他の住人に迷惑をかけることなく性欲を発散させ、なおかつ収入にできる方法がある。 そんな提案を大家から受けた俺と誠二はバイオスキンを身に着けセックスワークを始めることになった。 これが予想以上の人気になり毎晩予約が入るほどの盛況ぶり。 俺たちのエロいカラダと濃厚なサービスが高い評価を受けていた。 そんなある日、大家に誘われロードバイクツーリングに参加。 爽快な気分でランチを食べていると――。 ******* 4新しい夜の仕事 「ご予約ありがとうございます。俺はカズキです」 「どうも~! こっちはセイジです~! お兄さん、こういう店に来るのは初めて?」 予約の時間ピッタリに入って来た男は俺とセイジを見るなり「すげ~!」と叫んだ。 股間を見れば早くもこんもり盛り上がっている。 セイジも俺も敢えてタンクトップにブーメランビキニと言う際どい恰好になっている。 「気に入ってもらえたようで良かったです。さぁ、中へどうぞ。サービス内容と料金などを説明させて頂きます」 料金と時間などのメニューを説明すると青年は申し訳なさそうに、しかし、目だけは欲望で爛々と輝かせながら俺たちに言った。 「す、すみません、『ボーイ1名と1時間』のコースで予約してたんすけど、その、2名で2時間に変更はできますか? どっちの兄貴も、画像で見るより超タイプだったので!」 「大丈夫です。当店は一晩に一組のみ予約を受けておりますので延長は可能です。それとボーイの追加も」 「や、やった!」 先に「2名2時間コース」の料金を客の青年から頂く。現金じゃなくてスマホでの決済だ。それが終われば青年の服を俺とセイジで脱がせる。 緊張をほぐすために一緒にシャワー浴びましょうか? と誘えば「是非!」と鼻息を荒くする。 バスルームに案内するついでにトイレの場所も説明する。 その間に周りをチェックする余裕が出てきたようで貴重品入れにスマホと財布をしまって自分だけの暗証番号を入力していた。 「なぁ、アイツって、村本だろ?」 「ああ。これで4人目だ」 セイジが俺の耳元で小さく囁く。俺も短く返事をする。 ここは俺や誠二が通う大学に近いからか、客を迎えるようになってたったの2週間で4人も知っている奴が来た。 中には一緒に合コンに参加して彼女をゲットしたヤツまで居るし。 それにしても村本が男好きだったとは。 ――おっと、いけない。 村本の性指向なんて今は考えるな。俺たちから男のキモチヨサをたっぷり味わってもらって、料金を支払った価値があった、と満足してもらえたら、それでいい。 この仕事を始めるにあたって日下さんからそうアドバイスしてもらっただろう? 『無料奉仕じゃなくてお金を頂く以上はプロとしてしっかり割り切ってやってくれ。だが、無理してまで客の要望に合わせる必要は無いし、できない事はできないと断ってお帰り願えばいい。 その上で、客の立場になって気持ちいいひと時を楽しんでもらえるよう頑張ってくれ』 何もなかった空きテナントを立派な「プレイルーム」に仕上げたのは日下さんだ。 ベッドやソファ、貴重品入れの金庫に全身が映せるミラー。他にもゴムやローションなんかの消耗品に、ディルド、バイブなどのアダルトグッズまでも。 『昔のツテがあるから格安で譲ってもらえた。何か欲しいものがあったら追加するから遠慮せずに言ってくれ』 結局テナント料だって当初の半額にしてくれたし、まさに開業祝いの大盤振る舞い。 どうしてここまで親切にしてくれるのか、と聞いてみれば、『二人のファンとしちゃ当然だろ? お前らは、ええと、なんだ? 今風に言や、俺の推し、だからな!』 快活に笑いながらロードバイクのパーツをくみ上げていく日下さんに俺も誠二もトキめいた事は言うまでもないだろう。 3人一緒にバスルームへ入った。 村本はすぐに俺の大胸筋を揉み、そしてセイジを引き寄せ尻に手を伸ばした。 「すげぇ、筋肉の弾力、しっとり吸い付く肌のなめらかさ……。触ってるだけで気持ちいい……」 「俺も気持ちいいです。もっと強く揉んでくれて大丈夫ですよ?」 