4救済 ショウが部屋に戻って来た。 手にはビールジョッキ。中を並々と満たしているのは白く濁った液体。キッチンでカル◯スを作っていたのか? 「いや~、何で今までティッシュに出して捨ててたんだろうな? こんなにも美味いのにさ」 満面の笑みを湛えて乾杯のようにジョッキをぐっと突き出した。 「ま、まさかそれって……」 タケルがギクッと肩を震わせた。 「ん? そのまさか、だぜ? 中身は俺の精液。お前らが来る前に射精しておいた100%俺の生ザーメンだ」 グイッとジョッキを傾け、そのまま一気にグビグビと飲み干したショウ。ブッハァ~と吐いた息のニオイはまさしく生臭い精液のもの。 「あぁぁ~! 超~美味ぇ~! 日に日にザーメンの味が良くなってる!」 「な、なぁショウ。お前、まさか食事も摂らずに自分の精液ばっか飲んでんのか?」 「その通り。一昨日あたりから精液オンリーだ。むしろさぁ、精液以外欲しくないんだよな。オナったらこのコップに10杯くらいすぐに射精せるし、飲んで処理すりゃ後始末も楽ちんだ」 腹だって全然壊れたりしねーし、と、まだ飲み足りないのかジョッキの縁をベロベロ舐めるショウ。 言わせてもらえばそいつはコップなんかじゃなく700ccは余裕で収まるビールを飲む時に使ったりする「大ジョッキ」と言う食器だ。 ショウ? お前わざとボケてやがるのか? いつの間にか真っ黒巨大チンポが勃起して角度が上を向いているし。 タケルが俺に耳打ちをした。 「あのな? 他人の、たくさんの体液ってのは、ショウのザーメンでも良いんだろう? アイツにさ、俺も飲ませてくれって頼んで精液をジョッキ一杯に出してもらえりゃ、俺とトキオの分は足りるよな?」 「そうか! それ名案!」 実際に飲んだりはしないけど、ショウの精液を用いれば俺とタケルの童貞膜を剥ぎ取れる! 俺ら二人がショウと同じになるのを回避できる! 光が見えてきてホッとしているとショウが話しかけて来た。 「なぁトキオ、タケル。俺たち友達だろ? 童貞同盟の仲間だろ? だからさ、マジで助けて欲しい。俺、このまま学校に行けないなんて嫌だ。お前らともっと一緒に遊びたいし話もしたい。同じ大学にだって受かりたいよ」 ショウも俺やタケルと変わりない大学進学を目指す高校三年、受験生の一人。 何日も休んでしまうのは痛手に違いない。だからこそカラダの変貌ぶりには嬉しそうにしながら、現実的にはこのままじゃマズいってのも理解しているのだ。 「分かってる。もちろん助けてやるさ。ただその前に、俺も精液の味を確かめてみたくなった。だから頼めるか? ショウの精液をジョッキ、いや、このコップ一杯ほどもらいたいんだ」 ニマァと微笑むショウの顔はひどく邪悪に見えた。見間違いかと瞬きしたらいつものドヤ顔だった。 「っへへへ、そうかぁ、俺のザーメンドリンク、飲んでみたくなっちゃったのかぁ。そりゃそうだよな~。これほど美味くて完璧なドリンクって他にないもんなぁ~。 よし、分かった! とびきり新鮮で濃厚な精液を飲ませてやるよ!」 空のジョッキを持ったショウがバスルームに移動しようとした、が、その動きが止まった。 マズい……、俺たちの思惑に感づいたか? 「な、なぁ、バスルームで射精してもいいんだが、どうせならザーメンぶっ放してるの見てくれるか? なんかその方がもっと質の良い精液が出そうな気がしてさ」 ショウの真っ黒巨大チンポはまたも上向いて床とほとんど並行に勃ち上がっていた。 しかもそのサイズは膝を遥かに超え押し下げたら床に着いてしまいそうなほど長く、そして太もも並みの超極太。 頭みたいにデカい亀頭の超巨大チンポと首の上に乗っかるモノホンの頭とを何度も見やりつつ、俺は丁寧に「今回は、その、バスルームで頼む」と断っておいた。 「そうか、そいつは残念だな」と閉じたドア越しにショウの奴がバスルームにちゃんと入って行くまでを見届け、そして息を深く、長く吐き出す。 「……まずは第一段階クリアだな、トキオ」 「でもこっからどうする? ショウの性格だと実際に目の前でジョッキを口にするまで解放してくれなさそうなんだが」 「だよなぁ。アイツの隙を突いてジョッキの精液をチンポとケツ穴に塗りたくる手立ては……」 いきなりタケルが制服を脱ぎ始めた! 「ちょっ!? 何やってんだよタケルっ!」 「一瞬の勝負と俺は見た。あらかじめ俺らも脱いでおいてさ、ジョッキを渡されたらすばやく股間にぶっ掛けて塗りたくる以外に道は無い!」 「そうか! そうだよな! 裸になってこぼしちまえば何とかなる!」 俺とタケルはうなずいた。 ショウが戻って来る前に一糸まとわぬ全裸になっておいた。 部屋に戻ったショウが俺らの裸に疑問を持った場合は「童貞同盟の仲間をずっと全裸にさせておくのは忍びないから俺らも裸になったんだ」と、それっぽい理由も作っておいた。 に、しても、ダチの精液を身に浴びる羽目になろうとは。 小便よりかはマシか? いや、どうなんだろうな? どっちも抵抗ある事には変わりないんだが。 それから、いやに時間がかかってるな、と思い始めた頃、ショウが部屋に戻って来た。 「お待たせ! 