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鷹取リュウゴ
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触手堕ち小説家の官能メイクラヴ 3

 お隣りさんだった須崎さんに案内され雑貨店に入った。 棚には今昔も、洋の東西も問わない様々な商品が並んでいて見ているだけでも楽しめた。 が、とある商品を目にした俺は激しく動揺した。 「なぜこの同人誌がここに?」 俺の呟きを拾ったのは雑貨店のオーナーだった。 「コーヒーをお淹れしたので、よろしければいかがですか?」 漂うコーヒーの香りが蜘蛛の糸のように俺を手繰り寄せた。 席についてコーヒーを味わう。 すると、不思議なほど俺の心情が、嘘や見栄で糊塗することなく抱えている悩みをオーナーに話していた。 「ではこちらのアイテムを使ってみてはいかがでしょう?」 オーナーの勧めるモノはハッキリ言って眉唾で、到底信じられない出自のモノだったが……。 ********** 3『慰昆堂』と言う名の店  「雲居さん、こんばんは。今日は俺だけじゃなくてもうひとり……? あれ? 居ないのかな?」 お店の中に入ってカウンターに声を掛ける須崎さん。 しかし、カウンターには誰も居らず返事も無い。 「……ふむ。お手洗いか或いは奥で片付けでもしているんだろうな。ちょっと呼んできますので朝霧さんは店内の商品をご覧になりながら少し待っていてください」 分かりました、と答えると須崎さんはすっとカウンターを越え店の奥に向かう。 「なんの躊躇いも無くバックヤードに入っちまうなんて、須崎さんてここのオーナーとは相当仲が良いんだ」 一人残された俺は須崎さんの言う通り店内の商品を見ることにした。 外観からは喫茶店風にも見えたが喫茶店にしては席が少ない。座れる場所はカウンター前の4席しかない。 所狭しと並べられているアイテムから見て骨董品を扱う雑貨屋、セレクトショップと言う感じだ。 レプリカだとは思うけどエミール・ガレのキノコのランプにミュシャのポスター、その隣には高そうな白磁の壺がある。 振り向くとインドの民族楽器であるシタール、モンゴルの馬頭琴、我が国の三味線なんかも飾られている。 また別の場所にはVRのゴーグルがあり最新型スマートフォン……。 統一感と言う言葉を見失っているような品揃えだ。西洋から東洋まで、クラシックなものから最新アイテムまで。 見ているだけで面白いなとは思うものの購買意欲をそそられる物は……、ん? こ、これは!? 「ルー民さんの『コンドームルーム』がなぜここに!?」 薄い冊子を手に取り中身をパラパラとめくる。間違いない。ルー民(るーみん)さんの同人誌『コンドームルーム』だ。 装丁の雰囲気からして海賊版ではなく真本だろう。 ルー民さんの『コンドームルーム』とは、俺が同人ながらエロ作家になったきっかけの一冊。 俺をこの世界に引きずり込んだ凄いポルノ小説だ。 「ルー民」とはもちろんペンネームであり本名は不明。即売会にて売り子をしていた人は本人ではなく依頼された別人だった。 ルー民さん本人は来ていなかったので性別はもとより年齢も分からない。 思い起こせば11年前。 俺が21歳で社会人になる前、当時のダチに誘われて参加した大規模な同人誌即売会で偶然手に入れたオリジナル同人小説。 ただ、それっきり活動を辞められたみたいで『コンドームルーム』だけが世に出た唯一の作品となっている。 そして、これは俺が初めて文字でヌいた作品でもあり目標とすべきエロ小説の一つの到達点、だと思っている。 「あの会場に50部だけ売り子さんに委託されて、俺がその最後の一冊を買ったんだ。で、売り子さんが『50部完売できてホッとしました。