「浴びる前に一発射精しておきます?」 膝を折って中腰になった村本が、俺とセイジに挟まったまま俺たちの股間を間近に見つめた。 「すげぇ、カズキさんのチンポはバキバキにデカいし、セイジさんのココ、マジでマンコになってるし……」 村本に見られているだけでチンポの奥がじりじりと炙られるように疼く。ラブドールだから視線を浴びるだけでも感じてしまう。 「触っても良いんですよ? 今は俺もセイジもあなただけの『ラブドール』ですから。ヤりたいこと、ヤッて欲しいこと、目一杯かなえて下さい」 「じゃ、じゃぁ、俺に敬語じゃなくて、その、兄貴っぽい口調で話してください!」 セイジと俺の目が合う。互いにニンマリと微笑んだ。 「それじゃぁ、今からそうさせてもらうぜ? ええと――」 「俺はマサルです。マサルって呼んでほしい」 予約や受付段階では連絡先の電話番号以外は偽名やイニシャルでもOKにしてある。 俺も誠二も村本の名は知ってはいるけど、知らないフリをしていないと怪しまれるのでこっからは「マサル」で統一する。 「じゃぁマサル、まずはどっからだ? 俺のチンポを味わうか、セイジのマンコを味わうか。ケツ使えるんなら両方いっぺんに味わう事もできるぜ?」 「な、舐めたいっす……。カズキさんのチンポも、セイジさんのマンコも舐めてみたい……今すぐ……」 俺も誠二もグッと腰を突き出した。 「いいぜ? 心ゆくまで舐めて味わってくれ」 「マサルの舌に期待しちまって、ほら、もう俺のマンコはヨダレが出まくってる」 バスルームの中に卑猥な臭いがムワァと漂う。3人の体温がこもって汗ばんで来る。 マサルは時折自分のチンポをシコリながら夢中になって俺のチンポととセイジのマンコを舐めまくる。 俺とセイジの先走りとマサルの唾液で口元はすっかりべちょべちょに。だけど、マサルは嬉しそうに舐めしゃぶる。 「すげ、こんなデカいチンポ、見たことねぇ……。マンコってここまで濡れるんだな、スゲェ……二人のカラダもスゲェ……、ううっ! イ、イクゥッ!」 マサルのやつ、俺らへのご奉仕だけでイっちまいやがった。しかも仕上げは俺とセイジの筋肉ときた。 バスルームの床と俺たちの足元にぶちまけられた白濁液。 先走りよりも濃い雄のニオイが立ち昇る。 「よし、本番はここから、だろう? マサル」 セイジがマサルに向かって舌なめずりをして見せた。 「そりゃそうさ。いつもとは違う快感を楽しみにきてんだからな! マサルが嫌だと言っても帰さねぇぜ?」 俺はマサルの顎に手をかけクイと俺に向かせた。 「は、はい……。俺も、ま、まだ、全然、足りないっす……。タンクが空っぽになるまで、俺、とことん二人とヤリ尽くしたい!」 ここまでまっすぐな瞳で性欲をぶつけられたら応えないわけにはいかない。 ただ、それだと2時間なんかじゃ到底足りなくなる。 それでも、だ。 それでも不完全燃焼で帰ってもらうよりちゃんと最後の一滴まで精液を搾りつくして欲しい。 脳内を快感物質で満たして、思い切り腹いっぱいになるまで雄の快楽を味わい尽くしてほしい。 な? セイジだってそうだろ? 俺たちだって中途半端じゃ終われねぇもんな? 「なぁ、マサル。多分2時間は余裕で超えちまうが時間は大丈夫か?」 「えっ!? もちろん大丈夫だけど、延長料金になるっすね……、予算オーバーしないかな……」 「いや? それは心配いらねぇ。俺たちからの提案だしな」 セイジが割って入った。 「そうそう。マサルさえ良かったらこのマンコが孕んじまうくらい種汁をいっぱいぶち込んでくれよ!」 「ちな、俺もセイジもアナルはモロ感だ。だもんでケツにぶち込んでも構わないぜ?」 「ご、豪華過ぎる……。マンコもチンポも、でもってアナルまで楽しめるなんて……、それに……」 すくっと立ち上がったマサルが俺の大胸筋に顔を埋めた。 「夢見てるみたいだ……。こんなデカい雄っぱいを、こんな直接に吸えるなんて、俺、俺……」 「おいおい、マサル~? 吸うなら俺の乳にしてくれよ~。ちゃんとミルクも出るんだぞ~?」 「まぁ待てよセイジ。