3トモダチとコイビトと朝のコーヒー 何度俺は、絶頂を味わったのか分からない。 ツバサが俺の「マンコ」に何度精液をぶっ放したかも分からない。 それぐらい、何度も何度もツバサは俺のマンコでイき、俺もまたイきまくっていた。 過去に経験したあらゆるセックスを超えていた。 もう風俗なんかじゃ満足できない。同じ野郎のチンポでイかされる事がこれほどの快感だと知ってしまったのだから。 俺はとうとう男同士の快感に目覚めちまった。 ……ん? ちょっと待て。 性器の組み合わせ的にはどう……、なんだ? いや、やっぱ男同士で合ってる事としよう。突き詰めて考えたって意味がない気がする。 「……しかし、マジで俺のチンポを食っちまうし、男に目覚めさせやがるし。このカラダ、どうしてくれんだよ? 何とか言えよ、コラ」 俺のマンコを犯すだけ犯したツバサは、床に大の字になってグースカ眠ってやがる。 カラダはマッチョのまま。チンポだって萎えても巨大なまま。凄ぇ満足そうな寝顔で。夢の中でも俺とセックスしてるのか時折小さく「リクぅ~、俺もぉ、凄くぅ……、キモチイイ~」などと嬉しそうに呟いてやがる。 だったら夢じゃなくてリアルに俺とセックスすればいい、……のに? 「…………くそっ」 ヤバイ方向へ行きかけた思考を切り離す。 いい加減冷静になれよ。あれだけイカされてただろうが。 カラダに残ってる甘い余韻にいつまで酔い痴れてんだよ、俺は。ダチだと思ってた奴に襲われた、レイプされたんだ、って理解しろって。 払っても払って湧き上がる卑猥なイメージを振り払ってからもう一度ツバサを見る。 ……でも、マジでこの男は「ツバサ」なのか? 旅先で別の何かに入れ替わってんじゃねぇか? こんなマッチョになっちまうし、一時的とはいえ髪の毛があんなに伸びてたし。 チンポもクソデカくなってるし。 おい、何者なんだ? お前、本当は「ツバサ」じゃなくて違う奴なんじゃないか? ぺチペチ頬を叩いていたら「うぅん?」と起きてしまった。 「あぁ……、リクの方が先に起きていたんだな。おはよ」 両腕をうんと伸ばし盛大な欠伸を放ってから二カッと屈託なく笑うツバサ。昨夜のケダモノ状態はどこへやら、だ。 「おはよ、じゃねぇ。目が覚めても俺のカラダ、元通りになってないだろうが」 「元通りになるなんて言ったか?」 「……言ってないけど。やっぱり夢でした、ってなオチになってりゃいいな、って期待しただけだけど! けどな!」 「なんだ。リクの妄想か」 「いやいやいや! お言葉を返すようで悪いんですがねぇ! ツバサこそ妄想の塊だっつの! カラダはムキムキの筋肉マッチョになっちまうし! チンポも脚みてぇにクソデカくなってるし! しかも、そのチンポで何? 俺のチンポを食うだと? しかも食った後はマンコになるだと? もう訳分かんねぇの極みだろうが! 挙句にお前の巨大チンポで何回もメスイキさせられちまうし! 髪が伸びたり縮んだりもするし! もうマジで何なんだよ!」 ひと息にまくし立てたせいで息切れてしまった。 肩を揺らしてゼイゼイ言っているとツバサの奴、とんでもない発言をぶちかました。 「……もう俺、人間じゃないから」 「――は?」 「俺はもう人間じゃない。『マラ食い』なんだ」 「『マラ食い』? ナニソレ」 「男のチンポを食う存在。だから『マラ食い』 俺は人間じゃない」 「……で?」 ツバサが「ガバッ!」と、上半身を起こした。 ベッドサイドに腰かけている俺と同じ高さに頭がある。こいつ、どんだけたっぱもデカくなってんだよ。 「あ~、まぁ言っておいてなんだが、実は俺もよく分かってない。ただ、男のチンポをチンポで食いたくなるし、カラダはムキムキマッチョなるし、チンポも『クソ』デカくなっちまうんだ。 あとはまぁ、リクが見た通り、って感じだ」 へへ、と照れて笑っているが、スイッチが入ったら途端にケダモノへ変身してしまうとんでもない「友人」だ。 あんな事をされてもまだ「友人だ」、なんて思える自分には苦笑しか出てこない。チンポを奪われたってのにお人好し過ぎるよな。 「……咽喉が乾いた。コーヒーでも淹れてくる」 目が覚めてからも理解が追いつかない。受けとめ切れない情報のせいで頭が疲れた。カラダは何故か元気もりもりなんだけど。 「待った。俺はお前の美味い膣液が飲みた――」 「コ、オ、ヒ、イ、だ!」 