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鷹取リュウゴ
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変新性活 インモラルグローブ 15

15言わぬが花、言えども花 「なんだなんだ? 健一の奴、こんな朝早くにメッセージって」 通知を示すスマホを取って確かめる。 すると、いつでもいいから至急連絡をくれとある。 いつでも良いのに至急なんて矛盾してるな、と思いつつもすぐにメッセージを返した。 『どうした? 何かあったのか?』 まさか今すぐセックスしたいとか言い出すんじゃないだろうな? なんてエロい方向で考えていたらどうやらそうじゃない感じの反応がすぐに返って来た。 『悪い。ちょっとさ、睦月の部屋では話せないから、こっちまで、いや、大学から離れた場所で会いたいんだが』 なんだか深刻そうなので茶化さずに『なら◯◯駅前のカフェでどうだ?』と送ると『了解だ』、との返事。 俺も軽く身支度を整えただちに出発。 カフェに入ると健一が手を挙げて俺を呼んだ。 「ごめん。待ったか?」 「いや、俺もさっき入ったとこ」 注文を取りに来た若いスタッフに一番リーズナブルなホットコーヒーを頼んで健一の向かいの席に座った。 「呼びつけてしまって悪いな」 時計は8時を指し示している。カフェ店内は朝のほんわかした空気が流れているのに健一の表情はなんだかピリついている。 「いや、別にいい。で? 俺やお前のアパートじゃなくてこんな所まで来なくちゃダメな理由も含めて聞いてやろうじゃないか」 健一は、カフェ店内をぐるっと見渡しホッと息を吐いてから俺に語り始めた。 「実は昨夜の事なんだが――」 晩飯も食べずエロゲではないゲームに夢中になっていて気付いたらとっくに日付が変わっていた。 冷蔵庫にもどこにも食べるものが無い。 このまま寝ようかと思いしばらく横になっていたが腹の虫が鳴り止まない。 仕方がないなとコンビニに出かけておにぎりや弁当をゲット。 あんまり空腹なのでおにぎりだけ先に食べてやろうと途中にある公園に入った。 「――柄にもなく八重桜が月明かりに映えて綺麗でさ、ぼっちで夜桜見るのも粋じゃね? なんて、おにぎり食いながら眺めてた訳だ」 鮭と昆布のおにぎりを食べ終えた健一はせっかくだから記念に撮っておこうとベンチにコンビニの袋を置いてベストポジションを探っていた。 「そうしたらさ、ちょっと離れた場所から人の声が聞こえて来たんだ。時間も時間だからヤバイ連中だったら即逃げられるよう物陰に隠れてさ――」 聞き耳を立てて声のする方向を窺った。 「声は元鬼先輩と、ダグラスだった。ヤバイ奴らじゃないと知った俺は取りあえず挨拶くらいはしておこうと思ってさ」 物陰から出ようとした。だが、健一はその身を再び隠した。 聞こえてくる声は「言葉」ではなくエロい喘ぎ声だったからだ。 「なんでこんな場所でエッチしてんの? って、すんげぇ驚いたさ。でも、おたのしみの最中なら挨拶なんかしないほうが良いだろ? だもんで水を差さないよう大人しく帰ろうとしてたんだ」 すると、視界の中でキラッと何かが光ったように見えた。 何だろうか、と目を凝らせば元鬼先輩とダグラスの背後。公園の反対側の道路に停まっていた車の窓から双眼鏡のような物で先輩たちの行為を覗き見ている人がいた。 「夜なのによく見えたな」 「俺の視力は2.0。夜目もばっちり見える優れものだ」 車の不審者に覗かれていますよ!  二人に忠告しておかないと、と健一はその足を向けようとした。 「だけどさ、もっと驚いたのは元鬼先輩もダグラスも、なんて言うか、その、奇妙な恰好をしてたんだ」 「奇妙?」 物陰から身を起こして元鬼先輩たちに顔を向けた健一。 よくよく見れば二人とも頭に角のようなモノが生え、体格もいつもより数段マッチョに。 そして、ダグラスに至っては腰に尻尾が揺れ動いているではないか。 「ゲームキャラで鬼とか悪魔って言う奴? あれに似てたんだ。もちろん見間違いなんかじゃない。さっきも言ったが俺の視力は2.0だしな」 「ゲームのし過ぎじゃね?」 「バカ言え。そこまで現実とゲームをごっちゃにしねぇから」 そうか。やっぱり「あの時」俺の頭の中に浮かんだビジョンは本物だったのか。  俺は思い出していた。 先輩やダグラスと一緒にカレーを作って食べた後、二人のチンポをコピペし風呂場で散々セルフフェラやオナニーしていた時の事を。 何度か射精していると元鬼先輩のチンポもダグラスのチンポも人のモノとは思えぬ巨大な異色チンポと化し、さらには脳内で元鬼先輩は鬼に、ダグラスは魔神か悪魔のような姿に変じていた光景が脳内で拡がったのだ。 「……俺、ひとまず元鬼先輩に凸ってみる」 健一が決意を込めた目を俺に向けた。 その目を見た瞬間、健一と言う男が好奇心に蓋のできない男だと言う事を思い出していた。 