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鷹取リュウゴ
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秘密の男娼サブスクリプション 16 番外編 (人物、設定紹介も)

【番外編】 本編では語られなかった主人公の精液の秘密をメインとした物語です。 異常行動を起こし始めたヴァンキッシャーたちがどうして主人公の精液によって正常に戻れたのか? その謎を暴いていくのは主人公と渡り合った人物になります。 それではどうぞ、よろしくお願いします! ******** 16おまけの番外編・四万の精液の秘密  精液の入った試験管を検査キットから外したアダルトサブスクリプションサービス『ヴァンキッシュ』の元ボスこと「萩原 弥勒」は、検査結果の数値を見つめつつしきりに首を傾げていた。 「何度やってもわずかに正体不明の物質が検出されるな……。99%までごく普通の精液なのに」 呟く萩原のボディビルダーの如く逞しい肉体を覆うのは黒いタンクトップにデニム地のホットパンツだけ。 スライムでもある肉体にナノマシンの助けを借りながら定型イメージを流し込み、普段の研究員の姿ではなくヴァンキッシュにおけるサービススタッフたちと同じエロマッチョな『ヴァンキッシャー』に変身している。 「研究所にいる分析専門の者からの回答も同じだった。解析不可能な成分が混入している、と。暴走したミュータントナノマシンに作用したのはこの不可解な成分だろうとの意見も俺と一致したし」 萩原は自身が今居る四万の部屋の中をぐるりと見渡し、ふっとため息を吐いた。 「どこにでも居そうな男なのにな。生活も至って普通。能力も性格も見た目もごく普通で特筆すべきものなんか一緒に過ごしていても見当たらなかった。 しかし、彼の精液だけはなぜか特別なんだよな~」 自分の張り出した大胸筋や、ボコボコに割れている腹筋をじっと見つめた萩原は、おもむろに検査結果とは別のページを開いて四万と同居してから得た所感を入力していく。 『試しにこっそりスライム細胞を何度か与えてみたものの『四万 春孝』の肉体には定着どころか一切の変化は見られない。 そればかりか失敗時に自動的に発動するナノマシンによる記憶処理が行われることもなかった。 ただ、『四万 春孝』の友人であり失敗作でもある『花園 直樹』の例もあるので記憶に関して処理が成されない事は有り得なくも無いが――』 「スライム細胞だけでなくナノマシンまでもが四万のカラダに一切影響を与えれられていないなんてな」 『花園 直樹』の記憶の消去はかなわなかったものの肉体の一部をスライムに変えられても研究所に対して敵意や恨みを抱いていないのはナノマシンによる意識操作の影響だと断言できる。 だが、四万にはメンタルに対する影響もまったく出ていない。 「……やはり四万の過去を探るしかないか。彼の強固な恒常性(不変性)はどうみても異質だしなぁ」 萩原が操作するとパソコンの画面に四万の個人情報が表示された。 「高校までは鹿児島県奄美大島、大学進学の際に上京。キャンプ用品メーカーのポラリス社に入社後現在に至る、――か。 と言う事は四万の両親も奄美大島出身か?」 キーを叩き四万の両親について調べてみた。 「――うん? 両親は彼が生まれたと同時に死亡? 父親も母親もともに? なーんか引っかかるな……」 青いメッシュの入った髪に手を突っこんでガシガシと掻いた萩原が意を決したかのように窓越しの空を見上げた。 「行くしかないか。奄美大島へ。両親がすでに亡くなられているとしても当時の四万を知る者はきっと居る筈だ」 萩原は早速ネットで航空券の手配を行い奄美大島行きのチケットを確保した。 ◇  本州よりも一足早く梅雨が明けた奄美大島はドロリとした油のような真夏の太陽が照りつけていた。 「うひぇ~、この暑さはスライムのカラダでもキツイって~」 外部環境の変化に対して人間よりもはるかに適応力が高いとは言え、急な高温に晒された萩原はうんざりとした表情で青空を睨んだ。 「と、ボヤいてても始まらないしね。とっとと調査を開始するとしますか!」 炎天下の空港からさらに離島へ向かう海上タクシーに乗るため港へと移動。 