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鷹取リュウゴ
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秘密の男娼サブスクリプション 15 最終話

エロサブスク、スライム細胞、ミュータントナノマシンの暴走……。 単なる利用客の俺がヴァンキッシャーたち全員の運命を握ってしまう展開なんて誰が予測できる? 何とか事態を収めた俺は平穏を取り戻した……筈なのに。 さて、ひとまず俺とエロサブスクにまつわる物語はこれにて終了だ。 サブスクなのに「お気に入り」のヴァンキッシャーが増えて行かないのは甚だ解せないんだが、これでいいじゃないか、とも思っている。 少なくとも男日照りが一転、毎晩ヤれる状況を喜ばずして何を喜ぶ? ん? エロサブスクについて知りたい? 運が良いなあんた。実は俺は会員でもあるがそこのボスでもあるのさ。 あんただったら審査期間なしで一発正会員登録してやるよ。 は? エロサブスクよりも俺に興味がある……、だと? ちょ、ちょっと待った。今の俺はあんたを相手にできる程の余裕が無くて――っ!? 待て待て! いきなり押し倒してくるんじゃねぇ!  あんたはヴァンキッシャーじゃないだろ!  ******* 15お気に入りのサブスクリプション  『あの大量失踪事件は結局なんだったのでしょうか? レポーターの阿部さんお願いします』 『はい。こちら現場の阿部です。彼らは全員この山の中で発見されたわけですが、失踪していた5日間どのように生活していたのか誰も覚えていませんでした。 ただ、現場の痕跡から集団でキャンプを行っていた事は確実で、炊飯のために焚火を起こしたりテントが張られている状況が確認できました』 『集団でキャンプをしていながら全員の記憶がない、なんてあり得るんでしょうか?』 『実はですね、この山の地下には戦時中に兵器開発工場があった事が判明しました。なんらかのきっかけで催眠ガスのようなものが地下から地上に漏れたのでは? との説が浮かんでおります』 『70年も前の毒ガスですか。そんなモノが原因になるなどあり得るんでしょうか?』 『残念ながらガス成分が全く残っていないので仮説の域を出ません。ただ、それ以外に理由を求めた場合、それこそ怪談かSFじみた説しか出てこないのも事実です。 以上、現場からお伝えしました』  世間を騒がせた大量失踪事件はこうして幕を閉じた。 どうやって世間の目を欺いたのか。 それは――「四万さんのお勤め先ってキャンプ用品で有名なポラリスさんでしたよね? 急で悪いんですがテントやキャンプ用品を大至急調達できないですか?」 と、ボス・萩原氏から依頼された事から察して欲しい。 もちろんこのボスはミュータントナノマシンに汚染されてはいない。 避難していた分体と統合して事態の収拾にあたった「正常」なボスだ。 その後、直樹にチェックされながらパソコンのロックを解除したボス・萩原はミュータントナノマシンに自滅プログラムを施し、研究所内のプラントにて大量生産されていた全てのミュータントナノマシンを無害な物質に戻していた。 しばらくはマスコミがネタにしようと染野や笛吹を追いかけていたものの自在に「変身」が可能な二人にとって尾行をまくなど児戯に等しく、けっして尻尾を掴まれる事は無かった。 後日、俺は研究所に招待された。 「ほんとうに四万さんのおかげで助かりました。ミュータントナノマシンを植え付けられたヴァンキッシャーたちも四万さんの精液入りクッキーを食べたらたちまちビュルっとミュータントナノマシンだけを吐き出してくれましたし。 