俺の気分をなだめようとして言ったのであろうエロいジョークも逆効果でしかない。 氷をたっぷり入れたアイスコーヒーをツバサにも渡す。 冷えたコーヒーでコイツも頭を冷やしてもらおう。 「謎は残ったままだが過ぎたことは仕方ねぇ。これからが問題だ」 「これから?」 「ああ。チンポをお前に食われた俺は、この先、生涯マンコ野郎として生きて行かなくちゃならないだろ?」 「なんだ。そんな事か」 「てめ! そんな事か、じゃねぇだろうが!」 手に持っているコーヒーがカップからこぼれそうになった。 「だって、もうすぐリクのチンポ、復活するし」 「は?」 「復活前にもう一発、いや、二、三発嵌めさせてくれ――あ、痛゛っ!」 俺は怒りを込めてツバサの頭にゲンコツをお見舞いしてやった。 冗談言ってる場合か! お前のせいで男として大ピンチを迎えてんのにふざけんなよ! 「お前なぁ~、どうしてそう、また訳の分からんことを言うんだ? 食われたチンポの跡地がマンコになっちまうだけでも頭がおかしくなりそうだってのに、どうして無くなったチンポが復活するんだよ? お前のチンポでも移植すんのか?」 「いや、そうじゃなくって。あ~、なんて言えばいいんだ? だから、時間が来ればちゃんとチンポは復活するって意味でしかないんだけど」 「は? だって、さっき元通りにはならないって……」 「その通り。『元通りに』はならない、だけど復活しないとも言ってない。マンコがチンポに変化するまでの時間には個人差があるけど。まぁ、それでも心配はしなくていい」 「元通り」も「復活」もニュアンスは同じだろ? 言葉の違いしかないじゃん。訳の分からない屁理屈なんか言いやがって。 ――ズクンッ! 「うぉっ!?」 「おお、話しているそばから」 ――ズクンッ、ドクッ、ドクッ…… 「な、何が、起きて、……いる?」 股間が熱い。 火で炙られているみたいだ。 ジリジリと燃えて、焼かれている熱さを感じる。 持っていた俺のコーヒーカップをツバサが受け取る。 マンコと化した我が股間を見れば、汗と淫液でヌルヌルになってやがる。 「はぁ、はぁ、熱っつい、な、んだよこれ、ヤバイって、超熱いんだが……」 「俺も初めての時はそうだったからなぁ。しばらく我慢して耐えてくれ。じきにその熱さも治まるから」 あまりの熱さに頭までぼーっとし始めた。 ふらつくのでベッドの上で横になる。股間を風にさらせば少しは熱さが引くのでは、と仰向けになる。 ただ、何だ? ツバサの言葉を信じていいのか? もっとおかしな事になったりはしないのか? それにしても熱いなぁ! 熱いってば! ああ、もう! マジで! んだよ! この熱さは! 「アツィィ! 熱い! 熱い! 熱い! クソあっちぃぃーーーーっ!」 グピュ! 「へっ?」 何だ今の感触は? カラダの中で何かが芽生えたような? ニュルッ! グジュブ! ビュブンッ! 「おわひぃっ!? 何? 何なんだよぉぉ~!」 チラッとツバサを見れば何でもないかのようにコーヒーを啜ってやがる! クソッ! ニュググ! ズブ! ジュブゥンッ! 「はひぃぃっ!?」 明らかに粘膜を突き破ったかのような、激しい違和感を股間の内部で感じた! 「んはっ! ど、どうなってる? こ、股間で、何が起きてる?」 「コーヒーご馳走さま。先にシャワー借りるぞ? 頭も体もすんげぇ臭うからさ」 ツバサってば俺を放置してバスルームに行きやがった! なのにふらつく頭じゃ文句も言えねぇ! ギュププ、ズニュ! ズビュル! ビュビュゥッ! 「あが! ひぎぃぃっ! っくぅぅぅ~!」 恐ろしいけれど股間に手を当てた。融け崩れて骨が出てんじゃないか、と。 「ん? こ、これは!?」 クリトリスがムクムクと肥大しながら尿道口を引き寄せ一体になっていく。 「んはぁぁんっ! 熱いっ! でも、きもぢぃぃぃっ!」 ドブュンッ! モ゛ロ゛ン゛ッ! 「ひぎい! ぐひぃっ!?」 膣穴の奥から二つの睾丸が吐き出され、陰唇の肉襞が寄り集まってミチミチと密着して閉じて行く。 ズニュッ! ニュググ! ズヌンッ! 「はひぃ! ん゛ああ、あひぃぃっ!」 閉じて低くなっていく陰唇と反比例してクリチンポが大きくなり、睾丸を包む玉袋も厚みを増していく。 「ごあ゛ぁあ゛ーーーっ! イグ! イグイグ! イグゥゥーーーーーッ!」 