四万の戸籍に記載されていた住所は奄美大島の本島ではなく、本島から船でさらに一時間ほどかかる別の小島だった。 その小島に渡るための定期船を探したところ、島には誰も住んで居らず利用客がゼロになったため10年も前に廃止されていた。 そのため萩原はわざわざ船をチャーターし、その離島に向かうしか手段が無かった。 「無影島(むえいじま)にはもう誰も住んでいないってのは知っとるのか?」 物好きな奴がいたもんだとばかりに聞いてくる小型船の船長の男に萩原は「どうしても確かめたい事があるのです」と返した。 そして、 「ちょっと聞いてみたいんですけど、四万さん、ええと、四つの四に一万円の万て書く『四万』さんて、あの島では有名な一家だったんですかね?」 白髪をバサッと刈って角刈りにした頭を無造作に掻いた初老の船長はにべもなく萩原に答えた。 「四万ぁ? いや聞いた事無ぇなぁ。無影島に住んでた連中は『藪中』か『香山』って苗字の家だけだ。最後まで島で暮らしてたのだって藪中の婆さんと香山の爺さんだったしな」 トビウオが時折海面を跳ねる海を渡ること一時間。 船は無影島の桟橋に到着した。が、ひび割れたコンクリートの岸壁はこの島がすでに捨てられて久しい事を物語っている。 「では、4時間後に戻りますので帰りもお願いします」 「何の調査だか知らねぇが、荒らすような真似はしてくれるなよ?」 「分かってます。別に何かを盗みに来た訳じゃありませんから」 「ま、金目のものなんざ一つも残っちゃいないだろうがな」 桟橋に小型船を待機させた萩原は、かつて島唯一の集落があったとされる場所へ移動した。 しかし、現地に着いてみればほとんどの建物は毎年やってくる台風や大雨などによって崩壊が進み、往時の状態をそのまま留めている家屋は数える程度だった。 さらには島の温暖な気候に適合した植物たちの旺盛な繁茂が輪をかけて家々を「ガラクタ」へ変えてしまおうとしている。 「戸籍にある住所だと、たしか、この辺りになる筈、なんだが……」 昭和の時代に描かれた島の地図と四万の戸籍の住所を照合して導き出されるポイントに足を運ぶ。 そこは集落跡から少し離れた雑木林の中だった。 「う~ん、元から雑木林だったのか、四万家がかつてあったのかすら分からなくなってるな……」 何らかの痕跡を求めて雑木林をかき分けていると、古い井戸が見つかった。 「井戸があったと言う事は、かつては家があった筈。それが四万の家かどうか、分かるものはあるかな?」 井戸を中心にさらに丹念に探っていると、不意に雑木が一本も生えていない、人工的に開けた場所に辿り着いた。 「ここは、いったい……」 エリアとしては広くはない。 ただ、一辺10mほどの正方形の区画だけがきれいに木の一本も生えていない。 島の植物の繁殖力からみて毎年きちんと手入れしなければ維持できないのではないか? 雑草でさえ生い茂ってはおらず、つい最近まで誰かが草むしりをやっていたほどに整っている。 「不思議だねぇ。草ボーボーって状態にしないためには最低でも年に二回は草刈りが必要だろうに。定期航路が10年も前に廃止された無人の島にわざわざ上陸して、この小さなスペースだけを整備するとか有り得るのかな?」 萩原の中で四万の謎が深まっていく。 こんな所で生まれ育った四万はいったい何者なのか、と。 しばらくその不思議な区画に佇んでいた萩原だったが、じっとしていても埒が明かないと踏んで今度は井戸とは逆の方向へ足を運んだ。 すると、鬱蒼と茂る雑木の向こうにようやく崩れてはいたものの建物らしき残骸が目に入った。 「柱も折れてるし屋根もぺちゃんこだけど、これって元は家、だよね?」 慎重に足場を選びながら住居跡を探っていく。 すると、錆びたヤカンや割れた茶碗などが目に入った。明らかにかつての生活の気配が残っていた。 ただ、四万の家だと断定できそうな物は発見できなかった。 むしろ―― 「これって表札かな? う~ん、藪中(やぶなか)、としか読めないよねぇ、この文字……」 薄いかまぼこ板のような物に墨書された文字はかすれて読みづらくなっていたが「藪中」と書かれており、名前の横には住所も記載されていた。 「戸籍の住所と一緒だ……。