本人に完売したと伝えたらきっと大喜びします』と言ってたっけ」 題名だけの不愛想な表紙をめくって1ページ読むか読まないかでも俺の股間はムクリと起き上がってしまって誤魔化すのが大変だったんだ。 自宅に帰ってからちゃんと読み始めたら行間から匂い立つ淫らな感性にページは止まらず、チンポを扱いてもいないのに思い切りパンツにぶっ放していたんだよなぁ。 さしずめパワーワードならぬ「パワーエロス」ってヤツだ。  「いらっしゃいませ、お待たせしました。あぁ、そちらの『コンドームルーム』、本当に名作ですよね。限定50部でしたが会場に足を運んだ甲斐がありました」 カウンターの奥から現われた若い、と言うか俺や須崎さんとさほど変わりない年頃の青年が現われた。 青年に続いて須崎さんのゴツイからだがヌッと出てきた。と言う事はこの青年がここのオーナーなのだろう。 「へぇ! お読みになったんですか! やっぱりこの作品は凄いですよね! 俺にとっても一生の宝物です!」 『コンドームルーム』ファンと言う俺との共通点があると知って嬉しくなってしまう。 ルー民さんがもし居なかったら今の俺は居ない。彼(彼女)は俺にとって大切な恩人の一人なのだ。ルー民さんは俺の事など知る由もないけれど。 しかし、店舗に陳列されている、と言う事はオーナーにとっては手放しても良いモノなのだ。 売る、売らない、は自由だとは言え少し寂しい。 「私は観賞用、保存用と2冊手元にありますので、本当は惜しいんですけど1冊はどなたかご縁のある方にお譲りしても、と思ったんです。一人でも多くの方にこの作品と作者さんを知って欲しくて」 ごめん! オーナーさん! 顔に出てたみたいだ。 寂しいとか思ってすみませんでした。ちゃんとルー民さんと『コンドームルーム』を大切にしている人じゃないですか。 心の中で前言撤回と謝罪をさせて頂きます。 そんな俺を許すかのように馥郁たる香りがカウンターの奥から漂って来た。 「どうぞ、こちらへ。コーヒーをお淹れしました。よろしければいかがですか?」 オーナーの隣に立っていた須崎さんも手招きしている。 「朝霧さん、オーナーの淹れるコーヒーは絶品です。そこいらの喫茶店なんか目じゃないってくらい美味いんです」 なんだが我が事のように自慢しちゃって。やっぱりオーナーとはかなり仲の良い友人なのだろう。 俺は『コンドームルーム』をそうっと元の場所に戻しカウンターに座った。 鮮やかな緑釉のカップにはに紫の蜘蛛の巣のデザイン。色も絵も印象深いカップから澄んだアロマを放つ褐色の液体が湯気をほんのりとくゆらせている。 香りだけで俺の鼻が喜んで膨らむ。オーナー曰く「ただのコーヒー」でこれほどとは。期待が高まる。 飲む前に期待値を上げるのはあまり良くないと自重しつつひと口を流し込む―― 「……!? うわ……」 「どうでしょう? お口に合いました?」 「凄い……。なんて言うか、その、香りも苦みもほのかな酸味も、風味全体のバランスが良くて後味も最高で、メチャクチャ美味いです! ああ、作家の端くれなのにそれ以上の言葉が出てこないっ!」 「なるほど、お客様は作家の先生でしたか。須崎さんがお連れになったからてっきり――」 オーナーの横で須崎さんが唇に指を当てた。 「それ以上は言わないで」と言う仕草だ。 「失礼いたしました。お客様ご本人からお話を伺う前に勝手な見当を付けて応対するのはよろしくありませんね」 「いえ、ちっとも。そちらの須崎さんの紹介でここへお邪魔してるのは事実ですし」 「ありがとうございます」 ここで須崎さんが「じゃぁ、またね」とオーナーに告げ俺にも「ごゆっくり」と笑顔を向け店から出ていってしまった。 オーナーは表情に変化を見せず俺に向き直った。だけど心なしか寂しさを感じさせる。 仲の良い須崎さんが去ったからだろう。 