高校時代、気になったオナニーのやり方全てを自身で試して俺に報告していたくらいだもんな。 「待て待て。だったら俺も一緒に会ってやる。お前だけじゃトラブルになりやしないか心配だしな」 「おお! 睦月~! お前ってマジで良い奴だな~! 俺らいっそもう付き合おうぜ!」 健一からの不意打ちに俺は答えなかった。健一は俺にとってあくまで「セックスできる友達」止まりだったからだ。 「取りあえずさ、今日の講義が終わったら俺の部屋に来てくれ。先輩とダグラスにも声掛けておくから」 ◇  全ての講義が終わって自宅アパートに戻って来た。   健一は一旦自分のアパートに戻って身軽になってからこっちに向かうとメッセージが来た。 元鬼先輩とダグラスからは「放課後必ず向かう」との返事が届いている。 「元鬼先輩とダグラスの正体か……、う~ん、直接聞くのが一番とは言え、どう聞きゃいいんだよ?」 ――先輩、ダグラスと俺んちの前の公園で青姦セックスしてました? ――ダグラス、先輩、二人ともセックスする時、人間じゃない姿に変身しているんですか? ――そもそも先輩は鬼なんすか? でもって、ダグラスは悪魔なのか? 「ダメだダメだ。もしも『身に覚えがない』なんて言われたら健一と俺がイカレてるみたいじゃん。そもそもアレだ、アレ。 二人の性事情を聞くなんてプライバシ―の侵害じゃん。つか、先輩とダグラスっていつのまにそんな親密な関係になったんだ?」 もしカラダだけの関係じゃなく愛し合っているのなら外野の俺が二人をとやかく言うのは野暮ってもんだ。 そもそも先輩もダグラスも他人に迷惑かけてないんならどんな姿や恰好をしていようとも別に良いんじゃないか? 「余計なコト聞いて先輩の機嫌を損ねるくらいなら聞かない方がマシな気がしてきたな……」 健一には悪いが先輩たちの正体について尋ねるのはやっぱり止めておこう。 って、決めて、先輩とダグラスにキャンセルのメッセージを送ろうとした矢先、元鬼先輩とダグラスがドアを叩いた。 健一が来るよりもずっと早くに。 「ムツキからのお招きって事はようやく俺とセックスしたくなった? 俺はいつでもウェルカムだから」 「……海外仕込みのギャグは置いておいて、俺も睦月と親睦を深めたかったんで誘ってくれて嬉しいぜ」 やけにスッキリした表情、そして互いに反目しているようでいてどこか信頼に似た深い繋がりを匂わせる目つきや表情。 それってやっぱアレっすね? 健一が目撃したように先輩とダグラスは―― 「二人ともなんだかお肌ツヤツヤしてますよね? 昨夜良い事でもあったんすか?」 あまりに能天気な笑顔を向けて来たもんだからそれとなくチクリと聞いてやった。 これぐらいなら大丈夫でしょ? 「いいい!? 良い事って!? そそ、そんな、おま、ヤるわけ無いだろ! な、なぁダグラス!」 ダグラスが明らかに先輩の狼狽ぶりを見て肩をガクリと落としている。 「……まぁ、俺は凄い美味いメシをたらふく食べられたから、――てな感じで良いか?」 「そうなんだ? 今度俺にも食べさせてよ。俺も味わってみたいしさ」 「ソウイチロウ、睦月が欲しがってるぞ? 応じてやれば?」 チラっとダグラスが先輩に意味深な視線を送る。 「へあっ!? お、俺ぇっ!? ちょ、そんな、ま、まま、まだ心構えってもんができてねぇし! いやでも、そっちが欲しいってんなら俺としては本望な訳で……、って! い、今の無し! 何言ってんだ俺は!」 元鬼先輩、マジで誤魔化すのが下手過ぎぃ! ダグラスなんか虚実まぜこぜにしてて肝心な部分は出さない。ある意味「はぐらかしの上級者」と感じられた。 「はぁ、もうイイです。先輩ってダグラスと良い仲なんでしょ? 俺を気遣って黙ってる必要はないですから」 そう。 男同士の恋愛もセックスもアリよりのアリだと今の俺は思っている。 ダグラスの妖しいカッコ良さに元鬼先輩が惹かれるキモチだって分からなくないし、ダグラスが偉丈夫な元鬼先輩に惚れたとしても変じゃない。 ダグラスがクスクス笑ってやがる。 その横で先輩ったら目を丸くして青ざめている。 二人が恋仲ってのは秘密だったのか? 「ち、違! 俺はこんな奴と良い仲な訳ないだろっ! 俺は、俺が好きなのは! そ、その、あの――」 顔を真っ赤にして汗まで浮かべている元鬼先輩。 「さっさと睦月の誤解を解いてやれよ? ちゃんと打ち明けられないんなら俺が頂いちまうぞ?」 「打ち明ける? 俺が誤解?」 何のハナシか見えないな、と首を傾げていると新たな訪問者がやって来た。 「こんばんわ! 睦月クンに会いたくなったから来ちゃったよ~! それと、もう一人! 睦月クンのお友達ともここの前で一緒になったんだ!」 怜音さんが着ているスプリングコートの後ろから健一がひょいと顔を出した。 「よ、よぉ睦月……。あ、元鬼先輩も来てたんすね。お疲れ様っす」 「えっ? 怜音さん!? んで健一は、ひと足遅ぇーよ!」

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