てことは、この廃墟が四万のかつての家、なのかな? それにしてもこの崩壊ぶり、10年どころか少なくとも50~60年は経過してるっぽい気がする」 ただ、それも推測の域を出ず四万の精液どころか出生の秘密すら解明できない。 萩原はさらに何か発見できないか? と廃墟を探る。 そうしてようやくなかば土に埋もれてはいたものの位牌らしき札を見つけたのだった。 「……これ、どう捉えたらいいんだろう?」 ところどころ禿げてはいるが黒い漆塗りの位牌の裏には『藪中ハルタカ・享年八十五歳』と書かれているのだ。 「ハルタカ、『四万 春孝』と同じ名前……。祖父の名を孫が継ぐ文化でもあったのかな? なら、何故苗字が違うのか……」 ここで萩原は四万の戸籍を求めた時に四万の親族について洗ったのだが、四万の両親が四万の誕生と同時期に亡くなった以外の情報が得られず、他に身内と呼べる存在が一人も出てこなかったことを思い出していた。 「こんなにも天涯孤独の人間も珍しいよね? つうか捨て子だったのならまだしも両親がそろって同じ時期に死んでるって情報だけ残されてるのも変だ」 さらに「藪中ハルタカ」の廃墟を細かく調べてみたもののコレと言ったものは得られなかった。 あっという間に約束の4時間が経過した。 萩原は急いで無影島の桟橋に戻り、小型船の船長に無事な姿を見せた。 「4時間じゃあまり念入りに調査できなかったです」 滞在時間の短さを船長に愚痴る萩原。 「あまり長くは待てねぇんだ。ここらの海はそれなりに難所でよ。朝と夕じゃ海流ががらっと変わっちまう。それに天気だって真夏でも不安定だしの」 不満げな萩原をなだめるかのように船長は無影島の民話を語って聞かせた。 「あの島にゃ不老不死の伝説があってよ。正確に言やぁ死んだ者が生き返るってハナシだが」 ――昔、島にはある若い男が居た。 若い男は嫁を取る事も無く子を持つことも無く年を取り、当たり前のように老衰で亡くなった。 しかし、亡骸を土に埋めてしばらく経ったある日、埋めた土墓の上に赤ん坊が這い出て来た。 赤ん坊を見つけた島の者はひとまず育てる事にしたのだが、成長するにしたがって死んだ爺さんそっくりになっていく。 その男もまた嫁を取らず子を持つことも無いまま年を取って死んだ。 死んで土葬にした数日後、また埋めた場所の上には赤ん坊が居た。 そんな不思議を何度も繰り返し、男はまた年を取って死んだ。しかし、今度は葬儀を終えても土に埋めず、そのまま棺桶に置いておいたそうだ。 すると数日後、棺桶の中の死体は体が腐るどころか時間を巻き戻すかのように老人から青年へ、青年から子供、子供から赤ん坊に姿を変え息を吹き返した。 息を吹き返した赤ん坊は乳飲み子でありながらすっくと立って、見守っていた島の者たちにこう言ったそうだ。 『何百年かの昔、私は井戸に落ちた星を拾い上げて飲み込んだ。そのためか私の魂は死んでもカラダに留まり、このカラダを繰り返し使う事になった。 つまり、年を取れば一旦は死ぬ。しかし勝手にカラダが赤ん坊へと戻るのだ。 だが、どうか恐れないで欲しい。恐れずに私を養育してくれるならば必ずこの島に幸いをもたらそう』 その言葉通り島では急な病や大怪我で亡くなる者が減り、無病息災で人生を終える者ばかりになった。 「――なかなか面白い昔話ですねぇ。死んだら赤ちゃんに戻るだなんて」 「かなり大袈裟に盛ってるんだろうが、確かに無影島の者では若くして癌や脳卒中なんぞで急に死ぬやつはほとんどいねぇ。 最後まで島に残ってた爺さんも婆さんも奄美本島のホームに移ってから老衰での大往生だったしなぁ」 「それでも無人島になっちゃうんですね」 「仕事が無けりゃ人も居なくなる。若ぇもんは島から出りゃ戻ってこねぇしな。ま、それは無影島に限らんが」 無影島から奄美大島に戻り、予約していたホテルにチェックインした萩原。 4時間だけの現地調査よりも小型船の船長が語った無影島の伝説がやけに気になった。 そこで、この地域の民話や昔話に詳しい人がいるなら紹介して欲しいとホテルのスタッフに問い合わせた。 「でしたら当ホテルの会長夫人も詳しいんですよ? お隣に住んでおりますので呼んで来ましょうか?」 「いいんですか? 是非お願いします!」 「人と話すのが大好きな方なので島の昔話なら喜んで聞かせてくれると思います」 若いスタッフはおそらく会長夫人の孫なのだろう。 