「このお店は営業する曜日も時間もまちまちで、臨時休業する日も多いものですからお客様にはご不便をおかけしております」 「そうなんですね。『コンドームルーム』以外にも面白そうなアイテムやグッズが一杯なのに」 「儲けを意識していないからでしょう。私の好きに商売をやらせてもらってます」 「それが一番だと思います。やりたいようにやりながらでも経営が成り立ち飯を食っていけるなんて最高だと思います」 「おや? 作家と言うお仕事もかなり我がままが効く職種じゃないですか?」 「締め切りなんてのを省けば作業時間も作業場所も俺の好きにできますけど、一番肝心な俺自身のモチベーションがままならなくて手を焼いてます」 「と、言いますと?」 俺は新作の核として触手を扱う事にしたのだが、今まで触れた事の無いネタであり尚且つ現実にも存在しないモノなのでどのように表現すべきか悩んでいる、突破口が見出せなくて壁にぶつかっている、事をオーナーに話した。 話し終えてからどうしてこんな下ネタを初対面のオーナーに聞かせてしまったんだ? と違和感を覚えたものの後の祭りってやつだ。 「なるほど。では現実に存在する対象の描写は問題無く?」 ルー民さんのレベルにはまだまだ至っていないけど、実体験としてそれなりにセックスの経験も有り、風俗にも行き、 風俗産業に従事している人にも取材させてもらえたのでそれなりにリアリティのある表現が出来ている、と自負している。 ただ、触手ネタに手を焼く前からの、このところのスランプについてはまた別な理由があるような気がする。 性欲そのものが減退する年齢でもないってのに一年以上セックスとはご無沙汰だ。 小説で描く内容の方が激しく濃厚なのでリアルセックスが薄味に感じられるとか、多少工夫してもマンネリ化してしまっていつもの刺激じゃ不完全燃焼に終わってしまう、ってのもあったからだろう。 「……なので、ネタ切れなんかじゃなくて作家として賞味期限切れなんじゃないかな、と最近特に思うようになっていたんです。 ところが今日、俺のためにネタとなるアイデア作りにイラストレーターの先生がお見えになって、その先生の作品の中でとても エロい触手モノのイラストを拝見したんです。それで、俺も触手を初めて作品にて扱ってやろうと思いついたんですが……」 触発されて書き始めたものの今までの書きグセや発想方法、表現力が「枷」になってしまって一向に形にならない、あるいはなりそうに無い。 忸怩たる思いが募るばかりで頭がテンパって来たので外に出て気分を入れ替えようとした時にお隣の須崎さんに会ったのだ。 ただ、いままで交流が何も無かったので今回初めて須崎さんと言う人物を認識した。 「ちなみに、その触手イラストとはどのようなものだったんでしょう?」 「とてもマッチョな男性が両手と両脚を触手で拘束され、別の触手にケツを〇〇れながら惨めにチンポから射精している、と言う内容でしたね。 イラストでしたけど男性器や筋肉の描写がとてもリアルで、それだけでも目を見張りました」 「それはそれは。私もそのイラストを拝見してみたくなりました。で、お話を元に戻しますが、とにかく朝霧さんは現状を打破したい、触手ネタを元に納得の行く官能小説を書き上げスランプを克服したい、と言う感じでしょうか」 「ええ、その通りです」 「もしかしたら朝霧さんご自身がそのイラストの男性のように嬲られたい、触手に〇〇れたいと思われた。だから興奮を覚えたんじゃありませんか?」 オーナーのふんわりした微笑みとは真逆の鋭い視線が俺を貫いた。 「そ、そうか。そうだったのか。俺もイラストのマッチョ野郎みたいな目に遭ってみたい、体験してみたいからネタに採用したのか……」 オーナーの指摘にハッと思い当たる気がした。 「そして、男同士と言う未知の世界に興味を持たれたけれど心のどこかでそれを否定している。