これでまた『ヴァンキッシュ』のサービスも通常通り再開できるようになりました」 研究の副産物としてスライム細胞を生み出し、自身もスライム人間になっているボス・萩原氏の横にはエロサブスクグループ「淫化ローズ」に属する他のアダルトコンテンツの代表かつ研究所の研究員がすらりと勢ぞろいし、俺に向かって口々に礼を述べた。 そして、所長と名乗る男が、「萩原君は研究熱心で研究所の経営にも大いに貢献してくれてはいるが、今回の一件、さすがに目を瞑っている事は不可能だ。 そこで、罰としてしばらく四万さんのそばで身の回りの世話をさせる事にした。萩原、君にとっても四万さんへの恩返しにもなるし一石二鳥だろう?」 などとおっしゃる。 「いや、さすがにそれは……」と断ろうとしたら項垂れていたボス・萩原が「喜んで! 四万さんの精液の秘密を調べてみたかったんでむしろありがたい!」――なんて。 「ちょっと待った! あんた、本当にそんな処分でいいのか? 俺の精液を調べるんなら機材が揃ってる研究所にいなくちゃダメだろう?」 「そんなの検査キットとパソコンさえあればどこでも可能さ。四万さん、いや、ご主人様は気にしなくていい! たった今から俺のボスは四万さんだ!」 跪いて俺の手の甲にキスをするボス・萩原。キスだけじゃなくベロッと舐められて思わずゾクゾクッと来ちまった。 「何ぃ!? じゃぁ『ヴァンキッシュ』のボスはどうすんだ?」 「そんなの決まってるじゃないですか~。俺が主人と仰ぐお方がボスになるのが当然でしょう?」 「はぁ? じゃ、じゃぁ……、俺!?」 所長と淫化ローズの代表たちが俺の前に進み出た。 「すでに事業は軌道には乗っておりますので四万さんには席に座って頂くだけで結構です。ちゃんと報酬はお支払いしますので萩原の代わりに『ヴァンキッシュ』のボスの座にお就き下さい」 「ええええーーーーーーー!?」 「ついでにお願いしたい事もあるのです。淫化ローズの各部門の代表が獣化や石化などの異能を得ている事についてなのですが、くれぐれも内密にして頂きたい。 あくまでアレは性癖を満たすための力であって世間を騒がせるためでは無いのです」 ボス・萩原がスライム細胞を自分に使い、スライム人間になっている時点で推して知るべし、と言った所か。 「了解しました。俺も別にこの研究所をどうこうしたい訳じゃありませんし」 ◇    さらに数日後、インフルエンサー梅室さんの動画配信チャンネルで我がポラリス社のキャンプグッズが取り上げられた。 『少し前に〇〇山で失踪してた人達が皆キャンプしてた、なんて都市伝説めいた事件があったのを覚えてます? 凄いじゃないですか。キャンプをしていた記憶がないのにちゃんとキャンプしていただなんて。 でもね、俺、思ったんですがそんな訳の分からない状態の人達でも無事に野外生活できるようにしてくれたのは、彼らが使ってたキャンプグッズに秘密があるんじゃないかな、って。 それで、軽く調べてみたらなんと、あの有名なキャンプ用品メーカー『ポラリス』社のアイテムを使っていた事が分かったんですよ~』 軽く一呼吸置いた梅室さんが画面の外から持ってきたのは「ランタン」と「ポータブルバッテリー」だ。 『いろいろチェックしてみて俺が是非手元に欲しいと思ったのはこの二つ。「ランタン」と「ポータブルバッテリー」だ。 この「ランタン」はLEDが光源なので消費電力が少ないのに実に明るい! もちろん明るさ調節だってダイヤル式なので希望の明るさにすぐ合わせられるよ! 読書の時の手元灯としても大いに役立つこと間違いない!  それと、鏡の前でメイクをするときにもう少し光が欲しいなー、なんて思ったことはない?  あるよね~? そう言う時にもこのランタンが超便利! チラつきもないし持ち運びが簡単!』 次に「ポータブルバッテリー」をカメラ前に置いた梅室さんはさらに目を細めてうっとりとアイテムを撫でた。 