フロントでの親し気な電話でのやり取りで、それと知れる。 ホテルで夕飯を摂り終えた頃、ホテルの会長夫人と名乗る老齢のご婦人が萩原の元へやって来た。 聞けば齢90とのことだが足腰はしっかりとしており話しぶりも明瞭だった。 ただ、昔話だけでなく個人的な過去の思い出も語っていたため萩原にとっては若干の苦行になった。 「無影島の昔話かえ? おやおや、丁度良かったわい。あたしの母親があの島の出でねぇ、テレビなぞ無ぇ時代だったしラジオの電波も届かんかったけぇ、 子供の頃の楽しみつったら、親から昔話を聞いたり、お手玉で遊んだり、そりゃぁたわいもねぇ遊びでしか退屈をしのげんかったもんだ。 お手玉つってもきれいな錦の布なんざありゃせんので土色の麻袋なんかでこさえての、花や草の汁で染めて――」 あまりに本筋から逸れた部分は大幅に割愛させてもらおう。 「――てなもんで、星のかけらを飲み込んだ人はそれから何度も死んで、何度も生き返ったちゅうわけじゃ。奇妙なのは その人の血を飲んだら病気にならんちゅうて、島の者はおおいに有難いって感謝したそうじゃ」 「ちなみに、その人の名前は分かりますか?」 やっとのタイミングで質問を投げ込んだ萩原に老婦人は当たり前のように答えた。 「そん人はの、ハルタカっちゅうお人での、病気を追い払う神様じゃ、って言う人もおったが、いや、鬼じゃ妖怪じゃと罵る者もいたそうだわい。 病気になるもんが減りゃぁ有難く思うけんど、赤ん坊になって生き返る不思議さをどうしたって気味悪う感じる者もおったんよ。 だもんでの、ハルタカは次第に島の者とは距離を取りなさっての、それ以来、いつ死んだのか、いつ生き返ったのかも分からんようになったっちゅうハナシじゃ」 「ハルタカの血、ですか? 精液じゃなくて?」 「やんだぁ! あんちゃんなぁに言うがよ! なしてここで子種ば出るんが! そげなもんもろたら女たちゃみいんなハルタカに孕まされどるがよぉ!」 大袈裟に手を振り面白そうに照れる老婦人の前で萩原は考え込んだ。 精液も血液もともに「ハルタカ」の体液には違いない。 そして死んだ後に再び新生児として生き返るのも船長のハナシと共通している。 「……まさか、『四万 春孝』は、ハルタカ本人なのか?」 急死する者がほとんどいない筈の無影島の出身なのに四万の両親は四万の誕生と引き換えるように亡くなっている。 片方だけなら事故の可能性もあるが二親そろって、となると考えにくい。 「ハルタカの血を受けた者は病に冒されなくなる……。それってミュータントナノマシンを排除するのと同じ理屈か?」 失敗作である「花園 直樹」の不安定なスライムの腕が安定しただけではなく、カラダの状態そのものが格段に良くなった、との報告を萩原は耳にしていた。 また、ミュータントナノマシンで異常行動を取っていたヴァンキッシャーたちも以前より正常なナノマシンとの親和性がアップし、 月に一度は新しいナノマシンを注入しないといけなかったものが最近では2か月目に入ってもナノマシンの量が落ちていないとも聞いている。 「そうだ、俺も四万の精液を摂取すればするほどスライムの不安定さが減って変身状態の維持がしやすくなっている。このままいくとナノマシンの補助など必要無くなるのでは?」 ◇  翌日、萩原は東京に戻った。 戻った萩原はすぐに四万に願い彼の血液を採取した。 そして、採取した血液を詳細に分析したところ、精液と同様の正体不明の物質を含んでいると判明した。 「四万は無影島の伝説を知っているのか? もしかして彼こそが『ハルタカ』じゃないのか?」 ある夜、四万との情事の最中にさりげなく彼の子供時代の事を萩原は尋ねた。 「んなの、ど田舎の島とは言え普通にゲームで遊んだりもしたぜ? 一番ハマってたのはあれだ、『マジッククエスト5』だったな。 マジクエ5の発売日にはソフト欲しさにわざわざみんなで本島まで買いにいったのは覚えてる」 萩原はハッとした。 『マジッククエスト5』が発売されたのは30年前の事だ。 昨年発売された最新の『マジッククエスト』のナンバリングはもう「14」である。 四万は嘘を吐いているようには見えない。 本気で30年前に当時の新作ゲームソフトを買い求めて島を渡って行ったように聞こえる。 