だから触手のリアリティが出せない、表現方法が分からないと逃げてしまっているのでは?」 「そちらも否定できないですね」 「触手は男性器のシンボル、つまりペニスのメタファー(比喩)ですし、アナルとの結合部だけを見れば触手はペニスそのものと言えます。 また、〇〇されている男性の筋肉質な姿にも興奮を覚えていた、となると導き出される答えは、ええ、そう多くはないですよね?」 「俺も、男と寝てみたい? ゲイ的な要素がある、と?」 「ご存知かもしれませんが人間の性指向は白黒きっぱり別れている訳ではありません。どちらかの傾向はあるでしょうけれどほとんどの方がグレーだと言われています」 そうだ。 俺は知っている。知っていて知らないふりをして、我が身に置き換えてこなかっただけ、なのだ。 俺の中にも男への性的興味は確かにある。あると認めたとして、どうすればいいのか。セックス相手としての男との出会いなど 触手に触れる以上に俺にとってはファンタジーで現実味が無かった。 「朝霧さんの中に隠れていたゲイ的な欲求を満たす事ができれば、ご覧になったイラストへの理解が深まり納得のいく表現が出来るかもしれませんね」 「……それじゃぁ結局、俺はダメって事じゃないですか。無理ですよ。俺の中に潜んでいる男へのエロい欲望を満たすなんて。 プロデビューする前も含めるとこの10年。俺はカラダを鍛えることもせずダラダラと脳内の妄想を書き綴ってただけ。 あまり食には興味をもたなかったからデブとは言いませんが、腹は腹筋のフの字も無いし、腕も足もガリガリですよ? やはりモテる男はそれなりに筋肉質で顔もカッコ良くないと」 こんな自分とセックスしてみたいと思う物好きヤツなど居よう筈もない。ましてや俺から誘うなど絶対に無理。 残りわずかだったコーヒーを口にしてカップを空にする。 冷めて苦みの増した味が舌に残る。 どっちみち解決できないじゃないか、ともう一人の俺がせせら笑う姿を瞼に想起しながら。 「やっぱり俺の作家人生はもう終わっちまっているんじゃ――」 「朝霧さん、いえ、『出釜 乱人』先生。そんなに早く結論を出さないで下さい。何のためにこちらのお店にいらしたんです?」 「あれ? 俺、ペンネームまでオーナーに言いましたっけ?」 「あちらの棚を御覧になって下さい」 俺の問いをスルーしてカウンターから出てきたオーナーは俺の手を引くとルー民さんの『コンドームルーム』が置かれていた棚の真裏に引っ張って行った。 「うわ!? お、俺の作品が全部そろってるじゃないですか!」 「そうです。商品として置かせて頂いていますがもちろん私も全て拝読させて頂きました。男女の機微、ベッドでの秘め事、 セックスに到るまで徐々に積み重なっていく背徳感と高まる興奮の描写、いずれも私は大好きです。まだまだ出釜先生は素晴らしい官能小説を世に送りだせる。そう信じている大ファンの一人でもあるのですよ? 私は」 「そ、そうでしたか、なんて言うかその、本当にありがとうございま……!? うえ! 何でデビュー前の俺の真の処女作がココに!?」 そう。 同人作家として活動した後一般の会社に就職し、5年前に今の編集に口説かれてデビューする事ができたのだが、本当に作家一本でやっていけるのか不安に思った俺は、名前を出釜ではなく別のものに変えて編集にも内緒で違う出版社に作品を持ち込んだことがあったのだ。 そんな腕試し的な作品が地味に小さな賞をもらえて本と言う形になった。なってくれた。 お陰で自信がついたからこそ編集の口説きに応じて今の出版社でデビューする事を決意したのだ。 確か、販売部数は1000にも満たず、権利も賞金と引き換えに渡してあるため印税と言うモノは入っては来ないのだが。 それにしても、編集は元より誰にも話した事の無い俺の秘密の処女作をこのオーナーはどうやって知ったのだろう? 