マサルに俺の雄っぱいを堪能させてやろうぜ? すぐに出せるお前と違って俺は中々出てこないんだし」 見た目は瓜二つでも微妙に性能が違うようでセイジのよりかは乳首がイクのに時間がかかる。何倍も、って訳じゃないけど。 「は? カズキさんもセイジさんも冗談では無くてマジで乳が出るんですか?」 二人同時にこう答えた。 「俺たちのミルクはそこいらの精力剤よりもチンポに効くぜ? たっぷり飲んで、どんどん精液をぶっ放してくれ!」 効果のほどは日下さんとのセックスで実証済み。飲めば飲むほどイヤラシくみなぎってクる。 それに、『ラブドール』のラブジュースは雄っぱいミルクだけじゃないけどな! ◇ 「――それで? どうだったよ? 俺らとのツーリングは」 「面白いんだなぁ! 自転車で遠乗りって」 「おいセイジ。自転車だなんてダサいって。ロードバイクだろ?」 平日ど真ん中の水曜日、湖畔に突き出るカフェのウッドデッキで爽やかな風を浴びながら、日下さんをリーダーとするロードバイクチームのメンバーと一緒にランチを食べている。 日下さんとはもちろん俺たちが住んでいるアパートの大家であり、アパートの隣の持ちビルにてサイクルショップを営んでいる人物なんだが、ある事がきっかけで日下さんからの援助を得た俺とセイジは、サイクルショップが入っているビルの3階を使って、性風俗店、いわゆる「売り専」をするようになった。 開業届や風俗営業許可と言った公的機関への手続きから接客の基本やプレイへの自然な誘導、料金設定から金銭の管理、必要な備品の準備や家具までほぼすべてを用意してもらえた。 「俺が保証する。お前たちなら絶対に人気が出る。客が絶えることは無い。初期費用なんざすぐに回収できるしテナント家賃も払えるだろうな。 てかさ、俺にそこまでさせるくらいの見た目とエロさを持ってるって二人とも自覚あんのか?」 「だって、この姿は俺ら本来の姿じゃないですし」 「和希の言う通りです。俺も和希もスキンを着てマッチョに変身してるだけなんですよ」 日下さんはゆっくり首を振った。 「いいか? 本物かニセモノか、なんて関係ない。化粧すりゃブスでも美人になれるようなもんだ。その点を問うとしたら見る側だけの問題であって、お前らは少なくともスキンを着てる間は身も心も超絶イケメンエロマッチョになってる自覚を持っててくれ」 なんて、おだてるし発破をかけてくるもんだから、すっかり日下さんのペースに乗せられあっという間にオープン初日を迎えていた。 湖面のさざ波に日光がきらきら弾ける美しい風景を見ただけで心が洗われて行く。 口にするカフェのランチプレートだって素材の味がしっかり感じられ、どれもすこぶる美味しい。 「日下さん、チーム名と同じ『カロス・ケロス(ギリシャ語で「素晴らしいお天気」)』な日にツーリングに誘ってくれてありがとうございます。ツーリングってとても気分がいいですね」 スープカップをテーブルに置いた日下さんがニヒっと笑った。 「そいつは良かった。気に入ってもらえたんなら何よりだ。しかし、凄ぇな。カズキもセイジも。初回でここまで息を上げることなくついて来れるなんて。その太股は伊達じゃねぇって訳だ」 スプーンを置いたセイジがカラダにぴったり張りつくサイクルスパッツ越しに太ももをパンと叩いた。 「メットやウェアまで一式、マジでもらっちゃっていいんすか? 日下さんのお財布事情が心配になってくるんですけど?」 「心配はいらねぇよ。援助したのは俺だけじゃねぇし」 『そうそう。カズキくんたちと走りたいって思ってる皆からのプレゼントだからね!』 俺のすぐ後ろにヘルメットとサングラスをつけた人物が立っていた。 スキンで変身してる俺たち並みに太ももがパツパツに太く、サイクルウェア越しでも分かるくらいに逞しいガタイの男。 空いてる席にスッと座ってサングラスとヘルメットを脱ぐ。渋さとチャーミングさが絶妙に混ざり合ったイケメンだ。 「あっ! あなたは――」 男は全てを言いかけた俺に「内緒に」の意味で自身の唇に人差し指を立てた。 