しかし、30年前ならば四万が生まれる前ではないか。 四万の本当の年齢はいったい何歳なのか。 「んな、昔のハナシはもういいじゃん? 早く俺のアナルにミロクのチンポをぶち込んでくれよ。俺の中にいっぱいミロクの精液をぶっ放してくれ」 淫らに腰をくねらせヴァンキッシャー・ミロクこと萩原のデカいチンポをねだる四万。 嬉しそうにミロクのチンポにしゃぶりつき、または頬ずりする四万。 その姿は無影島の伝説の男などではなく、ただただ淫猥に堕ちた性の獣であり無病息災を約束する神でも物の怪でもない。 「……記憶なんてナノマシンで削除できる程度にあやふやな物だし捏造だってできるもんなぁ~。となると、生き返った『ハルタカ』が新しい人生にとって都合の良い記憶(物語)を上書きしたのかも知れない、か」 同一人物でも前の記憶が無いのなら別人だと言える。 「だったらさ、これ以上の調査は意味がないね。四万が捨てた物を俺が拾い上げて突き付ける事の意味なんてさ」 研究者としてあるまじき態度だな、と萩原は苦笑した。 四万の精液の秘密を暴かず放置するなど以前の萩原であれば有り得ないじゃないか。 しかし、萩原は自分のチンポに貫かれ気持ち良さに喘ぐ四万を見つめていると、調査はもうしなくていい、と心から思うのだった。  終 ☆登場人物と用語解説 四万 春孝(しま はるたか)27歳  キャンプ用品メーカー「ポラリス」広報部社員。 入社して5年になる平凡な会社員。ゲイではあるが誰にもカミングアウトはしていない。 社会人になる前に出会い系サイトで知り合った男と一度だけセックスして以来、6年間誰とも性交渉は無し。 ただ、性欲は淡泊な訳でもなくオナニーやアナニーを行ってはその都度処理している。 春の異動で同じ課になった後輩の染野に懐かれている。 染野 聖太(そめの せいた)25歳 ポラリス入社3年目のイケメン会社員。1年前に四万と同じ部署へ移動。副業として『ヴァンキッシュ』でも活動している。 実体はスライム細胞と融合したスライム人間。常に「染野 聖太」に擬態したままの第一個体と、『ヴァンキッシュ』の仕事を請け負い『ヴァンキッシャー』となる第二個体の「セイタ」とに分かれて行動している。 一年前の夏、自社製品のテストを兼ねた有志によるキャンプ旅行にて四万と行動を共にした時から四万を意識し始め、敢えて四万と同じ部署への異動を希望した。 セイタ アダルトサブスクリプション『ヴァンキッシュ』のサービススタッフ(男娼)であるヴァンキッシャー。 スライム人間染野が分裂して変身した姿。見た目は短髪マッチョで人懐っこい柴犬顔の30歳。少年ぽさと渋さとがバランスよく混ざった美丈夫。 チンポが巨大で絶倫。 唾液や先走りには自在に催淫性と興奮効果を付与できる。 四万とセックスする時は分裂した一体ではなく統合体で応じているが、他の会員には分体のみで対応している。 性指向がゲイなので主に男性会員からの依頼だけを引き受けている。 笛吹 魁人(ふえふき かいと)27歳  入社して5年になる四万とは他部署の同期社員。昨年結婚し先月第一子が誕生したばかり。 妻の妊娠後のセックスレスに耐えられなかった事と、女の快感を知りたくなった事も相まってスライム人間・ヴァンキッシャーになった。 キャンプ用品メーカー「ポラリス」においては第一営業部の花形社員として内外の評価が高い。 カイト セイタと同じ『ヴァンキッシュ』におけるサービススタッフ(男娼)のヴァンキッシャー。 笛吹が変身した姿。見た目は黒髪ミディアムロングヘアなガチムチレスラーマッチョ。 野性味のあるワイルドイケメンで30歳くらいの雰囲気を湛えている。 サービス提供時は会陰に女性器も備えた男ふたなりとしてプレイすることを好んでいる。 梅室 涼(うめむろ りょう)26歳 四万と同じマンションに住んでいるインフルエンサーかつユーチューバー。ネット上の名前は『ZINC(ジンク)』 染野や笛吹と同じスライム人間のヴァンキッシャー。男性よりも女性会員をターゲットにサービスを提供していたが 四万とセックスした際に男の良さに本格的に目覚めた。 リョウ スライム人間・梅室が変身した姿。セイタと同じく『ヴァンキッシュ』に所属するヴァンキッシャー(男娼) 見た目は茶髪ツーブロックショートの細マッチョ。