顔にまでザーメンがビシャビシャ飛び込んだ。 え!? ザーメン? 精液? 急いで股間を見ればそこにはチンポが! 俺の大事なイチモツが! 男根があるではないか! しかも前より微妙にデカくなってる? いや! いやいやいや! 微妙なんてもんじゃねぇ! 倍近くに巨大化してるじゃねーか! 「確かに、元通りじゃねぇな、このサイズ……」 縦割れの裂け目はすっかり見えなくなった。 チンポの裏を探ってもマンコの名残すら無くなっている。 精液をぶっ放したチンポは亀頭から白い涎を垂らしたままビィンと高く勃起している。 「な? 俺の言った通りだろ?」 バスルームから戻ったツバサが俺のチンポを見るなりそう言った。 「……どう、なってんだよ……」 長さも太さも倍ほどデカくなったせいで剥かないとダメだった仮性チンポはズル剥けになってるし、剥け切った亀頭の色つやもカタチも数段レベルアップしてやがる。 「と、言われてもな。俺にも分からん」 バスタオルで髪をごしごしぬぐうツバサ。あれほどムキムキだったカラダは中肉中背の普通体型になっている。 チンポだって巨根から日本人の平均サイズレベルに。 「お前のカラダもどうなってんだよ?」 「俺? 俺も詳しくは分かんねぇ。でも、気合でなんとかなるもんだ。こんな風に……、なっ!」 ゴキゴキ! グジュルル! グチィッ! ボッゴォォッ! あっという間にツバサはメガマッチョの超巨根になった。 「は?」 「風呂場が狭いからカラダを小さくしていたが、やっぱこっちの方がラクだな」 「はぁ?」 「要するにこっちのマッチョなカラダが今の俺にとっちゃ『本来の姿』で、さっきのは変身した状態」 「マジか?」 「ああ」 ◇ 俺もまたカラダに飛びついたさっきのザーメンや昨夜の名残のガビガビ体液なんかをシャワーで洗い流してひと息ついたら、くつろいでいるツバサに改めて質問をぶつけた。 分からない点は置いておいて、分かっている部分だけでも聞いておきたかった。 「ツバサは中央アジアの奥地の村で『マラ食い』になったのか」 「そうだ。でもそのお陰で病気はしなくなったし大怪我だってすぐに治る。ついでに言うとだ、リクのチンポが復活するのは俺の体液がマンコから浸みこんだからだ。 お前のチンポを飲み込んでからもしばらくじっとしていたのはそう言う訳だ」 ツバサが言う『超回復体液』なる体液を俺に浸透させるために股間にチンポを密着し続けていたのだ、と。 「そもそも、ツバサって元からホモだったのか?」 「いやぁ? 男を知ったのは南米のコーヒー農園で働いていた時だな。日系の男だったけどアソコは外人並みに立派だったなぁ」 今じゃすっかり三度の飯よりチンポ好きな男狂いだぜ、なんて胸を張ってドヤる。ツバサよ、そこ、自慢するところか? 「頭の、髪が伸びたりするのはなんでだ?」 「ああ。あれか。『マラ食い』としての意識が強くなればなるほどあんな風になっちまう。ただ、『マラ食い』の意識が大きくなると知性はどんどん落ちてバカになるから上手く話せなくなる」 それで、髪が伸び始めたあたりからカタコトになっていたのか。 「あと、お前に食われた俺のチンポはどうなったんだ?」 「そりゃぁ、吸収されて俺の精液とかホルモンになってんだよ。だからチンポを食ったあとはいつも以上に精液をぶっ放せる。ハイパー絶倫モードに入れるって訳」 ムンッ! と上腕に力を込めればボゴォッ! と力こぶが盛り上がる。腕の中にメロンでも入ってんのか? 「ええと次は――」 「まだあるのか?」 質疑に飽きて欠伸を放つツバサ。聞けるときに聞いておかないと次にいつ会えるか分からないだろう? 「臍んトコに奇妙な紋が浮かんでたが、あれは何だ?」 「ああ、淫紋の事か」 「淫紋?」 「そう。『マラ食い』は淫紋で食いたいチンポの持ち主を誘惑して捕まえるのさ。リクも淫紋を見たら俺の言うことを聞きたくなっただろ?」 「た、確かに……」 「淫紋で堕ちない奴はいない。どうしてそんな効果があるのかは俺だって分からないが、お陰でどこに行ってもチンポに飢える事は無い。 ま、リク程のご馳走チンポは今まで無かったけどな」 ツバサの奴、鼻をクンクンさせて俺のチンポの匂いを味わってうっとりとしてやがる。 んな、もの欲しそうにすんじゃねぇ! そんなに俺のチンポが美味いのかよ! 「日本に帰国してからもツバサは誰かのチンポを食っていたのか?」 