『見てよこのバッテリー。普通のコンセント電源だけじゃなくUSBの端子も二口あるでしょ? と言う事はこれ一台で屋外でもスマホの充電はばっちり! もちろん短時間高速充電機能は標準で搭載ずみ! こんなにも小さいのにパワフルだから一度満タンにしておけばスマホ二台にドライヤーや電子コンロ、或いはさっき紹介したランタンの充電だって同時に使う事が可能! 一台で二役どころか三役、四役もこなせる優れもの! もちろん災害時の停電にだって頼りになる! 備えるなら情報源となるスマホの電源確保が全ての基本になるのはみんなもう肌感覚で分かるよね? 正しく最新の情報は俺のこのチャンネルやSNSからしか手に入らないのも知ってるよね? だったらキャンプなんて関係なく日常遣いにも便利なポータブルバッテリーくらいは用意しておかないと!』 梅室さんの動画が公開された直後から社には問い合わせが殺到。 用意していた販売サイトにはアクセスが集中して一時的にダウンしてしまうほど。 この反響を勝ち得たお陰で「事件に巻き込まれた」とは言え無断欠勤者の烙印を押されていたネット販売戦略担当の染野や笛吹の評価はV字反転。 協力していた俺もついでに評価され社長から直々に推賞されてしまった。 「いやぁ~、これでようやくいつもの業務だけに専念できるっすね!」 社長室を出た途端、染野が俺にもたれかかる。 「そうは行かんと思うがな。今頃社長の頭ん中で次の新規プロジェクトも俺とお前にやらせよう、なんて考えてるだろうさ」 笛吹が染野のおでこにデコピンを食らわせた。 「ぁいてっ! だったらせめてハル先輩にも初めから参加して欲しいっすねぇ。笛吹先輩と二人だけじゃ今回の件だってここまで順調に運ぶかどうか分かりませんでしたし」 「クソ、どうなってんだ? お前の後輩って随分と生意気だぞ? ちゃんと指導しているのか?」 笛吹の視線が俺の右頬に刺さる。 「笛吹。お前だっていまだに先輩から生意気だ、なんて揶揄されてる自覚はあるのか?」 「俺が? まさか」 話しながら廊下を進んで周りに誰も居なくなったら途端に二人ともイヤラシイ顔を俺に向ける。 「さて我らが新ボス閣下。本日のアダルトサブスクリプションのご利用はいかがいたしますか?」 笛吹がスラックス越しに股間をビクつかせている。おいおい、一応人目が無くたって社内なんだから勃起はさせるなって。 「俺は今日は予約無しっす! つか、ハル先輩がお呼びでしたら予約なんてキャンセルしちゃいますけどね!」 染野が亀頭のカタチをスラックス越しにクッキリと浮かべて俺の劣情を誘う。だからさぁ! まだ昼の日中だぞ? そこまで気を緩めて大丈夫か? 「……二人とも、俺なんかとそんなにシたい?」 笛吹がガッと俺の肩に腕を回した。 「たりめーだ……。お前の全部が俺を煽ってるって自覚はあんのか? おかげで他の会員とヤってる時までお前の姿がチラついちまって正直キツイんだぜ? お前にとっちゃ大事な商品でもあるヴァンキッシャーの俺が使い物にならなくなっちまってもいいのか? 責任もって俺のメンテナンスをしてくれ。俺のマンコにハルタカの精液をいっぱい流し込んで癒して欲しいのさ。頼む」 顔を寄せて迫る笛吹の腕を外して代わりに肩を組んだ染野が俺の耳元で囁く。 「笛吹先輩よりもキツいのは俺っす。なんだかんだで先輩も男の良さに目覚めてくれれば嬉しいな~、なんて思って勧めた『ヴァンキッシュ』だったのに、先輩が俺たちヴァンキッシャーのボスになっちゃうなんて誰が予測できます? だもんで先輩が遠い存在になっちゃったようで俺、本当にツラいっす。先輩も男好きだと初めから分かってたら絶対に『ヴァンキッシュ』なんて勧めなかったです! サクッと俺だけのモノにしてしまうっす! 