元気溌剌とした少年の雰囲気を持つ高校生の容姿になる。 サービス提供時にはチンポをイルカのようなスリットに隠し、興奮度合いに応じて体外に排出。 最長10mまで伸ばせるアナコンダ級の大蛇ペニスの持ち主ながらアナルを犯される事も好んでいる。 磐城 蓮慈(いわき れんじ) 35歳 彗星学園高等学校に勤務する美術教師。生徒を指導する立場ながら教え子に抱いてしまう劣情が年々強くなっていくことに悩んでいた。 そんな折、『ヴァンキッシュ』コーディネーターの目に留まりスライム人間・ヴァンキッシャーになった。 お陰で性欲との折り合いがつき個人的に製作していたキャラクターイラストが高く評価されるようになった。 レンジ セイタ並みのいかつい筋肉とシルバーツイストマッシュヘアにあまいマスクを持つホスト風褐色ヴァンキッシャー(男娼) 年齢の若い男性会員からの依頼を積極的に受けている。 サービス提供時にはアナル開発やアナル責めを好み、チンポをタコの触腕のように変化させ吸盤で腸壁を刺激して楽しんでいる。 また自身のアナル内部にも吸盤を創り、受け入れたチンポに吸い付いてイカせる事も多い。 竹之内 楓(たけのうち かえで)24歳  東京都下水道局に勤務する公務員。 上司の命令を振り切って謎の下水路を調べた結果『ヴァンキッシュ』が入っている秘密の研究施設の存在を知った。 証拠を掴むべく内部に侵入したがすぐに見つかり、適性があったためスライム人間へと改造された。 今では立派な『ヴァンキッシャー』として、また先輩として後輩ヴァンキッシャーに教育を施している。 カエデ 赤髪オールバックに目元が凛々しいちょい悪中年(40代)に変身した竹之内。 超巨大チンポのカリや陰茎に凸凹とボールを浮かべるヴァンキッシャー。 人間をチンポやアナルでボア(丸呑み)するセックスを好み、「ダーティマンホール(汚いマンホール)」とも呼ばれている。 また、自身のカラダを着ぐるみのようにして取り込んだ人間を中に閉じ込めたまま別の男とセックスさせる事によって多くのプリズナー(囚人)を獲得している。 花園 直輝(はなぞの なおき)27歳 主人公の大学時代の親友。卒業後は地元に帰って親の稼業を手伝っていた……、はずなのだがある日、いる筈のない都心の繁華街で姿を見掛けてしまう。 周囲を警戒しながらとあるビルに入って行く様子が気になった主人公は念のためメッセージにて状況を問い質す。 しかし、その答えは明らかに嘘であり、何らかの後ろ暗さを感じさせるものだった。 後日、直樹と再会した主人公は改めて直樹の行動について質したのだった。 斧田 塔矢(おのだ とうや) 45歳 普段は個人タクシーのドライバー。 もう一つの顔はスライム細胞に適性がありそうな人物を『ヴァンキッシュ』に誘い、ヴァンキッシャー(男娼)に変えるコーディネーター。 また、人間をスライム人間に変えるマザースライム細胞を宿しているスライム人間である。 トウヤ スライム人間・新庄が変身した姿。『ヴァンキッシュ』所属のコーディネーター。時にはヴァンキッシャー(男娼)も。 金髪ソフトモヒカンの髪に褐色の肌色をしたボディビルダーのような姿へと変わる。 ウマのような扁平亀頭のペニスを駆使したアナル責めが得意。 萩原 弥勒(はぎわら みろく)30歳 アダルトサブスクリプションサービス『ヴァンキッシュ』の創設者にして代表。ボス。研究所の若き研究員。 スライム細胞を用いて自身をスライム人間第一号に改造した。 また、他の人間をスライム人間に変えられるマザースライム細胞の宿主でもある。 好奇心旺盛で性欲の強い人物ではあったがミュータントナノマシンに侵される前は秘密保持に努め、ヴァンキッシャーやサブスク会員がより快適に、より自由に楽しめるよう考えていた善良な性格だった。 ミロク スライム人間・萩原が変身した姿。『ヴァンキッシュ』の元ボス。一時期変異したナノマシンによって支配され異常行動を起こしていたが主人公の精液によって正常に戻った。 現在は『ヴァンキッシャー』の一体として自身が創設したアダルトサブスクリプションサービスを盛り上げるべくサービススタッフを務め、一方では主人公の肉奴隷として喜んで奉仕している。 ◇ 【淫化ローズ】  いくつかの会員制アダルトサイトをまとめている「ハブ(拠点)」サイト。 