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鷹取リュウゴ
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唆淫の性花 (異聞・誘淫の性花) 後編7 最終話 (人物紹介含む)

7終章 潜妖の男  『急な異動で引っ越したんだ。当分は会えないけどこれからも頑張ってくれ』 スマホへのメッセージ一つで切れてしまう関係性。 寂しいったらないよな。 俺たち、セックスまでした仲だってのに。 「中林の奴、自分がモンスターになったから俺の前から姿を消したんだろうな……」 何度も目にしたメッセージの表示を消してスマホを裏にした。寂しさと同時に悔しさも込み上がって来る。 中林のとって俺は、その程度の人間だったのか、と。 「――そうすると俺も消えた方がいいのかな?」 向かいの席に座っている篝さんが照れ臭そうに眉を掻いた。 ◇  ジムの近くのカフェに来た俺は篝さんから謝罪されていた。   「この前は怖い思いをさせてごめんなさいっ! 調子に乗り過ぎました!」 俺まで魔淫花にしようとした部分については特に念入りにお詫びされてしまった。 それとは別に、こうしてモンスターじゃなく人間の姿に戻っていると、顔もカラダもマジでパーフェクトにカッコイイ人なんだよな。 羨望や嫉妬なんて感情が掻き消されるほどのイケメンぶりだ。 「もういいですよ。気持ちは十分伝わりましたから」 それに、篝さんとのセックスは最高だったし。 「お詫びされるくらいなら俺とまたセックスして欲しいんですけど……」 中林と篝さんのせいで俺はすっかり男同士の世界に目覚めちまった。去ってしまった中林は仕方が無いとして、篝さんにはその責任をしっかり取ってもらわなくては。 「え? いいの? 俺、興奮したらまたモンスターになっちゃうよ?」 「構わないです。俺だって似たような者ですし」 そう。 男なんてどいつもセックスしたくて堪らないモンスターなんだ。 行為を始めたら本能と欲望に従って、普段は見せない側面が出てきたりする事もよくあるハナシ。 「うわぁ~、良い人だなぁ~、森本さんってすごく心が広いなぁ~。そうだ! いっそ俺と付き合ってくれませんか? 俺、こうみえて尽くすタイプなんだよ?」 おい? 自分はモンスターなんだけど、って遠慮はどこに行った? 激しく段階をすっ飛ばしている自覚はあるのか? 「え? 嫌です。篝さん、すごくモテるでしょう? 俺、そんな人と付き合ったら嫉妬で狂いそうですから」 「ぐ……。確かにモテるけど、俺の正体を知ってまで付き合えそうな人なんて今は森本さんくらいしか……」 「いえいえ。俺みたいに全てを許容できる人は他にも見つかるかと。それよりも――」 俺は少し冷めたコーヒーを口にした。 苦い、けれどまだ暖かくて美味しい。 「……結局、どうして俺を魔淫花にしなかったんです?」 気になっていた。 どうしても聞きたかった。 「それは、あの時の中林との約束で……、あ、いや、森本さんには種が根付きそうになかったので諦めたんです」 「それは嘘じゃぁないんでしょうね?」 「もちろんっ!」 ドン! と篝さんは逞しい胸を張った。そのせいでインナーのシャツがはち切れそうになっている。張り出した大胸筋の上に乳首まで浮かんじゃって、マジでエロいんだから……。 「ま、まぁ、いいです……。次のセックスでは俺の意識まで飛ばさないようにお手柔らかにお願いします」 そう。先日篝さんとセックスしたら途中で気を失ってしまい朝まで何も覚えていなかったのだ。 あまりにも激しいプレイはさすがにマズい。いくら気持ち良くっても制御不能になって意識が戻らなかったらマジで命に関わっちまう。 「ええ。その辺は任せて下さい。魔淫花の媚薬無しでも森本さんを虜にできるくらい頑張ります」 ある意味とっくに虜にはなってるんだよな。でなきゃまたセックスしたいなんて言う訳がない。 もしかすると、篝さんに特定の相手がいないのは正体がモンスターだからじゃなくて根本的に篝さんが他人の気持ちに鈍いってのもあるんじゃないだろうか? こんなに顔もカラダも完璧なのに、恋とは微妙に異なるものの俺の好意に気付いていないなんて……。 他にも微妙に疑問は残っているけど敢えて聞く気にはなれなかった。 誰にだって他人には言えない秘密の一つや二つは持っているものだろうし。 「さて、これからどうします? 俺は明日、フリーですけど」 今は土曜日の午後だから明日も休み。特に予定は入れていない。 「じゃぁ、今からホテル行きません?」 分かってます。その股間の膨らみ方を見れば凄くヤりたいってのが痛いほど。 ◇  慣れた感じでホテルに入っていく篝の後についてチョイスした部屋に入って行った。 