「『薔薇姫の臥所(ばらひめのふしど)』とても楽しく読ませて頂きました。やはり出釜先生の作品だったんですね? 文体や出てくる言葉の特徴からもしかしたら、とは思っていました。なので、お名前を変え『出釜 乱人』先生として 本格的に執筆活動を始めれられたと知った時、心から喜んだことは言うまでもないでしょう」 「いやもう、ただただ恥ずかしいですよ。こんな勢いに任せた稚拙な作品までご存知とは」 「だからこそ、です。このスランプをも糧にして出釜先生は、さらに一皮剥けた素晴らしい官能の世界を私を含めた読者に示して頂けるものと強く、強く、期待しているのです」 「そこまで見込んで頂けるとは作家冥利に尽きます。けれど――」 「出釜先生。突破口を開くためのアイテムが当店にはございます。多少のリスクは伴いますけれど、いかがでしょう? 思い切ってお使いになってみませんか? 先生であればきっと良き結果に至る、と私、信じてます」 俺を再びカウンターに座らせたオーナーが、店舗のどこからか寄木細工の小さな木箱を持って来て俺の前に置いた。 「これは?」 「こちらの中には『ガスプ』と言う生き物の一部が入っております」 「ガスプ? 初めて聞きます」 「古代、パンゲア大陸の湿地に生息していた触手生物、つまりは魔物ですね」 「魔物!? いやいやいや、しかも、パンゲア大陸って2億年とか3億年前に存在していた超大陸じゃないですか!  そんな時代の生き物の、それも魔物だなんて……」 「おや? 居ないとお考えでいらっしゃいますか?」 「有り得ないです。常識的に考えて。存在するはずないでしょう? 神話とか伝説とか、妄想やファンタジーの中だけの筈……」 「官能小説だって妄想とファンタジーの世界でしょう? それを書くことを生業としている出釜先生ともあろう御方が、頭から魔物を否定するなんて、とても残念でなりません」 「そんな事言ったって―― あ! 分かった! 分かりましたよ! そうやって俺を担ごうとされてますね? 俺を騙してドッキリ的なアレでモチベーションを上げようと。いやいや、だったらもう十分に驚きました! そうやって俺を応援したいお気持ちもしかと届きましたので!」 オーナーの青年は苦笑していた。 「……う~ん弱ったな。私は嘘などついていないのに。ですが、まぁ良いでしょう。これが魔物かどうかはこの際置いておいて、 出釜先生、いえ、朝霧さんの隠れていた欲望を満たし、今のスランプを脱して更なる高みに登りたいと本気で考えておられるのでしたら、無理に信じなくて構いませんので是非こちらをお使いになってみて下さい」 オーナーはそう告げると5cm四方の木箱を開け、中に入っていた黒ずんだ干瓢みたいなモノを俺に見せた。 「って、言われてもなぁ……」 「使用方法は簡単です。水に浸して戻すだけです」 「そう言われても……」 カタチだけの遠慮ではなく心から乗り気ではない俺の手にオーナーは小箱を握らせた。 その時俺は、オーナーの顎にぱっくりと裂けている大きな傷がある事に気付いた。 そして、傷の裂け目からモゾモゾ蠢く獣毛のようなモノが微かに見え、瞬間、俺の背筋がゾクリと凍り付いた。 ――俺は、今までナニと親し気に会話をしていた? 何故、■■■のようなモノに心情を吐露していたんだ? 「おや? どうかされましたか? ああ、この傷ですか。目立ちますよね? でも、この傷ごと私を愛おしいと言って下さる人間がいるのです。 いっそ完全に閉じてしまおうかとも思うんですけどそんな人間が居る間は、このままでいいのではないか、と」 傷を撫でつけながらうっとりと笑みを浮かべるオーナー。 俺は、その姿がとても不気味で恐ろしいものだと感じていた。

触手堕ち小説家の官能メイクラヴ 3

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