会員制エロ・サブスクリプションサービス『ヴァンキッシュ』もこのサイトから移動できるようになっている。 また、SM系『ローズウィップ』、獣フェチの『セカンドフォルム』、ラバー&レザーフェチ系の『粘弾性皮膜』、巨大(微小)フェチの『ギガントミクロ』、石化拘束系『タイトチェイン』などのサイトも淫化ローズから訪問できる。 【ヴァンキッシュ】 招待された会員向けにアダルト(エロ)系サブスクリプションサービスを提供している。 非公開且つシークレットなので先行して会員になっている者からの紹介パスコードが無いとサイト内の閲覧やアカウントの新規登録はできない。 18歳未満はもちろん不可。 無料のフリートライアル期間を経て月ごとの定額料金の支払いが始まる正会員になると、ヴァンキッシュのサービススタッフである『ヴァンキッシャー(男娼)』を選べる他、 アダルトグッズや動画配信など様々なアダルトコンテンツを楽しめるようになる。 シークレットながら会員数が大きく伸びているため新しいヴァンキッシャーを求めている。 ただ、スライム細胞を受容できる適性が必要であったり、肥大する性欲を制御及び活用する意志力が必要。 【ヴァンキッシャー】 ヴァンキッシュ会員へ直接肉体を用いてサービスを行う男娼スタッフの呼称。主に会員に対しセックスを提供している。 全員が運営によって肉体をスライム人間へと改造され、性欲や能力等のコントロールがなされている。 また運営との契約はフリーランス扱いのため、案件の受注に応じてギャラが支払われている。 筋肥大やペニスを巨大化できるのも、精力・精液(愛液)が無尽蔵になるのも肉体がスライムになっているため。 また、肉体がスライムであるため容易に姿を変えられるものの会員の好みを大きく逸脱する形状には成れない。 (基本的にはナノマシンによって一つの個体名に対して一種類の容姿に変身) 同時に分裂可能な数は個体差があるものの平均すると7体、最大で10体まで分裂できる。 主人公・四万の後輩である染野はヴァンキッシャーの一人。副業としてヴァンキッシュの仕事を請け負っている。 【プリズナー】 ヴァンキッシュ正会員に対する裏の呼称。 ヴァンキッシャーとのセックスによって彼らの虜になった会員がまるで囚人(プリズナー)にように見える事から。 【スライム細胞】 ヒトをスライム人間に変える細胞。マザースライム細胞にナノマシンを加えた改良型スライム細胞を対象個体の体内に注入し、定着させることによりスライム人間=ヴァンキッシャーへと作り変える。 現在はコーディネーターと呼ばれるヴァンキッシャーだけがこの細胞を持っており、ボス、斧田を含め5人が存在している。 スライム細胞に加えられたナノマシンはヒトの体のスライム化を早める効果があると共に、脳内に定着して性欲の制御補助、変身前・変身後の記憶と形態の保存、及びスライム人間として必要な基本知識の付与などを担う。 ただ、スライム細胞の適合率は2割に届かない。 失敗した場合はナノマシンの働きにより一連の記憶が抹消され尿とともに自動的に排泄される。 【キュリオス アンド イノヴェーション(CAI)】 「好奇心」と「革新」を標榜する独立系研究機関 数年前までは複数の企業スポンサーにより経営上の問題は無かったがコロナ禍によってスポンサーが減少、独自に資金を集めなくてはならなくなった。 公的機関からの補助や一般からのクラウドファンディングなど様々な方法が検討されたものの、取り扱っている研究内容が極秘かつ非合法だったため断念。 もはや打つ手なし、と研究員たちのほとんどが諦めかけた時、まだ年若く非正規だった補助研究員の一人が性的な欲望を刺激し満足を与えるポルノグラフィーの領域にて資金を調達するのが最適では? と手を挙げた。 「性的な話題は裏話や秘め事として表面化しづらいものです。その上さらに、たとえば会員制にするなどによって我々の存在をさらに隠蔽することが容易になると思われます」 議論の結果、彼の提案に眉をひそめた研究員はCAIを去り、残った研究員たちだけでポルノグラフィーによる資金集めの道を探った。 もちろん既存の性産業の真似だけでは打って出れない事も分かり切っていた。 