まるで普通のビジネスホテルみたいな部屋だけどローションやコンドームが用意されているのを目にすれば、確かにここはラブホテルなんだな、と認識する。 「前に行ったホテルより地味なんですね」 「でしょう? 長時間利用する場合はコッチの方が安く済むんです。って、あぁ~、こんな事を言ったら俺が凄く遊んでるみたいに思われるのに……」 「実際そうなんでしょ?」 「ぐ……、はい、遊んでます……」 イケメンが叱られた犬みたく萎れてるのを見るのもイイもんだ。 俺の中のネガティブな気持ちが慰められた気がして我ながら品性最低だな、とも思った。 「へぇ、ハーブティーなんてのも置いてあるんだ?」 ベッドサイトのローボードに置いてあるかわいい袋にはティーバックながら何種類かのお茶が置いてあった。 「飲んでみます?」 「そっすね、丁度のどが渇いてたし」 じゃぁ用意しますよ、と篝さんはミニキッチンに行き二つのカップにポットのお湯を注いだ。 魔淫花とは異なりふわりと優しく香るハーブにいくらか気持ちを和ませながら一口飲んでみる。 「へぇ~。こんな飲みやすいんだ? ハーブティーって」 コーヒーや紅茶とは違うまろやかな口当たり。そして、安らぐ香りが実に良い感じ。 ほっこりしたせいか急に眠気が俺を襲った。 いや、ダメだろ? 今から篝さんとセックスしようって時に! なんでこんな眠くなってんだよ! 「カモミールティには眠気を誘う成分も含まれていますから。もちろん俺は何も出していないですよ? 芳香も体液も」 「じゃ、じゃぁ普通に、俺……、まだ、なにも、して、ねぇ、の……に……」 「お疲れだったんでしょうね。強くはないですし少ししたら起こしてあげますから。ちょっとくらい眠っちゃっても構いませんよ」 篝さんの言葉にホッとした俺は、急速に意識を眠りの世界へと泳がせていった。 ◇  「――さて、本当に俺は何もしていないんけど……、中林だろ? 森本さんを眠らせたのは」   眠ってしまった森本のカラダが勝手に動き出した。 立ち上がって素っ裸になった森本の背中がメリメリと裂け、内部から緑色のカラダを持つ魔淫花の上半身がズルゥと飛び出した。 「ぅんん゛っ! ぬふぅ~……。――その通りだ。カモミールティを一口飲んだだけで眠るなんてあり得ないからな。 俺の睡眠液を森本に吸収させたんだ」 「あれからもずっと森本さんに寄生してたんだ?」 「まぁな。保険は掛けたけどアンタが森本に悪さしないか見張ってないといけないし」 「俺ってそんなに信用ならない?」 「本気で言ってるんなら一度医者に診てもらう事を勧めるぜ。精神科か脳神経科のどっちかにな」 森本の中身を吸収した中林は抜け殻の皮だけになった「森本」を太ましい雌しべでジュルンと吸い込むと、両手を組んでボキボキ指を鳴らして篝をギロリと睨んだ。 「さぁて? 次はどんな悪だくみを森本に?」 「待て待て、悪だくみなんて何も無い! 無いから!」 「嘘をつくな。性癖が急に消えたりする訳ないだろうが。今でもしつこく森本を狙っているんだろう?」 「――んふふ、やっぱ同族は誤魔化せないのか。面倒だなぁ。君さえいなくなったらすぐに森本さんには種を渡すつもりではあるけど」 「やっぱりな」 「そういう君だってどうしてんのさ? 魔淫花は人間の精液を摂取しないと干乾びて弱っちゃうのは理解してる?」 「……いいだろ、そんなの。放っておいてくれ」 「俺の推測だけど、森本さんが寝てる間に他の男を襲って精液を搾り取ってるんでしょ?」 「…………」 「返事が無いってのは当たり、か」 篝はジャケットを脱ぎ、ジョガーパンツを脱ぎ、ブーメランビキニをするりと膝下に送った。 ぬらぬらと光るなまめかしいマッチョボディが森本の中から現れた中林の眼前に迫った。 「俺は……、あんたが森本を諦めるまではこうして森本をガードするつもりだからな」 「んふふ、健気な中林もすんげぇそそるぅ~。森本さんを第一に考えているくせにカラダは俺を求めてそんなにも雌しべを勃起させちゃってるのもさ、あぁぁ、やべぇ~! 本能汁が溢れ出そうなのを必死に耐えている中林に超興奮するぅぅぅーーーっ!」 自分で自分の肩を抱きしめる篝のカラダがビクビク震えてパンプアップ! マッチョな肉体がさらにボコボコ盛り上がり皮膚は中林と同じ緑色に染まっていく。 そして、髪が真っ赤に変色すると肥大した股間の「雌しべ」の裏にヴァギナがメ゛リィッと口を開いた。 「ぐふぅぅ、やっぱさぁ、我慢したいけど我慢できないヤツって堪んねぇわ。見てるだけでマジでイキそうになる」 「ふん、そいつは良かったな。だけど森本までアンタの玩具にはさせねぇから。取りあえず俺でその歪んだ欲望をなだめてもらいたいもんだ」 「どうせ君だって俺が手を引いたら森本さんを魔淫花にしちゃうつもりだろ?」 