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鷹取リュウゴ
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寄生魔竜人の性蝕アドバンテージ 16

 他の魔竜人のノリに気後れしたまま東城たちと一緒に辰ケ引高校と言う場所にやってきた。 始めて目にする始祖様は目を引くほどのイケメンで女子受けの良さそうな男だったが俺は饗庭野の方がエロさは上だ、なんて無礼な比較をしていた。 しばらくはこの辰ケ引で生活する流れになったが、饗庭野とは離れて暮らすことになってしまった。 ただ、饗庭野が去り際に言った「こいつらを守ってやってくれ」とは何のことなのか……。 ********* 16赤魔竜人と情報屋  H大学近くのアパートから東城と一緒に魔竜人の始祖がいる辰ケ引高校ってところへ行く事になったのは饗庭野を魔竜人にした二日後だった。 ところが東城の弟くんからの追加連絡で「種」を与えたアパートのヤツだけではなく、H大学近辺で植え付けた魔竜人を全てを招くとの事。 はっきりとした理由は分からなかったが「始祖様」については全員が興味津々だったので特に異論は無く一緒に向かうことになった。 対面する前から「光栄だよな! 俺らまで気にかけてもらえるなんて!」と尊崇の念を抱くヤツもいたが、俺はなぜかそこまで始祖を仰ぐ気持ちになれていない。 東城でさえ「あの御方に会えるのはマジ楽しみだ。吾門もそばでかわいがってもらっているようだし、マジありがてぇ」と、敬意を持っているってのに。 魔竜人として俺は異分子、失敗作だったのか? 東城の後に続いて辰ケ引町に向かっての飛行中、並んで翼を羽ばたかせていた饗庭野に怪訝な顔をされてしまった。 「どうしたんだい? 浮かない顔をしてるじゃないか。何か悩んでいるみたいだけど」 俺が魔竜人にした饗庭野は特ダネを求めてH大学と獣人の噂をかき集めその過程で東城に行きついた、と白状した。 拍子抜けはしたが同族として嘘をつける筈はないので東城と一緒に「なんだ、マスゴミらしく浅ましい動機でネタを漁りに来てただけかよ」と嘲笑したが、人間の姿の時も魔竜人に戻った時も饗庭野はとても肉付きがセクシーなため俺は饗庭野とも交尾を行い「種」を産み出す関係になっていた。 「いや、何でもない……」 「同棲までしているってのにつれないな。俺って沢村の中じゃその程度の存在だったのか……」 正直に言うと、俺は饗庭野が好きになっていた。俺を魔竜人にしてくれた東城よりも。 魔竜人だからどの魔竜人にも欲情はするけれど、饗庭野には自分とだけセックスして欲しいなんて、魔竜人らしくもない占有欲まで湧き上がる。 同棲させているのだってもちろん俺が惚れたから、「もうしばらく監視しておきたい」なんてもっともらしい理由を述べたけれど鈍い東城でさえとっくに俺の本心を見抜いているだろう。 「ち、違っ……。実は――」 俺は魔竜人の始祖に対して抱いている気持ちを饗庭野に伝え、「ここだけの話しにして欲しい」とも付け加えた。 「――なるほどな。でも、俺だって一緒だ。まだ顔すら知らない相手に心が動く筈ない。むしろフラットな状態で会える方が良いと思うけど」 「そんなもんかな」 「種を植え付けた東城に対して忠誠を感じないのと一緒だろ?」 「まぁ、それはそうなんだけど……」 俺に「種」を寄生させ魔竜人に変えた東城に対して、好意も感謝もあるけど従いたい、尽くしたいとまでは思わない。 饗庭野はそれと同じ、と見ているけれど吾門くんからの言葉を伝えた時の他の魔竜人の静かな興奮がやっぱり気にかかる。 「おーい! そっちの結界、薄くなってないかぁ! もっとしっかり張ってくれよ!」 前を飛ぶ東城が振り向いて俺や饗庭野を叱る。 饗庭野が「すまん、すまん!」と謝ってるのを横目で見ながら改めて結界に意識を向け直す。 魔竜人が12体、集団で空を飛んでいる様子を地上の人間に見られては困るもんな。 下を見れば住宅がばらけて緑の領域が増えていた。 もうすぐ目的地、辰ケ引高校のある辰ケ引町に到着するんだろう。 ◇ 「皆さまお疲れ様でした。クロム様をお呼びしますのでこちらへ」 校庭に降り立った俺たちを出迎えたのは黄魔竜人だった。 「さっきのが弟の吾門くんだろ? んで、クロム様ってのが俺たち魔竜人の始祖なんだっけ?」 大きくうなずいた東城が苦笑した。 「吾門のやつ、皆の前だから妙に気を張りやがって。