さらに、手広く扱うよりも特徴を突き詰めた独自のコンテンツなら人々の隠れた欲望に訴求し打開できるのではないか、との声が上がった。 「実は私は、SMプレイが大好きでして、そう言った動画を拝見したり専門のショップに行くこともあります。なので、 SM系のネタは私に任せて下さい」 40近い主任研究員が恥じらいながら、しかし恍惚とした表情で股間を膨らませながら自らの性癖を暴露した。 主任研究員に続いて「私も実は――」と、獣人や獣化ネタで興奮しますと明かす研究員、或いはラバースーツや革製品などのコスチュームを性的に好んでいますと述べる研究員、 カラダのサイズが非現実的な大きさに巨大化(微小化)する妄想に激しく勃起してしまう研究員、或いは石化やラッピングなど拘束したりされたり、が大好きであると鼻息を荒くする研究員などが次々と立ち上がった。 こうして性癖(フェチ)ごとにいくつかのグループを形成し、見る人触れた人の性欲を刺激するネタを提供する窓口となるシステムを構築。 グループそれぞれが独立していながらも研究所の資金調達と言う本来の意志を忘れぬようグループの上に「まとめ役」となる組織も設置。 後にそのまとめ役は「淫化ローズ」と名付けられ、その傘下に収まるグループそれぞれが「会員制アダルトサイト」の運営元へとなっていった。 一番最後に「淫化ローズ」へ加わったのがアダルト系サブスクリプションサービスの『ヴァンキッシュ』であった。 『ヴァンキッシュ』を始めたのは最初にポルノ分野で資金を集めようと手を挙げた若き補助研究員だった。 ナノテクノロジーによる生物への応用を専門に研究していた彼は、未だ完成品とは言えない人工細胞を自身のカラダに用いて実験していた。 その実験は「半分」成功した。 彼はスライム人間第一号として生まれ変わった。ペニスのサイズを自在に変え、男性ながら女性器を形成し、非現実的なカタチにまで変形することが可能になった。 しかも精力が数百倍と大幅に向上したため際限なく絶頂及び射精する事もできるようになった。 一方、その実験は「半分」失敗だった。 長時間変形し続けた状態でいると元のヒトの形に対する記憶が曖昧になり、元通りの姿に戻るのが困難になった。 その上、精力だけではなく性欲も比例して肥大したため常時発情しているような状態になった。 最悪だったのは繁殖行動に抑えが効かなくなっていた事だった。 スライム人間と化した彼の体内で増殖した人工細胞、つまりマザースライム細胞は生物的な本能を強く持っており、生殖・繁殖にも貪欲であった。 気付けば彼に近しい研究員は彼によって人工細胞を植え付けられスライム人間へ、或いは人工細胞が定着しなくとも彼との強烈なセックスによって脳を犯され盲目的な虜(とりこ)に、彼の信者になり果てていた。 彼は自身と他のスライム人間の暴走を防ぐため、また理性を保持し人間としての状態を確保するため自身に新しいプログラムを組み込んだナノマシンを投与。 この事によって体内のマザースライム細胞を制御することに成功した。 また、曖昧になってしまう「元の姿形」の記憶を補強するとともに、変身後の形や人物に固定し続けられる機能をナノマシンに追加することによって変身状態を安定させることが容易になった。 その結果、スライム人間がヴァンキッシャーとして変身したまま性的サービスを提供する道が拓けていった。 後に彼は体内に生じた「マザースライム細胞の核」だけを体外へ分離し、アダルトサブスクリプションサービスを設立。 そのサービスを『ヴァンキッシュ(抑制する・克服する)』と名付けた。 彼は今日も完全なる人工細胞の研究を行う傍ら、夜には一体の『ヴァンキッシャー(男娼)』として獲得した会員とのセックスに興じる。 それは自身の性欲解消と研究所の資金調達とを兼ね、会員たちを快楽の坩堝に融かし込み二度と脱獄できない性欲の檻、すなわち『ヴァンキッシュ』に収監される囚人へと作り変える行為でもあった。 もちろん彼には悪意など微塵もない。 あるのはただ研究への情熱と好奇心、そして精神が焼け焦げる程の快楽への欲望のみ、であった。

秘密の男娼サブスクリプション 16 番外編 (人物、設定紹介も)

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