二人でコップ一杯を分けたら少なすぎて味見にもならないだろ? だもんで一人一杯ずつ用意したぞ!」 二つのジョッキにたっぷり入っているのは射精したてでホカホカで、白くドロドロの精液だ。 ジェル状でぶよんぶよんしているのはヌキたてで超新鮮なのと、イキの良い精子がいっぱい詰まった濃厚さの証。 「お代わりもすぐに用意できるからな! ジャンジャン飲んでくれ!」 「はは、は、お代わりまですぐに? どんだけ射精できんだ?」 「うーん、ちゃんと数えた訳じゃないけど、一発でコップ二つが満杯になるから、一回のオナニーでコップに20杯、だな」 もはや言葉も出ない。 精液もだが元となる水分がよく枯れないものだ。 「で? なんでトキオもタケルも裸になってんだ? 俺の精液を童貞膜にぶっ掛けても無駄だぞ?」 その質問待ってました。 あらかじめ答えを用意しといて正解だったな、とタケルと笑顔を向け合ったが後半の言葉で瞬時に笑顔が失せた。 「は!? ま、待て待て! 最初に聞いた話じゃ他人の体液ならなんでも消えるって言ってただろうが!」 「ああ。その通りだ」 「だ、だったらショウの精液も他人の体液じゃねぇか」 タケルも俺に続いた。 「本当に童貞膜が消えないのか。試させてもらうぞ?」 想定した展開ではないけどタケルはジョッキに指を入れ、ヌルルと精液をまぶしてからチンポに塗りつけた。 「うぅ、マジか……、マジで童貞膜が剥がれない、溶けも消えもしない……」 慌てて俺もジョッキの精液を手にこぼし、グチュゥとチンポに塗り込んだ。だが、ぬるぬるネバネバの感触が広がるだけでチンポの黒い膜は……。 「変化無しって!?」 擦り込もうとする動きが気持ち良くって半勃ちしただけ。童貞膜はしっかりと「素知らぬ顔」でチンポも玉袋も黒く包み込んだまま。 「ショウ、俺らに嘘吐いたのか? 童貞同盟の同志なのにさ……。他人の体液で消せるっつったの、アレ、嘘だったのか?」 作戦失敗。そのせいでショウへの口調が乱暴になってしまう。 「すまん……。あの時はまだ説明文の英語の翻訳が大雑把だったから他人の、って言葉でまとめてたんだが、例外もあるって後で分かったんだ」 「例外?」 「そう。例えば童貞膜を持つ者の体液では剥がれ落ちない。むしろ童貞膜と肉体との結びつきを強固にする、とか」 俺とタケルはまた顔を見合わせた。 まるで半泣きなタケル。きっと俺も同じような顔をしている筈。 何せ、童貞膜を剥がすどころかショウの言葉を丸ごと信じるならばその正反対。もっと剥がれにくいようにしてしまったのだから。 で、どうすりゃいいんだ? プランBなんて用意してない。アドリブも思い付かねぇ。気持ちだけが焦って空回る。 「なんか二人ともイヤにどんよりしてるが、よほど精液を待ちわびたんだな? そう言う時こそグイッと飲んでくれ。 のどの渇きもだが疲れなんてすぐに消えるし、カラダ中にパワーがみなぎってくるぞ!」 どうする? タケル。俺、もうこっから逃げたい……。 見ればタケルの目は生気を失い死んだ魚かボクシングの試合でノックダウンを取られた時のようになっている。 ならば、……ならば、俺まで心を折られてる場合じゃない。まだリングにタオルを投げ入れる事はできない。 「……剥がれにくい状態にはしてしまったが、剥がせない訳じゃない。そうだろ? ショウ……」 「そりゃそうさ。童貞膜を持たない奴の体液ならいくら結びつきが強くなったって簡単に剥がれ落ちる。和訳したらちゃんとそう読めたしな」 「なら……。いい……」 失敗を元に次こそチャンスをモノにすればいいんだ。 救いはまだ残されている。まだ、完全にダメになった訳じゃない。まだ、きっと ―― そう希望を持っていた。だが、この判断が最大の失敗だったのかも知れない。 次にチャンスなどは来なかったし、救いなんかもう残っちゃいなかった。 ――いや、別な意味での「救い」はあった、と言うべきだろうか? 「風味が落ちる前に俺の精液を味わってくれ! 新鮮だとすっげぇ美味しいからきっと気に入るぞ!」 ショウが眼前に迫って来た。有無を言わせぬその笑みと、ビクビク揺れ動く超巨大チンポ。 亀頭の先からはドプ、ドプッ、と先走りが漏れている。 「ほら? そう遠慮すんなよ! ひと口飲めばちゃんと分かるって! マジで嘘でも大袈裟でもないからさ!」 鬼みたいに逞しい黒い皮膜に覆われた腕が俺とタケルの肩をグッと掴んだ。 「さぁ、真の『童貞同盟』を結ぼうぜ? 俺だけが良い思いをしているなんざ同盟に違反してるようなもんだろ? 俺の精液を飲めばハッピーになる! 気持ちもカラダもぶち上がる! タケルにもトキオにもそうなって欲しいんだよ。 これからも一緒に笑い合える親友で居たいんだよ。その気持ちに嘘は無ぇ。どうか、それだけは信じてくれ!」 精液の生臭い息が顔にかかる。笑顔が不気味に見えて仕方がない。 「よし、俺はショウを信じる!」 タケルがジョッキを口に運んだ。 マジかよ!? ……ならば俺も、もう腹を括るしかない。 続いて深呼吸した俺もジョッキをあおる。 ドロ、ドロリ、ズプ、グジュゥゥ、――ゴクン 流れ込む雄の種汁が口に拡がり咽喉から胃へと送られる。 次の瞬間、俺は――、 お――、俺――、は――――