クロム様からも何か言われてるんだろうな。丁重に出迎えろとかさ」 背を向けて先導する吾門くんは校舎の中に入ろうとする。 「皆さん、通路が狭いので翼をしまって一旦人間に擬態してください」と言うと吾門くんも人間、高校生の姿になった。 階段を昇り二階に上がったら校舎の端の渡り廊下を越え体育館の中に入っていく。 「体育館で面会するのか?」 東城が聞くと弟の吾門くんが「そうです。教室では狭いので体育館を使うことになりました。ただ、他の仲間たちもすでに放課後の務めに励んでいますので少々騒がしくなっています。そこはどうかご了承を」 体育館の両開きドアを開ける吾門くん。 彼に続いて俺たちも続々と中に入った。 「うわ、これは凄いな……」 ムワァと鼻奥まで潜り込む濃厚な精液の匂い。 湿った空気が充満する中に見えたのは多くの魔竜人たちが快感に喘ぎ、狂喜しつつセックスに興じている光景だった。 俺も東城も仮島先輩も即勃起し、エロい欲望がムラムラ膨らんでしまう。 と、ここで饗庭野が堪えきれなくなったのか俺にキスを仕掛けて、やたらと濃厚な唾液をドロリと流し込まれた。 「ちょ! 急に何やってんだよ!」 「いや~、なんか沢村には飲ませておきたくなってさ」 なんて、意味不明な理由でもって誤魔化しやがる。 「クロム様への挨拶が済んだらいくらでもできるってのに……」 俺だって何とか我慢してんだから空気読んでくれよ、とぼやいたものの饗庭野はどこ吹く風。 でも、その強引さにときめいたのも事実。あ~、今すぐ饗庭野と食事&交尾してぇ~。 「皆さん、もう少しだけ我慢してください。向うの壇上にて皆さんにクロム様からのお言葉を頂きますので」 なんて、内心を見透かされたように吾門くんにまでやんわりたしなめられちまった。 それにしても――、左を見れば巨大な魔竜人チンポをオカズとして見せつけ周囲の魔竜人にオナニーをさせている集団がいて、 右を向けば人間に擬態させた魔竜人を10人ほど壁に手をつかせて並べ、差し出しているケツにデカい魔竜人チンポを次々とぶち込み情けなく喘がせている魔竜人たちもいる。 また視線の向きを変えれば互いに抱き合いスリットにチンポをうずめて交尾する番(つがい)もいて、その隣では尻尾で互いのケツをヌプヌプいじりながらフェラで精液を味わう者たちもいて俺も今すぐ混ざりたい気持ちに駆られる。 やがて体育館の壇上に上げられた俺たちは、置かれている椅子に座って俺たちの始祖を待った。 もちろんその間も生々しい喘ぎ声は耳に入るし卑猥にカラダをまさぐり合う姿だって視界に入っている。 くちゅくちゅ、ぬちゅずちゅ……、ブジュッ、ドチュッ……、ジュルルルッ、グチュゥッ……、バチュッ、ズパンッ、ズリュリュリュ……。 耳に入る卑猥な音色で生唾を何度も飲み込む。くっそぅ~、ああ~、もう挨拶なんか後にして早くセックスしてぇ~!  「――皆、お待たせ」 声を受け顔を上げると舞台袖から若いイケメンがにこやかにやって来た。俺とそんなに変わらない年齢に見える。 起立して一礼。 「あ~、堅苦しいのは無しにしよう。気楽にしてくれて構わないから」 始祖が着席したので俺たちも再び椅子に腰を下ろした。 「さてと、俺が君らの大元の魔竜人だ。『松宮 黒夢(まつみや くろむ)』って名前でこの高校の生物教師なんてのをやっている。でもって、俺が産んだ種が流れて君たちは魔竜人へと転生した訳だけど、その辺りは理解できてる? 面倒な説明はいらないよな?」 何となく脳内に流れ込む知識と感覚によりそれは事実だと受け止められている。 そして、確かに目の前にいる人物こそ始祖「クロム」様である、と。 「早速だけど俺からお願いしたい事を先に伝えさせてもらおうか」 小さく咳ばらいをしたクロム様がじっと俺たちを見ながら口を開いた。 「お願いしたい事は3つ。まず、今からは『種』づくりをここ辰ケ引高校の中でやって欲しい。この高校は俺の結界によって周囲とは隔離されているし、ただの人間が中に入った場合は普通の高校に見える認知改変が自動的に為されている」 降り立つ前に結界の膜は感じられたが学校ごと認知改変まで行われるってのは凄まじい力だ。 俺も東城も自分とその周囲だけで手一杯なのに。 「二つ目は、皆が産んだ『種』を俺に託して欲しい。高校全体に結界を張るためのエネルギー源に使いたいし、皆の能力をより強くする為の研究に必要だからさ」 大事な大事な繁殖用の「種」を繁殖以外で使うのか。 東城も仮島先輩も小さくうなずいていて異論は無さそうだけど……。 