「まぁな。宿の近くは夜になると人目がほとんど無いから毎晩」 俺はハッと気づいた。 「もしかしてユウマが話してた妙な噂ってのは……」 「100%俺の事。そろそろ潮時だと思ってはいたんだ。一つの所に長く留まってたら噂の正体が俺だとバレてしまいそうだからな」 「……また、どこかに旅立つつもりなのか?」 「ああ。俺はチンポを食わねば飢えちまうし、食いたい欲望を抑え続けるのも無理だ。そんでもって正体がバレて騒がれるのも望んでいない」 人間力を鍛えた結果、とうとう人間を超えてしまった親友。 このまま帰せば鳥のように翼を拡げてどこか遠い所へ飛んで行ってしまいそうだ。 「ユウマやヒロキも元気そうだったし、……リク、お前とも再会できてマジ嬉しかった。帰国して俺自身、色々と気持ちの整理ができたよ。 一番会いたかったヤツのチンポまで味わえたしな。もう、世界のどこに行ってもこの思い出があれば俺はやっていける」 ……だけど、それでいいのか? リクよ。 ツバサを手放してしまって良いのか? こんな淋しそうな、切ない笑顔をさせていいのか? 「心配なんかしなくっていいからな? 俺はもう、ちょっとやそっとじゃ死なねぇカラダになってるし。あ~、首を切り落とされたらさすがにダメだとは思うが、腕とか足の一本や二本くらいならまた生えてくる。 歯磨きしなくっても口臭くなんねぇし、口にしたもんは100%吸収しちまうからクソすら出ねぇ。まぁ、マジもんのバケモンだからさ」 ふざけた口調だけどコイツはコイツなりに世間から見た自分自身をちゃんと分かっている。 分かった上で俺の前から姿を消そうとしている。 驚いてばっかだったけどチンポを食われるときも――(気持ち良かった) マンコを弄られたときも――(スゲェ気持ち良かった) マンコがチンポに戻るときだって――(何だかんだんで気持ち良かった) 一つも嫌な思いはしていないじゃないか。 むしろ、オナニーよりも、女とヤルよりも、ずっとずっとキモチイイ事があるってのを教えてくれたじゃないか。 リクよ! 勇気を出せ! 本気でぶつかってみろ! ちゃんと言葉にして伝えてみろ! 「……なぁツバサ。俺は……、俺とは……一回だけで満足か?」 「ん?」 「俺のチンポを味わうの、一度だけでいいのか? 一回食っただけで気は済んだのかよ?」 「そりゃぁ、もっと欲しいさ。何度でも食べたい。だけど、『マラ食い』なんてバケモノになっちまった俺なんかが近くに居たって気味が悪いし迷惑なだけだろ?」 「迷惑? 迷惑じゃねぇ! 全然迷惑じゃねぇよ! 俺のチンポだけが目的でもいいから! ずっと俺のそばに居てくれよ!」 言ったーーーー! ついに告っちまったーーーー! うっひぃぃ~~~! 「え? マジ……? マジで? 正気ですか? リクさん……」 はは! ツバサってばハトが豆鉄砲くらったみたいに目を丸くしてやんの。 っは、いい気味だ。ずっと俺ばっか驚かされていたからこれくらいの仕返しはさせてもらうぜ? 「マジに決まってるだろ? 冗談でこんな事言えるか」 「えっ!? 本当に? 本当に俺、リクのそばに居てもいいのか?」 「ああ。どこにも行かないで俺のそばに居て欲しい。飽きるまで俺のチンポを食ってくれ」 穴が開くんじゃないか、ってくらいツバサが俺を見つめている。 その大きく見開いた双眸がキュルンと濡れていく。 「ううっ! 夢みたいだ! こ、んなの、最高過ぎるっ!」 潤んだ瞳から大粒の涙がツバサの頬を伝い落ちていく。 「うわ! 泣くなよぉ~。そんなごついカラダしてるのに似合わねぇぞ~」 「だ、だってよぉ~、ぐすっ、だって、ひぐっ……」 なんだこのバケモノは。色黒でゴリマッチョで超巨根でドスケベなのに、無性にかわいく見えてくる。 俺より遥かにごついくせに護ってやりたくなってくる。 あぁ、そうか。 俺って本当にツバサに惚れちまったんだ。 チンポと一緒に心まで食われちまったんだ。 「俺、ツバサが好きだ。だから付き合って欲しい」 あまりにも気負いなくさらっと漏れた俺の本心。さっきみたいな勇気や気合なんかはこもっていないけど、伝えたい。 これが俺の今のキモチ。 ツバサの答えはハグで返って来た。 「俺も」と呟くのはかろうじて聞こえたけど、それ以外は嗚咽に紛れて何を言ってんだかさっぱり分からなかった。