえたらマジで助かるんですわ」 とまで言うものだから、とうとう折れて「インスタントペニス」を貰うことにした。 「ありがとうございます。おまけにこの卓上時計も付けましょうか?」 「いや、それまでタダでもらうとなるとさすがに気が引けるよ。また今度買いに来た時に少しでも割引してくれたら嬉しいかも」 「へへっ。んじゃ、そうさせて頂きます。移転後の新店舗の案内を入れさせて頂きたいんで、お客様の 名前と住所と電話番号だけもらっていいっすか?」 まぁ、それぐらいだったら構わないか、とスタッフの差し出した顧客ノートにペンを走らせた。 「言うまでもないですけど返品は不可なんで。やっぱ不要だと思われたらお客さんの手で処分してくださいね」  部屋に戻ってまずは腹ごしらえ。 唐揚げ弁当を平らげ、シャワーで汗を流し、ひと息ついたところであの商品を鞄から取りだす。 「インスタントペニス」 チンコの形をしたインスタントラーメンか、とも考えたが、それにしてはサイズが小さい。 一辺が3cmほどの正六面体。 ゴルフボールが一個、入るか入らないかと言った程度の箱なのだ。 封印のシールを剥がし、蓋を開ける。 折りたたまれた説明用紙のその下に、白いカプセルが緩衝材のビニールに包まれた状態で入っていた。 『このたびはインスタントペニスのお買い上げ誠にありがとうございました』 と言うお決まりの文句から始まる説明書を広げ、どう言った商品なのかを詳しく見ていく。 『こちらは、お客様のペニスへのお悩みを速やかに解決する画期的な商品となっています。 サイズアップ・精力増強・早漏(遅漏)の改善・感度の向上、及び中折れ防止まで、 男性の様々なご不満を一挙に解消し、お客様の性生活をより一層充実させることが可能です』 あまりにも謳い文句が素晴らしすぎて、返って嘘臭いんですけど。 『ご利用方法は簡単。カプセルを大きめの器の中に置き、40~50℃のお湯を注いで3分お待ちください。 3分後、インスタントペニスをお湯の中から取り出し、お客様のペニスに装着するだけ。 ご使用後はお客様のペニスから外し、乾燥させれば元のカプセルの状態へ戻ります』 説明用紙に書かれている内容は概ねこんなものだった。 開封してしまったしお湯につけたらどうなるのかを見てみたい好奇心もあって、俺は早速洗面器に40℃設定のシャワーの湯を溜め、小さなカプセルをポトンと落とした。 「こんなんで精力増強とか? あり得ないよなぁ~」 膨張してディルドみたいになるのか、或いは、コンドームみたいなゴム皮膜になるのか。 ~3分後~ 「うわ……マジで、ペニス……チンポだ……」 1分経っても2分経っても、お湯に落としたカプセルに変化は見られなかったが、丸3分になる直前、 カプセルがいきなりボココと膨らみ、そしてあっという間に褐色の包皮に太い血管を這い巡らせた 15cmほどの陰茎そっくりのモノへと変化した。 「仮性じゃなくてズル剥けの立派なチンポだけど、このサイズだったらいつもの俺のフル勃起時とあまり変わらないんだけどなぁ」 お湯から恐る恐る取り出して見れば、しっかりとした弾力がありカリが高く亀頭も艶やかなチンポである。 出来上がるまでの経過を見ていなかったら、本物のチンポと見間違えるくらいだ。 「んで? 装着っつっても、どうやって装着するんだ?」 亀頭には特にそれらしい部分は見当たらない。ひっくり返してもう一方の端をよく見ると、小さい穴が開いている。 亀頭まで繋がる尿道の逆側の穴だろう。 ならば、装着はこの穴からしか出来なさそうだ。 試しに指を突っ込んだら、ズブブと広がって飲み込まれてゆく。 弾力は強いものの相当広げても破れたりはしないようだ。 俺はその穴に軽くシコって勃起させた自分のイツモツを宛がってズブリと挿入させてみた。 「うおおお!? 凄いじゃん! オナホよりもキツイのにヌルヌル入っていく!」 収まっていくにつれ快感が強まる。このまま扱いて一発抜いてやろうかと思ったが、すぐにインスタントペニスは俺のチンポを飲み込み根元にまで到達してしまった。 それで、だ。 被せた分だけ大きくはなっているが「サイズアップ」と言うほどのものでは無い。 長さだってせいぜい5mm、太さで言えば2~3mmアップしただけのような、微妙な変化である。 これなら厚みのあるコンドームを使っているのと同じだろう。 ペニスサックであれば増量が貧弱過ぎだ。着けても着けなくても大差ないのだから。 「……やっぱジョークグッズだったんだろうな。ちょっと期待して損したぜ。説明書のメリットを誇張した書きっぷりも、ある意味冗談みたいなものなんだろうな」 信じる者だけに現れる効果、みたいな。 着けてみたものの大した変化を感じない「インスタントペニス」 挿入してる時は気持ち良かったけど、今は何も感じなくなってしまって、普通に空気にさらされている感覚しかない。 「――って、まぁ、そんなもんか。所詮タダでもらったもんだし」 一旦「インスタントペニス」を外し、萎えた気分を立て直そう。 そうだ。この前買ったオナホで抜こう。そうしよう。 「で? なんで、だ? なんで外れない?」 これが「掘り出し物」だと身に染みて理解し始めたのはこの時点からだ。


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