「一応、チームの中では知ってる人もいるけれど、どこからどう伝わっていくか分からないからね?」 「おう。ちぃっと用心してやってくれ。こいつにもお前らの店の開業には大いに尽くしてもらったからな」 この男の人は全部お膳立てされたとはいえ俺たちが風俗を開業するにあたって、最終的に許可を下ろした公的機関に対してとても顔が利く人物、と日下さんから聞いている。 年のころは日下さんと同じ30代半ばに見えるけど実際にはもう少し上だろう。ともあれ何らかのお偉いさんに違いない。 そして、開業間もない頃に客として俺たちとプレイを楽しんだ人物でもある。 「いや、友則(日下さん)にばかり君らを独占されてるのが癪だからさ、ちょっとくらい私にも『推し活』させてくれ、とね」 「ちょっとだけ、だぁ? よく言うよ。お前のわがままを飲まなきゃ許可証没収するかも、とまで言いやがって」 不貞腐れる日下さんを横目に男はふっと笑ってから俺たちにこう言った。 「ファンとしては夜の姿だけじゃなくて昼の姿も見たいと思うのは自然なんだけどな。そのためのセッティングをちょっと頼んだだけ、なのにねぇ」 男は笑みを湛えたままセイジと俺をじっと見つめた。 「私と同じように思ってる人は他にも居てね。良かったら彼らとも話しをしてやってくれないか?」 「彼ら?」 振り返ると『カロス・ケロス』のメンバー全員が並んでいた。日下さんや男を除く総勢8人。年齢は20代から40代で全員が男性。 「いや~、ここまでカッコイイなんてな~。目的地に到着するまで俺らしくもなく気後れして声を掛けられなかったぜ~」 「ですよね! すぐに股間が反応しそうで、危く別のモノを漕ぎそうになりますよね!」 一同が「俺もだ!」「まったくだ!」なんて返しながらドッと笑った。 「ええと、ロードバイクチームの皆さん、ですよね?」 「そう。今朝から一緒にここまで走って来たメンバーだ。と、同時に君たちの予約が一向に取れなくてひもじい思いをしている飢えた狼どもでもある」 男の言葉を裏付けるようにメンバーたちのサイクルスパッツが普通の「盛り上がり」ではなく明らかに勃起したカタチに膨らんでいる。 日下さんがため息を吐いた。 「黙っていて悪かった。こいつら、必死に頼み込んで来やがるから俺もついに折れちまってな。時間外労働をさせたくはなかったが、ここは一つ、俺に免じて相手してやってくれないか」 「この近くにあるコテージを押さえてあるんだ。今夜の開店時刻までには戻れるようにする、と約束するよ」 時計を見れば丁度午後2時。 帰路は車だから営業時間まで5時間ほどの空き時間がある。 「俺は別にOKですが、セイジは?」 「もちろんOKだ。こんなに美味そうなモッコリを見せつけられたら、何もしない訳にはいかないもんな」 「友則はどうする?」 男の声に日下さんは照れながら答えた。 「い、行くに決まってんだろうが……」 「だってさ。食べ終わったら早速移動しよう」 湖面のきらめきは角度を変えた陽射しによってより強く輝いている。 山裾から吹き下りる風に乗って燕が一羽、スッと視界を横切っていった。 迷いなく一直線に飛び去っていく姿を見送った俺は、誰にでも無く「和希」に向けこう言った。 「さぁて、開店前にヒト仕事、頑張るとしますか!」 終 【人物紹介】 丸岡 和希(まるおか かずき)20歳 大学生 拗らせ童貞そのイチ。主人公。 大杉 誠二(おおすぎ せいじ)20歳 大学生 拗らせ童貞その二、和希の隣人にして友人 日下 友則(くさか とものり)35歳 スポーツサイクルショップの店長兼アパートの大家。 和希と誠二に夜の仕事を勧め、仕事用の場所を提供。 村本 勝(むらもと まさる)20歳 大学生 売り専ルームに来た客。和希、誠二の知り合い。 西森 高広(にりもし たかひろ)43歳 弁護士 日下とは15年来の交流がある人物。日下の〇〇〇であり後見人。 都会の底辺でくすぶってた日下を風俗とは言え仕事に就かせた人物。 日下の父親が急死し事業や家屋など相続する際にも協力した。