先輩のアナルもチンポもずっと俺専用にしておきたかったっす!」 俺はふたりの頭をそれなりの力を込めてぶっ叩いた。 「うわっ!」 「あ痛っ!」 「二人とも発言に気を付けろって! 社内で精液とかアナルとか口にするなよな! そういう危ない言葉は家に戻ってからにしてくれ。 誰かに聞かれて誤解されたりするのも嫌だけどな、お前らがそんな単語を口に出すだけで俺のココがヤバい事になるだろうが!」 ギンギンにテントを張ってしまった我が股間を示せば左右のヴァンキッシャーは舌なめずりをした上に涎をたらさんばかりに口元をぬぐう。 「……こいつはもう、定時まで我慢できねぇな」 「っす。笛吹先輩、俺も同感です」 性欲をギラギラ浮かべた二体のスライム人間は今にもマッチョ野郎に変身して淫らな行為を仕掛けてきそうだ。 「仕方ねぇ……。これから『社外で』緊急の打ち合わせを開催してやろうか? ああ、その前に萩原にも連絡入れとかないとな」 「萩原さん、て先輩と同居して先輩の召使いになってる元ボスの萩原さんすか?」 「召使いというより性奴隷だろう? 俺や染野とヤれない夜は元ボスをねっとり嬲って愉しんでるんだって?」 「どうしてそういう話になってんだ? 実際は逆だよ逆。萩原の奴、俺の精液の秘密を絶対暴くってんで毎晩精液をせがむんだぜ? しかも、俺の精液を奪うだけ奪ったら今度はスライム人間の精液を味わってくれご主人様ぁ~! つって俺に襲い掛かって倍の回数ぶち込む有り様だしな。 ぶっちゃけ嬲り者にされてんのは俺だっての!」 「……聞いたか? 染野」 「はいっす。この耳でしかと聞いたっす」 嫌な予感にドキリとした。 「俺もお前の家に同居させろ。なに、遠慮はいらねぇ。俺だったらもっと上手にお前を嬲る事ができる」 「俺もっす! 元ボスにだけ新ボスのお世話をさせてちゃダメだと思うっす!」 「お前らまで直樹の奴と同じようなこと言うんじゃねぇよ、ったく……」 「はい?」 「うん?」 「いや、何でもねぇ。何でもねぇけど同居の件はきっぱりお断りだ! これ以上俺のパーソナルスペースを乱すんじゃねぇ!」 ボスになった件はこの際どうでも良い。実際、俺は名ばかりのボスな訳で運営にはノータッチだしな。 それよりもだ。アダルトサブスク『ヴァンキッシュ』の正会員として他のサービススタッフ、いや、ヴァンキッシャーを試したいのにフリートライアル期間に来た奴らが入れ替わり立ち替わり押しかけ俺のチンポとアナルを奪っちまう。 「乾く間がないほど毎晩ご機嫌なセックスを味わえるのは嬉しいんだけど、サブスクとしてどうなんだ? ってな~」 セイタ、カイト、リョウ、レンジ、カエデ、そしてコーディネーターのトウヤに直樹まで。 自慢のガタイや個性的なチンポが俺の前にずらりと並ぶ。 登録している大勢のヴァンキッシャーから選べるはずなのに「お気に入り」の彼らは俺を求めて 呼んでもいないのにやって来るようになっていた。 そして、ミュータントナノマシンを除去する時みたいに合体してからセックスを愉しむと、いくらでも精液が出せる上に疲れが全く残らない。 昨夜だって明け方までアナルを犯されイキまくっていた訳で……。 思い出したら俺のチンポは勃起だけでは済まなくなり先走りまで滲みだす。 ダメだな。もう社外でふさわしい場所を探す余裕は無さそうだ。 「――悪い、前言撤回だ。今すぐサブスクを利用したくなった。二人とも人目のない場所でヴァンキッシャーに変身してくれ」 目だけセイタ・カイトになった二人は俺の手を引いて使われていない会議室へと連れ込んだ。   終

秘密の男娼サブスクリプション 15 最終話

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