「…………」 「そうだ。確かに俺は歪んでる。だが、君は俺より抜け目がない。今すぐじゃなくたってきっと森本さんに種を植え付ける筈さ」 「だとしても、性癖でシコるためだけに利用しようとしてるお前よりかはマシだ」 「そうかな? 結果的には一緒なのに?」 「そんな風な考え方だからあんたは、いつまでもボッチなんだよ」 篝は両手をひらひらさせて呆れた風に首を振った。 「酷っでぇ。俺をそんな人でなしみたいに言うなんて」 「人じゃないんだから間違ってない」 「はっ! だよね。じゃぁ無意味な言葉遊びはこれぐらいにして、おっ始めるとしようか」 篝の腕が中林の肩を抱いた。 中林は篝に体重を預け、逞しい胸に顔をうずめた。 「なぁ、森本には手を出さないでくれよ。頼むから……」 「ええ? 今度は泣き落とし? だったら俺が魔淫花に変身していく様子を撮った動画は完全に削除してくれないと」 中林は篝に口先だけの約束を求めていた訳ではなく、もしも森本に魔淫花の種を植え付けようとして手を出したらただちに動画を公開して秘密を公にバラすと脅していた。 「それは、……できない」 「じゃぁ、その頼みは聞けないな」 「代案がある」 「代案?」 「俺の後輩で手を打ってくれ」 「イケナイ先輩だぁ。後輩くんを生贄に差し出すんだ?」 「…………」 「でも俺、後輩くん一人だけで満足できるかなぁ?」 「だったら他の奴も提供する。何人でも」 篝は中林の顎をクイと持ち上げた。 「なぁ、そんなに森本さんが? お前はもう人間じゃなくて俺と同じモンスターなのに?」 中林は目に力を込めてうなずいた。 篝はパッと顎から手を離した。 「あ~、嫌だ嫌だ。モンスターと人間が長続きするわけないじゃん。なのに、何でそんなに貫けるんだろう? いつかはどうせ欲望に負けて魔淫花の種を植え付けるつもりだろう? それなのにさぁ……」 篝は肩をがくりと落とし中林の視線から逃れるようにそっぽを向いた。 「……分かった。あ~もう分かった。マジで分かったから。改めて森本さんに手出しはしないって誓うから。そんなまっすぐ試すような目を俺に向けるなよ。マジでウザいからさ」 正面にまわり込んだ中林がうなだれる篝をグッとハグすると、勃起した雌しべが篝のモノと触れ合ってヌチャァと音が鳴った。 「分かってくれて嬉しいです。じゃぁ来週にでも後輩を連れてくるんで種を与えてやってください」 「へ? もう手を引くって言ってるのに?」 「俺は今のところ森本と共生してるんで種の出し入れをしたくありません。篝さんは体内にたくさん持ってるんでしょ?」 「それなりには、ね」 「だったら遠慮なくどうぞ。森本以外の男が魔淫花になるのは問題ありませんから」 篝はガクリとうなだれたままベッドに腰を下ろした。 「あ~、やっぱ俺、目をつける順番を間違えたんだな。先に森本さんにアプローチしていればよかったよ。俺以上の悪党を魔淫花にしてしまうなんてなぁ」 「悪党だってのは否定しません。だって俺も篝さんと同じ魔淫花なんですから」 「……も、いい! お前も俺無しじゃ生きられないくらい虜にしてやる! 森本さんより俺の方がスゲェって叩き込んでやるからな!」 「んひぃ! 俺のマンコにデカいのがキダァ!」 中林のヴァギナにズブゥと乱暴に挿入されていく篝のズル剥け「雌しべ」 ニタァと邪悪な笑みを浮かべた篝だったが直後、その笑みが「蕩け」て崩れた。 「がはぁぁあっ!? ちょ! お前も同時にぶち込むのかよぉっ!?」 中林の雌しべもまた篝の会陰に築かれている女性器の裂け目を突き挿していた。 「ダメだ、ぁあ~、やっべぇ~! マジで最っっ高だぜこのカラダぁぁぁ! ぐっひぃぃ~! キ゛ィ、モ゛ォ、チ゛ィ、……イ゛ィィィーーーーッ!」 終 人物紹介 森本 美咲(もりもと みさき)32歳 区役所勤務の公務員 ストレス発散のため近所に出来たジムに通い始めた。 そのジムで中林と出会いジム友になった。 中林 繁(なかばやし しげる)33歳 建築デザイン会社勤務のサラリーマン 魔淫花に堕ちた男 三十路に入って出て来た下腹が気になったのでストレス発散も兼ねてジムに通い始めた。 ある日、ジムの誰もが息を呑むほどマッチョな男から肉体改造に効果があるとして希少な植物の種を植え付けられる。 中林の体内で発芽した種は男の言う通り中林の肉体を作り変え、人間ではなく魔淫花に堕転生を果たした。 篝 悠里(かがり ゆうり)35歳 フラワーアーティスト(華道家) あるジムで「ミスターパーフェクト」と呼ばれているほどカラダがマッチョなイケメン。 見込みのある男に魔淫花の種を植え付け魔淫花に堕として自身の性癖を満たしている。 篝自身も魔淫花である。

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