「三つめは、研究の結果仕上がった強化液を飲んで欲しいんだ。もちろんカラダに悪いものじゃない。ただ、どんな魔竜人にも効くのかどうかを試させて欲しくってさ」 クロム様の背後から吾門くんがいくつものグラスを乗せたトレーを持って現れ、俺たちにグラスを渡していく。最後にクロム様にも一つ手渡し後ろへと下がった。 グラスの中の液体はイカスミみたいに真っ黒。マジでこんなもの飲めるのか? 「大部分は俺の精液だ。そこに複数の『種』を混ぜ合わせて作り出している」 そう言うとクロム様は自分のグラスをグイッと飲み干した。 「ぶっはぁ、うんめぇ~」 美味しそうに息を吐くクロム様を見て東城も仮島先輩もゴクリ、ゴクリと飲んでいく。 「うは! 美味ぇっ!」 「極上の精液味だぜ!」 「毎日でも飲みたいな!」 次々と黒い精液への賛辞の声が上がる。 すると背後から饗庭野が「ここは皆に合わせて大人しく飲んだ方が良さそうだ」と耳打ちをしてきた。 ハッと顔を前に向けるとクロム様が俺をじっと見つめて、というか睨んでいるじゃないか。 俺は慌ててグラスの中身を飲み込んだ。 「うわ~! マジで美味しい! 今まで飲んだ精液の中で一番かも!」 クロム様はニンマリと微笑んで擬態を解き、艶やかな黒い皮膜と鱗に覆われた黒魔竜人の姿になった。 「君らも今日からここの住人だ。細かいことはお伽衆の吾門から聞いて欲しい。それと――」 俺? じゃなくて俺の後ろの饗庭野にクロム様はおっしゃった。 「そこのお前は今から俺のお伽衆に加わるように。お伽衆としての役目なども吾門から教わってくれ」 俺たちよりもひと際大きな体格と、エロい筋肉に覆われた黒魔竜人が舞台から降り、体育館からも去っていった。 「意外と気さくな始祖様だったな!」 「こんなに同族が集まっているなら毎日セックスし放題じゃん!」 「今日からここで交尾できるなんて最高じゃね? ほら、あんな美味そうなガタイの魔竜人があっちにも、こっちにも、うひひ!」 体育館中で繰り広げられている光景にヨダレが垂れ落ちてしまうのは理解できるけど、なにか大事な、基本的な事を忘れてないか? 俺らって産んだ「種」を人間に寄生させて繁殖し、勢力を拡げて行かなくちゃダメなんじゃないのか? なのに、結界で安全だとしても高校の敷地にこもって繁殖に使われない「種」を産み続けていても良いんだろうか? 考え込んでいると饗庭野がまた俺にささやいた。 「しばらくはここの流儀に合わせておこう。一人だけ浮いた存在になって目立つのはイヤだろ? 俺はお伽衆ってのに加わることになっちまったから別行動になるだろうが、何か気になる事があったら遠慮なく相談してくれ」 「饗庭野……」 一旦はクロム様と一緒に舞台袖に引っ込んだ吾門くんが戻って来て、「これから皆さんが暮らすお部屋をご案内します。それでは、こちらへどうぞ~」 と、誘導を開始した。 早くセックスしたくてうずうずしてる一団は解きかけた擬態をもう一度人間に戻し、たっぷり後ろ髪を引かれながら体育館を離れこれからの生活拠点として割り当てられる建物へ向かった。 「いったん高校を出ちまうんだ?」 「そうなんです。不便で申し訳ないんですが、高校の寮や施設は満員になってしまって」 高校の敷地の外、つまり辰ケ引の街に出た。 すっかり過疎って活気のない通りには人が住んでいない空き家がいくつもあるそうで、その中の比較的大きい一軒を俺や東城、仮島先輩が使うことになった。 精液さえあれば飢えることは無いけれど、食堂が近かったので時にはそっちで人間風に飲食するのもアリだろう。 「饗庭野さんはお伽衆に加わりますので職員寮にあるお伽衆専用の部屋を使っていただくことになります」 付いてきた饗庭野と一緒に居られないのは寂しいけれど、ひとまずクロム様の指示通りにしていよう。 家の中をあれこれ見ていると饗庭野がまた俺の耳元でささやいた。 「沢村と一緒じゃないのは残念だが仕方ないよな。取りあえず沢村はここで生活する他の魔竜人を守ってやってくれ」 「え? 守るって?」 ここで「饗庭野さーん、もう高校に戻りますよ~」と呼ぶ吾門くんの声が届いた。 「おっと、東城の弟くんに呼ばれちまった。んじゃ、行って来るとするか」 饗庭野の言葉が引っかかったものの、真意を聞く前に吾門くんが来て一緒に高校の方へ戻ってしまった。 「……まぁ、いいか。部外者に悟られないようにって意味だろうし」

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